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2013.10.26

不況と戦争の記憶

War memories surface in Greece as German auto makers feel anti-austerity blow - 緊縮財政にあえぐギリシャでの市場調査で、戦争の爪痕が明らかになったという記事。

War memorial inscription by Martin Belamギリシャでは、ナチス・ドイツが残虐行為をはたらいたので、反独感情があって、ドイツの自動車企業はギリシャ市場で苦戦していました。それでも、緊縮財政が始まる直前の2000年代後半には、着実に市場シェアを伸ばしていました。しかし、これは EU による緊縮財政が敷かれてから一変し、その後は市場をどんどん失いつつある、という話です。

さらに、ギリシャ国内を地域ごとに見ていくと、第2次世界大戦当時、ドイツ軍による残虐行為が多く、レジスタンスが盛んだった「殉教者の街」と呼ばれる都市を含む地域でドイツ車の売れ行きの落ち込みが著しいことが分かりました。70年前の戦争の記憶がまだ生きているのだ、ということです。

Vox という経済学のサイトに載った Vasiliki Fouka, さんと Hans-Joachim Voth さんによる "Massacre memories: German car sales and the EZ Crisis in Greece" という論文に詳細があります。

私たちの国を取り巻く状況でも、同じようなことが言えるでしょうか。もしかすると、そういう研究が既にあるかもしれませんね。

写真は Martin Belam さんが CC-by-sa で公開しているもの。写真に添えられた説明によると、ギリシャ国内に建てられたドイツの慰霊碑で、「遠い異国の地でより偉大なドイツのために命を落とした者たちに感謝する」と刻まれているとのことです。終戦前に建てられたのでしょうかねえ。ちょっと信じられないような文言です。

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2013年 10月 26日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

ふつーにこの記事読んで思うのは、ギリシャのバカさ加減と人間がもつ逆恨みの恐ろしさですわ。もう少し掘り下げると、ドイツはギリシャに緊縮財政しろと命じている。でも、ギリシャはふざけるなという。まあ当然ですね。んで、とった行動が反ドイツ。戦後賠償の要求やら先進国の搾取が云々。
まあちなみにギリシャはトルコに対しても、現在ヘイト度合が増している。オスマン時代の恨みかね。
まあこの記事の趣旨は、明言してないけど日本を暗に批判してるものだから、あまりギリシャ情勢を述べても野暮か。
こう言っては身も蓋もないが、だいたい隣国や近隣国同士は仲悪いもんで。ドイツはオーストリアをバカにし、オーストリアはチェコを、チェコはポーランドやハンガリーを、そしてポーランドやハンガリーは旧ユーゴ圏を。
ギリシャがとっている態度はかなり政治的で、ナショナリズムの発露。戦争の記憶なんぞもってなく、反ドイツもチンケなもん。
あ、ちなみに、私はギリシャに仕事で三年間いるのね。最近、日本に短期で帰ってきてるけど、さて今、日本と韓国のあいだでのいざこざってのも似てるもんがあると思うね。
戦争の傷痕、そんなもの第二次世界大戦終わって70年、あるわけない。ギリシャは、破綻後、それを発見したのです。

投稿: 阿久津 | 2013/10/26 23:55:04

今度、エントリーを書こうと思いますが、わたしの子どもの頃(60年代)、親たちは中国とか韓国・朝鮮の人がテレビなどにうつると「日本人とかわらないわよねー」てな感想を言っていました。嬉しそうというほどではないけど、親近感というような感じでした。まあ、欧米のものは何でも上等で外車はあこがれの的の時代ですから、気圧されるような白人より、日本人と同じ顔の東北アジアの人の方に親しみがあってもおかしくはないかもしれません。

 一方でその頃は、大人たちは「朝鮮・台湾を植民地にしてごめんなさい」みたいなことは、あんまり言わなかった。学校でもそんなに「日本が悪い」みたいな教わり方をしなかったと思うけど……。一般の人は「日本の植民地だったから朝鮮の年配の人は、日本語が話せるのよねー」なんぞと無邪気に言っていたように思う。

 中国は政治体制が違うから、なんか得体が知れないと思っていたかもしれないし、ほどなく文革が起こって苛烈な様子が伝わってきました。でも、当時の日本人は、中国にも韓国にも同じような顔立ちという点で親しみを持っていただろうと思います。
 それが、最近は「韓国嫌い」って人が目立つのが不思議です。日本は、経済がうまくいかないとかいう環境の中、韓国嫌いの感情を、どこかで発見したんでしょうね。

投稿: kuroneko | 2013/10/27 0:38:36

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