さようなら、富田倫生さん
青空文庫呼びかけ人の富田倫生さんが昨日亡くなりました。ご冥福と、遺されたかたがたの心の平和を祈ります。
13日の朝に、同じく呼びかけ人の八巻美恵さんから、至急会いに行くよう連絡があり、慌ててお見舞いに行きました。文字コードのこと、著作権保護期間のこと。この十数年、青空文庫の集まりがあればいつも話し合っていたようなことを長い時間話して、疲れさせてしまったかもしれません。富田さん、ごめんなさい。
「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えを極めて具体的に実証してくれた富田さんには、一読者として、青空文庫工作員として、そしていろいろな意味でこの時代をこの社会で生きる者として、心からありがとうと言いたいです。
何年も病気と闘ってきた富田さんは、実に強い人なのかもしれないのですが、彼が書いた次の言葉は、生前の彼の働きを的確に表わしているように思えます。「弱い者が、弱いままに書いた言葉が、波紋のように静かに広がった印象を受ける」。彼の遺志を受け継いでいく私たちも弱い。でも、あなたが作った波は、必ずこれからも大きくしていきます。見ていてください、富田さん。
写真は何年か前の集まりで撮ったものです。CC-by で。
2013年 8月 17日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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コメント
富田倫生さんに、心からのご冥福をお祈りいたします。そして青空文庫を作ってくださってありがとうとございます。富田さんとご家族、また青空文庫の工作員のみなさまにお悔やみ申し上げます。
(富田さんの遺志は絶えまなく拡がって行くことを願って。)
投稿: tae | 2013/08/17 0:27:14
tae さん、コメントありがとうございます。
訃報を聞いて丸1日以上経つのですが、なんか、まだ虚ろな気持ちです。最期まで青空文庫のことを心配していらした富田さんを少しでも安らかに休ませてあげたいです。
投稿: うに | 2013/08/17 21:36:58