Indian villagers defeat British billionaire over plans to mine sacred mountain - インドで、ある鉱山開発計画を市民が中止に追い込みました。
東部のオリッサ州 Niyamgiri 地方でボーキサイトを採掘する計画を Vedanta Resources という会社が立て、2005年に州政府と合意しました。計画は、開発の見返りとして、現地の「未開部族」(backward tribe)の村に学校や病院を建てるという項目も含んでいました。
しかし、Dongria 民族の人々は、Niyamraja の丘で始められた工事に強く反発しました。丘は、ドングリアの人々にとって神聖な地だったからです。
開発の差し止めが申し立てられ、この春、インド最高裁は、村ごとに集会を開き、そこで開発の是非を決めるようにという裁定を出しました。
7日、12の村のうち10番目、最大の村で集会が開かれ、全会一致で開発の拒否が決せられました。これでニヤムギリの開発の中止が確実となりました。
インドでは、かの国の民主主義の歴史の中で画期的な出来事だと評されているそうです。政府が「未開部族」に自分たちの将来を決めることを許した初めてのケースだから。
私は高度成長期に育ちましたから、心身ともに開発発展に慣らされてしまっています(そして、その考えかたの崩壊を東電福島第一原発の破局的な事象の中に見て、立ち尽くしています)。また、教育に携わっていますから、学校というものの価値を信じています。そういう私には、開発を拒み、学校のない社会の持続を選択したドングリアの人々を心の底から祝福することは難しいのですが… でも、とても考えさせられます。
記事の最後に、小さな子どものお父さんの言葉が紹介されています。「この子が学校に通ったら、この子は山を出て行き、外の生活を学んでいくだろう。そして、彼は私たちの土地を大会社に売ってしまうだろう。学校では、自然とともに生きるすべなど教えてくれはしない。かわりに搾取によって生きていくすべを教えるんだ。」
ドングリアの子どもたちの写真は Lou Gold さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。