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2012.01.31

希望の薬

Could A Club Drug Offer 'Almost Immediate' Relief From Depression? - うつ病に即効性のある薬について、アメリカの公共放送 NPR の番組から。30日の放送ですが、他のメディアではもう1年以上前から取り上げているところもあるようです。

Metro by mr_thomas薬の名前はケタミン(ketamine)で、麻酔薬です。鎮静剤として獣医さんなどで使われるようですが、日本では麻薬に指定されています。点滴で投与すると、ほんの数分で効果が現れるそうです。

現在使われている SSRI などの抗うつ剤が新しい神経細胞を作ることによって脳の働きを高めるのに対し、ケタミンは脳グルタミン酸(glutamate)組織に働きかけて既に存在する神経細胞の間のつながりを活発化させる(だから効き目も速い)のだそうです。

ケタミンを投与された人は「頭から幕が取れたような感じ、霧が晴れたような感じ、うつになったことなどなかったような感じ、仕事に戻れると感じた、社会に貢献ができるように感じた」などと話しています。

今の私はわりと落ち着いているので、この薬は必要ないかもしれないのですが、こんなふうに感じられたらすばらしいだろうなあというのは、すごくよく分かります。必要としている人たちのもとに、少しでも早くこの薬が届くことを祈ります。

そういえば、「鬱」の字が常用漢字に入ったんでしたね。漢字で書けばよかった。この漢字、「リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲んだ」って覚えるといいっていうの、知ってました?

写真は mr_thomas さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 31日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.30

生まれ変わった街の地図

Harlem merchants band together to put Frederick  Douglass Blvd. on the map with a colorful biz guide - ニューヨークのハーレムというと、空き家になった店舗や麻薬密売人などが思い浮かび、足を遠ざけがちですが、最近は素敵な店も増えたという話。

Frederick Douglass Blvd by joseph aハーレムの目抜き通り、フレデリック・ダグラス・アベニューは、2004年に地区指定が変わって、開発が進み、多くの店が進出したそうです。それらの店を載せた地図が新たにできました。 Frederick Douglass Boulevard Alliance のサイトから PDF で入手できます。

ニューヨークに行くことがあるかどうか分からないけれど、とりあえず、本屋、ワインの店、スーパーマーケットの位置を調べておきました。面白いなと思ったのは、公文式の教室らしきものもあること。

再開発が進んだということは、逆に、前に住んでいた人たちが住処を失ったということかもしれず、ちょっと心配です。

写真は joseph a さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2012年 1月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.29

証言者がまた一人逝く

Kazimierz Smolen

Kazimierz Smolen, Director of Auschwitz Memorial Site, Dies at 91 - アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所跡地にあるホロコースト祈念館で館長をしていらっしゃったカジミェシ・スモーレンさんがお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意を捧げます。

スモーレンさんは1920年、ポーランド南部で生まれ、ナチス占領下ではレジスタンスに加わりました。捕らえられてアウシュビッツに収容されますが、奇跡的に生き延びました。戦後はずっとアウシュビッツ(現在のオシフィエンチム)で暮らし、ホロコーストの証言を続けました。

お亡くなりになったのは一昨日、1月27日。奇しくも1945年のソ連軍によるアウシュビッツ解放を記念する日だったそうです。

今、ポーランドをはじめとしてヨーロッパでは、いや、私たちの国も含めて世界では、また偏狭な民族主義が頭をもたげてきています。不安の中での旅立ちだったかもしれません。

写真は2001年夏にアウシュビッツでお話を伺った時のものです。

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2012年 1月 29日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.28

沈黙は加担

Tibet: 'Silence is complicity' - French Senator - フランスの Jean-François Humbert 上院議員(与党 UMP)が議会で「チベットに対するジェノサイドについて沈黙することは、それに加担することだ」という演説をしたというニュースです。

by clstalおそらく、オスマントルコによるアルメニア人虐殺を否定する言説がフランスで違法化されたことに連なっての発言でしょう。「昔のジェノサイドのことを知っても、進行中のジェノサイドに関心を払わなければ意味がない」という表現も見られます。

チベット人の抵抗運動に対する中国当局による武力行使が憂慮される昨今ですが、アンベール議員は「人々を肉体的に抹殺するのでなくても、言語や文化、記憶を取り上げてしまうことによっても、民族を消滅させることができる」とし、中国の強制的な同化政策がまさにこれにあたると述べています。

というわけで、今日の写真を選んでみました。この文脈では皮肉が過ぎるかなあ。Clstal さんが CC-by-nc-sa で公開している写真です。

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2012年 1月 28日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.27

四十年の抗議

Aboriginal activists demand Abbott apology - 昨日はオーストラリアの「建国の日」でした。最初の入植者たちが到着した日。先住民(アボリジニ)はこの日を「侵略の日」と呼んでいます。この日、野党自由党党首が行なった発言に対して、アボリジニが謝罪を求めています。

Aboriginal tent embassy, canberra by feral arts40年前の今日(1972年1月27日)、4人のアボリジニが首都キャンベラの元国会議事堂の前にテントを張り(地図。ストリートビューもあります)、オーストラリアの土地はアボリジニから奪われたものであることを訴え、アボリジニの土地所有権を認めない政府に抗議したそうです。

驚くべきことに、この「先住民テント大使館」(Aboriginal Tent Embassy)は、今日に至るまで実に40年間続いています。不屈の抗議行動に心から敬意を表します。

昨日の政治家の発言は、40年前は遥か昔であり、状況はよくなった、テント大使館の使命は終わった、というものでした。言うまでもなく、植民者の子孫たちとアボリジニたちの間には、依然として大きな経済格差があるなど、これは終息した問題ではありません。道はまだ半ばです。

否が応でも、経済産業省の前のテント行動と重ね合わせて考えてしまいます。原子力発電を推進した、そしてし続ける歴代の政府への責任追求は、始まったばかりです。

現在の先住民テント大使館の写真は feral arts さんが CC-by で公開しているもの。

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2012年 1月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.26

教育条例が作られた

Seoul education office to proclaim controversial student rights ordinance - ソウル市が新しい教育条例を制定しました。

민주주의 현장체험 그림 by 민주지기条例は、生徒の人権を守ることを主眼にしたもので、体罰の禁止、服装や髪型の自由、校内での集会の自由、そして、同性愛や妊娠中の生徒に対する差別の禁止を定めています。

似たような条例が既に京畿道と光州広域市でも制定されているとのこと。韓国政府はこれらの条例に反発しているため、今後、衝突が予想されます。なお、ソウル市は、生徒の権利条例に加え、教員の権利条例も制定することにしているそうです。

ソウル市民は、昨年、革新系の市長を選んだばかり。私たちもいい人を選びましょう!

写真は 민주지기 さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。韓国の子どもが描いた民主主義。キャンドル集会のろうそくでしょうか。「民主主義は与えられるものではない。勝ち取るものだ」。

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2012年 1月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.25

不法滞在、身代金、政局

Gatdula's religion not an issue – DoJ - フィリピンの国家捜査局(NBI)の Magtanggol Gatdula 長官が更迭されたのは、彼がカトリックではないためではない、とフィリピン政府法務省が説明したというニュース。ではなぜ更迭されたかというと、彼が日本人の誘拐に関わっていたから、とのこと。

by penmanila誘拐され身代金を要求されたのは Noriyo Ohara さんという30代前半の女性。いろいろと過去の記事を検索してみると(例えば、 "Japanese woman needs medical test")、その女性は、ヤクザから逃れるために2009年にフィリピンに入国。ルソン島北部のパンガシナン(Pangasinan)という街で不法滞在していたようです。

昨年11月29日、不法滞在の捜査を名目に NBI 捜査官が彼女の身柄を拘束しました。その後、NBI 関係者から彼女が同居していたフィリピン人家族のもとに身代金の要求が行なわれたようです。賄賂ということでしょう。しかし、高額な身代金の支払いにも応じたにも関わらず、彼女は1か月間、監禁状態に置かれます。この誘拐事件が明るみに出て、調査が行なわれる過程で、NBI 長官の関与が疑われるようになりました。

いろいろとはっきりしない事件のようですが、政府高官が更迭されたとなると、作り話というわけでもなさそうです。

日本ではほとんど話題になっていないと思うのですが、支援とかが必要かもしれないと思い、これを書きました。

パンガシナンの写真は penmanila さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 25日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.24

抵抗に目覚める

Romanians Discover Street Protest - ルーマニアの人たちが集会やデモによる抗議行動に目覚めつつある、というニュース。

Suntem non-violenti by DamjanBNZ右派政権に代わってから緊縮財政が続き、このほど健康保険の民営化を政府が画策したことで、人々の怒りに火がついたようです。1月12日以来、連日、デモが続いています。

昨年、集会の制限や、私企業が鉱山開発をするために土地を接収することが法制化され、暮れごろから、各国の占拠運動などに影響された行動が見られるようになりました。学生と労働者、年金生活者、さらにはホームレスの連帯が生まれ、「直接参加」を求めて抗議行動に参加する人々の間にはいろいろな考えの人がいますが、互いの間の信頼感があり、活発な議論が行なわれているとのことです。

これは抵抗を毎日の民主主義に組み込んで行くプロセスで、どうやって抵抗すればいいのか、どうやって自分たちの考えを表現したらいいのかを学び、政治的により成熟した社会となるいい機会だ、という政治学者の解説が引用されていました。

私たちの国でも抵抗ないし異議申し立てというものが確立していないと言うことができるでしょう。「脱原発」はそこから前に進むきっかけと言えるかもしれません。

先週金曜日のブカレストの抗議行動の写真は DamjanBNZ さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。「私たちは非暴力主義だ。違うかい?」

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2012年 1月 24日 午前 12:25 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.23

勢いを増す原発建設反対運動

Protest brewing in Kovvada a la Kudankulam - 東電福島第一原発の惨事の後、インドでは原発建設反対運動が高揚しているようです。

Andhra Pradesh by Songkranインド南部のタミル・ナドゥ州クダンクラムでは、建設が完了した原発への燃料棒の運び込みを住民たちが阻止していますが、中東部アンドラ・プラデシュ州 Kovvada (地図)では、計画中の原発の用地取得に反対が起こっているようです。

原発が建設されれば、漁業を営む人たちなど3,000人が移転を余儀なくされますが、住民の1人は、漁業の実情は厳しく、また地価も上がっているため、土地を手放さねばならなくなるのではないかと語っています。当局側は移転を強いられる住民への補償は万全だと述べていますが、記事は、強制的に近い形での接収が行なわれたとも読める表現があります。

福島のような大きな事故が起こる可能性は低いとしても、Kovvada 地方は人口も多い(1.5キロ以内に5集落、5キロ以内に42集落、16キロ以内に66集落)ので危険すぎると、 中央政府の元エネルギー相も主張しています。

私たちの国で脱原発を遂げることができるかどうかが、世界のさまざまな地域の人たちの未来にも影響を与えます。

写真は Songkran さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。「アンドラ・プラデシュ」「核」で検索して見つけたのですが、原子力発電所ではないかもしれません。遠近感が不思議な写真です。

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2012年 1月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.22

彼は去っても、闘いは続く

Migrant labor organizer bids bittersweet farewell to Korea - 韓国の移住労働者運動の指導者が国に帰ることになったというハンギョレ新聞の記事です。

Migrant Workers' Movement in South Korea by grrrl_revolution韓国には移住労働者労働組合(MTU、이주노동자노동조합)という労組が組織されていて、その議長を務めていた人です。外国人としてはじめて全国民主労働総同盟(전국민주노동조합총연맹)の代議員になったとも書いてありました。6年前、家族を経済的に支えるためにフィリピンから韓国に来て働いていました。認知症の祖母の介護のため、帰国することにしたそうです。韓国でやり残した仕事があると、残念そうに語っています。「労働者が問題について話し合い、自分たち自身で物事を決めることができる組合は、移住労働者の権利のために絶対に必要だ」とも述べています。

韓国同様、私たちの国も移住労働者等権利保護条約(International Convention on the Protection of the Rights of All Migrant Workers and Members of Their Families和訳)を批准していません。速やかな条約批准を呼びかけたいと思います。

また、既存の労組にも、外国人労働者の人権擁護のための働きを求めたいです。往々にして、労働組合は、その限られた構成員の利益を守ることのみに意識を向けがちです。それはそれで必要な基本線だとは思いますが、数十年前とは異なり、現代の世の中には、様々な形態の「働く仲間」がいます。その事実から目を避けることは、もはやできないと思います。

イラストは grrrl_revolution さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2012年 1月 22日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.21

閉じられた街

Lhasa listed "Top 10 places to go in 2012" - チベットのラサがニューヨーク・タイムズ紙の「今年お勧めの旅行先45選」("The 45 Places to Go in 2012")の第9位に選ばれたという記事です。

samye monastery 288 by Kate McKenna記事は、高級ホテルの開業などによって、旅行者に対して開かれた街になりつつあるが、そのような急速な開発が文化的な植民地化であったり、聖地を食い物にするものであったりするという批判があることにも触れています。

記事は新浪網に載っていた新華社電ですが、新華社のサイトでは英文中文も見つけられませんでした。

一方、チベット亡命政府側は、2月中旬から3月下旬にかけて、中国政府が外国人のチベット立ち入りを禁止するだろうとしています("China cuts off Tibet from the world")。公式発表はありませんが、ラサの旅行会社などには政府から伝達がなされているとのこと。

今年のチベット暦の正月は2月22日。しかし、中国による占領に焼身自殺で抗議したチベット人たちを追悼して、正月の祝賀をボイコットする動きが既に始まっているそうです。その正月や4年前に市民蜂起が起こった3月10日(1959年の民族蜂起の記念日)などに緊張が高まるのを当局側は警戒しているようです。

ラサが「開かれた都市」になったというのは、買い被りすぎだと思います。

写真は Kate McKenna さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 21日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.20

ちりぢりな社会

An upswing in Israeli racism - エルサレム・ポスト紙の論評記事が、イスラエルで今月起きた差別に関わる出来事をまとめています。今月と言っても、まだ3分の2来たところですけれど。

by samurai_dave最初の事件は、右翼の国会議員が文教委員会の審議中に労働党の国会議員にコップの水を掛けた事件。労働党の議員はアラブ系でした。加害者のほうの議員は、これまでもアラブ系市民に対する差別発言を繰り返してきました。

2つ目の出来事。最高裁が、イスラエル市民と結婚したパレスチナ占領地出身の配偶者にイスラエル国内の居住権を認めないという判決を出したこと。市民権法の改悪が合憲だと判断しました。

3つ目。移民相が「エチオピアからの移民はイスラエルへの感謝の念が足りない」と発言したことに反発し、むしろ、肌の色が濃い自分たちはさまざまな形の人種差別にさらされているとして、大規模な抗議行動を起こしたこと。

最後は、ある大企業の重役が、アシュケナジ(ヨーロッパ出身のユダヤ人)が優遇されていて、セファルディ(アラブ世界出身のユダヤ人)には「ガラスの天井」があるとの批判を行なったこと。評者は、そのような差別もあるだろうが、この批判のしかた自体も差別的な感じがすると付け加えています。

これに加えて、超正統派ユダヤ教徒と世俗主義者たちの対立もありました。

ハマスとファタハの和解が一進一退で、パレスチナ側の体制の問題がよく報じられますが、イスラエル側もかなりひどいですね。こんな中ではパレスチナの正義と平和は進まないように思います。

写真は samurai_dave さんが CC-byで公開しているもの。

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2012年 1月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.19

企業の税負担と学費

Senate Democrats propose free college tuition funded by reducing corporate tax credits - アメリカのミシガン州議会で州立大学の学費を無料にしようという議論が始まっています。

"Tax Cheat" by Sasha Y. Kimel大企業が利用している節税の抜け穴の10分の1をふさぐだけで、幼稚園から高校卒業まですべて州内の学校に通って大学に入った人の学費を全額減免できるという提案です。他州から移り住んできた人についても、ミシガンにいた年数に応じて部分的な学費減免が行なわれるそうです。

提案しているのは民主党の議員団ですが、大学の学費が高くなりすぎたということについては共和党議員も同意見なようです。高等教育に更なる投資をすることが州の社会の向上に不可欠であることについても意見は一致しています。

そういう話には全然触れられていないのですが、私はとっさに「税負担を増やしたら、企業が外に出て行ってしまうんじゃないの?」と考えてしまいました。どうやら、日本の言説に慣らされてしまったようです。

写真は Sasha Y. Kimel さんが CC-by-nd で公開しているもの。「銀行乗り換えの日」に大手銀行の入り口で「脱税者」に抗議するプラカードを掲げています。ミシガン州アンアーバーにて。

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2012年 1月 19日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.18

詩人はなぜ死んだか

Suspicions rise in Pablo Neruda's death - チリの詩人パブロ・ネルーダの死因の再調査が始められるようです。

by Jorge Dalmau y Pablo Dalmau Photoピノチェト将軍らによる軍事クーデター(1973年9月11日)でアジェンデ政権が倒されて12日後、ネルーダも息を引き取りました。当時の発表では自然死。それが真実であるかどうかを調べるため、遺体を検証することをチリの共産党が求めています。裁判所がまもまくその要請を認めるようです。

前立腺がんを患っていたネルーダ。彼に痛み止めのため鎮痛剤 Dipirona (メタミゾール)の注射を指示した医師の関与が注目されています。死亡証明書の記述は明らかに不審なようです。しかし、ネルーダが死んだ当時には暗殺の疑惑は表沙汰にならなかったようで、彼の遺族も暗殺説を否定しています。遺体を調査しても、何らかの薬剤が体内にあったことは示せても、それが致死量だったということを証明することは無理だろうとされています。また、ネルーダ以外にも725人の死因の調査の準備が進められていることを記事は伝えています。

アジェンデの場合と同じようになるかなと思いますが、愛するパブロ・ネルーダが忘却の土の中から蘇ることを、情熱をもって迎えようと思います。

写真は Jorge Dalmau y Pablo Dalmau Photo が CC-by-nc で公開しているもの。

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2012年 1月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.17

野宿者と帰還兵

Father of Calif. killings suspect is also homeless - カリフォルニア州南部では、12月の下旬から4人のホームレスが連続して殺される事件が起きました。

When All Your Heroes Are Gone by Jeremy Brooks先週その容疑者が逮捕されたのですが、彼の父親もまたホームレスだという話。逮捕される数日前、容疑者は父親のもとを訪れ、殺された野宿者の写真を見せて、注意を促したのだそうです。

容疑者はアメリカのアフガン戦争に行った帰還兵。彼の家族や友人は、彼が軍隊に行って人が変わってしまったと言います。除隊して町に帰ってきた彼は、明らかに精神を病んでいるようでした。

意味のない戦争で、自分の道徳を曲げて人を殺すことを強いられ、仲の良かった友人が戦死する。心が荒まないわけがないでしょう。

錯乱した彼が殺そうとしたのは、見知らぬ他者ではなく、迫り来る将来の自分の姿だったのかもしれません。

写真は Jeremy Brooks さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2012年 1月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.16

お嬢様じゃないよ

French town bans 'mademoiselle' as a title - フランスのある自治体が未婚女性の敬称である「マドモアゼル」という語の使用をやめました。

Cercle Les Perrieres, Cesson-Sevigne by finofilkaブルターニュ地方の Cesson-Sevigné という町です。「差別的もしくは軽卒になりうる語をすべて排除しようということです。女性を指し示すのに、結婚しているかしていないかに応じて2つの異なる語があるというのは差別だと言えます。男性にはそのような差異化がないからです」と町は説明しています。

フランスでは Les chiennes de gardeOsez le féminisme などの団体がこの語の廃止を提唱してきたこと、フランス革命までは「マダム」は高い地位にある女性のみに用いられ、庶民の女性は既婚であっても「マドモアゼル」と呼ばれていたこと、ドイツでは1972年に "Fräulein" という語が公文書などで使用禁止になったことなどを記事は伝えています。

言語は慣習的なものなので、話者個人が意図していなくても、「昔からの言いかた」を使い続けていることによって、だれかを疎外してしまうということがあるのだと思います。私も気をつけなければ。

セッソン・セヴィニエのお祭りの写真は finofilka さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.15

最良の友とともに

Hero dog revolutionizes shelter policy to let battered women keep pets - アメリカのミズーリ州。一人の女の人が同棲相手から家庭内暴力を受けていました。ある日、彼が彼女をハンマーで殴りつけ始めた時、彼女が飼っていた大型犬のグレートデーンが彼女の上に覆い被さり、彼女を殴打から守りました。

domestic violence by Ira Gelb彼が立ち去った隙に、彼女は DV を受けた女性のためのシェルターに電話をかけました。シェルターは、犬は引き取れないと言いましたが、彼女は犬といっしょでなければ行かないと言い張ります。シェルターは、仕方なく、例外的に犬も連れて来てもいいと認めました。去年の話です。

これがきっかけになって、ペットを引き取ることの手間よりもペットがもたらす癒しの効果のほうが遥かに大きいことや、暴力的な相手のもとにペットを残すことをためらってシェルターに逃げて来られない女性が多いことにこのシェルターは気づき、ペットのためのシェルターを増築することになりました。

今、この Rose Brooks Center が 寄付を受け付けています。アメリカの州の中から一つ選んで、アメリカ国内の郵便番号、市の名前を書かないと駄目みたいですが。

写真は Ira Gelb さんが CC-by-nd で公開しているもの。上の話の人ではありません。

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2012年 1月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.14

演劇の力を切望する

初め、"Japanese director to stage Greek tragedy in Israel" と書かれた共同通信の英文見出しが目に入ったので、非常に心配したのですが、いくつか記事を読むにつれ、少し安心しました。毎日新聞の見出しは「蜷川幸雄さん:イスラエルで12月に劇 ユダヤ系とアラブ系、3言語で共演」となっています。

by Panegyrics of Granovetter要するに、イスラエル政府肝いりの事業だといっても、イスラエルのアラブ系市民の存在やパレスチナ占領の問題を念頭において企画されるようだと確信しました。

上演される「トロイヤの女たち」は、かなり強く戦争の非人間性や、戦争に負け占領された人々に迫る実存的な危機を描いたものだと思うので、よもや、おざなりにパレスチナのことが遠い比喩(壁と卵という例が思い起こされます)として描かれるなどということはないでしょう。

逆に言えば、蹂躙されたトロイヤの国がパレスチナの謂いであることは素人の目にも明らかなわけですから、それを超えて演劇が現実を描き状況を突き動かす力を持つことをプロの力で見せていただきたい。強くそう思います。

写真は Panegyrics of Granovetter さんが CC-by で公開しているもの。

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2012年 1月 14日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.13

成立しなかった結婚

Ottawa does about-face on same-sex marriage for non-Canadians - 結婚したと思っていたカップルが、実はあなたたちは結婚していなかったのだと告げられた話。

20041217-priderainbow-4 by Grant Neufeldカナダでは、2005年に同性婚が合法化されました。それを機に、国外からも同性愛カップルがカナダに来て、結婚していきました。

このほど、アメリカとイギリスに住むレズビアンの元カップルがカナダの裁判所に離婚申請を行なったところ、カナダ政府が「居住地で同性婚が認められていない外国人の婚姻は認められない」との方針を打ち出しました。

結婚とは、人生を安定させたり明確にしたりするためにするものなのに、これでは、自分たちの生活がより不安定に、立場がより不明確になってしまうことになる、と、関係者は怒っています。人生がこんなふうに振り回されては、堪ったものではありません。

写真は Grant Neufeld さんが CC-by-nc で公開しているもの。2004年、同性婚法制化を求めて展開されていた運動の一こま。

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2012年 1月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.12

原発と白血病

Mixed data on child cancer rates near French nuke sites - フランスで行なわれた原子力発電所周辺住民への健康被害に関する調査についての記事です。明確な結論は出なかった、という感じです。

by coralinetheblue調査報告自体は International Journal of Cancer に掲載予定の "Childhood leukemia around French nuclear power plants – the Geocap study, 2002-2007" という論文です。残念ながら私のところでは読むことができませんでした。

調査の対象となった健康被害は子どもの急性白血病です。1990年から2007年までを見ると、原発周辺か否かで症例の発生率の差異は見られないが、2003年から2007年までだけに限って見ると、原発周辺5キロ以内では全国平均の1.9倍の発症が確認された、とのことです。調査時期の設定で結果が大きく変わり、それがなぜかは分からないというのが結論の第1点。

もう一つ、原発からの距離と発症率との間に段階的な相関はないので、発症率の突出した部分も、原発から排出されるガスに含まれる放射性物質による低線量被曝が原因ではないだろう(排気ガスが問題なら、距離に従って徐々に発症率が下がって行くはずだ)と著者は指摘しているそうです。ではなぜ原発の周辺で小児白血病が増えたのかの解明は、別の研究を待たねばなりません。

東電福島第一原発の惨事以来、核の恐怖を本当に身近に感じるようになりましたが、私にとっては、逆にそのことを語るのが難しくなりました。不十分な知識で何かを言って、恐怖を煽ることはしたくないし、反対に無責任に安全を吹聴したくもないし。

そんな中で、「結論はまだ出ていない」という今回の研究は、かえって自信を持って紹介できると思いました。もちろん、「近く」にいる人たちにとっては、歯がゆいものになってしまうのでしょうけれど。

ロワール地方の原発の写真は coralinetheblue さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。ちょっとフレンチな感じかなと思って、選んでみました。

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2012年 1月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.11

迫害者への見立て

Israel cabinet supports bill to prohibit use of Nazi symbols in protests - イスラエルでは、デモなどの抗議行動の場で、ナチスを思い起こさせる文様や文言を用いることが禁止されるそうです。

by Alexbip先週、ユダヤ教の超正統派の急進的な人たちが、イスラエル政府の政策に反対するデモで、ホロコースト当時にユダヤ人が着用させられた黄色いダビデの星や強制収容所で着せられた囚人服を使って、政府を迫害者に見立てたことに対する措置のようです。政府側は、「近年、ホロコーストのイメージが濫用され、幸存者やその家族の心情を損ねることが多いため」と、法案提出の趣旨を説明しています。

超正統派(ハレディム)は、強い男女隔離の風習(というか、女性差別)を持っていて、先月、1人の超正統派ではない8歳の女の子の服装を咎めていじめたことから、大きな騒動に発展したようです。女性に保守的な服装を強制するのをやめろという宗派外部からの圧力に対して上述の抗議行動が起こりました。

イスラエルがやっていることはナチスがユダヤ人に対してやったことと変わらないという言いかたは、パレスチナの視点からも提示されてきたと思います。だけど、それに対しては、「イスラエルをナチスに例えることを禁止する」などという法律を作って取り締まってきてはいないと思います。パレスチナ人が相手なら、法律など必要ないよ、ということでしょうか。

あるいは、神の国ではなく現世のイスラエル国家を構築したシオニストたちと、最も厳格にユダヤ教の戒律を守るハレディムの間で、「だれが本当のユダヤ人か?」というアイデンティティをめぐる綱引きがあるのでしょうか。

暴動のおこったアルクッズ(エルサレム)のメアシェアリム地区の写真は Alexbip さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2012年 1月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.10

義賊の税

Taxe Tobin: le gouvernement persiste malgré les oppositions - フランス政府がトービン税の導入に真剣に取り組んでいるようです。

Robin des Bois et sa bande by Oxfam France金融取引への課税(taxe sur les transactions financières)は、その性格から企業や金持ちへの課税になるため、ロビンフッド税と呼ばれることもあります。規制緩和を原理主義的に唱える新自由主義路線の反対側に位置する考えですから、ネオリベ的なサルコジ大統領がこれを提唱するというのは、ちょっと意外でした。新自由主義という考えかたが終焉を迎えたということなのかもしれません。

フランスは単独でも導入を辞さないと言っているようです。ドイツなどユーロ圏の他の国を巻き込んだ流れになればいいと思います。いや、日本も、これを機に、導入を図ってはどうでしょうか。

写真は Oxfam France が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.09

本当の闘いとは

“Jan Lokpal Bill unGandhian” - インドでアンナ・ハザレさんらによって進められてきたロクパル法(オンブズマン法)制定のための運動を『小さきものたちの神』の著者アルンダティ・ロイさんが厳しく批判しました。

อรุณธาติ รอย (Arundhati Roy) นักเขียนและนักรณรงค์สตรีชาวอินเดียด้านความยุติธรรมทางสังคม by Prachataiロクパル法制定を求める「反汚職」運動は、右翼的、多数派的であり、「非ガンディー的」であるとロイさんは語っています。一般論として、強力な反汚職法は貧しい人たちにつけ込んで中流階級に資するものだとも述べています。また、反汚職運動の背景には、人々の闘いをビジネス化して、「怒りを袋小路に追い込もう」という企みがあると指摘しています。クダンクラム原発反対運動などのほうが、それらの民族主義的な運動よりも深遠なものを持っていると評価しています。

彼女の市民運動の捉えかたは私たちの国の運動の姿を考える際にも参考になると直感的に感じられます。さしずめロクパルが大阪府市統合、クダンクラムが全国の脱原発あたりになるのかな。

ロイさんの写真はタイの独立系メディア Prachatai が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2012年 1月 9日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.08

君主制に別れを告げる

Time for Queen to go - Portia - ジャマイカの首相が共和制の樹立を目指す方針を打ち出しました。

Kymani Marley @ Rock al Parque 2010 by Lucho Molinaジャマイカは旧イギリス領で、1962年に独立。今年の8月6日に独立50周年を迎えます。独立後もイギリス国王を元首とする立憲君主制をとってきました。

6日に就任した Portia Simpson Miller 首相は、「独立50周年の今年は過去の教訓を振り返る時であり、独立国としての歩みを祝うとともに、独立を完成させる必要がある」とし、イギリス王制と決別して、大統領制の実施に着手すると語りました。

新しい年の最初に紹介するニュースがこのように力強く、前向きなもので、うれしいです。それに比べて、私たちの国で行なわれている議論はと言えば女性宮家が云々とかで、「そんなの100年前にやっておけよ」と言いたくなります。でも、めげずに、国民主権の完成、共和制の構築を追い求めましょう!

ボブ・マーリーの子、 Kymani Marley さんの写真は Lucho Molina さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2012年 1月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.07

村の南端

村の南端

この記事が公開されるころには、そろそろ帰宅しているはずです。

インドに来るたびにダリット(不可触民)や、その指導者だったアンベードカル関係の本を買ってきています。今回買った本の一つに、ダリットは村の南のはずれに集落を作らされている場合が多い、南は不浄とされる方角だから、と書いてありました。それを読んだすぐ後に通りかかった村の南端の写真です。

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2012年 1月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.06

天神様

ナンディ

マイソールの近くにある、北野天満宮もびっくりの巨大な牛の像です。左下の隅に人の頭が映り込んでいます。それで大きさを察してください。

インドの寺院などは裸足で参拝するのですが、ここでは、くつを預けるところで、捧げものの花輪を押し付けられ、15ルピー(約30円)も取られました。きっと御利益も大きいのでしょう。当然、願い事は平和です。

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2012年 1月 6日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.01.05

学校にて

マドラサ

南インドでは宗教対立はないんだ、と、何人もの人から聞きました。写真はムスリムの男の子たちがコーランを学ぶマドラサ、いわゆる宗教学校です。

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2012年 1月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.04

水の上

バックウオーター

しばし、『小さきものたちの神』の世界に浸りました。

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2012年 1月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.03

観劇中

カタカリ

ひたすら観光しています。写真はカタカリという歌舞伎みたいな劇です。

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2012年 1月 3日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2012.01.02

物見遊山中

パドマナバスワミ寺院

ごく普通の観光客をしています。写真もあまり撮ってなくて、載せるものを探すのに一苦労。2日ほど前に撮ったもので誤摩化しておこうっと。

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2012年 1月 2日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.01.01

嵐の年明け

チャイニーズ・フィッシング・ネット

大型のサイクロン Thane がインド南部に上陸したため、少なくとも33人が亡くなったそうです。私が昨日いた Thiruvananthapuram (Trivandrum とも呼ばれます)でも4人死者が出たとのこと。災害をことさら身近に感じます。

今は乾期で、雨が降るのもめずらしいそうなのですが、これも気候変動でしょうか。なんか、新しい年も大荒れの予感が。

写真は、今、泊まっているコーチンというケララ州の都市の漁の様子です。

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2012年 1月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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