« 違法捜査と報われぬ愛 | トップページ | 海賊退治と自由な世界の死 »

2011.11.16

第一印象は遺伝子で決まる

Gene link to kindness - 私は全く知らなかったのですが、心の優しさの度合いを左右する遺伝子があるというのは周知の事実のようです。そして、人は、目の前の人がその遺伝子を持っているか否かを、ほんの一瞬で見分けることができるという記事。

Empathy by AslanMediaProceedings of the National Academy of Sciences に掲載された元の論文を読んでみました。 "Thin-slicing study of the oxytocin receptor (OXTR) gene and the evaluation and expression of the prosocial disposition" という論文です(リンク先はアブストラクト。研究機関等からなら論文本体も読めます)。オキシトシンというホルモンの受容体の rs53576 という一塩基多型(SNP)に G という対立因子を持っていると、A という対立因子を持っている場合より、信頼、気前のよさ、共感、犠牲精神、ストレス下で相手に寄り添おうとする気持ちなどが強くなるそうです。実験では、恋人たち23組に関して rs43476 の型を調べ、パートナーが辛かった経験を話しているのを聞いているところをビデオに撮り、そのビデオを音を消した上で20秒間見せて、どんな人かを判断させました。その結果、GG という遺伝子を持っている人は、AA または GA の遺伝子を持つ人よりも有意に向社会的(prosocial)だと判断されたということです。

新聞記事では「優しさ」と表現されていたのですが、原著では「向社会性」とされていました。また、ビデオに写っていた人はみな白人だそうで、それはなぜかと言うと、 rs53576 は人種によって働きかたが違うことが分かっているのと、調査したアジア人には GG 型の人が極めて少なかったからなのだそうです。

というわけで、まだまだ研究を進めなくては分からないことだらけな気もしますが、遺伝子によって性格が左右され、それは第一印象として正しく認知されるという話でした。

自分がどんな遺伝子を持っているのだろうとか、他の人は私のことをどんなふうに見ているのだろう、それは当たっているのだろうかとか、ちょっと心配になってしまいます。そういう心配をしなくてもいい自信に満ちた人として生まれなかったことだけは確か。

写真は AslanMedia が CC-by-nc-nd で公開しているもの。OWS にて撮影。「思いやり。無料」。うーんと、この人の遺伝子は…

このブログで

2011年 11月 16日 午前 12:24 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第一印象は遺伝子で決まる:

コメント

こんにちは^^

このところ、「とてもむずかしいひと(母談)」である父の看病をすることになって、疲労困憊しているはぴねすです。

父の父はもっともっとむずかしい人だったらしいです。
私にも、父や祖父のそういうところが遺伝しているかも・・・とげんなりしていましたが、そんなときちょっと元気が出そうな本の紹介を目にしました。

『ぼくはどんなふうに生きるのだろうかーゲノムが解き明かす自分さがしー』(城戸隆)

今日図書館に借りに行くのでまだ全然目を通してはいないのですが、紹介文からちょっと引用。

”一般の人でも遺伝子を調べてくれる企業もでてきました。ただ、遺伝子は究極の個人情報。差別にもつながりかねません。しかしこの情報は決定でなく、こころや環境で変化するのだそうです。”

うむ・・私のドクターも「遺伝子は絶対じゃない」みたいなことをいってらしたな・・・

・・・といういわけで、私がたとえ祖父や父のワガママ・自己中心・尊大・・といった遺伝を受け継いでいようとも、そんなものは克服してみせるぞっ!!と、意を強くしているはぴねすなのでした。

投稿: はぴねす | 2011/11/16 7:56:53

はぴねすさん、コメントありがとうございます。

案外、私たち、似ていますね。私も「祖父や父のワガママ・自己中心・尊大・・といった遺伝を受け継いでい」るかもしれないと悩んできました。実際、いい親になる自信はなく、子どもは諦めました。

でも、記事で取り上げた遺伝子も、それ一つで優しさが決まるというわけではなく、他にもいろいろな遺伝的な力があり、そして環境からの学びの力があり、総合的に、優しい人間ができあがるかどうかが決まるのだと思います。私も努力しなくてはなりませんね。

お父様にナナちゃんに、家族の病気の世話で大変なことと思います。どうか、はぴねすさん自身が看病疲れで倒れたりしないように気をつけてください。

投稿: うに | 2011/11/16 23:39:43

コメントを書く