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2011.11.17

海賊退治と自由な世界の死

Droits d'auteur : les Etats-Unis menacent Internet de « peine de mort » - アメリカ議会下院でオンライン海賊行為防止法(Stop Online Piracy Act)という法案の審議が始まりました。

Creative Commons by Giuli-Oこの法律が施行されると、アメリカ国外にある著作権法違反サイトに関して、国内の検索エンジンがそれを検索結果として表示することや、電子送金サービスなどがそのサイトから利用できるようにすることを連邦政府が禁止することができるようになります。 Rue89 の記事は、サイトに「死刑宣告」をするようなものだと表現しています。

「インターネットの歴史上、最大の危機」ともされています。ちょっと大げさな気もしますが、ウェブに公開すれば「世界中のどこからでも読むことができる」といった開放的な時代が終わることにはなるのでしょう。

どの国でも、平均的な人が著作権のことをよく理解しているわけではありませんし、特にアメリカの著作権の詳細など知る由もありませんから、とても混乱するでしょうね。異議申し立ての仕組みがあらかじめ用意されなくてはならないとも思います。

また、過去の媒体を念頭において組み上げられてきた著作権法の体系をそのまま踏襲するのではなく、インターネットの時代にどのような用途がフェアユースと言えるのかなどの議論がまずなされなければならないと考えます。

そういった細かい議論より、もっと骨太に、インターネットは常に様々な若干の不純物を含んできたからこそ成長して来たのであり、それを検閲してしまおうというのは、インターネットのよさを殺してしまう、といったところが一番心配な気もします。

写真は Giuli-O さんが CC-by で公開しているもの。従来の著作権法にはない新しい権利保護と利用推進をめざすクリエイティブ・コモンズ。

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2011年 11月 17日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

一週間ほど中東に旅行してきました。といっても、イスタンブールとイランのシラーズという地方の古都市だけだったのですが。航路はインチョン経由のKorean Air。帰路インチョンに到着した途端、靄や濃い雲に包まれっぱなしだったインターネットが突然晴れ渡りました。イスタンブールではまだDSLで、日本もこんな時代があったのかと訝しくなるほどののろさでした。シラーズでも、空港やホテルではWIFIは飛んでいたのですが、Googleの名がつくものはすべて検閲で排除され、Yahooの検索エンジンは使えたけれど日本語のページはほとんど開きませんでした。私のブックマークしていた日本語ページでは一つだけ開いたのですが、なんとそれが「非国民」という方のブログ。うにさんのこのページはいわずもがな(?)、ほとんど何の政治色もない私自身のブログも開きませんでした。まったくの当てずっぽう、アット・ランダムに闇雲な検閲をかけているとしか思えませんでした。
長くなりますがもう一つ話題を。
いつかシカゴ・トリビューンという新聞社について調べ物をしていて、登場人物が現実の時間に合わせて歳をとっていくという漫画が連載されていたということを知りました。早速そのタイトルで検索してみたところ、たちまちその漫画自体を引用した沢山のページが現れました。世が世なら、シカゴまで出向き、頼み込んでかび臭い(たぶん!)書庫で何十年分かの縮刷版を調べなければならなかったことが、自分の部屋にいながらにして瞬時に確認することができる、なんと凄い時代になったものかと感嘆したものでした。でも今日のうにさんの記事を読む限り、元の木阿弥の時代に後戻りしそうで、とても危惧しなければならない事態になりつつあると感じざるを得ませんでした。

投稿: argon | 2011/11/17 2:19:02

こんにちは、うにさん^^

法案の英文を読んでみようとしたのですが、私の英語力ではとても歯が立たなかったのでお尋ねなのですが、

たとえばアメリカで出版された本の邦訳版を、私の朗読ブログで読むようなことも、法案では禁じていますか?

朗読ブログの主催者さんに、ブログを始めるとき相談したときは、著作権のことは気にすることないよというお答えだったのですが。

この法案が成立したら、ぜひまた記事にしてくださいませ。

投稿: はぴねす | 2011/11/17 9:43:49

argon さん、

私のブログがイランでブロックされなきゃいけない理由に心当たりがありません(笑)。たぶん、ココログ全体で止められているのでしょう。

海賊対処法ができると、どんな感じになるのか、今ひとつ分かりませんが、今より不便になることは確かでしょうねえ。


はぴねすさん、

朗読ブログを始められたんでしたね。名前の欄にURLを入れるとリンクになりますから、ぜひ次回は宣伝していってください。

斜め読みしかしていませんが、今回の法案に取り立てて朗読を扱っているところはありません。アメリカの著作権法全体を見てみなくてはなりませんが。

まずは日本の著作権法( http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html )でどういう扱いになっているかが心配ですね。著作権法では、朗読は「口述」と呼ばれます(第二条)。で、第三十八条に「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金…を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」とあるので、基本理念として、朗読ブログのようなものは大丈夫なのだと思います。ネットに置くというのは公衆送信にあたるとも言えるので、そのからみも心配ですが、私には(日本語ですが)読み解けません。

あまり役に立たない答えですみません。

投稿: うに | 2011/11/17 22:47:59

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