« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011.11.30

次期大統領は人気歌手

Pop star turns to politics - セネガルのスーパースター、ユッスー・ンドゥール(Youssou N'Dour)が大統領選に出馬するようです。

Youssou Ndour  bercy by seneweb来年1月2日以降、音楽活動をすべてやめ、政治的な活動に専念することを明らかにしました。彼の音楽のファンとしては残念なことではありますが。

実際のところユッスーがどんな政治家になるのかは、私には分かりませんが、彼の歌からは、貧困とか偏見の問題にかなり積極的に取り組みそうな印象を受けますよね。

写真は seneweb さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 30日 午前 12:13 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.29

むかつく首長

Teen tweeter won't apologize to Kan. governor - アメリカの話題は、取り上げる人やメディアも多いので、ここでは手短に。

I Am You by matthileoカンザス州知事がスピーチをしている時、聴衆の中にいた18歳の高校生が、冗談で「ブラウンバック知事にあんたは最低だと言ってやった。#アイツムカツク」といった感じのツイートをしたら、失礼だと言って州知事の事務所から抗議が来たそうです。彼女の通っている学校の校長も謝罪の手紙を書くことを要求してきました。

なぜここでこの話を取り上げるかというと、彼女が圧力に屈せず、謝罪することを拒否したからです。他人に見られる可能性のある場所で発する言葉としては、決してよくはなかったかもしれない。言論の自由について論じるためには、あまり相応しい契機ではなかったかもしれない。でも、逆に、安全圏にいるわけでもないのに、自分の言動にあくまでも責任を持つ姿勢をとったのは、優れたことだと思いました。

記事によれば、この高校生が特に批判している知事(共和党)の政策は、芸術文化事業の補助金廃止です。

身につまされます。私たちの国にも、日本センチュリー交響楽団(昨年度までは大阪センチュリー交響楽団)への補助金を打ち切った知事がいましたね。

最後におことわり:「むかつく」は、高校生が #heblowsalot とツイッターのハッシュタグに書いた部分をこう訳してみたのですが、これでよかったでしょうか。一回も直に聞いたことがない表現なので、ちょっと自信がありません。

カンザスの「占拠」運動で掲げられたプラカードの写真は matthileo さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。私がこの高校生に一番伝えたい言葉です。

このブログで

2011年 11月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.28

逆転と文学

The danger of feminist literature (1, 2) - ケニアのネーション紙の文芸欄。アフリカ文学の「父」として、ナイジェリアの Chinua Achebe と Wole Soyinka、ケニアの Ngugi wa Thiong’o の名前が、そして、有力な女性作家としてナイジェリアの Flora NwapaBuchi Emecheta、ガーナの Ama Ata Aidoo、ケニアの Grace Ogot と Marjorie Oludhe Macgoye、セネガルの Mariama Ba (代表作は So Long a Letter)の名前が挙げられています(自分が後で注文する時のためにリンクを付けています。これで大儲けするつもりはありません!)。

Honey producer. Kenya by World Bank Photo Collectionアチェベら男性作家の作品の中で、女性が疎外されている点がフェミニズムの視点から批判され、女性作家らが台頭した。彼女たちの作品はアフリカの女性たちを授力したが、新人扱いで、まともに批判されることがなかった。男性は悪く悪く描かれ、そのせいで、今やアフリカの男性が疎外されるようになってしまった。特に都会では、「男はもういない」と言われるまでになった。女性をばかにしてかかる男性に戻る必要はないが、「女性の問題はすべて男性によって作られた」という誤解は解消しなければならない。

…というのがこの記事の要約です。どこまで本気で、どこからが冗談めかした誇張なのかは分かりません。分かる人には分かるのかもしれません。でも私は、もう少しアフリカに行ってから、もう少し上に挙げられたさっカッチの本を読んでから考えることにします。

写真は World Bank Photo Collection が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.27

日出づる国の日落つ

Nigeria: Breakaway Biafra leader Ojukwu dies at 78 - 1967年から70年にかけて、ナイジェリア東南部で起こったビアフラ独立戦争を率いた Chukwuemeka Odumegwu Ojukwu さんが亡くなったそうです。

Chikodili by Jeremy Weate内戦の中、飢餓にあえぐやせ細った子どもたちの写真は、今でも目の奥に焼き付いている気がします。私が初めて「世界」を意識したのが、ビアフラの写真だったと思います。

ビアフラ内戦は、制圧に成功したナイジェリア政府側が、「この争いには勝者も敗者もない」と宣言し、内戦の首謀者らにも恩赦を与えたそうです。ジェノサイドと批判された軍事作戦の終わりとしては、驚くほど人間的な結末です。

これからの子どもたちには、当時のイグボの人たちのような衝撃的な写真を見せずに済むといいのですが、そのために私たちは何をするのがいいのでしょうか。

イグボ民族の人の写真は Jeremy Weate さんが CC-by-nc で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 27日 午前 12:27 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.26

市民に向けられた化学兵器

How dangerous is tear gas? - 催涙ガスの基本について BBC が解説しています。

CSF teargassing Mohamed Mahmoud st. by Jonathan Rashad記事の前ぶりは、エジプトで再び盛り上がりを見せている反体制派の集会に対し、通常のものよりも強い催涙ガスが使われているのではないかという声が出ているという話。しかし、今のところ、現場を見たジャーナリストや人権問題の専門家は、通常のもの以外が使用された証拠を見ていないということです。

よく用いられるのは CS ガスと呼ばれるもので、目の焼けるような感じ、涙の分泌、呼吸の困難、胸の痛み、唾液の分泌、肌の炎症を起こします。酷い場合は嘔吐も伴います。症状はガスに接触して20秒から30秒で始まり、きれいな空気のところに戻れば10分ほどで収まります。致死性はありませんが、警官に拘束されて息ができなくなったり、逃げる際に走って症状が重篤になったりして、人が殺されることもあるそうです。また、発射された薬筒に当たることによる危険もあります。薬筒は熱いので、素手で持ってはいけないとのこと。

CS ガスよりも強いものに CN ガス、更に強いものに CR ガスというものがあるそうです(CS の6倍の効き目。ブログ旗旗に国会答弁などの資料があります)。これらは通常は使われることはないそうです。 CS ガスを含め、すべて、化学兵器条約によって戦場での使用は禁止されています。戦争で使ってはいけないものが市民に向けて使ってもいいというのも、不思議な話ですが。

残念なことに、催涙ガスを受けた時にどうしたらいいかとかについては、何も書かれていませんでした。以前、レモンがよさそうだという話を紹介したことがありますが、一回、しっかりと調べておかねばなりません。

カイロの写真は Jonathan Rashad さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。11月19日、Mohamed Mahmoud 通り。

このブログで

2011年 11月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.25

謝罪は未来を開くのだろうか

一昨日、トルコのエルドアン首相が1936年から39年にかけて Dersim という町で起こった少数民族の虐殺について謝罪しました。

Protesters Flow Like a River by International Rivers虐殺されたのはトルコ東部に住むクルド人で、詳しくは、アレヴィ派信者(Alevi)とザザ人(Zaza)と呼ばれる人々でした。エルドアン首相は当時の公文書を示し、13,806人が殺されたと語りました。虐殺の後には、強制移住や同化政策にさらされることになります。

エルドアン首相の「謝罪」は、野党への鞘当てとして口にされたようです。現在の最大野党 CHP が政権を握っていたころの出来事だぞ、お前たちは謝らないのか、と。

また、エルドアン首相は、現在行なわれているクルディスタンへの攻撃はクルド労働者党(PKK)が武装解除するまで止めるつもりはないと語っているそうです。このことからも、「謝罪」が現代の情況から遊離した、はかないものであるような感じがします。

"PM Erdoğan apologizes over Dersim massacre on behalf of Turkish state" というザマン紙の記事は、いろいろな立場の人の「謝罪」への反応を取り上げています。

過去の人道犯罪と向き合う運動を続けてきた人。首相が謝罪したというのは歴史的なことだ。デルシム出身者として、喜ばしく思う。

デルシムで20年間聞き取りを行なってきた作家。謝罪を首相から聞けたのは、デルシムにいる私たちにとって重要だ。傷が癒される。しかし、自分たちのきょうだいや父母がどこに埋められているのか、分かるようにしてほしい。また、今後の憲法改正で、私たちのトルコ市民としての権利が保障されるようにしなければならない。

デルシム出身の社会学者。首相がデルシムを「虐殺」だと言ったのは初めて。また、暴動が計画的ではなかったことを認めたのも初めて。その意味で重要だ。ただし、エルドアンが示した文書はこれまでにトルコの報道機関が既に公開したものであり、国の公文書館の文書を公開する必要がある。デルシムの人々が要求するのはこれだ。また、虐殺と CHP の当時の人物を結びつけるだけでなく、保守右派の人物との関連も解き明かすべきだ。

"Kurdistan presidency optimistic over Erdogan's apology" は、イラク側のクルド人系のサイトの記事です。イラクのクルド人自治政府は、「このような勇気ある発言で、クルド人に対してどんな悲劇が起こったかについての歴史が書き換えられる日が来た。トルコがクルド問題に対してとって来た政策がより開放的になり、クルド人社会に自信を与え、社会の和解に資するであろう」と評しています。

どんなきっかけで出て来た「謝罪」にせよ、わりと受け止めは好意的なようです。

私たちの国も、アイヌの同化政策、台湾と朝鮮半島の植民地支配、アジア太平洋諸地域の軍事占領や戦時虐殺、戦後の旧植民地出身者の国籍剥奪など、向き合わねばならない歴史がたくさんあります。いつの日か、傷つけられた人々が「傷が癒された」と言うような謝罪があることを願います。

写真は International Rivers が CC-by-nc-sa で公開しているもの。現代の Darsim (= Tunceli) 近郊で計画されているダム建設に反対するイベントのようすです。

このブログで

2011年 11月 25日 午前 12:14 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.11.24

歪む教育

Texas elementary school taught 3rd graders just 2 subjects - and nothing else: report - 昨日に続いてテキサス州の小学校の話なのですが、全くの偶然です。

Kids of Neighborhood Centers by Neighborhood Centers去年から今年にかけて、テキサスのある小学校では3年生に算数と国語(reading)の2科目しか教えていなかったという事実が明るみに出ました。アメリカの小学校の科目について私はあまりよく知らないのですが、社会、理科、美術、体育は必ずあるはずですし、国語も読む技能だけでなく、書く技能などの時間があるはずです。これらの科目については、校長の命令で偽造された記録が市の教育委員会に届けられていました。

なぜこんなことが起こったかと言うと、それはテキサス州で実施されている Texas Assessment of Knowledge and Skills Test という統一学力テストが小学3年生については算数とリーディングしか実施されないからなのだそうです(学年が上がるにつれて科目が増えるようです)。

私たちの国でも、例えば大阪で、そう遠くないうちに同じような話を聞くことになるような気がします。

学校間の競争を重視するとか、教育の資質ではなくマネジメントの能力を重視して校長を登用するとか、教員に命令の絶対服従を求めるとか、教育委員会の力を弱めて校長の権限を拡充するとか、そんな考えの行き着く先に、このテキサス州のニュースはあると思います。

不必要に政治化された教育行政で割を食うのは、市民と子どもたちです。

テキサスの子どもたちの写真Neighborhood Centers が CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 24日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.11.23

行けなかった遠足

School trip to Lockheed canceled because two students are not U.S. citizens - テキサス州の小学校の先生が子どもたちをロッキード・マーティン社の工場に遠足に連れて行こうとしたら、アメリカ国籍を持つ者しか入れないことが分かり、遠足を断念したという話です。

Sunrise October 2009 by dennisbehm正確には、アメリカ国籍を持っているか、あるいは永住権を持っているかしないとだめなようです。また、ロッキード社の話によれば、会社側が招いた形にすれば、アメリカの市民でなくてもパスポートなど国籍を証明するものがあればよいとのこと。そういう方向で遠足ができるようになればいいですね。軍用機の工場を見るのがいいかどうかは微妙ですが。まあ、戦争に批判的な目が育てば、それに越したことはないでしょう。

遠足を計画していたクラスには、2人の外国籍の子どもがいることが分かったそうです。「分かった」というのは、それまでは知られていなかったということ。学校側が児童がアメリカ人かどうかを聞くことはまれなのだそうです。法律で、アメリカ人であろうとなかろうと、合法的に住んでいようと住んでいまいと、学区内にいる子どもはすべて学校で学ぶ権利があると定められているからだそうです。ちょっと杜撰な感じもしますが、確かに、このほうが子どもの権利条約の趣旨に合っていると思います。

写真は dennisbehm さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。遠足に行はずだった小学校のある Aledo という町で見た日の出です。

このブログで

2011年 11月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.22

声を上げない選挙

New Zealand could get its first deaf MP - 今週の土曜日、ニュージーランドの総選挙で、ろう者の国会議員が誕生するかもしれません。

Green by JenCorbettろうの候補者は Mojo Mathers さん。クライストチャーチ東部小選挙区と緑の党(Greens)の比例代表名簿第14位に重複立候補しています。緑の党が12%の得票率を上回れば、彼女のところまで議席が回ってきそうだということです。3年前の総選挙での緑の党の得票率は6.72%で現在9議席ですが、公示後の世論調査では、12.6%の支持を集めています。勝算は五分五分というところでしょうか。

メイザーズさん(「メイ」なのか「マ」なのか、「ザ」なのか「サ」なのか、自信がありません)は、手話通訳や要約筆記者などがいれば、自らの聴覚障碍は議員活動の妨げにはならないと言います。環境問題の他、広く障碍者の権利確立、社会参加のために活動していきたいと話しています。

メイザーズさんのご健闘を祈ります。

記事は、世界ではこれまでに3人のろう者が国会議員になったと書いています。どの国なのかは分かりませんでした。

ちなみに、ニュージーランド議会は一院制。定数は120、少数民族枠が7、小選挙区が63、比例が50だそうです。人口は437万ですから、3万6千人に対して議員1人という計算になります(私たちの国は、人口1億2,745万人を衆参両院を合算した722で割って、17万7千人に議員1人です)。

写真は JenCorbett さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。ニュージーランド北部オークランドの「占拠」で掲げられた緑の党の旗です。

このブログで

2011年 11月 22日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.21

亡命の詩人

Dissident poet silent no more - 中国の反体制文学者、廖亦武(Liao Yiwu)さんの話題。

廖亦武 Liao Yiwu Wenjiang, Chengdu July 2010 by treasuresthouhast過去、何度も出国を阻止されたリャオ・イウさんは、今年の7月に密かに出国し、現在はドイツで亡命生活を送っています。「出版の自由を得て、本当にうれしい。警察や国家との追いかけっこを終わらせることができて、素晴らしい気分です」と語っています。

天安門事件の直後に「大屠殺」という長編の詩を書いて以来、当局から監視されてきたようです。日本では、『中国低層訪談録―インタビューどん底の世界』という本が出版されています。トイレ番、墓場泥棒など、中国の「忘れられた階級」の人々のインタビュー集だそうです(4,830円と高いので、私は英語版 The Corpse Walker: Real Life Stories: China From the Bottom Up のほうを注文してみました。1,378円です)。

成都でホームレスとして暮らしたリャオさんは、劉暁波や艾未未などとは異なり、路上で築いた人脈ゆえに地下に潜り、中国を後にすることができたようです。「民主化の英雄」として監獄に戻るつもりはないというリャオさん。今後の創作活動に強く期待したいですね。

写真は treasuresthouhast さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.20

不思議な算術

U.S. Leads Challenge to Ban on Cluster Munitions - 通常兵器をめぐる条約(CCW)の経過検証会議がジュネーブで行なわれています(国連のページ)。

Mass Produced Terror/Civilian Death and Dismemberment by Cluster Munitions by United Nations Development Programme3年前にダブリンで締結され、昨年オスロで発効したクラスター爆弾の全面禁止条約を後退させようとするアメリカの言い分がひどいです。現在の条約では、アメリカ、ロシア、中国というクラスター爆弾を大量に所持する国は絶対に批准しない。その代わりに、1980年以前に作られたクラスター爆弾を即時禁止する補助的な条約を作ろう。それならアメリカも参加できる。そうすれば、アメリカだけでも200万個のクラスター爆弾を手放すことになる。オスロ条約の締約国が廃棄したクラスター爆弾の総数よりも多いぞ、という話。

あなた、破棄したぶん、新しいのを作るでしょうが(怒)。

記事は、アメリカが新型の安全装置付きクラスター爆弾の誤作動は1%未満だと主張しているのに対し、イスラエルがレバノンで実際に使った結果は、15%から30%の誤作動があることを示しているとも指摘しています。

厳しい道のりですが、たゆまなく軍縮の歩みが続くことを祈ります。私たち一人ひとりがその力にならなくては。

写真は United Nations Development Programme が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.19

戦争を始めた理由

Kenya sees military operation in Somalia as necessity - ケニアがソマリアに侵攻して1か月が過ぎました。侵攻の背景や展望をロサンゼルス・タイムズ紙がまとめています。

Dadaab, Kenya. Nuovi arrivi al campo by Oxfam Italiaソマリアの武装勢力アルシャバーブ(al Shabaab)は、長年、ケニアに越境して外国人観光客の拉致などを行なってきました。観光が大きな産業であるケニアとしては、それを看過することができなかったというのが背景の一つ。

もう一つの背景が干ばつによる人道的な問題で、ソマリア国内では300万人が飢饉に喘いでおり、75万人が餓死しかねない状態です。アルシャバーブは外国からの援助団体に不信感を持っているので、なかなか援助物資を届けることができません。既に国内に設けられたダダーブ難民キャンプに難民を多く受け入れているケニアは、これ以上の流入を止める手だてを取らざるを得なかったようです。

こうして、独立以来初めての戦争が始められました。しかし、ソマリアは近年ではアメリカやエチオピアの侵攻を退けた地であり、Operation Linda Nchi (国土防御作戦)が短期で決着がつく見込みはありません。長年の内戦で武器が数多くソマリアに流入していることも、ケニアにとっては不利です。

戦争のため、飢餓に瀕する地域にはますます援助が届きにくくなってしまいました。また、ケニアがテロ攻撃の標的になりやすくなったとも考えられています。これまでは外国人の拉致のみが問題だったが、侵略によって、ケニア人のだれもが危険にさらされるようになりました。

多くのケニア国民はまだ戦争を支持していますが、「手に負えないことを始めてしまったのではないか」という不安が人々の心に生まれつつあるようです。

私たちの国も、すぐとなりに人道的危機に陥りかねない国があり、また、奇しくも「拉致」を経験してきました。それでも私たちの国が戦争に踏み切らずに来られたのは、やっぱり憲法9条のおかげだと思います。

写真は Oxfam Italia が CC-by-nc-nd で公開しているもの。キャンプに到着したソマリア難民の人たちです。美しすぎる写真を選んでしまいました。

このブログで

2011年 11月 19日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.11.18

野良犬が命拾いした日

Ukraine calls for dog killing ban - ウクライナが野犬の殺処分を中止しました。

ladies_stop by vtornickウクライナは来年6月にポーランドと共催でサッカーの UEFA 欧州選手権を開くのですが、それを前に「街をきれいに」しようと、何千匹もの野良犬を捕まえ、毒薬などで殺していました。これが内外の非難をあび、イギリスの Naturewatch などが抗議行動を起こしていました。それを受け、環境大臣が市町村長あての通達で、殺処分をやめ、シェルターを作ることを求めました。

私たちの国に目を転じると、東京都は1年に3,000匹以上の犬や猫(主に猫)を殺しているようですが(東京都福祉保健局の資料。年々減ってはいるようです)、2020年のオリンピック招致に向けて、問題ないのでしょうか。これを機にぜひシェルターの充実と里親の推進を。

ウクライナの写真は vtornick さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.17

海賊退治と自由な世界の死

Droits d'auteur : les Etats-Unis menacent Internet de « peine de mort » - アメリカ議会下院でオンライン海賊行為防止法(Stop Online Piracy Act)という法案の審議が始まりました。

Creative Commons by Giuli-Oこの法律が施行されると、アメリカ国外にある著作権法違反サイトに関して、国内の検索エンジンがそれを検索結果として表示することや、電子送金サービスなどがそのサイトから利用できるようにすることを連邦政府が禁止することができるようになります。 Rue89 の記事は、サイトに「死刑宣告」をするようなものだと表現しています。

「インターネットの歴史上、最大の危機」ともされています。ちょっと大げさな気もしますが、ウェブに公開すれば「世界中のどこからでも読むことができる」といった開放的な時代が終わることにはなるのでしょう。

どの国でも、平均的な人が著作権のことをよく理解しているわけではありませんし、特にアメリカの著作権の詳細など知る由もありませんから、とても混乱するでしょうね。異議申し立ての仕組みがあらかじめ用意されなくてはならないとも思います。

また、過去の媒体を念頭において組み上げられてきた著作権法の体系をそのまま踏襲するのではなく、インターネットの時代にどのような用途がフェアユースと言えるのかなどの議論がまずなされなければならないと考えます。

そういった細かい議論より、もっと骨太に、インターネットは常に様々な若干の不純物を含んできたからこそ成長して来たのであり、それを検閲してしまおうというのは、インターネットのよさを殺してしまう、といったところが一番心配な気もします。

写真は Giuli-O さんが CC-by で公開しているもの。従来の著作権法にはない新しい権利保護と利用推進をめざすクリエイティブ・コモンズ。

このブログで

2011年 11月 17日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.11.16

第一印象は遺伝子で決まる

Gene link to kindness - 私は全く知らなかったのですが、心の優しさの度合いを左右する遺伝子があるというのは周知の事実のようです。そして、人は、目の前の人がその遺伝子を持っているか否かを、ほんの一瞬で見分けることができるという記事。

Empathy by AslanMediaProceedings of the National Academy of Sciences に掲載された元の論文を読んでみました。 "Thin-slicing study of the oxytocin receptor (OXTR) gene and the evaluation and expression of the prosocial disposition" という論文です(リンク先はアブストラクト。研究機関等からなら論文本体も読めます)。オキシトシンというホルモンの受容体の rs53576 という一塩基多型(SNP)に G という対立因子を持っていると、A という対立因子を持っている場合より、信頼、気前のよさ、共感、犠牲精神、ストレス下で相手に寄り添おうとする気持ちなどが強くなるそうです。実験では、恋人たち23組に関して rs43476 の型を調べ、パートナーが辛かった経験を話しているのを聞いているところをビデオに撮り、そのビデオを音を消した上で20秒間見せて、どんな人かを判断させました。その結果、GG という遺伝子を持っている人は、AA または GA の遺伝子を持つ人よりも有意に向社会的(prosocial)だと判断されたということです。

新聞記事では「優しさ」と表現されていたのですが、原著では「向社会性」とされていました。また、ビデオに写っていた人はみな白人だそうで、それはなぜかと言うと、 rs53576 は人種によって働きかたが違うことが分かっているのと、調査したアジア人には GG 型の人が極めて少なかったからなのだそうです。

というわけで、まだまだ研究を進めなくては分からないことだらけな気もしますが、遺伝子によって性格が左右され、それは第一印象として正しく認知されるという話でした。

自分がどんな遺伝子を持っているのだろうとか、他の人は私のことをどんなふうに見ているのだろう、それは当たっているのだろうかとか、ちょっと心配になってしまいます。そういう心配をしなくてもいい自信に満ちた人として生まれなかったことだけは確か。

写真は AslanMedia が CC-by-nc-nd で公開しているもの。OWS にて撮影。「思いやり。無料」。うーんと、この人の遺伝子は…

このブログで

2011年 11月 16日 午前 12:24 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.11.15

違法捜査と報われぬ愛

Armed Officers Raid Papuan Student Dorms - インドネシアでは、先月19日の Jayapura での虐殺以来緊張が続くパプアの出身者が警察や軍の監視のもとに置かれているようです。

Mahasiswa Papua IMAPA Jakarta by kalki_nasem行方不明者ならびに暴力の被害者委員会(Kontras、Commission for Missing Persons and Victims of Violence)などが13日に発表したところでは、10日の夜、ジャカルタ南部のパプア人学生寮が令状なしに捜索を受けました。ドアを壊して入り、建物内の物品を多数押収して行ったそうです。同様の捜索がバリ島のデンパサールなどでも行なわれたもようです。 Kontras やパプア人市民団体は、捜索が人権侵害にあたると抗議しています。

パプア人学生団体は「私たちはパプアで、ジャワ島やその他の地域の人たちを愛をもって受け容れてきた。それなのに私たちはここで、不当に、そして非人間的に扱われている」とする声明を出したそうです。

これとそっくりの表現を日韓併合の歴史の中で読んだ記憶があります。だれの言葉だったのだろう。

ジャカルタに住むパプア人学生たちの写真は kalki_nasem さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.14

危険な波

Germany sees "new form of far right terrorism" - ドイツの極右に新たな動きが見られるようです。暗殺です。

by spectacle productions捜査当局が注目しているのは「国家社会主義地下組織」(Nationalsozialistischen Untergrund = NSU)を名乗る組織で、これまでにトルコ系移民8人を含む10人の市民を殺害したと考えられています。最近、自殺した人が犯行に用いられた銃を所持していたことが分かり、この人が右翼組織にどのような形で所属していたのかなどが調査されているところです。このグループの特徴は、犯行声明などを出さないこと。そのため、殺害事件の多くが謎に包まれたまま、迷宮入りしていました。これはドイツの右翼勢力の中ではこれまで見られなかった特徴だそうで、捜査当局は「新たな形態のテロリズム」だと認識しているようです。

私たちの国では、過去、何回か右翼による政治家の暗殺が起きていますが、一般市民の殺害についてはあまり聞かないように思います。犯行声明を出さないので分からないだけなのかもしれません。

最近では、国粋主義者たちが朝鮮大学校の学園祭に押しかけ、「我々は朝鮮人を殺しに来た」などのあからさまな脅迫をスピーカーでがなりたてて行ったという話を聞きました。そういう言葉の次に彼らが何をするかは明らかなように思えます。

そういうことをさせない社会を作ること。できることならば、彼らの病んだ憎悪を砕き、人としての普通の心を取り戻させてあげること。それらが私たちに求められているのでしょう。

国粋主義に反対するデモの写真は spectacle productions さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。「黙っていることは承認することだ」でしょうか?

このブログで

2011年 11月 14日 午前 01:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.13

一肌脱ぎましょう

Moscow to host charity strip show - ロシアで、ホームレスの越冬支援のためにストリップ・ショーが開かれることになったという記事です。

Striping russian dolls by davepattenNPO の Справедливая помощь (公正な支援)が主催するもので、場所はモスクワ земляной вал にある American Bar & Grill というレストラン。モスクワ在住の外国人や外国からの観光客がよくいく店だそうです。コートなどの冬服、薬、または現金を寄付すると入れるそうです。もちろん、プロの踊り子さんたちが出演。性別は書いてありませんでした。

モスクワでは去年の冬、100人以上の野宿者が死んだそうです。私たちにとっても、他人事ではありません。だれか、いい企画を立ててくれるといいな。

この記事を紹介するかどうかを考えた時、性的な搾取でありうるという側面と、「いき」を天秤にかけた感じがします。心はぱっと決まったのですが、そのぶん、考えを尽くしていないという心配が。見に行ったことがないので、手がかりが不足気味。

「ロシア」「ストリップ」で検索して出てきた写真は davepatten さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。服を一枚一枚脱ぎ捨てていくようすがよく分かります。これも女性蔑視にあたるでしょうか… かわいらしくも、えげつなくも見える気がしますねえ。

このブログで

2011年 11月 13日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.11.12

抗争の火種

Godfather of Rio slum caught in car boot - 南米最大のスラム街、ブラジルのリオデジャネイロにあるホッスィーニャ(Rocinha)の治安が緊迫した局面を迎えそうです。

Rocinha, Rio de Janeiro by Eunheui記事は、ホッスィーニャを支配してきたギャングの首領 Nem 氏が警察によって逮捕されたことを伝えています。

これから起こりかねないのは、一つには、更に治安確保を広げようとする警察とそれを排除しようとするギャング ADA (Amigos dos Amigos) の間の対立の激化。そして、もう一つ、指導者の逮捕によって ADA が弱体化したと見る CV (Comando Vermelho) などの他のギャング組織の進出による抗争です。どちらの場合も、無関係の市民が撃ち合いに巻き込まれたりして危険にさらされるでしょう。

8月にホッスィーニャに行った時、治安がよいのに驚きました。ギャングが、警察に入ってくる口実を与えないため、厳しく犯罪を取り締まっているからだと言われました。あと、何でも写真に撮っていいけど、銃を持っているひとだけは撮るなと。自動小銃を手に見回っている人を2回見ました。この街を牛耳っているギャングの人たちです。

警察がその代わりになって治安を維持できるのかが問われています。

写真は私が CC-by-nc で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 12日 午前 12:13 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.11.11

海兵隊の新基地

Obama to announce US marine base in Darwin - アメリカの海兵隊が新たな基地を作ることになったようです。APEC 終了後のオバマ大統領によるオーストラリア訪問で発表される見込みだそうです。沖縄の基地再編にはどう影響するのでしょうか。

by Sweet One場所はオーストラリア北部準州のダーウィン。 Robertson Barracks というオーストラリア軍の基地を拡張するようです。オーストラリアでは緑の党などが米軍基地の設置に反対しているので、何もないところに基地を作るのは無理だと判断したようです。

なぜオーストラリアに基地建設かというと、中国の太平洋進出を牽制する狙いがあるのは当然ですが、沖縄では中国のミサイルの射程距離に入ってしまっているので、より安全な場所に武器を置きたいというのが一つの理由のようです。

もう一点、狭い沖縄ではできない訓練がここならできる、という話が出ていました。

なんだ、沖縄にいるよりいいのなら、出ていけばいいのにと思いますが、いろいろ複雑な事情があるのでしょう。また、沖縄だとミサイルが届いてしまうからというのは、基地が攻撃の対象になりやすいということですよね。これも嫌な話です。

いずれにせよ、今まで、普天間飛行場の移転に関して、グアムの名前は出ていましたが、ダーウィンが取りざたされることはなかったように思います。これで、少し方程式が変わるのでしょうか。

ダーウィンの写真は Sweet One さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。動物はワラビーです。兵隊が訓練している殺伐とした写真は多かったのですが、そういうのは好きじゃないので、ほのぼのとしたものを選びました。しかし、その他いろいろの写真を見て、沖縄の人たちが普段、どういう人や出来事と隣り合わせにされているかは、とてもよく分かりました。

このブログで

2011年 11月 11日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.11.10

冬の宿

Paris opens up homeless shelters over fears of "humanitarian crisis" - 冬の迫るパリでは、ホームレスの人たちのために、新たに550床のベッドが準備されることになりました。

Homeless woman by John van Hulsen記事からは、ベッドが置かれるのがシェルターなのか宿泊所(ホステル)なのかは分かりませんが、1、3、4、11、15の各区に泊まれる場所が設けられ、そのうちの一つは女性専用、一つが女性も男性も利用できる施設(家族用でしょうか)、もう一つは外国人の未成年者用になるとされています。

パリ市は冬場のホームレスの生活が「人道的な危機」になりかねないという理解をしていて、今後数年で2,000床の施設を作ることを決めたと記事は書いています。それでもパリを含むイル・ド・フランス地域では13,000人ぶんの施設が足りないそうです。

この記事では触れられていませんが、パリでは、ちょっと前に、ホームレスのカップルがいくつもの病院に断られた末、子どもを産んだが、すぐにその子が死んでしまったという事件が大きなニュースになっていたようなので("Bébé mort dans la rue: pas de demande d'hébergement de la mère depuis le 5 octobre")、特に今、人々の関心が野宿者の問題に向いているのかもしれません。

パリほどではないと思いますが、私たちの国にもホームレスの人たちがいます。私の住んでいるところでは、先週までは異様な暖かさでしたが、今週に入って、だいぶ寒くなってきました。寒風をしのげる寝床が1人でも多くの人のものになりますように。

パリの写真は John van Hulsen さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 10日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.11.09

性的少数者を議会へ

Transsexual makes debut in new Polish parliament - ポーランドで8日、国会が開会し、10月9日の総選挙で選ばれた下院議員たちが登院し、宣誓を行ないました。

Anna Grodzka by r-a-d-e-k記事は、注目すべき議員2人を紹介しています。1人は Anna Grodzka 議員。グロツカ議員は初の性転換者の議員です。「とても象徴的な瞬間だと思います。しかし、この象徴性は私によるものではなく、ポーランドの人々に由来するものです。人々が選挙で選択をしたのですから。人々は現代的なポーランドを求めました。多様性に開かれていて、差異があっても、だれもが気持ちよく暮らせるポーランドを」と語ったそうです。

by Bert Kommerijもう1人は Robert Biedron 議員。彼は自らがゲイであることを明らかにしている初めての議員です。同性愛者の権利運動で中心的な役割を果たしてきた人です。

2人とも、パリコト運動(Ruch Palikota)という新しい革新政党に所属しています。同党は今回の選挙で第3党となりました。党是として、同性愛者の権利確立や妊娠中絶の合法化を掲げていますが、その一方で新自由主義的な財政を目指しているようでもあります。

ポーランドと言うと同性愛者への憎悪犯罪が多いところのような印象があったのですが、そこで性的マイノリティの権利を高く掲げて大きな支持を得る政党があるというのは、言葉は悪いですが、おもしろいなあと思いました。逆に、私たちの国では、日常的な暴力事件は少ないかもしれませんが、これで選挙を闘おうという気骨のある党もないように思えます。違うでしょうか。

グロツカ議員の写真は r-a-d-e-k さんが CC-by で公開しているもの。ビエドロニュ議員の写真は Bert Kommerij さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.08

性の独立

Seksualiti Merdeka says will let IGP decide on programme ban - マレーシアでは、今月初めから、セクスアリティ・ムルデカ(性の独立、かな?)というグループがフェスティバルを開いていましたが、イスラム系団体の抗議により、催しは中断に追い込まれていました。

by HaniSham™現在、セクスアリティ・ムルデカは刑法298条A(宗教に関する項)と(たぶん集会などの届け出に関すると思われる)警察法27条A(1)(c) で取り調べを受けているようです。

記事は、セクスアリティ・ムルデカの主催者らが今日か明日にも警察の監察長官と面会して、催しが平和的なものであり、イスラム系団体の主張する「イスラムへの冒涜」という批判はあたらないことを説明し、フェスティバルを再開するか否か、監察長官の判断を求めるつもりだと伝えています。

マレーシアはイスラムが国教で、同性間のセックスは違法とされていると聞きます。そういう環境で LGBT を課題として提起するのは、とても勇気のいる、しかしとても重要なことだと思います。事の行方をしっかりと見守りたいと思います。

マレーシアの写真は HaniSham™ さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.07

詩人と麻薬戦争

Mexican poet aims to take drug war protest to US - メキシコでは政府の進める「麻薬戦争」(war on drugs、guerra contra las drogas)によって、5万人が死亡、1万人が行方不明、12万人が家を失いました。

Javier #Sicilia 's Non Violence Speech I by Pepe Rivera戦争よろしく軍隊も投入した取り締まりに対する麻薬密売組織の武力的な報復の他、闇市場の高い権益を巡ってカルテル間の抗争が起こり、市民が多く巻き込まれています。

著名な詩人ハビエル・シシリア(Javier Sicilia)さんは、これまでにもメキシコ国内で平和のための行進などを行なってきましたが、今後アメリカ国内でもエルパソからワシントンまで行進を行なうつもりであることを明らかにしました。取り締まりへのアメリカ政府による援助や、武器を流入させる軍需産業などがこの果てしない殺し合いの根源にあると考えるからです。シシリアさんは、息子さんが麻薬をめぐる抗争に巻き込まれて亡くなったことで、麻薬戦争のことを深く考えるようになったそうです。

シシリアさんの詩のいくつかはここにありました。残念ながら、訳してご紹介するほど私はスペイン語が堪能ではありません。

記事は、麻薬を犯罪として取り扱うアメリカで依存症などの健康問題が増加しているのに対し、麻薬の所持を非刑事犯罪化したポルトガルでは、使用率は上がらず、むしろ医療による救いの手がよりよく届くようになったことを指摘しています。

記事はまた、2週間前のギャラップ世論調査で、アメリカで初めてマリファナ合法化を支持する人が支持しない人を上回り、50%に達したことに言及しています(Gallup 社のサイトに詳細があります: "Record-High 50% of Americans Favor Legalizing Marijuana Use")。

アメリカにおける大麻合法化の話題は、私、かねてから注目していて、一昨年去年と、だいたい、2014年にどこかの州で合法化、2019年に全米で合法化という予想をたてています。このところ、ちょっと歩みが遅くなったかなと思っていたのですが、今回の数字で、受容度の面では着実に「常識」が変わってきていたことを知りました。今のところ、予想は修正しなくてもよさそうです。問題は下部構造の経済情勢ですね。もしかすると、軍需産業に大きく依存する経済のままでは、合法化は望めないということなのかもしれません。

Javier Sicilia さんの写真は Pepe Rivera さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.06

銀行を変えよう

Bank Transfer Day: Occupy-backed assault on big banks gaining steam - アメリカでは昨日は「銀行乗り換えの日」(Bank Transfer Day)だったそうです。知りませんでした。

Protesting US Bank at OccupyMN - Day 20 by Fibonacci Blue大手銀行に持っている口座を閉じて、より地域に密着した信用組合(credit union)を利用しようという呼びかけで、10月1か月で65万人もの人が銀行を乗り換えたそうです。これで終わりにしなければ、年末には100万人ぐらいには行くように思います。

バンク・オブ・アメリカなどが口座使用料の値上げなどをしようとしたのがきっかけで始まった運動だそうです。本当にアメリカの人は怒っているんですね。銀行を変えようと思うと、いろいろと付随的にやらなければならないことが多くて、大変です。それにも関わらず数十万人の人たちがそれを行動に移したというのはすごい。

この呼びかけは国際的なものだったそうです。私も大手銀行を利用しているんですが、乗り換えたほうがいいのかなあ。そもそも、私、金融機関のことは、さっぱり分かりません。都市銀行、地方銀行、信託銀行、郵便局、信用金庫、信用組合なんていうのがありますよね。どう違うんだっけ。公民の時間に習ったような記憶がありますが、すっかり忘れてしまっています。

ところで、bank transfer を「銀行乗り換え」と訳しましたが、本来は「振込、送金」の意味です。また、11月5日という日にちは、1605年にイギリスで議会の爆破テロを企てた Guy Fawkes さんにちなんでいるのだそうです。国際的な運動にするには、ちょっと英語、英米文化に乗っかりすぎているかもしれません。私たちの国でやるんだったら、いつがいいのかな。

写真は Fibonacci Blue さんが CC-by で公開しているもの。ミネソタ州での占拠(OWS)運動の現場から。

このブログで

2011年 11月 6日 午前 12:00 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2011.11.05

愛と文化と開発援助

ザンジバルって、どこにあるかご存知ですか? タンザニア連合共和国に属する、アフリカ東岸の小さな島。ロックグループ、クイーンの故フレディ・マーキュリーが生まれたところです。

Figures Bathing in Liquid Gold by CanelesTanzania says NO to UK - ザンジバル自治政府の Ali Mohammed Shein 大統領が今週、イギリスが援助の条件として同性愛者の人権保証を求めるのであれば、タンザニアは援助を拒否すると語りました。

「援助が必要だからといって法律を変えることは、ほぼ不可能だ。私たちには私たちの価値観がある。受け入れることはできない。援助なしでやっていくほうがましだ。」

イギリスのキャメロン首相が援助と同性愛者の権利を結びつけるつもりであると発言したことに対し、タンザニアでは政府高官の発言が相次いでいます。「独自の文化があることを英国は理解すべきだ」「西洋の変な風習によって私たちの文化が影響されることを許してはならない」など。

記事は、隣国のケニアとウガンダでも同様な反発が広まっていることを伝えています。

ジェンダーや性指向(LGBT)の政治と、援助と開発という帝国主義的手法が衝突している状況。よくあることかもしれません。望ましい解決に寄与するには、私は何をすればいいのでしょう。自分に何かができるなどと思い上がらないほうがいいことも分かってはいるのですが。

美しいザンジバルの海岸の写真は Caneles さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.04

自由の波

Gaza-bound flotilla 'Freedom Waves' leaves Turkey - ガザを目指して、新たな船団が出発しました。「自由の波」(Freedom Waves)と言います。

graffiti32 by helga tawil souriカナダの船とアイルランドの船の2隻で、カナダのは「タハリール号」(Tahrir、解放)と名付けられています。2年前、Mavi Marmara 号がイスラエル軍の攻撃を受けて死傷者を出したり、今年の7月には出発間近の船に妨害工作が行なわれたりしたため、今回はかなりひっそりと準備が行なわれ、正式に発表があったのは、2隻がトルコを出港し、公海上に出てからでした。

乗っているのは25人ほど。港では、「人間であり続けろ」という Vittorio Arrigoni の言葉で挨拶が交わされたと記事は伝えています。

Canadian Boat to Gaza のサイトで、船団派遣に伴う費用をまかなう寄付(PayPal)を受け付けています。船の位置も刻々と示されています。

パレスチナと言えば、UNESCO への加盟が認められたため、アメリカが拠出金を凍結しました。公益社団法人日本ユネスコ協会連盟というところに寄付してみましたが、とてもアメリカの代わりにはなりませんねえ。UNESCO そのものには個人の小額の寄付はできないと思うのですが、何かご存知のかたがいらっしゃいましたら、お教えください。

船団の人たち、そしてもちろんガザの人たちのために祈ろうと思います。

写真は helga tawil souri さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。ガザ市の壁の落書きだそうです。

このブログで

2011年 11月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.03

伝統と自然

Chukotka whalers get new boats, satellite navigation from government - 先祖伝来の捕鯨を続けているロシアの先住民たちにロシア政府から新しい漁船や GPS などが届けられたそうです。

Хатырские олени 2007 (12) by Магаданロシアではほぼ全面的に捕鯨が禁止されており、唯一捕鯨が行なわれているのは極東、カムチャツカ半島の更に北に位置するチュクチ自治管区のみ。ここの8つの村で、今年は117頭のクジラと2,906頭のセイウチ、アザラシが捕獲されたそうです。

「先住民のアイデンティティと文化的な遺産を守るため」、これらの漁には政府予算から補助が出ており、今回、8隻の漁船とロシア版の GPS (ГЛОНАСС = Glonass というそうです)、オフロード車、燃料などが援助されました。

伝統文化が古い形のままでとどまる必要はないと思う一方、こと自然を搾取する場面では、GPS のような最新技術を使うのは反則のような気がしてしまいます。伝統だの文化だのを踏み台にして、産業革命以降の技術に活躍の場を与えると、環境は持続できなくなってしまうように思えます。

チュクチ半島の写真は Магадан さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。息をのむような美しさです。

このブログで

2011年 11月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.02

地雷は嫌い

Syria mining Lebanon border - シリア軍がレバノンとの国境沿いに地雷を敷設しているという記事です。

welcome to syria (again) by Paul Kellerアサド大統領の退陣を求める反体制運動が続くシリアでは、政権による弾圧から逃れて隣国のレバノンやトルコに向かう人たちがいるようで、それを防ぐために、シリア軍はホムズやバールベックなどで地雷を埋めて国境の封鎖を図っています。シリア兵たちが作業をしているのがレバノン側から目撃されているほか、シリアの匿名政府関係者もそのことを認めています。

言うまでもなく、地雷は何年も経っても、人々を脅かす存在であり続けます。アサド大統領に、地雷敷設の即時中止を訴えたいと思います。また、シリアは対人地雷禁止条約(オタワ条約)に加盟していません。日本政府には、条約の普及に向け、より一層の努力を期待します。

私、シリアからレバノンに陸路で移動したことがあります。車窓から、草原の中でテントを張って暮らしている人たちが見えました。私が尋ねたシリア人は、ジプシーの人たちだと言いました。その人とあまりうまく話が通じていたとは言いがたいので、本当にジプシーなのか、それとも遊牧民なのか、それとも(パレスチナ)難民なのか、それともホームレスの人たちなのか、分かりません。でも、国境沿いの地帯に住居を定めず暮らしている人たちがいることは間違いありません。地雷がその人たちの命を奪わないことを祈っています。

Landmines hurt and kill people years after they are placed. I strongly urge President Bashar Assad of Syria to stop laying mines immediately. I also urge the Japanese government to redouble its efforts to get more countries to sign and ratify the Ottawa Treaty.

#こんなこと書いていないで、自分の国の原発を心配しろよ、という話もある。

写真は Paul Keller さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 11月 2日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.11.01

減少する人種差別犯罪

Decline in hate crimes in Finland - フィンランドでは、去年、今年と、マイノリティに対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)が減少しているそうです。

African drummers by wstryder昨年が一昨年より15%減、今年も9月までが前年同時期に比べ20%減とのこと。すばらしいことです。ただし、これらは警察への通報数で、統計を発表した警察自身が、通報を受けるのは実際の発生件数のうちのごくわずかであることを指摘するとともに、「日々の人種差別等が一般化してしまって、人々が反応しなくなったということでなければいいのだが」と述べています。

数字からは、マジョリティとは外見や文化が異なるマイノリティが憎悪犯罪の標的になることが多いということが分かるそうです。頻繁に標的とされるのは、ソマリア人、トルコ人、イラク人。絶対数ではもっと多いロシア人、エストニア人、スウェーデン人が攻撃を受けることは少ないようです。

憎悪犯罪のほぼ9割が人種差別的なもの。6%が宗教に関するもの、4%が性指向に関するもの。

人種差別的な犯罪の8割が、マジョリティによるマイノリティの攻撃。反対にマイノリティが多数派のフィンランド人を攻撃した例は1%に過ぎません。残りは、マイノリティ同士の攻撃、もしくは、加害者がだれか分からない場合だそうです。

減少傾向が本当のものだとして、その原因は何なのでしょうか。ぜひ学びたいところです。

ヘルシンキの写真は wstryder さんが CC-by で公開しているもの。いい写真ですが、この記事の文脈で使うと、ちょっとステレオタイプ的でしょうか。私自身は、人並みはずれて音痴な黒人の知り合いがいるので、そういうステレオタイプからは自由なつもりなのですが。

このブログで

2011年 11月 1日 午前 12:00 | | コメント (7) | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »