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2011.09.30

鉄道と戦争犯罪

Holocaust survivors take rail fight to Congress - ホロコーストの幸存者が絶滅収容所にユダヤ人たちを運んだフランスの鉄道会社を訴えているという記事。「歴史と公正さのための闘い」と評されています。

Railroads to the Reich: French 訴えられているのはフランス国鉄(SNCF = Societe Nationale des Chemins de fer Francais)。ビシー政権下で7万6千人のユダヤ人をナチス・ドイツに送り届けたと言われています。

外国政府の免責特権のため、フランス国鉄を訴えることはできませんでしたが、メリーランド州でフランス国鉄の戦時中の文書開示を命じる法律ができたほか、現在、連邦議会でフランス国鉄を免責から除外する法律が審議されているそうです。

世界のさまざまなところで、第二次世界大戦当時の戦争犯罪が裁かれようとしています。

当時、捕虜やユダヤ人を運ぶのに使われた貨車の写真は ksr8s さんが CC-by-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.29

欧が株取引に課税を検討

Will the Tobin tax make or break Europe? - ヨーロッパでトービン税導入の議論が本格的に始まりました。欧州理事会の José Manuel Barroso 議長が水曜日、欧州議会に向けた一般教書演説で導入を正式に提案しました。

City of London by aurélien.トービン税(金融取引税、 Financial Transaction Tax)は、1回ごとの証券取引にごく低額な税を課すもので、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの James Tobin が提唱した税制です。あまり高率の税だと経済活動を停滞させてしまうおそれがあるため、極めて低率に設定されるわけですが、それでも最近の証券市場は機械ですごい回数の取引を繰り返して成り立っているそうなので、低率と言っても、反対は強いでしょう。

今回の提案には、フランスとドイツの財政当局が強く賛成しているほか、IMF も賛同しており、他のヨーロッパ諸国の多くもそれにならうと思われますが、イギリスは真っ向から反対すると見られています。イギリスでは、2年ほど前に当時の労働党政権がトービン税導入の検討を始めましたが、昨年の政権交代で英政府は姿勢を正反対に転換してしまいました。保守党とか自由民主党とか名乗る党の真骨頂かもしれません。

私は、トービン税は、累進の強化と並んで、富裕層により応分な税負担を求めるとてもいい方法だと考えます。私たちの国でも検討されるといいと思います。

写真は aurélien. さんが CC-by-sa で公開しているもの。よく分からないのですが、ロンドンの金融街の写真ということで選びました。

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2011年 9月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.28

組合の効用

As Unions Weaken So Does the Middle Class - アメリカの左派シンクタンク Center for American Progress による労働組合の組織率と賃金および富の分布に関する試算です。

Union Yes by mfhiatt試算によれば、現在、全米で12.0%まで落ちてしまっている労働組合の組織率が10%上がれば、労働者の年収は$1,479(約11万3千円)上がるそうです。

組合の組織率は長期低落傾向にありますが、これと軌を一にしているのが中流層の弱体化です。1968年には組合組織率が28%、中流家庭が53.2%を占めていましたが、昨年には中流層は46.5%となりました。

一方、収入の上位1%層は、1974年には全収入の9%を占めるのみでしたが、2007年には全収入の23%を懐に納めるまでになりました。さらに、上位0.1%に至っては、2.7%から12.3%にまで上昇し、富の寡占化が急激に進んでいることが分かります。

日本ではアメリカよりも高い組合組織率がいまだに維持されていますが、それが収入増に結びついている実感はありません。ただ、富の集中はアメリカほど酷くないかもしれません。もしそうなら、組合ががんばっているから、ということになるのかな。

あと、「中流」に届かない層への影響も知りたいですね。組合の真価が問われるのは、そこだとも思います。

写真は mfhiatt さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.27

感謝と戸惑いと

PH donating $1M to Japan - 来日中のフィリピンのアキノ大統領が26日、宮城県石巻市を訪れ、津波からの復興のため、100万ドル(約7,630万円)を石巻市に贈呈すると発表しました。

by World Bank Photo Collection東日本大震災で石巻市は約6,000人の死者、行方不明者を出しましたが、その中には3人のフィリピン人も含まれているそうです。生き残った被災者にもフィリピン人が多く含まれていて、彼らにも支援の手を差し伸べてくれた石巻の人たちへの感謝の印、長年にわたって経済支援を行なってきた日本の人たちへの感謝の印ということです。この義援金はフィリピンの大統領社会基金から出されると記事は伝えています。

これまでの私たちの行動が評価された誇らしさ(という、おそらくは素朴すぎる気持ち)や感謝の念とともに、フィリピンと日本の経済格差(一人あたりGDPで20分の1前後)を思う時、申し訳ないとも、あるいは、恥ずかしいとも思ってしまいます。石巻市もフィリピンの経済状態を知らないわけはありませんから、それでもフィリピンのお金を受け取ろうというのは、国や県から十分に復興のための資金が下りてきていないということなのかもしれません。政府には迅速な対応を要望します。

6月に、ケニアからの義援金の話を書きました。もしかすると、他にもいろいろな国から支援が寄せられているのでしょうか。戸惑いながらも、それらすべてにありがとう。

ベニグノ・アキノ大統領の写真は World Bank Photo Collection が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 9月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.26

北の水俣病

First Nation Mercury Survivors Visit Japanese Mercury Experts - カナダでも水俣病(水銀中毒)が発生していたことを私は知りませんでした。オンタリオ州 Grassy Narrows にある先住民居住地。その代表たちが今月、熊本を訪れました。リンクを張った記事はその帰国報告です。強く水俣との絆を感じたとあります。

Beautiful Grassy Narrows by Rainforest Action Networkオンタリオの水俣病は、製紙工場から排出される水銀による汚染のようです。1970年代に州政府が漁を禁止しましたが、補償や責任追及はまだまだです。先住民たちは、水銀排出だけでなく、森林伐採などを含めた環境破壊に対して抗議をしています。

各地で来日した先住民コミュニティ代表や水俣病の権威、原田正純さんを迎えて集会が開かれたそうで、そこで大類義さん監督によるドキュメンタリー映画 The Scars of Mercury (水銀の傷跡。邦題は「カナダ先住民と水俣病」)が上映されました。 Intercontinental Cry というサイトで全編見ることができるようです(始まってすぐ、バランスをとれなくなった猫が雪の上を歩いているのが映って、切なくなりました)。

Grassy Narrows の写真Rainforest Action Network が CC-by-nc で公開しているもの。この美しい水面に水銀が隠れているのでしょうか。

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2011年 9月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.25

人権は手のひらの鳥

Serbian designer wins competition for a global human rights logo - 1か月前、人権の国際的なロゴを決める投票が行なわれているという話を書きました(「人権のかたち」)。投票の結果が発表されました。

the universal human rights logo

手のひらのようにも、鳥のようにも見える、セルビアの Predrag Stakic さんの作品が選ばれました。 Logo Design Challenge For Human Rights サイトの説明によると、パブリック・ドメインとなっているようです。

もちろん、ロゴひとつで世界が変わるわけではありませんが、世界でひとつのロゴを持つことで、「世界のどこでも、満たされなければならない基本的なことは同じだということが分かるようになる」とアウンサンスーチーさんが述べていると記事は伝えています。

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2011年 9月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.24

書棚に戻る

Mark Twain book returned to shelves at Charlton library - アメリカのある図書館で、1906年に禁書とされて閲覧禁止にされた本が1世紀ぶりに書棚に戻されたそうです。

First Edition: Eve's Diary by jondresner「土曜日。私が生まれて一日が経った。ここに来たのはもう昨日だ」という書き出しで始まるこの本は、マーク・トウェインの「イブの日記」(Eve's Diary)。旧約聖書のイブの視点で書かれた日記です。設定上、仕方がないと思うのですが、挿絵が裸の女性なので、わいせつだと見なされたようです。

以前にも紹介したとおり、9月の最終週はアメリカ図書館協会の「禁書週間」(Banned Books Week)。それに合わせての復活とあいなったようです。

Eve's Diary は、挿絵を含め、 Project Gutenberg で読むことができます。そう言えば、 Project Gutenberg の創始者、 Michael S. Hart さんが今月半ばにお亡くなりになったのでした。謹んでご冥福と、残されたかたがたの心の平和を祈ります。

初版の表紙の写真は jondresner さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 24日 午前 01:17 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.23

国家承認をめぐる街の声

Poll: 70% of Israelis say Israel should accept UN decision - エルサレム・ポスト紙の報道によれば、イスラエル人の69%が、国連がパレスチナを国家として認めたならば、イスラエルはその決定に従うべきだと考えているとのことです。

255-365 Recognise Palestine by Arcadiušパレスチナとイスラエルの調査機関が共同で行なった世論調査で、パレスチナ側の Palestinian Center for Policy and Survey Research には調査結果の要旨が掲載されていましたが、イスラエル側の The Harry S. Truman Institute for the Advancement of Peace のほうでは結果が(少なくとも英語では)公開されていないようです。

イスラエルでは、パレスチナ国家が承認された場合、34%が国家樹立のための交渉に入るべきだと考えています。その一方で、パレスチナ国家に反対する人たちの間では、入植地の建設を加速させるべきだとするのが16%、パレスチナを併合すべきだとするのが7%、国家樹立阻止のためにパレスチナに軍事侵攻すべきだとするのが4%となっています。

パレスチナ側の意識調査では、武装闘争の再開を支持するのが26%であるのに対し、非暴力の抵抗運動を支持するのが37%とかなり大きく上回りました。国連への加盟申請を支持する意見は83%に上りました。

パレスチナでもイスラエルでも、8割近くの人がアメリカが拒否権を発動すると考えているそうです。私もまた、それを危惧しています。冒頭にあげたようにイスラエル人の大半が国連の決定に従うとしているというのは、拒否権が使われるべきでないということを示していると思うのですが、アメリカはだれのためにそれをしようとしているのでしょうか。

写真は Arcadiuš さんが CC-by で公開しているもの。たぶんヨーロッパのどこかの街に掲げられた「パレスチナを承認せよ」の旗。

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2011年 9月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.22

流浪の民

Dale Farm: Barricades down but no access for bailiffs - 知らないことばかりなので、誤解が入り込んでいる可能性が大きいのですが、イギリスやアイルランドにトラベラーズ(travellers)と呼ばれる漂泊民がいるそうです。トラベラーズはトレーラーや馬車などでキャラバンを組んで移動し、空き地を見つけて居住します。で、ある街で、トラベラーズを立ち退かせる計画が進んでいるという話。

Getting ready by The Advocacy Projectイングランド南東部の Basildon というところに Dale Farm というトラベラーズの居住地があり、公的に認められた居住地の隣にあった廃材処理場をトラベラーズの人たちが買い取って、そこにも住み始めました。しかし住宅として使うという計画を市に提出していなかったため、市議会が排除する予算を計上したそうです。トラベラーズ側はバリケードによるロックアウトを行なっていたが、代執行の一時差し止めを勝ち取った、というのが現在の状況。

出自や職業や居住地による差別や、住むところがないから公園に住むという行為などの、私たちの周りの事柄と重ね合わせて考えていいのかどうか、私には分かりません。とりあえず、事態の推移を見守っていきます。

トラベラーズの家族の写真The Advocacy Project が CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 22日 午前 12:07 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.21

認める国、認めない国

Which countries recognise Palestine already? - どの国がパレスチナを既に国家として承認しているかを示す地図です。画面左下の Next という文字をクリックすると、色分けして示されます。

Mov20Fev avec la Palestine 4 by :::mediActivista:::アジアとアフリカ、南米ではほとんどの国がパレスチナを承認しているのに対し、西欧と北米、オセアニアでは承認が遅れていることが分かります。承認国は世界の3分の2の国ぐらいです。アジアで未承認なのは、日本と韓国、台湾、タイ、ビルマ(ミャンマー)ぐらいでしょうか。

画面の下には、人口と経済規模による承認比率も示されます。人口で見ると、世界のほぼ4分の3がパレスチナを国家として認めています。それに対し、経済規模で見ると、パレスチナを認めているのは世界の約1割4分の1に過ぎません。

パレスチナ自治政府は今週の金曜日にも国連への加盟申請を行なうと言われていますが、安保理でアメリカが拒否権を行使して、申請は否決されると見られています。小さな民の生きかたを大国が決める。それは正義とは思えませんが、まさに国際政治というのはそういうものなのでしょう。私たちはそれにどのように抗っていくのか。

写真は :::mediActivista::: さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。パレスチナへの連帯を表明するモロッコの人たち。17日撮影。

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2011年 9月 21日 午前 12:01 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.20

さようなら、原発

Thousands march against nuclear power in Tokyo - 19日、東京の明治公園では「さようなら原発5万人集会」が開かれ、その看板に恥じない万単位の人が集まったそうです。

by kevinmeyerson集会やデモに参加なさったかたがたの決意と行動力に心から敬意を表します。何万もの人が脱原発のために集まり、声を上げたことは、そこにはいなかったけど同じように原発の廃絶を願う私たちにも大きな勇気を与えました。

大きなデモと言えば、3年前のイタリアのものが思い浮かびます(「 ローマで大規模な反政府デモ」)。主催者側発表250万人、警察側発表20万人。それだけの人が集まっても、まだベルルスコーニ政権を倒すことができないという事実はしっかりと見据える必要があります。脱原発の声も、野田政権に届くかどうか。

このイタリアのデモなどと比べると、私たちの国のデモは、もっともっと大きくなる余地がありますね。それでも、道に出て抗議の意思表示をするという作法が文化として根付いていない中で、すごい大健闘だったと思えます。東京のみなさん、本当にありがとう!

この日の写真(リンク先は動画)は kevinmeyerson さんが CC-by で公開しているもの。

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2011年 9月 20日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.19

米でも金持ちに増税

Obama to propose 'Buffet tax' on wealthy - アメリカのオバマ大統領が今日、高額所得者への課税を強化する法案を発表するそうです。

Calculating Taxes Up And Down by kenteegardin先月、富豪のウォレン・バフェットさんが「大金持ちは甘やかされすぎてきた」と述べたことをきっかけに生まれたこの税制改革の愛称は「バフェット税」。少なくとも高額所得層が中所得層と同程度の税負担をするようにするというのが提案の骨子のようです。

議会多数派の共和党は既に反対を表明しています。保守の人たちにすれば、増税はもってのほかで、歳出削減、福祉の切り下げのみが有効な赤字対策ということなのでしょう。どうなりますことやら。

金持ちへの増税。2年前(「 もっと税金を払いたい」)から追いかけているテーマなのですが、私たちの国でも、累進の強化がもっと検討されるといいと思います。

写真kenteegardin さんが CC-by-sa で公開しているもの。いや、富豪は電卓でこまごまと税の計算などしないかもしれませんが。

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2011年 9月 19日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.18

洪水の中の迫害

No relief for Sindh’s untouchables - とても遣る瀬ない記事です。パキスタンでは、モンスーンの季節に入り、洪水が多発していますが、不可触民とされる人たちが避難所に入れてもらえず、浸水した家屋で暮らしたり、豪雨の中、野外で暮らしたりしているという話。

Communities attempt to flee the flooding, Sindh, Pakistan by Oxfam International舞台は、パキスタン南東部のシンド(Sindh)州バディン(Badin)地区。ここでは世界銀行が Left Bank Outfall Drain という人工河川を作っているようなのですが、それが決壊して多くの村が冠水しました。シンド州の人口は8割がムスリム、2割がヒンドゥー教徒のようですが、ヒンドゥー教の不可触民ダリットの人たちは、ムスリム、ヒンドゥーのどちらからも排斥を受けているようです。運良く避難所に入れてもらえた場合も、他の人たちからは離れた狭い場所に入れられ、食糧の配給も受けられない状態のようです。これが一つの村ではなく、数々の村で起こっているようです。

おそらく、これまでも洪水が起こるたびに同じことを繰り返してきたのでしょう。

容認する意味で言うのではないのですが、たぶん、インドやパキスタンの人たちの多くにとって、ダリットを拒絶するのは「当たり前」のことなのだと思います。振り返って、私たちの社会でも、だれかをその生まれや育ちや生きかたによって排除していないか、もう一度、いや、絶えず、考えてみなくてはならないと思いました。

洪水のシンド州の写真は Oxfam International が CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 9月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.17

富裕税の導入

Spain reintroduces wealth tax to help cut debts - 国の財政が危機的な状況にあるスペインが富裕税の実施に踏み切ります。富裕税は年間の所得ではなく、純資産に課される税です。2年間の時限措置のようです。

Mercat medieval de vic by Raul Tejero資産総額が70万ユーロ(約7,421万円)を超える人が支払いの対象となります。本当にお金持ちの人だけという感じで、全国で16万人ほどが当てはまるようです。ただし、本当に本当にお金持ちの人は、既に節税対策がしてあるだろうとも指摘されています。

実は、スペインは3年前まで富裕税制度がありましたが、その当時は10万ユーロ(約1,060万円)以上の人が対象だったため、中所得層の負担が大きいとして、廃止されたそうです。ちなみに、スペインの平均年収は約2万ユーロ(約212万円)と紹介されています。

まあ、これがいい政策であるかは、税率や税制全体の仕組みを比べてみないと分かりません。私たちの国でも、震災復興に増税という話が進んでいますが、富裕税というのも検討してみてはどうでしょうか。

写真は Raul Tejero さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 17日 午前 12:56 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.16

裁かれた大虐殺

Indonesian massacre widows welcome Dutch ruling - オランダの裁判所で戦争犯罪に関する注目すべき判決が下されたようです。独立を宣言したインドネシアに対する旧宗主国オランダの軍による大量虐殺事件に関する判決です。

Happy Independence Day Indonesia by M Reza Faisal事件は、敗戦によって日本の占領から解放されたインドネシアが独立を宣言した1945年とオランダが独立を承認した1949年の真ん中、1947年に起こりました。当時 Rawagedeh、現在は Balongsari という名前の村で、オランダ軍が村の男性を皆殺しにしたそうです。殺されたのは150人とも430人とも言われています(この事件も、戦時中の大量虐殺で犠牲者の数を正確に知ることがいかに難しいかを物語っていると思います)。

この大虐殺については、オランダ政府は長い間、沈黙を続けてきて、2005年に初めて、インドネシア各地での蛮行の一つとして遺憾の意を当時の外務大臣が述べたそうです。実際に殺害に関わった将校や兵隊への責任追及は全く行なわれていません。

原告となったのは、殺された男性たちの妻たちで、彼女たちはもう90を超えています。原告の弁護士は「正義がなされた。60年間黙っていて、訴訟がなくなり、原告たちが死んで行くのを待つという国のやりかたがだめだということが証明された」と述べました。

私たちの国の戦争犯罪も、長い時が経って忘れられ、被害者たちが死ぬのを国がひたすら待っている感じがします。それではだめだということを、私たちも示していかねばなりません。

写真は M Reza Faisal さんが CC-by-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 16日 午前 12:27 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.15

もう一つの棺

"Filling Another Coffin Will Not Bring Our Loved Ones Back" - 死刑の廃止を訴える殺人事件の遺族の会がアメリカにあるそうです。 Murder Victims’ Families for Human Rights。会の名に見られるように、死刑は人権の蹂躙だというのがその主張です。

Seven Muses Statue 2 by wayne's eye view記事は、 MVFHR の創設者 Renny Cushing さんのインタビューです。死刑制度は世界人権宣言第3条「すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する」と第5条「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない」の違反であると彼は語ります。そして、「棺をもう一つ満たしても、愛する人は帰ってこない。別の家族を引き裂き、悲しませるだけだ」と訴えます。

しかし、現実には、殺人事件の遺族には「復讐を求めるべき」という社会的な圧力がかけられ、ひとたび人権だの死刑廃止だのを語れば、奇異な目で、あるいは、あからさまな反感をもって、見られることも多いようです。死刑制度を維持することによって、国家が復讐の規範を示しているとも言えるでしょう。

言葉にできないような恐ろしい思いをし、人生を急にめちゃくちゃにされ、その中で考え抜いて、死刑は間違っているという結論に至ったという彼とその判断を、私は深く尊敬します。

写真は wayne's eye view さんが CC-by で公開しているもの。

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2011年 9月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.14

地雷を踏んだ象

Thai elephant wanders into Myanmar, steps on land mine - けがをした象の話です。タイには象の病院というのがあって、18年前にその病院ができてから、同じような傷で運び込まれる14頭目の患者さんだとのこと。

Lame by orangebromptonどのようなけがかと言うと、地雷を踏んでしまったためにできた傷です。 Pa Hae Po という名前のこの象は、ふだんはタイ西部にいますが、国境を越えてビルマ(ミャンマー)のカレン州に入り、そこで地雷を踏んだそうです。

タイと長い国境を接するカレンは、軍事政権への民族闘争を続けてきた地です(宇田有三さんの『閉ざされた国ビルマ』高文研、2010 が詳しいです。お勧めします)。だれが置いた地雷かは、記事からは分かりません。

紛争の後に残された地雷などで市民が傷ついたり命を落としたりする話はよく耳にします。でも、動物も犠牲者なのですね。うかつにも初めて気づかされました。

写真は orangebrompton さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。これも地雷でけがを負ったタイの象です。スリランカの内戦で脚を一本失った象の写真もありました。

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2011年 9月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.13

核に一喜一憂

IAEA declares Fukushima reactors stable - ほかの報道機関が淡々と伝えている中で、ドイツの通信社 DPA だけが、なぜかやけに楽観的に扱っています。

Marcoule by kmaschke昨日からウィーンで開かれている IAEA の理事会で、天野之弥事務局長が「福島第一原発の原子炉が安定状態を達成したと宣言した」と伝えています。さらに、東京電力の計画は現実的で、「冷温停止も達成できると見込まれる」と述べたそうです。

これから日本政府が報告書を提出して、冷却、安定化の進捗状況が精査されるものだと思っていたので、ちょっとびっくりしました。

まあ、外部の専門家から見て安定してきているというのは、とてもいい知らせであり、喜びたいと思います。がんばっているかたがたの労をねぎらいたいです。そして、こういう問題が繰り返されないように、ぜひとも脱原発を。

と思っている矢先にフランスの核処理施設で爆発があったとの知らせが。まさに一喜一憂ですね。放射能漏れとかがないことを祈ります。

写真はそのフランスの Marcoule 核処理施設。 kmaschke さんが CC-by-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.12

桃色の水玉を作る

Utahns asked to form ‘pink dot’ to show love for gay community - シンガポール発の啓発運動「ピンク・ドット」に関する記事です。

Ruby by tamara.craiuピンク・ドットは、みんなでピンク色の服を着て集まり、大きなピンク色の水玉模様を作って、セクシャル・マイノリティの人たちへの連帯を示そうという運動で、2年前にシンガポールで始まりました。記事は、アメリカの保守派の牙城であるユタ州のソルトレーク・シティで来月11日に行なわれることを伝えています。

ソルトレーク・シティでは、先月の下旬に、ゲイの男性が数人の男性に寄ってたかって殴打されるという事件が起きたばかりだそうで、LGBT が社会の構成員であることを示す必要を多くの人が感じているところのようです。大きな水玉ができますように。

シンガポールのサイトにあるビデオを埋め込みます。ユタのサイトにもリンクを張ります。

写真は tamara.craiu さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 9月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.11

原発と文化

Post-tsunami Japan sticking with nuclear power - AP 電が原発をめぐる日本社会の雰囲気を伝えています。福島から半年経った日本は、いまだに原発にしがみついている。原発への信頼をなくした人は多いが、それが運動のうねりにはなっておらず、いずれまたほとんどの原発が稼働させられるだろう、といった感じです。

4.24 エネルギーシフトパレードin渋谷/Energy Shift Parade in Shibuya by SandoCap原発の安全性に不安があっても、「他の選択肢がない」「生活のスタイルを変えなければならないのは嫌だ」といった気持ちから、消極的な賛成に回ってしまう。また、お上に楯突かない文化が強固で、「福島後でさえ、脱原発の運動は風変わりな人たちだと言いふらされている」と、半ば驚きをもって書かれています。「反対の声をあげられない社会を作ってしまったのも、私たち自身なのです」という諦めの言葉も。

私は普段、「文化」でいろいろと説明されるのを信じないほうなのですが、ちょっとこれは胸が痛いです。私、脱原発についてあまり書いてきませんでしたし、集会やデモにもほとんど行っていません。3/11以降の状況の中で、この社会の現状追認指向に手を貸してしまったと思います。反省中。これから軌道修正を図ります。

写真は SandoCap さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 9月 11日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.10

十年目の恥辱

EU slams US failure to close Guantanamo as 'shame' - いわゆる「9/11」から明日で10年になります。9.11を奇貨として始められた「テロとの戦争」。その中で大きな役割を演じて来たのがグアンタナモ収容所です。

Stencil Guantánamo (del 2008) by mattaaaaEU の行政組織、欧州委員会の内務担当委員である Cecilia Malmstroem さん(人権問題を管掌)が9日、グアンタナモ収容所がいまだに閉鎖されていないのは「恥」であり、EUはこれを強く不快に思っていると述べました。

法治にもとり、裁判にもかけられず、期限もなく収容され、拷問にかけられる「テロ容疑者」たち。9/11の10周年にあたり、アメリカがこの著しい人権蹂躙を速やかに解決することを求めます。

は mattaaaa さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 9月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.09.09

大統領の葬送

Private funeral for Salvador Allende, slain in 1973 - 軍事クーデターによって倒されたチリのアジェンデ政権。アジェンデ大統領の遺体が新たな検死を受けることになったという話を5月に紹介しました。その続報です。

Allende's Dream is still Possible! by Horment検死結果は、今までの公式見解通り、包囲された大統領府で自殺したと思われるというものだったそうです。遺体は、4日にあらためて葬式を執り行ない、埋葬される予定でしたが、チリで大きな飛行機事故が起きたため、その犠牲者、遺族に配慮して、近しい人たちだけで行なわれることになったとされています。

5月の記事を書いた後、同じくクーデターの中で亡くなったパブロ・ネルーダにも新たな検死を行なうという報に接しました。多くの人が73年の右翼クーデターとその後の独裁政権によって、開いたままの心の傷を負ったのだと思います。サルバドール・アジェンデの死の真実は、その傷を少しは癒したのでしょうか。

写真は Horment さんが CC-by-nd で公開しているもの。「アジェンデの夢は今でも実現可能だ」。

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2011年 9月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.08

蜜と毒

EU bans GM-contaminated honey from general sale - ドイツで、実験農場の遺伝子組換え植物と接触した疑いのある蜂が集めた蜜は、新たに認可を受けなければ食用としては販売できないという判決が下りました。

Honey by barockschlossバイエルン州の養蜂農家が起こした裁判で、欧州司法裁判所は、モンサント社の実験農場の遺伝子組換え植物によって蜂蜜が「汚染された」と認定しました。賠償などについては何も書かれていません。

判決については、欧州議会が微量の遺伝子組替え植物の残存を認めるとした決定と齟齬を来たす可能性があるという懸念、そして、当該の実験農場で育てられているトウモロコシに組み込まれているのは有機農家も用いるバクテリアなので、心配ないとする意見があると報じられています。

それにしても、ヨーロッパは遺伝子組換えに極めて慎重ですね。いや、最近のことを振り返れば、慎重なのは遺伝子組換えだけでなく、放射線の影響に関してもだと分かります。

バイエルン州の養蜂の写真は barockschloss さんが CC-by で公開しているもの。

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2011年 9月 8日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.09.07

破壊の止まった西岸地区

Israel suspends demolition of Palestinian homes - とても短い AP 電が、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区に「違法に」建てられたパレスチナ人の建物の破壊を一時的に見合わせていることを伝えています。

Demolition in Fasayel - June 14 2011 by PSP Photos見合わせの理由は、ユダヤ人の入植者たちも違法建築を行なっているが、それらとパレスチナ人の建築との間で、取り壊しが「平等に」行なわれていないことが分かったから、というものです。分かったも何も、あなたたちがずっとそういうふうにやって来て、パレスチナのことに注意を払ってきた世界中の人がそれを知っているじゃないですか、と言いたくなります。

仮に取り壊しが平等になっても、その前の許認可の段階で不平等なんだから、意味がないと思うのですが、何がしかの「平等」をてらう口実作りでしょうか。

それとも、イスラエル軍の中にもまともな人権感覚を持つ人がいて、とにかく止めるには、これしかないと思って、やっているのでしょうか。

家を壊された子どもの写真は PSP Photos さんが CC-by-sa で公開しているもの。今年6月14日の撮影。

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2011年 9月 7日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.06

四割に心の病

Nearly 40 pct of Europeans suffer mental illness - ヨーロッパ神経精神薬理学会(ECNP = European College of Neuropsychopharmacology)の年次総会で公開された調査結果によると、ヨーロッパの人口の38%が何らかの精神疾患、脳疾患を持っており、治療を受けているのはそのうちの3分の1に過ぎないということです。

Deep in the Dark by songbird2509ECNP の調査は、 EU 加盟国を中心とする30か国を対象として行なわれ、うつ病、不安障害、睡眠障害、認知症、依存症、統合失調症などの精神疾患、てんかん、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)などの神経疾患、合わせて約100が項目として挙げられていました。

病気になることによってどれだけ寿命や健康が損失を受けるかを計る指標に失能調整生命年(DALY = Disability-adjusted life year)というものがあるそうで、それによって損失の大きい疾病を見ると、うつ病、認知症(アルツハイマー病や血管性認知症を含む)、アルコール依存症、脳卒中が挙げられるそうです。これらを含め、精神疾患、脳疾患は社会にとって非常に大きな負担となっていくだろうとされています。

いや、私も社会の重荷になっています。すみません。

写真は songbird2509 さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 9月 6日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.05

地球の裏側でもナイキ化反対

Landmark Buenos Aires cafe to make way for sports shop - アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの歴史あるレストランが8月半ばに閉店したという話です。とてもやるせない話。やるせなさは、レストランの跡地に何ができるかにも由来します。ナイキの店ができるそうです。

Confitería Richmond (1917-2011) by Mellagiフロリダ通り468番地にあった Café Richmond。サンテグジュペリ、グレアム・グリーン、ボルヘスなどに愛されたレストランだったそうです。アルゼンチンの文芸の遺産であるこの店が閉じられ、スポーツ用品店に改装されていくのを、ブエノスアイレスの人たちは悲しみと怒りをもって見守っています。レストランとして残すように求める署名運動なども始まりました。

Nike 社の現地法人は、店はナイキ社が直接出すのではなく、他社の出資によるものだとして、責任逃れを図っているようです。

自由な公園も、歴史ある食堂も、街の生態系を破壊する外来種の前に、なすすべもなく、消えていきます。

カフェ・リッチモンドの写真は Mellagi さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 9月 5日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.04

僧たちの断食

Tibetan monks start hunger strike march across India - インド南部、カルナタカにあるチベット仏教のガンデン寺(Gaden Jangtse)の僧侶たちがハンガーストライキを始めました。今後、ムンバイ、デリー、ダラムサラなどを訪れてハンストと行進を行なう予定だそうです。

by lavannyaチベットでは、先月15日に東部のタウ(道孚)にある Nyitso 僧院で僧が中国によるチベット占領に抗議して焼身自殺をしたそうで、ハンストは、この焼身自殺に象徴されるチベット人の日々の苦しみに連帯するものだとされています。

僧侶たちの要求はニンツォ僧院の封鎖の解除、政治囚の釈放、信教の自由の確立、パンチェン・ラマの即時解放などと報じられています。どれも、数日間の抗議行動では勝ち取ることの難しいことだと思いますが、命がけでこれらを訴えている人がいることを、中国政府は重く受け止めてほしいと思います。

カルナタカ近郊の若い僧の写真は lavannya さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 9月 4日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.03

南米の学生運動

Iconic Chilean student leader meets Brazilian president Dilma Rousseff - 南米のチリでは、今年の5月ごろから学生運動が大きな盛り上がりを見せています。大学教育の質の向上と無償化が主な目標です。時には機動隊との衝突があり、また時には広場で何百組ものカップルがキスをするという素敵なイベントがありました。先週には、保守派のピニェラ大統領も歩み寄りの姿勢を見せ、教育予算の充実に向け、学生団体(FECH = Federación de Estudiantes de la Universidad de Chile)や教職員組合と交渉の場につくことを明らかにしました。

Camila Vallejos by Javiera.Arcos記事は、この学生運動の中心人物である Camila Vallejo さんがブラジルに招かれ、全学連(UNE = União Nacional dos Estudantes)の集会でスピーチをするとともに、ルセフ大統領とも話し合いを行なったことを伝えています。

チリとブラジルの学生運動の状況はずいぶん違うということを記事は指摘していますが、ラテンアメリカにおいて学生運動の国際的な連帯が生まれつつあることに注目したいと思います。

カミラ・バジェホさんの写真は Javiera.Arcos さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 9月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2011.09.02

殺し続ける戦争

WWII Bomb Kills 7 in Arakan - ビルマ(ミャンマー)西部のラカイン州(=アラカン州、表記についてはこちらを参照)で、アジア太平洋戦争当時の爆弾が爆発しました。

Splendours of Arakan by jmhullot爆弾を見つけた村人が割って開けようとしたらしく、10歳の子どもを含む7人が亡くなったそうです。ラカインはビルマを占領していた日本軍とイギリス軍が激しい戦闘を行なったところ。

戦争が終わって66年。それでもまだ死ぬ人がいるとは、なんとも残酷なことだと思います。

美しいラカインの写真は jmhullot さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 9月 2日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.09.01

必要な過去の清算

TIMOR-LESTE: Occupation-era crimes forgiven, not forgotten - 国連 IRIN が東ティモールにおけるインドネシアの占領犯罪への対処が社会全体に与えた影響を考察しています。

Santa Cruz Cemetery graves by molly+四半世紀にわたるインドネシアの不法占領下、さまざまな人道犯罪によって、多くのティモール人が命を失いましたが、独立回復後の東ティモールは、1999年の住民投票後のインドネシア軍や民兵の暴動にのみ訴追の焦点を絞ってきました。これは、グスマン首相、ラモス・ホルタ大統領らの「インドネシアの協力が得られない以上、追求は不可能だ」とする主張、そして過去の清算よりも友好関係の構築を優先する姿勢によるものです。

しかし、占領下での犯罪を見逃してきたこの姿勢は、人々の間に「罪を犯しても咎められない」という意識を作ってしまったと記事は述べています。2006年の暴動などにも、この意識が感じられる、とのこと。

占領された側、植民地統治された側が過去の謝罪や賠償を求める時、それはあたかも内政から目を背けさせる政治的なカードであったり、外交的なカードであったりするように解釈されがちですが、東ティモールの事例は、健全な社会の構築のために、当たり前のこととして、抑圧者の犯罪の追求が欠かせないことを示していると思えます。

写真は molly+ さんが CC-by-sa で公開しているもの。首都ディリのサンタクルス墓地。

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2011年 9月 1日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

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