« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011.05.31

密林の死

Brazil weighs action after Amazon activists' murders - ブラジルでは、この1週間のうちにに3人の環境活動家が相次いで殺害されたことを受け、政府が緊急事態だとして特別な捜査態勢をとることになったようです。

Espelho by guilherme@lbuquerque殺されたのは Joao Claudio Ribeiro da Silva さん、 Maria do Espirito Santo さん、 Adelino Ramos さん。3人ともアマゾン川流域での違法な森林伐採を告発していました。

政府高官も、アマゾン川流域の乱伐が深刻であること、それに関連した暴力事件、殺人事件などが起こっていることを認めており、連邦政府、州政府などが連絡を取り合いながら対応していく意向を明らかにしています。

アマゾン川の熱帯雨林は二酸化炭素の吸収によって地球環境に大きな影響を与えていますが、家畜の飼料やバイオ燃料の生産などのために森林の開墾が進んでいると聞きます。たぶん、私たちの生活もその遠因になっているのですよね。生きることの業ですかねえ。

ラモスさんが亡くなったロンドニア地方の美しい写真は guilherme@lbuquerque さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 5月 31日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.30

劇場の水兵たち

Marine with flair for dramatic proposes to girlfriend onstage at Broadway show - ニューヨーク、ブロードウェイのスティーブン・ソンダイム劇場。コール・ポーターのミュージカル "Anything Goes" の幕が降りると、客席にいた兵隊のカップルがステージに呼ばれました。二人がステージに上がると、男のほうがマイクを受け取り、彼女にプロポーズ。びっくりしながらも彼女は彼の求婚を受け入れました。劇場は祝福の拍手の嵐。

Fleet Week Embarkment NYC [Image 5 of 6] by DVIDSHUBそんな、「いいニュース」にうってつけの出来事が28日にあったそうです(保守系メディアの Fox は一部始終をビデオにして伝えています)。男性は海兵隊、女性は海軍。二人は USS Nassau という船で勤務していた時に知り合ったそうです。2人がステージに呼ばれた時点で彼女が不審に思わなかったのは、この週末がメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)に合わせた Fleet Week という伝統的な特別上陸許可の時だったからだそうです。「『艦隊の週』にちなんで、観客席にいる兵士のお二人に栄誉を与えるため」とか言って呼ばれたとのこと。

アメリカらしい話、ニューヨークらしい話ですが、同じように上陸許可をもらってニューヨークに繰り出した兵隊たちを描いたバーンスタインのミュージカル "On the Town" (『踊る大紐育ニューヨーク』)は、つかの間の自由を楽しんだ水兵たちが不安な戦争に戻って行くという話でした。

どうか、二人の前途に戦争がありませぬように。二人のためにも、二人と反対側にいる人たちにとっても。

写真は米軍の DVIDSHUB が CC-by で公開しているもの。先週、ニューヨークに艦隊が来航した時の模様だそうです。

このブログで

2011年 5月 30日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.05.29

地震のまぼろし

US report queries Haiti quake death toll, homeless - 去年1月にカリブ海のハイチを襲った大地震。25万人以上の人が亡くなったとされています。しかし、アメリカ国務省の未公表の調査報告書は、この数字に疑義を呈しているそうです。

by Andrew J FergusonAFP の伝えるところでは、救援にあたった USAID を統括するアメリカ国務省は1月に大規模な戸別訪問調査を行ない、その結果、死者は46,190人から84,961の間だと見られるとしているそうです。ハイチ政府の見解では316,000人という数字も出ていましたから、両極端の数字を取った場合、7倍近い開きがあることになります。

国連の推計では、68万人が家を失ったとされていますが、国務省の調査では、地震によって家を失った人はその5%から10%に過ぎないだろうとされています。また、地震後、「全く危険」「かなり危険」と判定された家屋の3分の2には、既に人が戻って住み始めているということも分かったそうです。

ハイチ地震の犠牲者数については、これまでもいろいろな数字が飛び交ってきたようですが、ハイチ政府高官は「一年以上も経って、こういう数字を出してくるというのは奇妙なことだ」と語っています。一方、アメリカ国務省は、取材に対して、まだ報告書が公開されていない理由が「内部に矛盾点があるためだ」と認めています。

多くの人が亡くなった時には、本当のところ、どれぐらいの人が亡くなったか、分からないものなのかもしれません。ゆめゆめ、大切な人を亡くした人たちの気持ちを傷つけることのないように。

ハイチの若い恋人たちの写真は Andrew J Ferguson さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.28

貧困というより飢餓

India's stingy definition of poverty irks critics - 1か月ほど前に、インド政府が貧困の水準の算定方法を変えたらしいことを書きました。新しい算定基準で、あたかも貧困が改善したかのように発表されていましたが、それは大きな過ちであるようです。

Innocence by Jaykaran SagarAP 電によれば、インド政府の貧困の水準は低すぎます。「この線を下回ったら貧困というより、この線を下回ったら餓死と言うべきものだ」という発言が引用されています。今の水準では、都市部では1人あたり月額578ルピー(約1,038円)を下回る収入しかなければ貧困状態にあるとされます。村落部では450ルピー(約808円)未満です。ところが、ニューデリーに住む自転車タクシー業のヒンマットさんは、月にこの基準の約2倍にあたる5,000ルピー(約8,980円)稼いでも、妻と2人の子どもを十分に養ってはいけません。

今週、貧困水準を作った経済計画策定委員会の建物の前で、住居費などを差し引いて余る1日あたりの2ルピー(約3円59銭)で買えるほんのわずかな食料品などを持って、抗議デモが行なわれたそうです。「委員会の人たちがこれっぽっちのお金でうまく生活していける方法があると教えてくれるなら、デモを即座にやめる」と言いながら。

インドではないにしろ、いろいろな国から輸入された安い品物が私たちのまわりには数多くあります。その向こう側では、あまりフェアではない取引が行なわれたのでしょう。少しずつでも、そういうところを変えていければいいのですが。

インドの子どもたちの写真は Jaykaran Sagar さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.27

格差の拡大

Gap between rich and poor widening - オーストラリアの慈善団体が行なった調査によると、オーストラリア人の68%が、知人の中に電気代などを払うのに苦労している人がいて、60%がこの一年で貧富の格差が拡大したと考えているそうです。

by Rusty Stewart調査対象は600人台ということで、オーストラリアの人口は日本の6分の1程度なので、日本なら4,000人規模の調査ということになるでしょうか。まあまあ信頼できるサンプル数ですか。同じ団体の試算によれば、220万人が貧困状態にあると考えられるそうです。人口の約10%ということだと思います。

東日本大震災で、統計は極端に下方に振れただろうと思われる一方で、私の個人的な感覚では、この半年ぐらいで、日本では、「貧困」や「格差」に関する言説が急に減ったような気がします。経済全体の「不況」、社会全体の「がんばろう」の中に回収されてしまったのでしょうか。

山火事の中を歩くアボリジニの写真は Rusty Stewart さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 27日 午前 01:10 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.26

基地と汚染

S.Korea probes 2nd report of US army chemical dumping - 韓国では、在韓アメリカ軍が過去に有毒化学物質を基地に埋めたらしいという話が最近になって2件明らかになったそうです。

3rd Generation of Agent Orange by A. Strakey1件目は、大邱近郊の漆谷(チルゴク、칠곡)にある Camp Carroll にベトナム戦争で使われた枯葉剤エージェント・オレンジを大量に埋めたという話。この話は先週、3名の退役兵の証言によって明らかになったそうです。埋めたこと自体は米軍も認めています。しかし、埋めて数年のうちに撤去したと主張しているようです。今でも微量のダイオキシンが検出されるそうです。

2件目は、ソウル近郊の富川(プチョン、부천)にある Camp Mercer 跡地についての疑惑で、今週になって報じられました。1963年から64年にかけて、「ありとあらゆる化学物質を」「何百ガロンも」埋めたと退役兵が述べているそうです。こちらの疑惑については、アメリカは「地位協定により、返還された基地については責任はない」という見解を取っているとロイター電は伝えています。埋めたのが事実かどうかについてアメリカ側の発言は記事にはなく、韓国の防衛省、環境省が調査を開始したことが伝えられています。

日本の地位協定はどうなっているか調べていないのを反省しています。いずれにせよ、返させる前に、しっかりと調べなくてはなりませんね。

エージェント・オレンジの孫世代被害者の写真は A. Strakey さんが CC-by-nd で公開しているもの。

このブログで

2011年 5月 26日 午前 12:00 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2011.05.25

大統領の死の真相

Chile President Salvador Allende's body exhumed - 1973年9月11日、 CIA の手引きによる軍事クーデターで亡くなったチリのサルバドール・アジェンデ大統領。彼の遺体が墓から掘り起こされ、新たな検死を受けます。

Allende: tu ejemplo nos guía en la lucha democrática - Septiembre de 1979 - Unidad Popular by Antonio Marín Segoviaアジェンデ大統領は、反乱軍の部隊が大統領府を取り囲んだ時点でライフル銃を使って自殺したというのが一般的な説だそうで、 CIA もそう述べているし、遺族もそう信じているようなのですが、部下に自殺を幇助させた、流れ弾に当たった、軍に虐殺されたなどの説もあり、検死は死因に関する論議に決着を付けるのが目的です。

私は感傷的なので、遺体が引きずり出されるのは、さぞかし嫌だろうなどと思ってしまいますが、軍政が終わり、民主主義が根付き、彼の死や人権に関する議論が自由に行なわれるようになったのを見て、大統領は喜んでいるのかもしれません。

アジェンデ大統領を称えるポスターの写真は Antonio Marín Segovia さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。「アジェンデよ、あなたの模範は私たちの民主化闘争を導いてくれる」。

このブログで

2011年 5月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.24

少女と図書館

A teen's battle against National Assembly library - 韓国の国会図書館(국회도서관)は18歳、国立中央図書館(국립중앙도서관)は16歳未満の未成年の入館を認めていないのですが、それはおかしいと14歳の中学生が訴え、国家人権委員会(국가인권위원회)が是正勧告を出したという記事です。

국회도서관 로비 by somedragon2000忠清南道の中学生、アン・ミナ(안민아)さんは、彼女の家庭教師だったシン・ヘリム(신혜림)さんといっしょにソウルの国会図書館に行った際、18歳以上しか入館できないと言われ、シンさんが調べ物をする間、外で待たなければなりませんでした。2人は話しあって、これは年齢による差別だと考え、運動を起こしたそうです。国会図書館は、議員や秘書が立法作業のための調査を行なうための施設であるから子どもがたくさんいることは望ましくないと主張しましたが、認められませんでした。

市民の税金によってまかなわれているのだから、年齢を問わず利用できるはずだという考えですが、私など、若いころはそんなこと考えたことなかったです。18歳になって権利が増えて、よろこんだりしていて。

日本の国会図書館は「満18歳以上であれば国籍を問わずどなたでも利用可能」、ただし、18歳未満でも「当館所蔵資料を利用しなければ調査研究の目的を達することが困難であると認められる場合には、所定の手続きを経て、利用できます」とのことです。

写真は somedragon2000 さんが CC-by-sa で公開しているもの。韓国国会図書館のロビーだそうです。

このブログで

2011年 5月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.23

女と車

Saudi woman arrested for challenging driving ban - サウジアラビアで、車を運転した女性が逮捕されたという記事。 Manal Al-Sharif さんは6月17日を契機に、外国で取った免許を持っている女性が車で道に出るよう呼びかけています。

Saudi pt 1 572 by Laurel.McCormackMaha Taher さんという女性運動家にると、マナル・アル・シャリフさんは22日の未明にサウジアラビア東部の Khobar で逮捕されました。サウジアラビアでは女性が車を運転することが禁止されていますが、実は女性の運転を禁止する法律はなく、免許が女性には発行されないので運転できないということだそうです。サウジ国籍の人はサウジアラビアで発行された免許でしか運転してはならないという点は法律で定められているようです。

マナルさんが運転しているようすのビデオはこちら、6月17日決起の呼びかけのビデオはこちら。どちらもアラビア語なので何も分かりません。

それぞれの社会の宗教や文化を尊重するという態度を無批判にとると、サウジアラビアのような不平等を許すことになってしまいますよね。問題は、その社会で宗教や文化を「解釈」する権威/権利が民主的に分け与えられているかどうかということなのかな。でも、サウジアラビアにも「私は女だから、運転ができなくて当然」みたいに考える人もいるだろうなあ。

今はただ、強くマナルさんを応援したいと思います。

サウジの女性たちの写真は Laurel.McCormack さんが CC-by で公開しているもの。

このブログで

2011年 5月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.22

高まらない核議論

Political parties conceal stance on nuclear energy - トルコでは1か月後に総選挙が迫っていますが、大政党による核エネルギーに関する議論は下火なようです。

Nükleer Yasa Ölümcüldür (Nuclear policy is fatal) by anirvanトルコでは、現在、北部の Sinop と南部の Mersin 県 Akkuyu に2023年までに原子力発電所を建設する計画が進んでいます。 Sinop の建設は日本企業に委ねられる契約になっていましたが、東電福島第一原発の事故により、話が棚上げされているそうです。 Akkuyu のほうはロシア企業が受注しました。与党 AKP(公正発展党)の Taner Yıldız 天然資源相は、核開発を進める姿勢を表明しています。

野党 CHP(共和人民党)は、建設予定地の一つメルシンで行なわれた講演で Kemal Kılıçdaroğlu 党首が「トルコには十分、太陽光、水などの天然資源がある」と述べ、メルシン原発の試算によれば1キロワットあたりのコストが著しく高くなることをあげるとともに、開発計画の本当の理由はロシアとの貿易促進に過ぎないと指摘し、建設に反対する考えを明らかにしましたが、クルチダロール党首がこれまで選挙運動中に原発に言及したのはこの一回限りだそうです。別の野党 MHP(民族主義者行動党)は、核開発に反対はしないものの、自然の再生可能なエネルギーの開発のほうが重要だとしているようです。

人々の間では核の安全性が最大の関心事で、政治家の間では経済的な面がもっと重要だと思われているというのは、それがいいとか悪いとか言うのとは別に、世界の仕組みとしてそうなっているということを再認識しました。

「核政策は致死的」という垂れ幕の写真は anirvan さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

このブログで

2011年 5月 22日 午後 12:55 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.21

赦す奇跡

Forgiving Her Son's Killer: 'Not An Easy Thing' - 18年前、アメリカのミネアポリスで、16歳の少年が20歳の若者を銃で撃ち殺した。パーティーでの喧嘩が昂じた結果だった。その事件の裁判で、殺された若者の母親は、少年を張り倒してやりたいと思ったという。

Reconciliation by Josefina de Vasconcellos at Coventry Cathedral, by Ben Sutherland十数年の刑期も終わろうとするころ、若者の母親は刑務所を訪れた。犯人は30歳を過ぎ、すっかり落ち着いた大人になっていた。彼女が泣き出して、立っていられなくなった時、服役囚はそっと、「自分の母親に対してするように」彼女の体を支えた。彼女は、自分の心から、憎しみや怒りがすべて消え去ったのを感じた。

彼女は、自分の息子の命を奪った者を完全に赦したのだ。今、彼女は刑務所を出た彼を自分の家の隣りに住まわせ、面倒を見ている。「自分の子が大学を卒業するのを見ることはできなかった。今は、この人が大学を終えるのを楽しみにしている。自分の子が結婚する姿を見ることはできなかった。もしかしたら、この人が結婚するのを見届けてあげることができるかもしれない」。そう彼女は語る。

彼は「自分が自分を完全に赦していないだけに、彼女がこんなによくしてくれることに戸惑うこともある」と言う。率直な感想だろう。

おそらく、二人の間に起こった赦し、和解は奇跡なのだろう。奇跡はそういつも起こるわけではないのかもしれない。また、こういう赦しや和解が望ましいことだとはどうしても思えず、復讐こそが遺された者を救うのだと信じている人のほうが多いのかもしれない。

それでも、奇跡は起こるのだ。

イギリスの彫刻家、故 Josefina de Vasconcellos による「和解」の像の写真は Ben Sutherland さんが CC-by で公開しているもの。イギリスの Coventry での撮影だが、この像のレプリカが広島の平和公園内、国際会議場にも置かれているという。

このブログで

2011年 5月 21日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.05.20

太陽の門に集う

Tahrir Square in Madrid: Spain's Lost Generation Finds Its Voice - スペインの首都マドリードで、数千人が広場を占拠し、22日に行なわれる統一地方選で大政党をボイコットするように呼びかけています。熱気は、数か月前のエジプトのタフリール広場のようだそうです。

Democracia Real Ya Manifestación by Paul Gladis選挙管理委員会は Puerta del Sol 広場での集会を禁止しましたが、集会に参加する市民はむしろ増えているようです。スペインの失業率は21%、若者層だけで見ると4割を超すほどだそうで、日本でいう「ニート」にあたる "ni ni" (ni estudia ni trabaja、学生でもなく働き手でもない)たちが従来の政治との決別を宣言しています。与党社会党(PSOE)や野党第1党である右翼の人民党(PP)では展望が開けないと感じているようです。その一方で、集会には幅広い年齢層の人々が参加していると報じられています。

プエルタ・デル・ソル(太陽の門)広場に集まった人たちの間には、自分たちが今まで政治の過程に参加できてこなかったという意識が強くあるようで、スローガンとして掲げられているのは「真の民主主義を今」(Democracia Real Ya)という言葉です。「無党派層」が有権者の半分に達するほどである私たちの国にもふさわしいスローガンかもしれません。

広場の写真は Paul Gladis さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.19

よみがえった汚染の地

Paradise remade: Dominican Republic lead polluter goes green - 何もかもが良いことづくめではないのですが、人々の意志と団結があれば、物事は良い方向に動かすことができるという例のような記事です。マイアミ・ヘラルド紙に載っていました。

Children of Haina by jenspie34年半ほど前、「汚れた都市」という記事を書きました。環境団体がまとめた地球上で最も汚染された地域10か所のリストを紹介した記事です。そこに出ていたドミニカ共和国(カリブ海、ハイチのあるイスパニオラ島の東半分)のアイナ(Haina)という街が鉛汚染からよみがえったそうです。

アイナは、自動車用のバッテリー(停電が多いので、家庭の非常用電源としても用いられることが多いそうです)の回収業者が鉛を垂れ流していて、近隣の子どもたちに鉛中毒が起こっていました。長年、環境団体が改善を訴えてきていましたが、世界的に悪名高くなったことで、政府も動き出し、汚染企業の工場を環境を汚さないものに変えさせるとともに、工場近くの子どもの遊び場の空き地の土壌を入れ替えるなどして鉛を除去した結果、住民の血中鉛濃度は安全な値にまで下がったそうです。

もちろん、すべてがうまくいくはずはなく、重い神経疾患を負ってしまった子どもたちには障碍が残ったままです。学習障碍の子どもたちへの支援もまだまだだそうです。

「汚れた都市」のリストには、チェルノブイリも入っていました。今日、新たなリストをまとめるとしたらどうなるかなと思うとともに、あきらめずに要求し、協力し、努力していくことが大切だと思いました。

アイナの子どもたちの写真は jenspie3 さんが CC-by で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 19日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.18

競う戦士たち

Veterans Compete For Gold At Warrior Games - 「戦士たちの闘い」と名付けられたスポーツ大会がアメリカのコロラド州で始まりました。選手たちは、手足を失ったアメリカ軍の傷痍軍人220名です。Warrior Games は昨年はじめて開かれ、今年で2回目。

110503 Warrior Games - Track & Field by USMC Wounded Warrior Regiment競技種目は、洋弓、自転車、車いすのバスケットボール、射撃、水泳、陸上、座ったままでやるバレーボール。両脚を切断した盲目の水泳選手もいれば、両手足はあるけれど重い脳外傷を患うバレーボール選手もいます。

戦闘や事故で負傷した傷痍軍人たちの大会の目的は、障碍を持つ人たちがもっと活発に社会参加するようにしていくことだと書いてありました。

応援しつつも、彼らが足を踏み入れた土地で、彼らが向けた照準の向こう側にも、重いけがをした人たちがいることを考えてしまいます。

練習する陸上選手の写真は米海兵隊の選手団(USMC Wounded Warrior Regiment)が CC-by-nc で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.17

芸術船団

Gaza’s Art Flotilla - トルコの人権団体 Bianet の記事。パレスチナのガザにおける芸術について書かれています。

一年ほど前、ガザ国際ビデオ芸術祭(Gaza’s International Festival for Video Art)が開かれました。 Windows From Gaza という団体などが主催したもので、世界のさまざまな国からビデオ作品を送ってもらい、それをガザや西岸地区の映画館で上映するという企画でした。音楽家や俳優などの人間は言うに及ばず、絵や彫刻などの物も経済封鎖で持ち込むことができない中、一番持ち込みやすいのがインターネットを通じてやり取りできる動画などであったとのこと。イスラエルによる封鎖や軍事侵攻に抗議するといった作品だけでなく、ありとあらゆるテーマの作品が集まったようです。

gaza 37 by stichtingkifaia上映を始めようとしたら停電になって、発電機の騒音の中で見ることになったりもしたとか。動画に限らず、芸術も普通の人々の生活と同じように苦しめられていて、例えば絵の具などを手に入れるのも難しいということが書いてありました。

ハマスがあまり芸術には乗り気ではないようだった、という話も紹介されています。ハマスはハマスで芸術についても考えているのだろうけれど、「どうも周波数が違う感じだった」と主催者が語っています。

船に乗って、封鎖を強行突破するというのではない方法でも、私たち、外にいる人間にも、何かできるのかもしれないなあと思いながら読みました。

ガザの親子の写真は stichtingkifaia さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。ガザの人口の半数は15歳以下とのこと。こういう子どもが息の詰まる思いだけを覚えて大人になることのないように、一日でも早く自由な空気を味わえるようにしてあげられたらいいのですが。

このブログで

2011年 5月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.16

世界で広がる大麻の非刑法犯罪化

Legalizing marijuana might not be good for the young: Minister - ジャカルタ・ポスト紙を読んでいたら、「閣僚がマリファナの合法化は若者によくないかもしれないと発言」という記事が目に留まりました。 Salim Segaf al Jufri 社会福祉相の発言です。

Demo Legalisasi Ganja, Tugu Tani, Jakarta, 7 Mei 2011. #marijuana #ganja http://pemoeda.com今月に入ってから世界各国で行なわれた Global Marijuana March をきっかけに、インドネシアでは大麻の位置づけに関して議論が高まっているようです。 Patrialis Akbar 法務人権相が「合法化には反対」だが「医療目的の大麻使用については合法化する可能性がある」と発言した後、「1グラム未満の単純所持に関しては、禁固刑を廃止し、リハビリ施設への入所を義務付ける」という非刑法犯罪化を提案し、今年中の法改正を目指すと発言したことが報道されています。サリム社会福祉相の発言は、これを牽制したもののようです。

現状で日本と同程度の罰則規定を持つインドネシアで脱厳罰化、非刑法犯罪化の動きが始まったのは、注目に値しますが、日本ではおそらくもっともっと時間がかかるでしょう。

ジャカルタのデモの写真PEMOEDA.com が CC-by-nc で公開しているものです。横断幕の文字は、「ガンジャを禁止薬物リストから外せ」です。

このブログで

2011年 5月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.15

孫の世代の苦悩

German grandchildren of Nazis delve into past - 昨日がナクバ(イスラエル建国)の日だったからでしょうか、 AP がユダヤ人を虐殺したナチス将校の孫たちの苦悩を特集しています。

La Maternitat d'Elna (23) by Daniel García Perisナチス世代は戦後、自分たちの犯罪を語ることができぬほど恥辱にまみれていて、すべてを取り繕おうとした。子どもの世代も、親の過去に面と向かうことができなかった。今の孫の世代になって、はじめて、家にかけられた呪いを少しずつ解くことができるようになってきた。そんなふうに紹介されています。

「私の祖父は大量殺人を犯しました。そのことは恥ずかしく、また悲しく思います。でも、目を閉じて、何もなかったかのように振舞うことはしたくありません。私の家族はまだそうしていますが…」「祖父がどんなことをしたか知った時、何日も心が何も感じられないような状態でした。何年も、恥ずかしくて、祖父のことはだれにも話せませんでした。でも、黙っていることが自分を中から傷つけているのだということに気がついたのです」「罪の意識がありました。私自身が罪を犯したわけではないのですが。そして、祖父の悪を埋め合わせるために、自分はいつもいいことだけをしなければならないと感じていました」「祖父の犯罪について忘れ、沈黙を続けていたら、気づかないうちに、私自身も共犯になると思いました」といった葛藤の言葉が紹介されています。

統計などはないものの、ナチスへの関与を家族が隠せば隠すほど、後の世代になって、うつ、燃え尽き、アルコールなどへの依存症が起こりやすいように思えるという心理学者の話もありました。

もしかすると、私たちの国にも、自分の父や祖父が犯した侵略や虐殺の罪を心に秘めて、苦しんでいる人がいるかもしれません(それとも、そんな機会も与えられないほどに過去は隠匿されてしまったのでしょうか)。犯罪は遺伝で受け継がれるわけではありませんし、その家族がことさら罪の意識を深く持つ必要はないだろうと私は思います。血が繋がっていようがいまいが、私たちみんなが考えるべき問題なのだと思います。

母子の絵の写真は Daniel García Peris さんが CC-by-nd で公開しているものです。スペイン国境にほど近い南仏のエルナという町にあった産婦人科の病院で、ナチス占領下のフランスの収容所やスペイン内戦の難民収容所にいた妊婦がここで出産したとのこと。

このブログで

2011年 5月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.14

誕生日の祝いかた

Jakarta to provide rant boxes for birthday - ジャカルタ、かつてのバタビアは、街ができて今年で484年になるそうです。16世紀前半といえば、日本にも火縄銃が伝来したりするころでしょうか。ジャカルタでは6月22日が「市の誕生日」と定められているそうですが、今年のお祝いはちょっといつもと違うようです。

Kue Apek by moriza今年のお祝いの中心は、ショッピング・モールなどに置かれた移動式の録画室。ここで、市民が市への不満や注文を録画します。録画された発言のいくつかは、 YouTube や Twitter で公開されるのだそうです。そして、無地の旗が掲げられます。「市民が不満や提案を述べることができるように無地の旗を掲げる」と書いてあるので、もしかすると、旗には自由に意見を書いていいのかもしれません。

悪く言えば「ガス抜き」なのかもしれませんが、面白い取り組みだと思いました。インドネシアの首都でできるんだから、私たちの国の首都や、他の「都」になりたい街でも、やれるかもしれませんね。

ジャカルタの菓子屋さんの写真は moriza さんが CC-by-nc で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 14日 午前 01:04 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.13

十年後までに脱原発

'A Reliable Energy Supply' Without Nuclear Power - ドイツでは、東電福島第一原発の事故を受けて、メルケル首相が原子力発電所をすべて止める脱原発の方針を打ち出しました。それは決して場当たり的なものではなかったようで、このほど、エネルギー供給の安全に関する倫理審議会が2021年までに核エネルギーからの「完全な撤退」が可能だとの答申をまとめたそうです。

K21 and Nuclear Power by 1yenドイツの新聞各紙も、2021年という期日が早すぎるか遅すぎるかについては様々な意見はあるものの、脱原発という方針自体については、異論はほとんどないようです。それほどに、福島の衝撃は歴史的なものだったのだと思います。そのわりに、私たちは、原爆というあまりにもひどい核の惨劇を自分たちのものとしているからか、福島の意味を相対化あるいは矮小化し過ぎているように思えます。

昨日は、東京電力が一号炉の核燃料の大半が溶解し、圧力容器に穴が開いていることを認めました。定義上、本格的な「メルトダウン」が起こったということです。その話を聞いて、目の前が暗くなりました。今、公式に発表されている程度の被害で本当に済んでいるなら、本当に運のいいことだと言わざるを得ません。

デモとかに顔を見せなかったからでしょうか、友人に「原発のことはあまり考えたくないの?」と聞かれてしまいました。いえ、いつも考えているのです。でも、私は核の脅威についてあまり知識を持っていないので、ここでは東電の事故のことにあまり触れてこなかったのです。デモに行かないのは、最近いそがしいから… すみません。

私のブログは読む人がさほど多くないので、おそらく、福島でこれを読んでいる人はいないと思うのですが、友人から、郡山市で来週の火曜日に開かれる内部被曝に関する講演会について教えてもらいました。もしこれが目に留まりましたら、どうぞ足をお運びください。

ドイツの街角の脱原発の旗の写真は 1yen さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 13日 午前 12:30 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.12

通りゃんせ

Israel admits it covertly canceled residency status of 140,000 Palestinians - イスラエル政府が、占領下のパレスチナからヨルダンなどに出た14万人以上のパレスチナ人が戻ってくるのを拒否していたことが情報公開によって明らかになりました。

Beit Ommar Demonstration - May 5 2011 by PSP Photos1967年の中東戦争終結から1994年のオスロ合意までの間、イスラエルは、出国するパレスチナ人から身分証明書を取り上げ、代わりに出国許可書を渡していました。規定では、出国許可書の有効期限は3年で、その後1年ずつ3回の延長が可能だったそうです。6年経っても帰ってこないパレスチナ人の身分証明書は「既に居住しなくなった者」として処理され、それ以降、その人がパレスチナに帰ろうとしても、できない仕組みになっていたということです。ところが、この規定はイスラエルの役人にも知られておらず、当のパレスチナ人には全く周知されていなかったようです。何も知らず久しぶりに帰ってきたら入国ができなくなっていた人が西岸地区の人口の一割以上にものぼったわけです。

大雑把な言いかたをするなら、人には、生まれた土地、あるいは家族のもとに戻る権利があるのだろうと私は思います。そもそも、イスラエルはこの大前提と親和性が非常に低いわけですが、それは脇に置いておくとして、西岸地区ではその原則が組織的に侵害されていたのだということです。たぶん、世の中には、「法律に従わなかったのだから、権利が剥奪されただけのこと。それが法治主義」とか言う人たちがいて、そういう人たちには、ものすごく分かりやすい問題なのだと思いますが、私には頭がうまく整理できないのでした。

ちなみに、私、6年半ほど一度も日本に戻らなかった時期がありました。おかげで、元号が変わるのも、バブル景気も見逃してしまいましたが。数年ほかの国に住んでいるからと言って、戻って来る気がないとは絶対に言えないと思います。

先週、西岸地区で行なわれたデモの写真は PSP Photos さんが CC-by-sa で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 12日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.05.11

不敬罪で弾圧

Thai historian to be charged with insulting monarchy - タイの歴史学者が王室を侮辱したとして検挙されそうになっているそうです。日曜日に警察から連絡があり、今日の早朝に出頭せよとの命令を受けたとのこと。

by Karsoe不敬罪に問われているのは、タマサート大学准教授の Somsak Jeamteerasakul さん。昨年12月に行なった講演で説いた8点にわたる王室改革案が問題とされているようですが、ソムサクさんは、自分は王室の打倒を主張しておらず、ただ改革の必要性があると言っているだけだと語っています。

7月の総選挙を前に、アピシット首相の与党側(黄色の服)もタクシン元首相の野党側(赤い服)も、王室を政治的に利用しようとしているようなので、まじめな封建制度への批評がそれに巻き込まれてしまったのかもしれません。背景がよく分かりませんが、陸軍の要請で警察が動いたのだろうという情報もあります。

君主制は封建時代を特徴づけるものであり、それが現代の市民社会に有用性を持つのか否かについては、自由に議論されるべきだと思います。タイの人々やその文化に敬意を払いつつも、表現の自由、学問の自由の普遍的な価値を考える時、タイ警察のソムサク准教授への出頭命令は「弾圧」と呼ばれて然るべきです。

写真は Karsoe さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。ここでは、野党の人たちが王を担ぎ上げている感じです。

このブログで

2011年 5月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.10

非認可の村

The Indigenous Become Squatters - イスラエル南部のネゲブ砂漠には、ベドウィン(Bedouin)という民族が住んでいます。彼らが住む村が破壊されて、ユダヤ人の住む村が作られるという記事です。

Unrecognized Bedouin Villages in the Negev Desert by Physicians for Human Rights - Israel記事は、 Umm al-Hieran という村を取り壊す計画が2004年に立てられ、その取り消しを求めて裁判が起こされたが棄却されたこと、最高裁への上告手続きが行なわれたことを伝えています。この村がナクバ(イスラエル建国)後に作られ、何回か移転を強いられてきたことも語られています。ベトウィンの村の多くは「非認可」の集落で、イスラエルの法律上では、村人たちは不法占拠者として扱われており、電気や水もないため、不自由な生活を耐え忍んでいるようです。イスラエル政府は、政府が作った居住地に移り住まわせたいのだが、それはあたかもゲットーのように狭い地域にベドウィンを押し込める政策に他ならないと記事は指摘しています。

イスラエル市民であるベドウィン人に対して、あるいは占領地のパレスチナ人に対しての人権侵害ほど露骨ではないにしても、私たちの国でも、原発や空港やダムや基地を作る時に、あるいは使い続けようとする時に、ないがしろにされる人たちがいたのだと思います。現実とは一人残らず納得するような簡単なものではないと思いますが、納得しなかった人、声を上げることすら許されなかった人のことを忘れて、自分たちが非の打ちどころのない民主社会だと思い上がる、言い張るようなことは許したくありません。

非認可村落の写真は Physicians for Human Rights が CC-by-sa で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.09

再生可能な国

US ranks 17 as clean tech producer, China is No. 2 - 世界自然保護基金(WWF)が今日、アムステルダムで開かれる会合で発表する報告書に関する記事です。38か国が風力、太陽光などの「クリーン・エネルギー」からどれだけの収益を上げているかのランキングです。

Quingdao Huaweu Wind Farm by Land Rover Our Planet調査によれば、1位はデンマーク。65億ユーロ(約7,490億円)を再生可能なエネルギーや効率改善によって生み出し、その額はGDPの3.1%に上ります。2位は中国で、総額では飛び抜けて多く440億ユーロ(約5兆703億円)、GDPの1.4%です。以下、ドイツ、ブラジル、リトアニアが続くようです。アメリカは17位。残念ながら日本への言及はありません。たぶんアメリカよりは上だと思うのですが… 報告書の詳細が待たれます。

調査対象となったものとして挙げられているのは、バイオ燃料、風力タービン、地熱など再生可能なエネルギー利用および、消費電力の少ない電灯や断熱材などのエネルギー効率を高める技術に関する生産高です。原子力エネルギーは入っていないようです。

中国の躍進ぶりには驚かされます。中国では「気候変動の存在や低炭素社会への移行についての論争は既にケリが付いている」と書かれています。本当でしょうか… 日本も、かねてから環境技術の先進性を誇ってきました。今一度、力を入れる時が来ているようです。

写真はチンタオ(青島)の風車。 Land Rover Our Planet さんが CC-by-nd で公開しているもの。

このブログで

2011年 5月 9日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.05.08

迫害への謝罪

Inquisition killings of Jews condemned in Spain - スペインのマジョルカ(Mallorca)島のパルマで320年前に行なわれた宗教裁判を糾弾する集会が地元バレアレス諸島自治州政府によって開かれました。

Lanzamiento Spark GT - Cartagena by pattoncito1691年の異端審問では、82人のユダヤ教信者が邪教徒として有罪にされました。公開の判決言い渡し(auto de fe)、絞首刑、遺体のかがり火での焼き捨てなどが行なわれたと記録されています。これらについて Francesc Antich 自治州知事は、「重大な不正義が行なわれたことを認識するために、今日、私たちは集った」と述べ、ユダヤ人側の代表は「友好と和解のための大きな意思表示である」としてこれを歓迎しました。

記事によると、スペインのフアン・カルロス国王は1992年にマドリードで開かれた「過去の不正義」を認識する式典に出席しましたが、具体的な事例に関しての言及は行なわれませんでした。今回の集会は、公人が具体的な異端審問に関して謝罪するスペイン初の出来事ではないかと言われています。

「思い出すことは傷口を広げることにもなる。しかし、正義を来たらしめる助けにもなる。何世代にも渡って血を流してきた傷口を閉じる時が来たのだ」と州知事は語りました。

私たちも、ややもすれば忘れがちな、しかし決して忘れることができない傷を持っています。願わくば、傷を負った世代が生きているうちに、それが無理ならば、その子どもたち、孫たちである私たちの時代に、不正義が正されますように。

写真は pattoncito さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。宗教裁判の際、被疑者の首に巻かれた責め具です。

このブログで

2011年 5月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.07

少数民族の蜂起が進行中

Rare rally tests Vietnam's religious tolerance - ベトナム北西部のディエンビエン省(ベトナムの独立運動がフランス軍を撃退した1954年のディエンビエンフーの戦いで有名な地)に、少数民族モン(Hmong)人が数千人集まり、4月末から反政府集会を続けているそうです。

by callahan.44電力の供給や通信手段が当局によって遮断されたほか、軍隊が投入され、二十数名のモン人が死んだとの未確認情報もあるようです。北西部では、2001年と2004年に、やはり少数民族の蜂起がありましたが、武力鎮圧されました。今回は7年ぶりに衝突が起こったことになります。集会参加者の中には分離独立を唱えている人たちもいて、王を名乗る者もいると伝えられています。

山岳地帯に住む少数民族は厳しい貧困のもとに置かれており、急速に経済発展しているベトナムの中で取り残されつつあります。また、多数派のベトナム人が仏教徒であるのに対し、モン人はアニミズムの色彩の濃いカトリックを信仰しているそうです。ベトナム戦争による疲弊から立ち直り、成熟しつつあるベトナムがどこまで民族的、宗教的な多様性を受容できるかが問われることになるだろうとロイター通信は指摘しています。

帝国主義の戦争に基地を貸した国の者が何を言うかと言われそうですが、万人に享受されてこそ繁栄はあるのであり、生まれや考えかたの違いを乗り越えて共存してこそ社会は育まれるのだということを再確認し、ベトナム政府が人権弾圧を起こさぬよう、注意を払っていきたいと思います。

モン人の親子の写真は callahan.44 さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 7日 午前 01:04 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.05.06

氷の海で放射能漏れ

Nuclear leak forces Russian icebreaker back to port - ロシアの国営企業 Rosatomflot 社(Росатомфлот)の原子力砕氷艦 Taimyr (Таймыр)が搭載している原子炉が放射能漏れを起こし、任務を断念、母港に戻ろうとしています。救援の船も向かいました。

Antarctica Trip 2001 by John E. Lester原子炉事故が起こったのは、シベリア西部の北に位置する北極海のカラ海上のことだそうで、炉心の周りの空気の放射線量が増加しただけで、格納容器の外への放射能の漏洩はないとされ、「十分対処できる」「取るに足らない事故だ」と関係者は述べています。

ただ、2000年に原子力潜水艦 Kursk が事故を起こし、118人が犠牲になった際にロシアの情報公開等がとても遅かったこともあり、今回も注視が必要だと AFP 電はしています。

考えてみると、原子力砕氷艦だけでなく、原子力潜水艦や原子力空母と、海にも危険がいっぱいなのですね。

著作権上問題のないタイミル号の写真が見つけられなかったので、写真はほぼ同じような形をしたロシアの砕氷艦です。 John E. Lester さんが CC-by で公開しているもの。タイミルに比べ、煙突(シロクマが描いてある部分)がちょっと大きいので、これは原子力船ではないと思います。

このブログで

2011年 5月 6日 午前 12:15 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.05

若さと政治

Meet Canada’s youngest MP in history - 先日行なわれたカナダ議会の総選挙で、史上最も若い議員が誕生しました。 Pierre-Luc Dusseault さん、19歳11か月。1974年に選出された議員のこれまでの記録(20歳3か月)を塗り替えました。

Parliament Hill, Ottawa. by Asif A. Aliデュッソーさんは大学1年生ですが、休学して議員活動に専念するそうです。若者の代表として、教育などの問題に取り組んでいきたいと語っています。デュッソーさんは新民主党(NDP)という左翼政党から出馬しました。 NDP は法人税の引き上げ、環境保護、LGBT を含めジェンダー間の平等、保健制度の充実などを公約として掲げている党です。

私たちの国では、公職選挙法で、衆議院議員、地方自治体の議員、市町村長は25歳、参議院議員と都道府県知事は30歳が被選挙権の下限年齢とされています。あまり合理的な理由がなく、どれも少し引き下げてもいいように思います。で、制度として若い人が議員などになれるようにするだけではなくて、政党ももっと若い人を候補に立てたらどうでしょう。いい政策は持っているけど、おばあさんやおじいさんばっかり候補に立てる党、何とかなりませんか?

写真は夕暮れ時のオタワの国会議事堂。 Asif A. Ali さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.04

隣県に旅行中

私の連休は暦よりも貧弱なので、ちょっと悔しいですが、とりあえず隣の県まで来てみました。「原発銀座」と称される福井県の嶺南地方です。

Tsuruga Nuclear Plant, Fukui, Japan, by Eunheui敦賀原発(日本原電)、美浜原発(関西電力)、高速増殖炉もんじゅ(独立行政法人日本原子力研究開発機構)を見ましたが、まだ見終わりません! 食傷気味ですが、今日は大飯原発と高浜原発(どちらも関西電力)に行ってみるつもりです。

原発を見に行くと言っても、発電所の近隣に建てられた広報施設を見学したり、道から見える発電所を写真に撮ったりするだけですが、施設の展示は分かりやすくていいです。安全性の面では、案内をしている人が手厳しい質問を浴びせられて立ち往生していたりして、かなり可哀想な場面も(私がいじめたのではありません。念のため)。

泊まっている旅館の前は、主要な国道のはずなのですが、街灯もなく、真っ暗です。関西電力は、都市部に電力を送るだけでなく、原発の地元をもう少し明るくする努力をしたらどうだとか、そうかこんなに暗くても暮らしていけるんだとか、夜道を歩いても考えさせられます。

敦賀原発の写真は私が昨日撮ったものです。 CC-by で公開しています。1次冷却水中の放射能の濃度が上昇して、燃料漏れが疑われている2号炉は、右手の灰色の2棟のうち高いほうの建物です。いつも載せる他の人の撮った写真と違って、何の面白みもない写真で恥ずかしいです。

このブログで

2011年 5月 4日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.05.03

音楽の贈り物

Barenboim to conduct Gaza 'peace concert' Tuesday - 今日の昼、パレスチナのガザで「平和のためのコンサート」が開かれます。主催は国連中東特別調整官事務所(UNSCO)、会場は Al-Mathaf Cultural House というところです。

Concert in Honour of Outgoing Secretary-General by United Nations Photo指揮者はあのダニエル・バレンボイムさん。演奏家たちは、この日のためにベルリン・フィル、ベルリン国立歌劇場、ウィーン・フィル、パリ管弦楽団、ミラノ・スカラ座管弦楽団から募られた約50人の特別編成だそうです。詳しい題目は発表されていないようですが、モーツァルトが何曲か入っているらしいとのこと。うーむ、どの曲がふさわしいでしょう。

団員たちは、エジプトからラファ検問所経由でガザに入る予定だそうです。ちゃんと通れるといいのですが。バレンボイムさんは、「これは政治的なイベントではない」「ガザの人々に何かを届けようという試みだ」と話しています。

ちなみに、3年前に書いたように、アルゼンチン生まれのイスラエル人であるバレンボイムさんはパレスチナの市民権もお持ちです。

写真は United Nations Photoが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.02

はぐれ者たちの街

Accepting ‘normalisation’ bid, Christiania reopens - かつて、世界中のさまざまなところで、体制に組み込まれないヒッピーたちがコミューンと呼ばれる共同体を作っていたものでした。残り少ないコミューンの一つがデンマークの首都コペンハーゲンにあるそうです。

Support Christiania by teddy-risedあやうく、「あったそうです」と過去形になるところでした。 Christiania というコミューンは、1970年ごろから、40ヘクタールほどもある海軍基地跡地にヒッピーたちが勝手に住み込んで、ほぼ自治状態に近い形で運営してきた共同体です。7年ほど前から政府が立ち退きを求め始め、今年の2月には居住権を争った裁判にも住民側が敗訴し、クリスチアニアの歴史は終わりを迎えようとしていました。

先週の水曜日に住民たちはバリケードを築いて外部との交通を遮断し、内部で討議に入りました。そして土曜日の昼、門を開くとともに、「クリスチアニアの存続のために、私たちは土地をすべて買い取ることを決定した」という驚くべき発表を行ないました。

記事からは、資金の調達の目処があるのかは分かりません。しかし、社会に溶け込めない人たちが暮らせる場所というのは、必要なものですから、ぜひ、彼らの企てが成功するようにと祈ります。

「私はクリスチアニアを応援しています」と書かれた看板の写真は teddy-rised さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

このブログで

2011年 5月 2日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.05.01

寺は平和を祈る場所のはず

Ninth day of Thai-Cambodia border clashes despite truce - 4月22日以来、一週間以上にわたって、タイとカンボジアの間で国境をめぐる軍事衝突が続いています。

Rain and blue sky by spiderman (Frank)両国の間では、3年ほど前から、国境沿いの寺院跡の領有権をめぐり、たびたび衝突が起こってきました。幸い、民間人の死傷者は出ていないと思いますし、英字新聞などを見る限りでは、「隣国憎し」みたいな風潮にはなっていないようですが、どうかこれ以上ひどいことになりませぬように。

私に何ができるというわけではありませんが、祈りを彼らの言葉で記してみようと思います。「平和」は、カンボジアのクメール語では

សន្តិភាព

タイ語では

ความสงบ

と書くようです。それぞれ、「サンテッピエプ」「クワームサンゴプ」と読むみたいです。うーむ、間違っていて、戦争を煽るような表現になっていたら最悪ですね。大丈夫でしょうか。

Dear Thais and Cambodians, greetings from Japan. I am sad to hear about what has been happening at Ta Krabey, Ta Moan and Preah Vihear. I pray for peace and friendly coexistence of your countries.

タイ・カンボジア国境付近の風景の写真は spiderman (Frank) さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。暗雲の中から、ほんの少しだけ青空がのぞいています。ぜひ拡大してご覧になってください。

追記: Macintosh や iPad ではクメール語が表示できないみたいなので、上記部分の画像を作っておきました。 Ubuntu Linux と Windows 7 では文字のまま問題なく表示できると思います。

このブログで

2011年 5月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »