« 植民地でやったことの責任 | トップページ | 法治主義と歴史的な責任 »

2011.04.08

電力の地産地消へ

GE to build nation's largest solar power plant - アメリカのゼネラル・エレクトリック社が米国最大の太陽光発電所を建設することを、7日、発表しました。同社は太陽光発電に6億ドル(約511億円)を投資することにしており、その計画の一部であるようです。

Solar panel melty by smatheson米国内最大といっても、まかなえる電力は8万軒ぶんということで、太陽光発電はまだまだだなあという感じです。 CdTe (= Cadmium telluride、テルル化カドミウム)という材質の薄型フィルムに基づいたソーラー・パネルが使われるようです。

技術的には日進月歩でしょうから、今では話が変わっているかもしれませんが、2年前に計算した時には、太陽光発電に必要な面積は原子力発電所の40倍でした(「太陽光発電所の大きさ」)。ただし、これは原発の稼働率を100%としての計算でしたから、実際の稼働率がその約半分であることを考えれば、太陽光発電には原発の20倍ぐらいの場所が必要になると考えられます。

これは、とりもなおさず、太陽光発電には集中的な生産方式が向いていないことを示していると思います。だれのもとにもふりそそぐ太陽の光は、一人ひとりのもとで活かされるべき、つまり、一軒一軒の屋根の上で電気に変えられるべきなのだと私は思います。電気の地産地消です(「地産地消」という言葉には、「東京で使う電気を福島に作らせるなよ」という批判も込めているつもりです。もちろん、これは関東に限ったことではなく、「大阪や京都のために福井に犠牲を強いるな」等にも言い換えられます)。

原子力への依存からは、電力会社や大企業も含め、人々の心は自由になってきたように見受けられますが、大規模、集中的な発電という呪縛からは、まだ解き放たれるに至っていないようです。どういう契機が必要なのだろうかと考えてしまいます。願わくば、東電福島第一原発のような壮絶なものではなく、穏やかな形で私たちが心を决められますように。

コネチカット州の民家の屋根のソーラー・パネルの写真は smatheson さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。コネチカット州はだいたい北海道南部ぐらいの緯度のところです。

このブログで

2011年 4月 8日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 電力の地産地消へ:

コメント

私が住む富山県では、黒部ダムが関電で、能登にある志賀原発が北電で、送電ロスのことを考えるとなんだかなあです。県の供給は需給を上回っているのに、これ以上の原発の稼働は必要ないと思うのですが、北電は次年度以降の需要見込みを右肩上がりにして、さらなる稼働が必要と説明しています。地元に電力会社があることで、小規模発電がなかなか進まないという事情もあります。
GEといえば福島一号機の設計をやってましたね。

投稿: tae | 2011/04/08 8:07:31

いま私が借りているある離島の僻地の家は、駐車場から玄関まで真っ暗で、この間までは懐中電灯なしでは一歩も歩くことができなかったのです。ところが先日、帰阪した際に入手したスウェーデン製の庭園灯(確か五百円ほどでした)を二本、庭に設置してみたところ、といっても直径五センチ、長さ四十センチほどの円筒形の器具の尖った方を地面に差し込んだだけなのですが、これが驚くほどの効果を発揮してくれています。頂部に四センチ角ほどのソーラーパネルがついただけのものなのですが、なんと一晩中灯りを放ってくれているのです。
実際、太陽が日ごと地球に降り注いでいるエネルギー総量の恐らく数億、数兆分の一にもならないほどのものしか我々は電気エネルギーに変換していないのでしょうが、何と膨大かつ穏やかな太陽の力を私たちは無視し無駄にしてきたかを、こんな些細なことからもあらためて痛感している次第です。

投稿: argon | 2011/04/09 1:14:50

tae さん、

そうです、あの GE です。以前書いたことなのですが、ウランが尽きるのは石油が尽きるのの数十年後なので、長期的には太陽光とか風力、地熱に移行していくのは明らかなのですけどね。なかなかいいきっかけがないのだと思います。


argon さん、

すごいですね、その庭園灯! 薄暗さを気にしなければ、今すぐにでも原発を止めることぐらい、できそうですよね。キューバから帰ってきた時、日本があまりにも明るいのでびっくりしたことが思い出されます。

投稿: うに | 2011/04/09 1:23:53

その庭園灯、価格も安くていいですね。
「電力の地産地消」にはアメリカの「PURPA法」のような法律が必要かもしれません。日本の大電力会社による「電力の独占」を変えるしかないですね。

投稿: tae | 2011/04/09 9:49:36

tae さん、

PURPA って知りませんでした。 Public Utility Regulatory Policies Act ですね。勉強します。

tae さんとお付き合いがあると、語彙が増えていいですね。 PURPA、SLAPP、パギンズ。

投稿: うに | 2011/04/09 21:15:24

ウランは今のやり方で採掘すれば、20年位分しかないそうです(精華大、細川弘明教授による)。無理して質の悪いところを掘ってもせいぜい40年分。

それだけじゃないですけど、原子力に未来はありませんよね。私も関電じゃないところから、電気を買いたいなぁ。まずは送電線の開放ですね。

庭園灯、魅力的。庭がないのに、どこかにつけてみたくなりました。

投稿: ビー | 2011/08/30 4:28:53

ビーさん、

ウランがどのくらい残っているかについては、前に書いた覚えがあるんだけど、眠くて探していません。たしか私の読んだ数字では60年ぐらいだったような気がします。

投稿: うに | 2011/08/31 1:03:32

この記事へのコメントは終了しました。