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2011.04.07

植民地でやったことの責任

5年前に「マウマウ団訴訟」という記事を書きました。ケニアでイギリスからの武装独立闘争を闘ったマウマウ団(Mau Mau)の生存者がイギリス政府の非人道的な扱いを裁判で問うという話でした。今日ご紹介するのは、その話の続きだと思います。

mel and me by meaduvaKenyans sue UK for alleged colonial human rights abuses - 武装闘争が起こっていたころ、ケニアを植民地として統治していたイギリスは「マウマウ緊急事態」を宣言し、拘束されたマウマウたちは、正式な司法手続きなどを経ぬまま、収容所内で処刑、去勢、性的虐待、強制労働、飲食の禁止、暴行などを受けていました。これらのことは、証言の蒐集や公文書の情報公開などによって最近明らかになってきたようです。

イギリス政府は、マジェランアイナメ(Patagonian toothfish)という深海魚をめぐる判例を根拠に、植民地統治政府の行為に関する責任は独立後の政府に受け継がれると主張してきました。その一方で、植民地時代の公文書がケニア政府に渡らないように画策していたことも明らかになっており、その道義的責任が裁判で問われることになります。

マウマウ団の生き残りである原告の側には、デズモンド・トゥトゥ元大司教をはじめとする人権活動家が、「植民地統治政府の行為に関する責任は独立後の政府に受け継がれる」というイギリス政府の冷酷さ、無責任を強く糾弾する意見書が多く寄せられているようです。

イギリス政府の主張は、「国交正常化時に個別補償の権利はすべて放棄された」みたいなのと同等だと思います。これらの主張が認められない時代がやってきたと言えるでしょう。

ケニアの独立記念日のスナップショットは meaduva さんが CC-by-nd で公開しているものです。政府の間でわだかまりがあったとしても、人と人の間には堅い友情が存在するということを伝えたくて、この写真を選びました。

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2011年 4月 7日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

「植民地統治政府の行為に関する責任は独立後の政府に受け継がれる」…これが世界常識になり、日本も同様に糾されることを望んでます。

投稿: ビー | 2011/08/30 4:32:39

ビーさん、

紛らわしい訳でごめん。ビーさんが引用したイギリス政府の主張は、「植民地ケニアでイギリスが行なったことの責任は、独立後のケニア政府が負う」というトンデモな主張で、ビーさんや私が願っていることとは正反対なのだ。

投稿: うに | 2011/08/31 1:07:27

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