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2011.03.31

人権の人、革命の人

Carter to meet with dissidents while in Cuba - アメリカのジミー・カーター元大統領がキューバを訪問中です。1959年の革命あるいはその後の経済封鎖発動以来、キューバをアメリカの大統領経験者が訪れるのはこれが初めてです。

by mama! mia!カーター元大統領は、ラウル・カストロ大統領、フィデル・カストロ前大統領と会見したほか、 Yoani Sanchez さん、 Claudia Cadelo さんなどの著名ブロガー、ごく最近釈放された政治囚を含む反体制活動家の代表らとも会見を行なうことになっています。反体制活動家らは、彼らとの会見を望んだカーター元大統領の姿勢を歓迎しています。

滞在中に、フィデル・カストロ前大統領との会談がもう一回設定されているそうです。フィデルがいなくなったらキューバの社会主義体制が終焉を迎えることは明らかなので、問題はその後、キューバがアメリカの大企業の草刈り場として収奪されないようにするにはどうしたらいいかだと思います。ジミー・カーターとフィデル・カストロという顔ぶれなら、案外、率直にそこらへんのことが話し合われるような気がするのですが…

ハバナの市街の写真は mama! mia! さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。経済封鎖されているために、こういう古い車がたくさん走っています。

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2011年 3月 31日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.30

よそ者に土地はやらない

Foreign nationals limited from purchasing ownership of land - 外国人による土地の購入を制限する法律が議会で可決されました。イスラエルの話です。リンク先はエルサレム・ポスト紙。

Geteilte Stadt__DSC_0950 by Otto_Friedrich452年ほど前までは、イスラエルでは土地は主に国からの長期貸与という形で取引されていましたが、最近では法改正によって私的所有が多くなってきました。それに伴い、土地が「敵の手に落ちる」おそれが出てきたとして、今回の法律が作られたそうです。32か国で似たような法律があると記事は伝えています。

なんとなく、胸に手をあてた時に自分が恨みをかっているなと思うような国がこういう法律を作るのだろうという気がしますが、どうでしょう。

「外なる者」への猜疑心とか憎しみが行動を司っているからこそ、こういうしくみを作るのだろうという直感に違わず、この法律は、イスラエル国籍を持っていなくても、帰還権法によってイスラエル市民となることが許されている者、つまりユダヤ人には適用されないのだそうです。

外から見ると、露骨に差別的ですよね。中にいると分からないのかもしれないけど。

エルサレム近郊の写真は Otto_Friedrich45 さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 30日 午前 08:09 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.29

先住民が米軍の修正主義を批判

Seminoles demand Obama apology for ‘racist, revisionist history’ - アメリカ軍のグアンタナモ収容所の軍事法廷でアルカイダの協力者として裁かれているいわゆる敵性外国人に対する起訴状の内容が北米先住民のセミノール民族に対する侮辱を含んでいるとして、セミノール民族がオバマ大統領に謝罪を求めています。

Seminole Indian bronze sculptures by readerwalker1810年代、フロリダはスペイン領でしたが、合衆国のアンドルー・ジャクソン大統領がこれを侵略しました。セミノール人は激しく抵抗しました。その際、アメリカ軍はフロリダ在住のイギリス人の商人2人をセミノール人を援助しているとして軍事法廷で訴追し、処刑しました。

現代のグアンタナモでは、オサマ・ビン・ラデンに近いビデオジャーナリストが訴追されており、その訴状に、敵を援助する外国人に関する判例として2世紀前の英商人に対する有罪判決が言及されているのだそうです。

これが判例となるのは、「かつてのセミノール人」イコール「現代のアルカイダ」という等式を踏まえているからなわけで、これは不当な侵略に対して正当に戦ったセミノール人をおとしめる、不正確な比較であるとして、合衆国政府に対して謝罪要求が出されました。アメリカ軍の態度は、人種差別的であり、史実をねじ曲げる修正主義にほかならないとも主張されています。

私には「テロとの戦争」も、限りなく不当な侵略に近いように見えるので、上で述べた等式は事実として成り立っているようにも思えます。でも、同時に、偏見にさらされている少数者であるにしても、アメリカの「中」の人としては、そこで一線を引きたいという気持ちも分かる気がします。

戦うセミノール人の銅像の写真は readerwalker さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.28

新たな虐殺現場

Suspected POW mass grave found in Philippines - フィリピン北部の Nasugbu という町で、27日、プールの建設現場から14体の白骨死体が見つかりました。現場は、アジア太平洋戦争当時、フィリピンを占領統治していた日本軍の駐とん地だったところで、死体は捕虜のものだと考えられています。

Caleruega HDR by akosihub記事は、1942年から1945年まで続いた日本の占領を「フィリピンの最も暗い時代」だと紹介し、何千人ものフィリピン人や連合国軍の捕虜が日本軍の非人間的な扱いによって餓死させられたことを伝えています。詳しい調査結果はまだ出ていませんが、見つかった遺体はフィリピン人だろうと考えられているそうです。

アジア太平洋戦争が終わって、今年で66年。実に1世紀の3分の2が過ぎてしまいました。そして今、ようやくこうやって明るみに出る大量虐殺もあるわけです。日本という国家を継承してきた私たちであれば、「私は戦後生まれだから、責任がない」などと、うそぶいてはいられません。

ナスグブの町の写真は akosihub さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 3月 28日 午前 12:44 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.27

大学に潜む過激派

Peking University's plan stirs questions - 人民網の英文記事です。中文では《北大会商十类重点学生引争议 思想偏激学生成异类?》あたりが元記事だと思います。

Signs by chengphoto中国当局が「これは思想統制ではないかと議論が起こっている」みたいに報じるというのは、よほどひどいのか、それとも単に政府の方針とずれているだけなのか分かりませんが、北京大学では、問題のある学生を「重点学生」として面談指導を行なうという取り組みが5月から行なわれるそうです。

面談の対象となる重点学生というのは10種類あって:学業困難者、過激思想の持ち主、心理面で弱い学生、貧しい学生、学籍移動をした者、自立している者(中文では「生活独立」ですが、私にはニュアンスが分かりません)、ネット中毒、就職困難者、重病人、規律処分をうけた者だそうです。

成績不振の学生などに面接を行なうのはよいことだと思いますが、議論になっているのは、もちろん、「過激思想」のところです。学校当局の方針に批判的な学生も《思想偏激》と認定されるようです。「学食のメニューが2角(約2円48銭)上がっただけで学校に抗議に来る学生がいる」という大学役職者の話が引用されていますが、それで過激派扱いされるんだったら、私など…

私たちの国でも、「お上」のやることには不満を述べるな、みたいな圧力があり、それは大学においても感じられますから、五十歩百歩ということなのかもしれません。

北京大学構内の写真は chengphoto さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2011年 3月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.26

避難民のことを忘れない

Cote d'Ivoire: Hundreds of lives lost in Ivory Coast amidst slow international response - アフリカのコート・ジボワールでは、内戦状態と言ってもいいくらいの紛争が続いており、50万人の国内避難民と10万人の国外への難民が発生しています。

Catholic_Mission_Duekuie_0050 by Sunset Parkerpix紛争は、先の選挙で敗北を認めなかった Gbagbo 前大統領を支持する勢力と、自分たちが勝利したと確信する Ouattara 候補の陣営との間で起こっています。すでに460人の市民が犠牲になったと言います。

死者の数や避難民の数、依然として危険の沈静化に成功していない点など、今回の地震、津波、東電の原発事故と比較しうる規模だと思いますが、世界の目は日本に比べてコート・ジボワールにはあまり向いていないような気がします。それはひとえに日本の経済力ゆえですが、非力なアフリカの悲劇も忘れないようにしたいと思います。

写真は Sunset Parkerpix さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 26日 午前 12:07 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.03.25

住所が変わる

New address system to go into official use in late July - 聯合通信の英文記事で、全文が読めないのですが、7月下旬から韓国の住所表記法が変わるという話です。

by hkinuthia今までのところ、韓国の住所は日本の主な住所表記法と同じく、松が岡3丁目といった感じに面を絞り込んでいく方法だったのですが、これからは Orchard Street 18 といった感じに通りの名とそれに振られた連番で表記することになるようです(韓国には今でも~路みたいな住所もあるような気がします。あ、日本も京都では通りを使いますね)。

変更の理由としては、そのほうが分かりやすいからというのと、世界の主流がそうだからというのが挙げられています。

日本のようなやりかたでも、ちゃんと考えた上で番号が振ってあれば分かりにくいこともないと思うのですが、私が今住んでいるところなどは、元が田んぼだった(その時点で住所が決められていた)ところに後から道路を引いたので、番地がめちゃくちゃに並んでいて、ものすごく分かりにくいです。

通りの名前はどうやって決めるのだろうとか、不思議がいっぱいです。続報を待ちます。

ソウルの古い路地の写真は hkinuthia さんが CC-by-nd で公開しているものです。

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2011年 3月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.24

地球の悲鳴が聞こえますか

Is nature trying to tell us something? - 「自然は私たちに何かを伝えようとしているのか」という問い。東京電力の福島第一原発での事故が BP によるメキシコ湾の海底油田掘削事業 Deepwater Horizon での原油大量流出事故と時を隔てず起こったことに関するカナダの新聞の記事です。

by Deepwater Horizon Response巨大なエネルギー企業が起こした事故であること、東京電力と BP が潔癖な過去を持つ企業ではないこと、汚染が生態系に、そして食物連鎖に及んだことなど、2つの事故に類似点は多いと指摘しています。

私は自然の声を聞き分けられるほど研ぎ澄まされた感性を持っていないので、地球が何か意志をもって私たちにメッセージを送っているようには思えないのですが、いろいろなところで地球に「悲鳴を上げ」させるようなことを私たちがしているのかもしれないなとは思います。

重油汚染現場の写真は Deepwater Horizon Response が CC-by-nd で公開しているものです。人々の姿も似ていますね。

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2011年 3月 24日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.03.23

国勢調査から抜け落ちる

Census ignores us, say Bangladeshi transgenders - バングラデシュでは去る15日から国勢調査が始まりました。1億5千万ほどの人口の国を30万人ほどの調査員がくまなく回って調査します。

by Rajiv Ashrafi…というのが建前ですが、実は組織的に調査から漏れてしまっている集団がいるようです。ヒジュラー(トランスジェンダー)の人たちです。ヒジュラーは、自分たちが女でも男でもないと主張していますが、調査用紙には女と男の欄しかなく、当てはまらないヒジュラーたちは無視されてしまうようです。

インドでは、現在行なわれている国勢調査で、女、男に加えて「その他」という欄が設けられているそうです。ネパールでも同様です。

日本では、国勢調査は既に終わってしまいましたので、LGBT に関する点を直すのは10年後になってしまいます。目下の課題は統一地方選ですね。「(同性愛者は)どこかやっぱり足りない感じがする」と語った人がまた選挙に出るそうで、うんざりしてしまいます。東京は本当に災害続きですね。どうかまともな人が選ばれますように。

それにしても、地震と津波からの復興もままならず、原発の問題が続く中、本当に選挙をやるのでしょうか。ばかみたいですが、ブログに違う話題を書くかどうかだけでも、ものすごく悩んだのに。

バングラデシュのヒジュラーの写真は Rajiv Ashrafi さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 23日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.03.22

みえない雲

Anti-Nuclear Children's Author: 'I Hope the Japanese Will Be Spared' - 独シュピーゲル紙の記事。ドイツの作家、グードルン・パウゼヴァング(Gudrun Pausewang)さんによる寄稿です。

Grafenrheinfeld by MarcelGパウゼヴァングさんは『みえない雲』(Die Wolke)という子ども向けの小説を書いた人だそうで、この本は5年ほど前に映画化されたそうなので、ご覧になった人もいるかもしれません。

ドイツ中部にある原子力発電所で事故が起こり、14歳の少女、ヤンナベルタは、ちょうど両親が旅行に行っていたため、8歳の弟と恐怖と混乱の中を生きていかなければならない、という話だそうです。記事の中でパウゼヴァングさんは、「私が子どもだったころは、子ども向けの作品はハッピーエンドになることが常識だった。しかし、貧しい家庭に育った私は、人生がいつも幸せな結末を迎えるわけではないことを知っていたので、自分がこれらの作家たちにまともに相手にされていないような気がした」と語っていますから、とても読むのが辛い本なのかもしれません。

「この本に書いたことのいくつかは、既に日本で起こっている。どうか日本の人々が、これ以上の不幸に遭いませんように」とも書かれていました。私も、強く、強く、そう願います。

パウゼヴァングさんは、ナチスのもとで少女時代を過ごしました。当時の大人たちに「どうしてあなたは何もしなかったのですか」と彼女が尋ねたいように、自分の孫の世代に「あの時、あなたは何をしていたのですか」と問われないために、この本を書いたとも語っています。私もその問いに答えなくてはなりません。

小説の舞台となった原子力発電所の写真は MarcelG さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 22日 午前 12:00 | | コメント (18) | トラックバック (1)

2011.03.21

国境線から幾千里のがれきの町に立つ

Serbian town offers Japanese children place to stay - チャチャク(Čačak)というセルビアの町が、被災した日本の子どもたちの疎開を受け入れる準備があると発表しました。不安に満ちた日々は子どもたちの心に傷跡を残しかねないから、社会が落ち着くまで、平和な環境に移したほうがいいという考えです。受け入れられる子どもの数は17人。チャチャクの町の郵便局の職員たちが援助を申し出ています。

supermoon by andre.vanrooyen旧ユーゴスラビア内戦、コソボをめぐるNATOによる軍事介入などで傷ついたセルビアです。悲劇を通ってきた者同士の連帯のようなものがあるのかもしれません。そして、日本がかつてチャチャクの病院建設を支援したことゆえの善意の連鎖があるのでしょう。

地震、津波、原発事故。本当に世界的な災害だったことを改めて認識します。各国で、危険な原発を止め、持続可能な経済を確立すること、民族間の反目を解消して戦争を防止し、子どもたちの悲しみを軽減すること。長期的には、そんなことが私たちにも希望を与えてくれるように思います。

満月の夕の写真は andre.vanrooyen さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2011年 3月 21日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.03.20

私たちは教訓を学べるのか

Stark differences in TMI, Japan nuclear crises - 福島第一原発での事故を機に、1979年3月にアメリカのペンシルバニア州で起こったスリー・マイル・アイランド原子力発電所で起こった事故を振り返る AP 電。人々の恐怖、情報の錯綜など、二つの事故で起こった混乱はとてもよく似ているようです。

Three Mile Island by Anosmia違うのは、人為的なミスで放射能漏れが起こりましたが、スリー・マイル・アイランドでは電源などのインフラは失われていなかったこと。福島では津波によって電気系統がすべて止まってしまったこと、そして複数の原子炉の故障に同時に対処しなくてはならないこと。「福島に比べれば、スリー・マイル・アイランドははるかに簡単な問題だった」と当時の政府担当者は語ります。

スリー・マイル・アイランドから教訓が学ばれたように、福島からも何かを人々が学ぶだろうと記事は書いています。当時は避難計画が全くなかったそうです。でも、福島でも惨事への備えは全く不十分だったようです。本当に私たちは学ぶことができたのでしょうか。スリー・マイル・アイランドでは、炉が部分的なメルトダウンを起こしていたと政府が認めたのは6年後のことだったそうです。私たちは真実を知ることができるでしょうか。東京電力や政府に全幅の信頼を寄せることは困難なように思います。

Three Mile Island の写真は Anosmia さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 3月 20日 午前 12:10 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.19

灯りを消すだけではなく

Earth Hour - 世界中の人々が同じ時間に電気を消し、環境について考えるアースアワー。今年は来週の土曜日、3月26日の午後8時半からの一時間です。 WWF が主催して行なうこのイベントの日本語サイトはこちら

Earth Hour by Biblioteken i Östergötland原子力発電は二酸化炭素の排出が少なく地球温暖化を抑制する環境に優しいテクノロジーだという核ルネッサンスの考えは、非常に衝撃的な形で終局を迎えました。今年は、そのことも考えなければなりません…

自分の意志で電気を消すことができるということが、信じられないくらい贅沢なことに感じます。灯りも暖房もない避難所の人たち、救援や危険な作業を強いられている人たち、そして毎日停電を迎える人たち、電車に乗れない人たち。掛ける言葉もありません。私も、できることをやって、精一杯支えていきます。

写真は Biblioteken i Östergötland (スウェーデンの町の図書館だと思います)が CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2011年 3月 19日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.18

私たちの戦争

自民党の谷垣総裁が「原子力発電の推進は難しい状況になった」と認めたそうです(毎日新聞「東日本大震災:「原発推進は難しい状況に」谷垣総裁」、共同通信英文 "Opposition chief hints at difficulty promoting nuclear power plants")。共同の記事が書くように、歴代の自民党政権は「原子力は絶対に安全」と言って50以上の原子力発電所を作ってきたわけですから、これからの展望がなくなったと認めるだけでなく、これまでの過ちを認め、市民に謝罪しなくてはならないと思います。それは、政権交代後に原発推進を続けた民主党も同じです。

Gorleben 13.03.2011 -  12 by cephir青森県内の東通原発1号機と大間原発の建設は中断が発表されました(共同通信「東電が東通原発の建設中断 電源開発も大間を」)。しかし、山口県の上関原発では、中国電力が工事中断を発表した後も(山口新聞「上関原発工事中断 1号機着工遅れも」)、着工準備作業が続いているという情報もありますので、注意が必要です。

一時的には足踏みしても、ほとぼりが冷めると「問題を起こしたのは40年前の原発。これから作る原発は安全」っていう話になるのかなあと思います。

今いる国内避難民の人たちの支援はもちろん大切ですが、40年後に新たな国内避難民を生み出さない努力も大きな課題だと思います。そのために、今この瞬間を心に焼き付けておきたい。

戦争の悲惨さを胸に刻んで、私たちは半世紀以上、平和を保ってきました。今起こっているのは、私たちの「戦争」です。この「戦争」を繰り返さないために、私たち一人ひとりが責任を担いましょう。

写真は cephir さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。ドイツでのデモのようす。「福島はどこにでもある」と書かれています。

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2011年 3月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.03.17

広島と韻を踏む

東京電力福島第一原発の破局的事象が依然として続いています(後で振り返った時のためにまとめておくと、6基の原子炉のうち4基で爆発や火災が起こり、放射線レベルが高いため冷却のための注水、放水ができなくなっています。原子炉の近くでは400ミリシーベルト/時ぐらいの値が観測されたりしており、東京などでもごく微量の放射線が観測されています)。

VAPEUR by Marylise  Doctrinalこの危機を受け、いくつかの国で、原子力政策の見直しが始まっています。ドイツでメルケル首相が古い原発の稼働延長を凍結したことが伝えられています。その他にも、中国が新たな原発建設の認可を凍結しました("China freezes nuclear approvals after Japan crisis")。韓国では与野党から原子力政策見直しの声が上がっています("Growing calls to overhaul energy policy")。

その一方で、原発依存度の高いフランスでは、反原発の世論が高まってはいるものの、サルコジ大統領が「フランスの原発は安全だ」と述べ、原子力政策を見直すつもりのないことを明らかにしました("France's government defends its stake in nuclear energy")。また、インドネシア政府も Bangka 島に原発を建設する計画を今後も推進するつもりのようです("Indonesia's nuclear plans intact amid Japan crisis")。

テレビで、福島県知事が、原発周辺20Kmの退去命令によって多くの国内避難民(IDP)が発生していることについて、福島だけの問題ではなく日本全体の問題として考えてほしいと語っていました。プルサーマルを推進してきた政治家が今さら何を言っているんだろうという気もしますが、言っていること自体はそのとおりで、原発の問題を、違う県の問題だからとか違う国の問題だからと言って、自分から遠ざけてはならないと思います。

フランスの原発の写真は Marylise Doctrinal さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 17日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.03.16

みんなの未来を決める

Japan reactor troubles spark Thai nuclear protest - タイの北東部、カーラシン県で原子力発電所の建設に反対するデモが行なわれたそうです。約1,000人が参加。福島第一原発での事故を受けて、タイは原発の建設をすべきではないと主張しました。

'Sunrise, Kut Nam Kin Park'  Kalasin, Thailand by larryoien..at home in Isaan県知事は、電力会社が調査に訪れたことは確かだが、山あいのカーラシン県に原発を作る具体的な計画はないようだと語りました。海岸に作るとなると、7年前にインド洋大津波に襲われたタイですから、それもまた心配です。知事は、日本での事故を見て、「私たちはもう全く核エネルギーに信頼を置いていないと言わざるを得ない」と述べました。

アジアでは、マレーシア政府が原発建設計画に引き続き取り組む姿勢を見せています("Malaysia says to go ahead with nuclear plans, to learn from Japan crisis")。

一番心配なのは日本の選択かもしれません。市民の反対を押し切って上関原発着工の準備をしている中国電力は依然として工事中断の要請を受け入れていません(山口新聞)。また、閣僚の中から「日本経済を支えるために原子力を利用するのは避けて通れない」 という発言が出ています。

私たちの判断が人類全体の、いや、人間だけでなく地球全体の将来を決めます。

カーラシンの美しい夜明けの写真は larryoien..at home in Isaan さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 3月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.03.15

親をなくした子どもたち

103 orphans caught in middle of S.Sudan fighting - スーダン南部が1月の住民投票でほぼ満場一致で分離独立を選択したことは記憶に新しいですが、その後、南スーダンの治安情勢は急速に悪化してきているようです。記事は、マラカルという町で、武装勢力が孤児院に立てこもり、孤児たち100人余りを人質にする事態が発生したことを報じています。

malakal_mine_injuries by aheavens孤児院の周りは南スーダン暫定政権のスーダン人民解放軍(SPLA)が取り囲み、銃撃戦になったようですが、その後、子どもたちは別の建物に移され、今度は毛布もなく夜を過ごすことを強いられているようです。

南スーダン政権側は、ハルツームのバシール政権が民兵組織を援助しているとして、交渉を拒み、立ち入り禁止区域を設定して掃討作戦を展開しています。立ち入り禁止区域からは国連などの人道組織からも立ち退きを余儀なくされているそうです。

平和的、民主的に分離独立が達成されるかのように思われていましたが、7月9日の独立がどのような形になるのか、危うくなってきました。

昨日も書いたことですが、自然の威力とか核の脅威と対峙している私たちは、人間同士、憎み合い、傷つけ合うのを止めたらいいのにと思ってしまいますが、なかなかこの思いは伝わらないのでしょう。

この記事をご紹介したのは、私が「孤児」という単語に強く反応してしまったからです。報道ではまだ紹介されているところを見てはいないのですが、今度の地震と津波で、きっと多くの子どもたちが親をなくしてしまっただろうと思います。そういう子どもを引き取ったほうがいいだろうかという問いが、この三日間、ずっと頭から離れません。でも、子どもの心の傷を癒してあげるのはとても大変なことだしとか、私に人を幸せにする能力がないことは既に証明されたことであるしとか、いろいろと考えてしまいます。

Malakal の町の子どもたちの写真は aheavens さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2011年 3月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.14

家を作るなら

Yishai: Israel must build 1,000 new units in settlements for every person murdered - イスラエルのイシャイ内務相が、ユダヤ人が1人殺されるごとに1,000棟の住宅を占領地の入植地に建設すると語りました。そして、最近起こった入植者の殺人がパレスチナ人の手によるものだとして、マアレ・アドミムなどの入植地で500棟の住宅に着工することを許可しました。

2011東北地方太平洋地震@仙台新港付近 by Yuichiro Haga入植地の拡大は和平交渉の再開を妨げるものです。イスラエル政府のこの強硬な姿勢に強く憤りを感じます。世界中の人々の目が日本の地震、津波、原発事故に向いている裏でこのような独善的な政策を推し進めようとしていることは許しがたく思えます。自然の力の凄まじさを見た後では、なぜ人間同士で憎しみ合うのか不思議にすら思えます。

ネタニヤフ首相、家を建てるのなら、どうぞ私たちの復興に力を貸してください。何万もの人が家を失って困っています。入植地に家を建てることがどんなに重要だとあなたが思っていても、もしあなたがほんの1分でも日本の今のようすをテレビで見たならば、どこにより大きな人道的な必要性があるか、あなたには分かっているはずです。

Prime Minister Netanyahu, if you want to build houses, help us rebuild instead. Tens of thousands of people have lost their homes. No matter how important it is for you to build houses in your settlements, if you have watched one minute of recent coverage of our disaster on TV, you should already know where a larger humanitarian need is.

仙台の写真は Yuichiro Haga さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 3月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.13

放射線に怯えた日

原発のことを心配しながら一日過ごすのは、心の健康に悪いですね。日本だけでなく、世界の多くの人が固唾を飲んで見守っていたと思います。とりあえず炉やその格納容器は無事だという説明を聞き、「最悪のシナリオ」の危機はほぼ無くなったのだと信じます。必死に鎮静化しようとしているかたがたに応援と安全を祈る言葉を叫ぼうと思います。

地震の日 by CaDsロイターの "Japan's increasing reliance on nuclear power" が日本の原子力発電の現状を手際よくまとめています。現在稼働している原子炉は54基。2基が建設中で、12基が計画中。現在は原子力発電依存率は30%。2017年に40%、2030年に50%を見込んでいる。等々。

そういう方向性が望ましいものなのか、今回の事態は私たちにもう一度問いかけています。そして、きっとまた「これだけで済んだからいいじゃないか」と「こんなことはもう二度と御免だ」という2つの意見が平行線をたどるのでしょう。「止揚」という言葉は大げさかもしれませんが、今回の震災から何か新しい知恵が生まれることを祈ります。

写真は CaDs さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 13日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.03.12

地が揺れた日

とても大きな地震がありました。いまだに余震が続いているようです。津波で船や車だけでなく家までもが流されていくのをテレビで見ました。東京では電車が止まっていて家に帰れない人がたくさんいるそうです。原子力災害対策特別措置法に基づいて原子力緊急事態が宣言されました。

Day 174 - another day, another earthquake. Thinking of all those in Japan right now :( by memphysema被害に遭われたかたがたにお見舞い申し上げます。

安否確認の電話も通じない混乱の中で、懸命に有益な情報を流そうとしている人たちがいること、足を奪われた人たちに建物を開放する学校などがあることを知りました。敬意を表します。

生活を取り戻すのはものすごく大変だと思いますが、手を取り合って、がんばりましょう。

ふだんは海外での救援活動をやっているジャパン・プラットフォームがクレジットカードでの募金を受付始めました。ご紹介します。ほかにもいろいろと支援の方法があると思います。よろしければ、お教えください。

写真は memphysema さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。オーストラリアの人で、日本の人たちのことを心配していると書いてありました。

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2011年 3月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.11

日の没する地の改革

Morocco king vows sweeping reforms - アラブ世界の西の果て、モロッコでも社会変革の大きな動きがありました。国王のムハンマド6世がテレビ演説で大規模な改革を約束したそうです。

Morocco by WhiteGoldWielderこれまでは国王によって首相が指名されていましたが、選挙で第一党となった政党から首相を立てること。国王ではなく首相が実効的な行政権を行使すること。独立した司法を確立すること。個人の自由と人権を拡張すること。6月までにこれらの点を憲法改正案としてまとめ、国民投票にかけること。

比較的に平穏なデモや集会のみでこれだけの譲歩を王制から勝ち取ったのはすごいと思います。野党指導者は「かなり驚いた。満足している。これらは革命と言ってもいいだろう」と語ったそうです。

ちょうど明治憲法から日本国憲法に変わった時のような感じなのでしょうか。

記事にはモロッコが軍事占領している西サハラについての言及はありませんでした。モロッコが民主的であろうとするならば、西サハラの問題は避けて通れないし、それが真の社会変革であるかどうかの試金石にもなるだろうと思います。

写真は WhiteGoldWielder さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.10

開かれた大学

Germany tops British Council’s ‘global gauge’ - 英タイムズ紙の高等教育特集の記事。ブリティッシュ・カウンシルが各国の教育の国際化の度合いを計量化しているそうで、その結果が簡単に紹介されています。

by i_m_not_hereこの "global gauge" によると、1位はドイツ、2位がオーストラリア、3位がイギリス、4位が中国、5位がマレーシア、6位がアメリカとなっています。各国政府の取っている国際的な教育機会に関する施策などを点数化したもので、どれだけ学校が留学生に「開放」されているか、留学に出た人にどれだけ支援をしているか、出す学位がどれだけ世界的に信頼されているかなどが考慮されているとのこと。

中国は日本の3倍近い留学生を受け入れているし、マレーシアの大学では英語が使われているし、なるほどと思う面もあるのですが、ちょっとびっくりでした。 British Council のサイトを見てみたのですが、ランキングの続きや評価法の詳細等は見つけられませんでした。日本がどの程度に評価されているか気にはなりますが、あまり短期的に追いつこうと無理をしないほうがいいような気がします。ただ、かつて象牙の塔だった大学が、やがて地域に開かれるようになった、それと同じように、世界に対して開かれた形に変わる必要があるのだろうと思います。

写真は i_m_not_here さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.09

手を取り合って

Muslims, Jews Warn Europe: Mainstreaming of Far-Right Parties Is Unacceptable - ヨーロッパ各国における右翼勢力の台頭に対して、主要なムスリム団体とユダヤ人団体の指導者らが連帯して警鐘を鳴らしました。

by Anna Boursy反イスラム、反ユダヤの極右政党が「主流化」してきたことだけでなく、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相、イギリスのキャメロン首相などが「多文化主義は失敗に終わった」といった発言を最近行なったことに対しても、異議を唱えています。そして、真にヨーロッパ的で普遍的な民主主義、寛容などの精神を守るためには、これらの潮流と闘うことが必要だとし、その闘いにムスリムとユダヤ人は手を取り合って臨むべきだと述べています。5月9日の「欧州の日」に各地で行動を起こすことも決まりました。

ヨーロッパの事情と私たちの国の事情は同じではないと思うのですが、もっと寛容な社会に変えていかなければならないというところは、きっと同じですね。

写真は Anna Boursy さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。フランスのリヨンで撮影。

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2011年 3月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.08

壁を消していく

Baghdad Neighborhood Welcomes a Wall’s Fall - イラクのバグダッドで、街を分断してきたコンクリートの防御壁(blast wall)が取り除かれ始め、市民が喜んでいるというニューヨーク・タイムズの記事です。

Baghdad's walls by omar_chatriwalaコンクリート壁は、占領を続けているアメリカ軍が、軍関係の車両を銃撃や爆破から守るためとして築いてきたものですが、それは通行を不自由にし、共同体を分断し、経済を停滞させてきました。アメリカなどの軍隊が徐々に去っていくのに伴い、少しずつ撤去されているようです。最近になって家の近くの壁が取り去られたサドル・シティの市民は、「そよ風が入ってくるようになった」と言います。まさに息の詰まるような生活を強いられていたようです。

今のところ、壁がなくなったことによって民兵組織が活発化するなどということは起こっていないようです。独裁、経済制裁、侵略と占領で荒んだ心は、そう簡単には癒えないような気もしますが、一日も早く、人々がお互いを認め合い、落ち着いた暮らしを取り戻せますように。

写真は omar_chatriwala さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.07

蘇る湿地帯

Iraq's Mesopotamian Marshlands recovering - イラク南部の湿地帯が回復しつつあるというニュースです。

Al Kuthra Patrol by DVIDSHUBイラクでは、フセイン政権下で反体制派部族への攻撃のために、南部の湿地帯への水の流入を抑えこみ、他の水路に迂回させていたのだそうです。で、その結果、かつての湿地帯は砂漠化し、面積は10分の1程度にまでなり、生態系も大きく変化してしまいました。アメリカなどの侵略後、 Azzam Alwash さんと言う人が作った Nature Iraq という団体が中心となって、水路を元に戻す事業が行なわれ、湿地帯には、葦や鳥などが戻ってきたようです。世界最大の生態系回復事業と呼ばれることもあるそうです。

私は、だから戦争をしてよかったじゃないか、などと言う詭弁家ではありませんが、これはよいニュースとしてお伝えできると思います。ちょっと考えが甘いかな… そう言えば、たしか日本政府も湿地帯復元にお金を出すことになっていたと思います。有効に使われたのだったら、うれしいですね。

バスラ付近の湿地帯に住む部族の人の写真は DVIDSHUB が CC-by で公開しているもの。

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2011年 3月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.06

五月広場のおばあさんたち

Argentina’s Grandmothers of the Plaza de Mayo awarded UNESCO peace prize - アルゼンチンで80年代初めまで続いた右翼の軍部独裁。その中で左翼活動家などの市民たちから拉致された子どもたちは、どうなったのか。その答えを求めて、毎週木曜日に残された母親や祖母たちがブエノスアイレスのプラサ・デ・マヨ(五月広場)で抗議活動を行なってきたことは、広く知られています。その「五月広場の祖母たち」(Abuelas de Plaza de Mayo)がユネスコ平和賞を受賞しました。

Las Madres de Plaza de Mayo by scorbette37「圧制、不正義、権力者が罪を問われないことに対し立ち上がることによって、人権のためのたゆみない闘い」に敬意を捧げるとあります。彼女たちの活動は1977年からずっと続けられてきました。彼女たちの訴えによって、行方が分かった子どもたちは約100人。まだまだ分からないことだらけなのかもしれません。しかし、彼女たちの示す模範によって、アルゼンチンは右翼軍政に戻ることを逃れてきました。

広場で立つ人たちの間にも、いくつかのセクトがあるみたいです。30年以上続いた活動であれば、それはしかたないことでしょう。また、今回授与されるユネスコの平和賞は、 Félix Houphouët-Boigny Peace Prize と呼ばれ、コートジボワールの初代大統領フェリクス・ウフェボワニにちなんでいます。「アフリカの賢者」とも呼ばれたウフェボワニですが、彼とて完璧な政治家ではなかったようです。だからと言って、受賞者の功績が低くなることもないでしょう。完全からはほど遠い世界の中で、少しでも社会をよくしようとした人に拍手を送る。そんな機会でしょうか。

¡Felicidades, abuelas!

写真は scorbette37 さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 3月 6日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.05

私たちの自由の国

Indonesia ranks 6th in 2010 Freedom Barometer Asia - というジャカルタ・ポスト紙の記事を読んで、 Freedom Barometer Asia という東アジア、東南アジアの国別自由度指標があることを知りました。タイに本部がある Friedrich Naumann Foundation for Liberty という財団が作っているもので、2月初旬に今年の報告書が出たようです。

It's About Freedom. by peoplesworldで、やっぱり自分の国がどんな具合かが気になるもので、調べたところ、めでたく日本は1位でした。得点は78.89。70点以上には、台湾、韓国、シンガポールが並んでいます。報告書を見ると、自由で公正な選挙が行なわれ、文民統制がしっかりしていて、報道の自由が保証されており、司法が独立している点、所有権が保証され、労働法規もしっかりしている点などが高く評価されています。

これらは日本国憲法で定められた自由であり、第12条に「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」とあるように、私たち市民が築いてきたものです。それが高く評価されて、とても誇らしく思います。

日本の問題として挙げられているのは、記者クラブ制度によってメディアが政治家に透明性や説明責任を求めにくくなっている点、長年にわたって自由民主党の政権が続いたため、政官財の癒着が起っている点(汚職に対する条約を批准していないということも指摘されています)、死刑制度が続けられている点、刑務所の環境が非常に悪い点(服役者が医療をほとんど受けられないなど)、取り調べの中で自白を強制されたり、虐待的な尋問が行なわれたりする点です。概ね、頷ける指摘でしょう。

1位と言っても、100点満点ではないわけで、まさに改善が望まれる点に直面して苦しんでいる人たちもいることと思います。また、報告書ではよい評価を受けているが、万全ではないと思えるような状況もあります(文民統制がされていると言いますが、別の国の軍が治外法権的に振舞うとか、公正な選挙と言いますが、一票の格差が大きいとか何世代にわたって住んでも国籍すらもらえず政治献金もできないとか、所有権が保証されていると言いますが、近くに原発だのヘリパッドだのが作られて生活が脅かされるとか、労働法規がよいと言いますが、雇い止めに遭って解雇される人がいるとか)。誇りを持つ一市民として、私も、こういうところをよくしていく努力を怠らないようにしたいです。

写真は peoplesworld さんが CC-by-nc で公開しているもの。ウィスコンシン州マディソンで撮影。

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2011年 3月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.04

髪の毛が長いと許されない

Inmates who refuse haircuts sent to max security - アメリカのバージニア州の刑務所では、髪を切るのを拒否した服役者たちが、たったそれだけの理由で、重い犯罪者向けの施設に移されたりしているらしい。

William Reading by Natural Attachment散髪を拒んでいる人の中には宗教上の理由で髪を切らないラスタファリアンもいる。また、髪を切らないというだけで10年以上も独房に入れられている人もいるという。

「規則は規則だから」と言うことなのだろうけれど、服役が良き市民としての社会への復帰に向けた道のりであると考えれば、何を杓子定規に不毛なことをやっているのだろうと思ってしまう(「不毛」という語は笑いを取るために使ったわけではない)。

ラスタファリアンの写真は Natural Attachment さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。写っているのは服役者ではなく、自由な市民だ。

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2011年 3月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.03

井戸を壊す

'Israel razes wells' near Hebron - 占領下のパレスチナ、西岸地区のヘブロン近郊で、イスラエル軍が井戸を3つ破壊したというニュース。 Wadi al-Ghrous という村とAl-Beqa という村だそうです。

The Beqa'a Valley by delayed gratificationどの井戸もイスラエル政府の許可なしで掘られたものだったようで、イスラエル軍は頻繁に無許可の建造物を破壊しているようですから、「いつものこと」の部類なのかもしれません。

占領や植民地統治の歴史をひもとけば、井戸を壊して、困らせて、「自主的に」去るように仕向けるなどというのは、よくあることだったのかもしれません。

もしかすると、私たちの身の回りにも、こういった権力による卑劣な嫌がらせがあるのかもしれませんね。弱い者の声は小さいから、聞こえてこないだけで。

ヘブロン近郊の写真は delayed gratification さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 3月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.02

野良犬の行方

Activists fight plan to deport Moscow's stray dogs - モスクワでは、市内に野良犬が26,000匹はいると考えられていて、犬たちの駆除が問題になっているそうです。

Собачка в вагоне метро by AlphaTangoBravo / Adam Baker250キロ離れたところに収容所を作り、市内で捕獲した犬をそちらに移動させようという計画が市によって進められていますが、収容所での生活が非人道的なものになりそうなこと、伝染病を蔓延させないためには一時的に隔離して検疫するなどの手続きが必要だが、その準備がないことなどを動物愛護団体が指摘しています。また、市内から一時的に野良犬がいなくなっても、周りの町や村から新たに入って来るだけだとの説もあります。市は、これまでにも多額をシェルター建設や去勢避妊手術などに使ってきたと主張していますが、市民は、お金の使途が不明な場合が多いと見ています。「殺してしまう」という選択肢は市当局にもないようです。

モスクワは寒いので、犬たちは地下鉄の駅などに降りて行っているようです。地下鉄に乗る犬もいるとか。しかし、地上では、徒党を組んで人を脅したりもしているとのこと。

民族や宗教の共存も時として難しいですが、種の共存もなかなか。

モスクワの地下鉄車内の犬の写真は AlphaTangoBravo / Adam Baker さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 3月 2日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.03.01

もう他人じゃない

School rejoices in Oscar win - ある学校の生徒や先生たちを追った映画が今年のアカデミー賞最優秀短編ドキュメンタリーに選ばれました。 Strangers No More (もう他人じゃない)という映画です。

Adloyada Tel Aviv 2010 by YaelBeeri舞台はイスラエルのテルアビブ市。この街にある Bialik Rogozin という学校です。この学校には、大量虐殺などを逃れてイスラエルに来た48か国にも上る国々の難民の子どもたちが通っています。 Karen Goodman さん、 Kirk Simon さんによるドキュメンタリーは、子どもたちがトラウマを忘れ、新しい社会に溶けこんでいく過程を記したものだそうです。

子どもたちはアカデミー賞が何かも分からなかったりするみたいですが、受賞を受けて、学校は祝賀ムード。しかし、イスラエルは不法滞在者の強制送還を決めていて、映画の主人公だった子どもたちの中にも強制退去の対象になりそうな子がいるようです。「強制送還が中止になれば、本当のお祝いになるのだけれど」と先生が語っています。

イスラエルという国に対して言いたいことはたくさんあるのですが、日本の難民受け入れの実態(先週発表された2010年の受け入れ実績はスリランカの新聞にも取り上げられていました。世界が見ているということだと思います)を思えば、今日は、口に出せません。

ビアリク・ロゴジン学校の子どもたちの写真は YaelBeeri さんが CC-by-nc で公開しているもの。ちょうど一年前の今ごろ、プーリム(purim)のお祭りの仮装行列(adloyada)です。

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2011年 3月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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