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2011.01.31

是松さんの誕生日

Fred Korematsu Day a first for an Asian American - もう昨日のことになってしまうのですが、1月30日はカリフォルニア州では今年から、フレッド・コレマツ市民の自由と憲法の日(Fred Korematsu Day of Civil Liberties and the Constitution)とされたのだそうです。

Korematsu Coram Nobis Press Conference by keithprフレッド・コレマツさんは1919年1月30日にカリフォルニア州オークランドで生まれた日系2世のアメリカ人でした。溶接工をしていたコレマツさんのもとにも、1942年、日系人強制収容のために当局に出頭するようにとの命令が来ます。しかし、コレマツさんはこれを拒否し、逃亡しますが、やがて逮捕され、収容に応じなかった不服従の罪で有罪判決を受けます。

この判決は1983年に連邦裁で無効とされ、これが引き金となって、その後、アメリカ政府による日系市民への謝罪と賠償が始まります。コレマツさんは大統領自由勲章を授与され、2005年に86歳で亡くなりました。昨年、カリフォルニア州知事が彼の誕生日を記念日とする法律に署名しました。アジア系の市民にちなんだ祝日ができるのは初めてだそうです。

カリフォルニアの小学校では、先週から今週にかけて、フレッド・コレマツさんの生涯を覚えておく意義が教えられているそうです。記事には、「強制収容所はもうなくなったかもしれません。でも、人種や宗教による差別は依然としてあります。9.11以降、ムスリムのアメリカ人がどのように扱われてきたか見てみてください」という学校の先生の言葉が引用されています。

過去の歴史を美化するのではなく、その汚点を直視し、それを繰り返さないよう、歴史から教訓を得ようとするカリフォルニア州の姿勢はすばらしいと思います。不当な法律に背いて、自らの信じる正義の道を歩んだマイノリティを祈念する日を、私たちの国で見る日は来るでしょうか。

コレマツさんの写真(前列中央)は keithpr さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 1月 31日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.30

国が名護市に対し異議申し立て

Nago City Hall by toyosakihirokiチュニジアに次ぐ、エジプトでの反体制運動の盛り上がりの影になって、見逃されてしまったかもしれない沖縄のニュースです。一度やってみたかった「ツイートのまとめ」形式でお届けします(ちょっと調子が悪いので、手抜きをしているだけですが)。

  • 「国が名護市長を訴えた」との情報あり。詳細不明。 2011/01/28 23:23:44
  • 名護の続報: 「緊急情報 スラップ訴訟」「安保廃棄実行委員会とやんばる統一連の交流集会に、稲嶺市長来ていただきまして、沖縄防衛局から裁判にかけられた報告」 http://t.co/OYEUtr1 大西照雄さんというかたのブログです。 2011/01/29 00:49:55
  • 「スラップ訴訟」の「スラップ」とは、 strategic lawsuit against public participation (SLAPP) 。「恫喝訴訟」とも言うみたいです。権力側からのいやがらせ訴訟のことみたいです。 2011/01/29 00:52:34
  • 名護の件、真偽のほどを測りかねています。第一報を聞いてから3時間経ちますが、沖縄タイムス、琉球新報、RBCにも出ませんし、全国紙等でも出ていないと思います。名護市や沖縄防衛局のサイトにもありません。事が事だけに、何かの勘違いだったら、本当にいいのですが。 01:47:28
  • 名護続報:沖縄タイムスに記事が出ました。法律「想定外」の矛先 名護に異議申し立て http://t.co/OAOLUuF 「普天間飛行場移設の現況調査に関する名護市の対応をめぐり28日、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づき異議を申し立て」 2011/01/29 09:52:01
  • 琉球新報は:防衛省、名護市に異議申し立て 普天間移設 現況調査拒否で http://t.co/PIQbE25 「動植物の生息状況などの「現況調査」を名護市が拒否していることについて、同市長らに対して行政不服審査法などに基づく異議申し立て」 2011/01/29 09:55:04
  • 朝日新聞では地方版での扱いです: 辺野古調査の不許可、名護市に異議申し立て 沖縄防衛局 http://t.co/kizhT6B 「同局は申し立ての理由を「不許可は主に市長の政治姿勢により、裁量を逸脱している」と説明」 09:59:40
  • …というわけで、昨夜「「国が名護市長を訴えた」との情報あり。詳細不明。」としてお伝えしたことは、誤報ではなかったようです。情報が正しかったことにほっとするよりも、悔しさのような気持ちでいっぱいです。 2011/01/29 10:10:44
  • RT @nagonagu: 防衛の申請を却下して、提訴されたら堂々と争えばいいだけ。 2011/01/29 10:55:50
  • 防衛省異議申し立て 不許可判断は「正当」 稲嶺名護市長が強調 (琉球新報) http://t.co/QMplm6P 「申し立ての連絡は、担当課長の不在中、防衛局職員の名刺を添えた書類が机の上に置かれる形で行われ、課にいた2人の市職員も気付かなかった」 2011/01/29 11:06:54
  • 国、名護に異議申し立て: nirai@yugafu http://t.co/OUYPQmy 沖縄タイムス一面の写真あり。 2011/01/29 11:12:04
  • 防衛局、名護市に異議・環境評価不許可で 新基地推進へ圧力 (しんぶん赤旗) http://t.co/iLJoDCM 「行政不服審査法第6条に基づく異議申し立てを、名護市長および名護市教育委員会教育長に対して」「漁港漁場整備法に基づいて鹿野道彦農相に異議を申し立て」 2011/01/29 11:19:36
  • 名護続報: 沖縄防衛局 現況調査不許可で異議申し立て(琉球朝日放送) http://t.co/wG7GRMJ 「ダムへの立ち入りなど4件の許可申請を「移設を前提とした調査には協力できない」とすべて不許可」「防衛局が処分を不服として異議を申し立てをしたのは今回が初めて」 2011/01/29 14:43:29

名護市役所庁舎の写真は toyosakihiroki さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 1月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.01.29

大学の四世紀

Philippine university celebrates 400th anniversary - アジア最古の大学が創立400年を祝っています。フィリピンの University of Santo Tomas という大学です。1611年に神学校として創立され、間もなく神学以外の科目を教える「大学」となりました。昨日が大学の名前がちなむ聖アクィナスの霊名日で、それに合わせて祝賀行事が始まったとのこと。

At the University of Santo Tomas Main Building by Katrina.Tuliao日本の大学と比べると、慶應義塾が1858創立で今年で153年、東京大学が1877年創立で134年(東大の源流である湯島の昌平坂学問所ができたのが1790年で今から221年前)ですから、サント・トマス大学の歴史の長さが際立ちます。新世界最古の大学、ハーバード(創立から375年)よりも古いと記事も指摘しています。実はフィリピンではサント・トマス大学よりも早く、1595年に University of San Carlos が創立されたのですが、こちらは途中で歴史が途切れていたため、今でもこの二つの大学の間で「最古」争いが繰り広げられているのだとか。

ちなみに、約400年前の日本の出来事を調べてみたら、内戦に勝利をおさめた徳川軍閥による軍事政権樹立(1603年)、琉球王国への侵略と併合(1609年)などが見つかりました。

前にも書いたのですが、見方によっては、日本の歴史ってすごく短いなあと感じます。

サント・トマス大学は、フィリピン随一の文学者ホセ・リサルを輩出した学校だそうです。今は、他の大学と異なり、学生運動があまり盛んでない、保守的な校風の学校のようで、学生は制服を着るそうです。上流階級ではなく中流階級のための大学と自らを位置づけ、学費を他の私立大学の半分ぐらいに押さえていると記事は伝えています。

一つ興味をひかれたのは、この大学が今でも創立当時の場所にあるということです。いろいろと分校を作ったりする計画はあるようですが、多くの大学がそうであるように安易な拡大路線をとって都市から外へ出ていくことをしなかったのは、一つの見識かなと思いました。

大学の本館屋上に立つ銅像の写真は Katrina.Tuliao さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2011年 1月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.28

殺された同性愛者

Ugandan Gay Rights Activist Is Beaten to Death - 水曜日の午後、ウガンダで一人の青年が撲殺されました。自宅にいるところを、ハンマーで頭を殴られて。殺されたのは David Kato さん。セクシャル・マイノリティー・ウガンダ(SMUG)という LGBT 団体の役員をしていました。

uganda_action_  136.jpg by riekhavocウガンダでは、同性愛を非合法化する法案が国会に提出されたり、同性愛者のリストが顔写真入りで新聞に掲載されたりと、同性愛者への迫害が非常に激しいようです。殺された Kato さんの写真と名前も標的リストに載っていました。

しかし、調べにあたっている警察は、盗られた物もあるので、憎悪犯罪ではなく、強盗だったようだと発表しているようです。もちろん、性的少数者の人たちは、怯えています。

アフリカでは、同性愛が白人によってもたらされたものだとの意識が根強い上に、ウガンダでは近年、アメリカの福音主義(聖書原理主義)の教会が大々的に宣教活動を行なっていて、同性愛への憎悪を煽っているのだそうです。

SMUG の声明文に、潘基文国連事務総長の言葉が引用されています。「性指向や性自己同一性が微妙な文化的な問題を引き起こすことは承知している。しかし、文化的習慣は、いかなる人権侵害も正当化しない。」

私もそう思います。一般的に、少数者を踏みにじることで成り立つ文化は、守るに値するのでしょうか。

写真は riekhavoc さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。2009年にニューヨークで行なわれたウガンダの同性愛禁止法案に対する抗議デモのようすです。「愛はどこにおいても合法的であるべきだ」と書かれています。

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2011年 1月 28日 午前 12:26 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.27

歴史の教訓

Yad Vashem and Google partner to preserve and share Holocaust archives - アルクッズ(エルサレム)にあるヤドバシェム・ホロコースト祈念館の報道発表です。国際ホロコースト記念日の今日を前に、グーグル社と共同で13万枚を超えるホロコーストの関連写真を電子化し、公開したことを伝えています。写真はこちらから見ることができます。

過去の人道的犯罪の記録を残し、記憶を受け継いでいくことは、とても大事なことだと思う一方で、イスラエルの人たちがホロコーストの教訓を十分に一般化して、自らが人道的犯罪の加害者にならないようにすることができなかったと書かなくてはならないのは、とても辛いことです。多くのユダヤ人が被害者としての立場に留まってしまい、自分が新たな加害者になっていることに気が付かなかったのは、なぜなのだろうと、考え込んでしまいます。「ホロコーストは比類なき災害であった」と彼らは言います。まさに、比較して理解することを拒否してしまったかのようです。

Memorial dos judeus mortos / Memorial to the Murdered Jews of Europe by Márcio Cabral de Moura同じことは、原爆についても言えるかもしれません。原爆は単なる巨大な爆弾ではないと言われます。何年も放射能の影響が残るから。でも、戦争が終わってからも人を傷つけ続け、殺し続けるのは地雷やクラスター弾も同じだと私は思います。生まれてきた子どもにまで影響を残すとい点では、ベトナム戦争で使われた枯葉剤だって同じでしょう。「核」という特別の範疇に入らなくても、何十万という人、特に、戦闘員ではない無防備の市民を一瞬にして焼き尽くしてしまう兵器や、和平条約の締結では終わらない戦争は、否定されるべきだろうと私は思います。

「過ちは二度と繰り返さない」という表現の主語として「人類」を暗示し、「唯一の被爆国である」と言うことによって、もう被爆者は生み出さないという決意を表明した、その出発点は間違っていなかったとは思います。ただ、私たちの多くは、本当の当事者属性を継承してきたでしょうか。被爆者を扱った外国のテレビ番組を「極めて不愉快な思いをした」と外務大臣が批判する時、私たちは、歴代の政府が戦争に反対してきたのか、軍拡を拒んできたのか、問いたださねばならないと思います。

ベルリンのホロコースト記念碑写真は Márcio Cabral de Moura さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。弔いの石の上を跳んで渡っていく子どもを不謹慎だと叱ることは簡単ですが、その子に歴史の教訓を真の意味で学んでもらうのは、とても大変なことです。

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2011年 1月 27日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.26

パプアの今

Papuan legislator cries out over military presence - 最近までイリアンジャヤと呼ばれていたニューギニア島の西半分は1961年にインドネシアが軍事侵攻によって併合した土地です。そのパプア選出の国会議員が議会下院の総会で軍の駐留に異を唱えたことをジャカルタ・ポスト紙が伝えています。

Papua Tetap... by 710928003議員の名前は Agustina Basik さん(ゴルカル党)。アグスティナ議員によれば、軍は村の中心部にも野営地を作るなどしており、あたかも村人たちが国への脅威であるかのごとく振舞っているとのことです。最近では、弓矢で武装した独立派住民が軍の司令部を襲う事件が起き、住民2人が軍によって射殺されるなど、緊張した状態であるようです。

先月には、インドネシア軍が日常的にパプアの住民に暴行を加えたりしている事実をアメリカの外交筋が知っていたことが WikiLeaks が公開した資料によって明らかになりました("Leaks show Indonesia military abuse")。

パプアの問題は世界に無数にある民族問題、人権問題のほんの一つに過ぎないわけですが、これから心して追っていこうと思います。

パプアの少年の写真は 710928003 さんが CC-by-nc で公開しているもの。バンダナの柄や文字から察すると、この少年はインドネシア併合派のようです。

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2011年 1月 26日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.25

黒い木曜日

Jeudi-Noir en procès contre AXA le 25 janvier à 9h30 - フランスで今日、一つの裁判が開かれます。日本でも損害保険などの商品を提供しているアクサ(AXA)社が、建物を「不法占拠」している人たちの立ち退きを求めて起こした裁判です。

Rue de la Banque by William Hamon (aka Ewns)パリ市第2区バンク通り24番地。ここに、12月末以来、ホームレス、学生、芸術家などが泊まりこんでいます。空き家がたくさんあるのに、ホームレスがいる。毎年、冬には凍死者が出る(写真のフランス語。撮影は William Hamon (aka Ewns) さん、CC-by-nc-nd)。それはおかしなことで、住宅の社会的(公的)な管理、提供が必要であると政府に訴えています。彼らは、自分たちのいる建物を「住宅危機省」と名付けています。

グループの名前は「黒い木曜日」(Jeudi Noir)。空き室などの広告がだいたい木曜日に載り、それがあまりに高いので暗い気持ちになるから、とのこと。

ビデオは、警官が立ち退きを命じに来た時などに歌ったもので、サルコジ大統領夫人のカーラ・ブルーニさんの曲の替え歌だそうです(フレンチ・ポップスに詳しいかた、お教えください)。「ねえ、だれよりも強いあなた、外で人が寝ているって、本当?」と歌っています。


Jeudi Noir - Quelqu'un m'a dit - Matignon
Uploaded by jeudinoir.

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2011年 1月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.01.24

農薬と子どもたちと魚

エンドスルファン(endosulfan)またはベンゾエピン(benzoepin)と呼ばれる有機塩素化合物注1を用いた殺虫剤が昨年10月に日本で登録が失効したそうです。マリックス(Malix)、チオダン(Thiodan)などの商品名で売られていたようです。エンドスルファンは、魚などに対する強い毒性を問題にされて世界各地で環境団体などから使用禁止にすべきであるという声が上がり、製造元のバイエル社が製造を中止し、日本で販売していたアグロカネショウ社が再登録を申請しなかったため、約半世紀にわたる日本での農薬としての役目から退きました注2

‘Endosulfan might have affected learning abilities of pupils’ - インドのケララ州で行なわれたエンドスルファンの人体への影響に関する調査を報じるヒンズー紙の記事です。ケララ州では、2001年ごろまで、大量のエンドスルファンの空中散布が行なわれていました。これが子どもたちの学習障碍を引き起こしていたのではないかと疑われる結果が出たそうです。 10年間の教育課程を修了したかどうかを測る SSLC (Secondary School Leaving Certificate) という学力テストの結果を Padre 地方の二つの学校で集計したところ、すでに散布が始まっていた1981年から91年には平均で49.32%あった合格率が徐々に低下し、一つの学校では90年代半ばに25%まで、もう一つの学校では99年に26%にまで落ち込みました。しかし、90年代後半の反対運動の結果、空中散布が中止された2001年を境に成績は上昇に転じ、近年では100%に近い数字になっているというのです。

農薬の化学的な影響がこんなに単純に、しかも早期に現れるものか、ちょっと信じられない気がしますが、この記事だけではなんとも言えません。合格率が以前の半分にまで落ち込んだら、たいてい、何らかのテコ入れをするでしょうから、成績がよくなってきたのがそういう教師の努力とかの結果ではないことが示されなければならないと思います。果たして、そういう面を調査しているかどうか。調査を行なった環境保護団体 Thanal のエンドスルファンに関するページからは、まだ報告書は入手できませんでした。もし本当に子どもの学習障碍が農薬の散布などに起因することがあるのだとしたら、大変恐ろしいことだと思います。

Crônica de uma Catástrofe Ambiental by Paulo Fehlauer写真は Paulo Fehlauer さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。インドではなく、ブラジルの写真です。エンドスルファンをキーワードにして探して、この写真を見つけ、そこから知ったのですが、ブラジルでは、貯蔵してあったエンドスルファンが洪水で大量にサンタ・カタリナ湖に流入し、その影響でおびただしい数の魚が死ぬ事故が2008年に起きたのだそうです注3。ブラジルは今年も大洪水ですが、大丈夫なのでしょうか。

私たちの国では、エンドスルファンは登録が抹消されただけで、未使用ぶんを回収したりはしていないのだそうです。農家のかた、もし「マリックス」がまだお手元にあるようでしたら、十分にお気をつけください。

注1: 化学式は C9H6Cl6O3S、正式名称は「ヘキサクロロヘキサヒドロメタノベンゾジオキサチエピンオキサイド」、国連番号2761 だそうです。アグロカネショウ社の製品安全データシート(Internet Archive、2008年3月)より。

注2: 以下のサイトなどに詳しい情報があります。

注3: Brazil: Deadly chemical leak kills 80 ton fish in Rio de Janeiro · Global Voices

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2011年 1月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.23

死刑の薬

US company stops making key death penalty drug - アメリカの薬品会社 Hospira 社がチオペンタルナトリウム (sodium thiopental)という薬品の生産から撤退するという記事。この薬は、死刑が残存しているアメリカの35州のうち34州で執行に用いられているそうで、生産中止によって必要量を確保できず、死刑執行に支障が出るだろうと伝えています。

Tender Bedside Manners by Peter Geneチオペンタルナトリウムは麻酔薬ですが、生産には政府の認可が必要で、現在、この薬の製造認可を受けているのはホスピラ社だけ。また、死刑執行にはこのチオペンタルナトリウムの他、臭化パンクロニウム (pancuronium bromide)という筋弛緩剤や塩化カリウム(potassium chloride)という心臓を停止させる作用のある薬を含む3種混合薬の注射が用いられるのですが、薬品の処方は各州の法律で定められているため、代替の薬に移行するにも、議会での審議等を経なければならず、予定されている死刑が執行できない場合が出ることは避けられないようです。

ホスピラ社は、この薬の生産拠点を老朽化した国内の工場からイタリアの新しい工場に移すつもりでいたのですが、死刑を既に廃止したイタリア政府が、製造された薬が死刑に用いられないことを操業許可の条件としたため、生産の継続を断念したそうです。

写真は Peter Gene さんが CC-by-sa で公開しているものです。安楽死の準備をする獣医さんです。リンク先の大きな写真を見ていただくと分かりますが、レントゲン写真の左下に、チオペンタルナトリウムを酸素と混ぜて吸入するための装置があります。「全く無痛である」と解説されています。

この薬がペットの安楽死に使われることや、記事の中の論点の一つで、処方を変えるのが難しい理由として、新しく選ばれた薬が無痛であることの証明を迫られて裁判になるかもしれない点が挙げられていることなどを知り、絞首刑という日本の死刑の執行方法にますます納得がいかなくなりました。そもそも、死刑制度を続けるべきだという人の多くが「遺族の感情」を挙げることを考えると、できるだけ苦しみながら死ぬほうがいいということになるのでしょうか。痛みのない死刑ならいいのかと言うと、そうではないので、この部分にとらわれるのはあまり意味がないのかもしれませんが。

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2011年 1月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.01.22

大卒者に企業が求めるもの

German companies disappointed with bachelor graduates - ドイツの商工会議所が調査したところ、大学新卒者の質に満足している企業は63%だったという記事です。2007年には67%だったので、満足度が低下していると記事は解説しています。

Tag 2 der Nachhaltigkeitswoche 2011 by Hochschulpiratenドイツはここ10年余りで、ヨーロッパ各国の教育制度を均一化させようというボローニャ合意のもと、従来の Diplom と Magister の学位を学士と修士に改め、修了に必要な年数を引き下げるなどしてきましたが、それにも関わらず、企業の期待するような人材は大学では育っていないということのようです。インターンシップを義務化したり、一学期をまるまる実務経験のためにあてる大学もあるのに、多くの企業は大卒者が満足な実務経験を持っていないことを不満に思っているようです。

企業側の言い分として、「9割の卒業生が進学ではなく就職していくということを無視しているような学校がある。時に、多くの先生がたは、次世代の教授を育てることしかやっていないように感じられる」という言葉が紹介されています。

それに対し、大学側から、「学士号制度の導入によって、企業は大学がもっと職場指向になると期待していたようだ。しかし、大学側は、当然のことながら、新しい制度でも、学問的な中身が損なわれないように、そして知的に成長する可能性を阻まないようにしようとした。つまるところ、大学というのは、人を職に就きやすくするだけのところではないのだ。価値観を次の世代に伝えていくというのが大学教育なのだ」という意見が紹介されています。

ドイツの教育事情について私は何も知らないので、勘違いしているかもしれないのですが、この記事を読む限り、日本で「就活」がどんどん前倒しになっていったことに見られるのと同じような見解の相違があるのだろうと思います。

数十年の単位で見ると、大学に対してよりよい人材を求める雇用主たちの声が強まってきたというのは、大学教育がより多くの人に行き渡るようになったことの反動とも言えるのかもしれません。高等教育という、手の届きにくいものを手に入れた時、指の間から、それがすり抜けて行ってしまう。そんな感じ。

ドイツの大学の教室風景の写真は Hochschulpiraten さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2011年 1月 22日 午前 02:25 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.21

消える灯

California switches off 100-watt bulb for new incandescents - アメリカでは来年から白熱電球の製造が段階的に禁止されますが、カリフォルニア州では白熱灯の禁止が一年早く施行されたため、既に100ワットの白熱電球が店頭から姿を消し始めているとのことです。

Light Bulb by CraftyGoat白熱電球は、連邦政府レベルでは Energy Independence and Security Act of 2007 という法律で規制されますが、カリフォルニア州では、今年(2011年)、100ワット電球が、2012年に75ワット、2013年に60ワット、2014年に40ワットの電球が製造禁止になるそうです。100ワット白熱電球の代わりに売られているのが72ワットハロゲン電球で、ワット数表示に見られる通り、これだと電気が28%節約になるそうです。従来の白熱電球は、エネルギーの9割が熱として無駄になってしまっているのだとか。

記事は、上記の法律が白熱電灯すべてを規制するものではなく、明るさ切り替え装置付きのもの、色の付いた電灯、豆電球、冷蔵庫内などで使われる耐久仕様の白熱灯は、生産が続くとしています。

新しい電球には、蛍光灯タイプ、ハロゲン電球、LEDタイプの3種類があるみたいですね。私の家では、3年ほど前に風呂場の電球が切れたので交換したのですが、明るくなるまでに時間がかかるのがちょっと不満です。あれは何型だったのだろう。…と思ったら、自分でここに書いていました。蛍光灯タイプでした。

私の調べかたが悪いのかもしれませんが、日本では業界の自主的な取り組みに任せているようですね。それでいいようにも思えますが、うまくいくか、注目したいところです。

写真は CraftyGoat さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2011年 1月 21日 午前 07:27 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.20

患者たちの抗議行動

Leprosy patients stage rally as city pulls the plug on assistance - インドネシア南スラウェシ州の議会場と社会福祉局の前で、19日、ハンセン病患者及び元患者が抗議行動を行なった。患者らが住む療養所に毎月初めに届けられてきた食料が今月は届かず、配給が突然打ち切られたことに抗議するため、約100人が参加した。

by kentclark333記事は、ハンセン病に関する啓発活動や患者へのカウンセリングなどを行なっている NGO の共同代表の言葉として、ハンセン病患者や元患者は肉体的な障碍や、社会からの排除によって、十分に働くことができないため、配給に頼らざるを得ないという現状を伝えている。「まともな賃金をもらえる仕事を見つけることができないから、多くの人は物乞いになる他ない状態に置かれているのです。」

患者たちに対し、州当局は、配給は打ち切られたわけではなく、社会福祉局にお金が届いていないから、配給ができないでいるのだと説明したらしい。「その説明を聞いて、群衆は、騒ぎを起こさぬまま、引き上げていった」とある。もう一押しが足りないようで、読んでいて歯痒くもあるが、打ち切りにはなっていないということが、とても大きな安心材料だったのだろう。

写真は西ジャワ州のハンセン病患者たち。 kentclark333 さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。写真を探していて、インドネシアでは、まだ若いハンセン病患者が数多くいるらしいことに気がついた。日本では、ハンセン病と言えば、「元患者」のお年寄りを思い浮かべるが、どうもインドネシアでは、まだ現在進行形の事象であるようだ。記事にも「患者および元患者」とある。

そういう状態をよしとはしないものの、はて、私には何ができるだろうと考えると、答えが見つからず、困ってしまう。

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2011年 1月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.19

変わる紅茶の味

Indian Tea Tastes Different Due to Climate Change - 史上一番暑かった2010年。進む気候変動により、国々で農業に影響が出ていますが、この記事はインド北東部アッサム州の特産品、お茶の話です。気候変動により、味にも変化が見られるとのこと。

TE - Gardens - Plucking 2 by nalinandworldアッサムは熱帯気候ですが、モンスーンの時期に晴天が減ったため、全体的にじめじめした気候となり、害虫も発生し、収穫量が減ってきています。2007年に56万4千トン、2009年に48万7千トン、2010年は推計値で46万トンと、かなり急激です。ちなみに、インドは全世界の茶の生産の31%を担っており、その55%がアッサムですから、全世界的に茶が足りなくなることも考えられます。

しかし、生産者が一番気にしているのは、味の変化だそうです。アッサムは、力強い味と香りが売り物ですが、それが近年、弱くなってきているというのです。今までのような品質の高い紅茶を出荷できなくなるかもしれないということです。

私も、朝は大抵、アッサムですが、ますます目を覚ますのが辛くなるんでしょうか。

アッサムの茶摘みの写真は nalinandworld さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 1月 19日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.18

名前を暴く

L'identité de Banksy aux enchères - 落書き系の画家とでも呼べばいいのだろうか、あの Banksy さんの「本名」がオークションサイトの eBay で競売にかけられている。

Banksy by atrphotoこの項目だ: "The Identity of "Banksy" - eBay (item 260720844294 end time Jan-19-11 07:22:22 PST)"。これを書いている時点で、価格は110,300ドル(約910万円)。売りに出している人は、 Banksy さんから絵を買った時に、税関係の書類で、彼の名前を知ったのだそうだ。

Banksy さんは、イスラエルの隔離壁などにも、社会評論として絵を描いてきた。彼の名前を売り買いすることで、彼が伝えたかったメッセージが強化されるというのであれば、面白いと思うが、どうも、単に人が秘密にしていることを明かしてお金を儲けようとしているだけのような気がする。それでは、つまらない。

バンクシーさんの壁画の写真は atrphoto さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 1月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.17

黄昏の国の茉莉の香り

チュニジアで一人の青年が焼身自殺したという話を読んだのは、1月5日付けの "Tunisian dies after immolation protest: NGO " という AFP の記事ででした。 Mohamed Bouazizi さん、26歳。チュニジア中部の Sidi Bouzid という都市で、若者の失業に抗議して、12月17日に亡くなりました。

View from my window by kristofabrath彼の死から一か月。街に繰り出した若者たちは、ベン・アリ大統領を失脚させました。これから、よりよい政治を行なう政府が作られるのか、まだ分かりません。何となく、「ベン・アリ打倒」が看板になっていたため、顔が変わっただけで、独裁的な体制がそのまま残ってしまうような気がして心配です。

今回の政変は、チュニジアの国の花の名を取って、「ジャスミン革命」と呼ばれています。30年ほど前、ポーランドの港湾都市グダニスクでの「連帯」のストライキを発火点として、中欧、東欧諸国に民主化の波が押し寄せましたが、今回のジャスミン革命はアラブ諸国、あるいは広く中東に広がっていくのでしょうか。新聞の解説を読む限り、その可能性は低いとのことですが…

そう言えば、ベン・アリが権力の座に付いた1987年のクーデターの時、私はアメリカに留学していたのですが、同級生のイタリア人とイスラエル人が「ブルギバがやられたようだな…」と真剣に議論していました。話の輪に加われないのが、もどかしかったです。今回も、知り合いが早くからツイッターなどで注意を喚起していたのに、見過ごしていました。チュニジアと私は縁が薄いのかもしれません。

チュニスの街に残された血の跡の写真は kristofabrath さんが CC-by-nc で公開しているものです。実は、チュニスにうちの恩姫にそっくりの猫が住んでいるそうなので、そっちの写真にしようかと、最後まで迷いました。

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2011年 1月 17日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.16

国境線の未来と今

Obama administration ends high-tech border fence - ブッシュ前大統領時代に始まった米国・メキシコ国境のハイテク防御構想がオバマ大統領のもとでお蔵入りになったそうです。

Border Fence by ChuckHolton中米からの不法移民の流入をせき止めるために、メキシコとの国境に無人の監視カメラを多数設置し、人の動きを自動的に感知して、それを通信衛星を用いたネットワークで結び、侵入のあったところに国境警備隊を緊急派遣するという「仮想フェンス」構想でしたが、全くと言っていいほど役に立たず、多額の赤字だけを国民へのツケに回して、去っていくようです。計画中止の決定が遅すぎたという声も出ているとか。

いろいろな技術がどんどん進歩していることは確かですが、まだまだ私たちはドラえもんやスター・トレックの時代に住んでいるわけではないということなのでしょう。ブッシュ政権は、もうそんな時代になったのだという過信を持ってこの計画を立てたわけで、それは2003年5月にブッシュ前大統領が「任務完了」を宣言したのと同じ愚かな過ちだったと言えると思います。

このハイテク国境防衛にかかったお金は、1キロメートルあたり、約8億円。不法な入国を思いとどまらせるいう目的のためでも、もっとずっといい使い道があったことでしょう。

ごく普通の米国・メキシコ国境の写真は ChuckHolton さんが CC-by で公開しているもの。

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2011年 1月 16日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.15

増える戦犯訴追

Germany gets top marks for prosecuting Nazi war criminals - ドイツがナチスの戦争犯罪容疑者の検挙に積極的であるとして、ホロコーストを記念するサイモン・ウィーゼンタール財団が初めて「A」の成績を与えたそうです。

Fabryka Schindlera by bazylek100ドイツがナチスの戦争犯罪の精算に積極的だと見なされるようになったのは、特に、殺人などに加担した下級兵士の訴追を行なうようになったことによるそうです。2008年から2009年にかけては27件であった起訴が、2009年から2010年にかけては177件と、大幅に増加しています。第二次世界大戦時の戦争犯罪訴追を加速させているのはドイツだけではないようで、被害者、加害者ともに高齢化が進み、「今を逃したら、あとはない」という意識が世界的に高まっているようだと記事は指摘しています。

それに引きかえ、私たちの国では、第二次世界大戦の戦争犯罪の追求は、市民レベルでは続けられているとはいうものの、公的には、既に「過去のもの」とされているように思えます。昨年末から、立て続けに5人の韓国人元慰安婦のかたがたが亡くなったことすら、ほとんど知られずに過ぎてしまっているように思います(1月14日、聯合「元慰安婦女性2人が死去、生存者76人に減少 」、1月4日、聯合「元慰安婦のイ・ギソンさんが死去、生存者78人に」、1月1日、ハンギョレ「위안부 할머니 정윤홍씨」、12月05日、ハンギョレ「‘위안부 피해자’ 심달연 꽃할머니 별세」)。

写真は bazylek100 さんが CC-by で公開しているもの。写っているのは、ポーランドのクラクフにあったシンドラー社工場跡地で、昨年、歴史博物館に改装されたそうです。

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2011年 1月 15日 午後 01:12 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.14

物分かりのいい米政府

U.S. Will Defer to Japan on Moving Okinawa Base - ニューヨーク・タイムズ紙の記事。来日したアメリカのゲイツ国防長官が、普天間飛行場移設などの問題について、これまでになく柔軟な姿勢を示したことを伝えています。政局の報道にかき消されてしまっていますが、大切なことを含んでいると思います。

At Henoko by selena lynn日本語での報道でも一部紹介されていますが、普天間の基地問題について、ゲイツ長官は北沢防衛大臣に対し、「この問題が日本国内では政治的に複雑な問題だということを私たちはよく理解しています。そして、私たちは、日本の政府が沖縄の人たちとともに、彼らの利害や心配を考慮に入れながら事を進めていくのに付いていくつもりです」と述べました。また、兵器の共同開発と武器輸出三原則等の関連については、「他の国に提供するというのは経済的には意味のあることです。しかし、これについては経るべきプロセスがあるということも理解しています」と述べたそうです。どちらも、日本が独立国として民主的に方向を定めるべきだという意味だと思います。

日本語の報道だと、ゲイツ長官が上のように発言しているにも関わらず、前原外務大臣はまさにしっぽを振る犬のごとく、「昨年5月の日米合意に沿って実施する方針に変わりない」と述べたといいます。なんとも苦々しく思われます。

アメリカに臆せず渡り合おうとした鳩山政権には嫌味なほど強硬姿勢だったのに、菅政権にはアメリカ政府がわりとまともな物言いをしてくるのがなぜなのか、そしてこれを額面通りに受け取っていいのかなど、政治批評の才のない私には分かりません。今の日本の政治の状況を見て、何を言ってもむだだと思ったのでしょうかねえ。

ゲイツ長官が白々しく嘘を言っているのではないのなら、私たちはじっくりと沖縄の基地について考え続けるべきだと思います。先の沖縄県知事選で上位二人の候補がそろって県内移設を認めない立場だったことから、沖縄の人たちの意思は明らかです。

写真は辺野古の海岸、キャンプ・シュワブとの境界線の鉄条網。沖縄の人たちの基地に対する苦しみ、平和に向けた思いを見ることができます。 selena lynn さんが CC-by-nc-ndで公開しているものです。

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2011年 1月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.01.13

芸術家の仕事場を壊す

Prominent Chinese Artist’s Studio Torn Down - 艾未未アイウェイウェイ という名前を見たことがある人は多いかもしれません。中国を代表する現代芸術家です。もう一言付け加えるなら、Ai Weiwei さんは、反体制芸術家です。

光@艾未未马陆工作室 by jiruanその艾未未さんの仕事場が中国政府によって取り壊されました。仕事場は上海にありました。今年の6月に完成したばかりです。重機が入って取り壊しが始まったと聞いて、北京にいた艾さんは飛行機に飛び乗り、自分のスタジオの最後を見届けたそうです。

艾さんが中国政府に特に目をつけられた理由の一つは、成田空港での座り込みをした馮正虎さんを支持し、そのドキュメンタリー映画を作っていることだそうです。警官を殺傷した楊佳さんを支持したことも問題とされたようです。

それにしても、芸術家って、仕事場が壊されたぐらいで、へこたれるものなのでしょうか。それって、より強固に意志を固めさせるだけなのではないでしょうか。芸術家を侮ってはいけない。艾未未さんの今後のさらなる活躍に期待します。

艾さんのスタジオの写真は jiruan さんが CC-by-nc-saで公開しているものです。

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2011年 1月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.12

英海軍の寄港お断り

Britain's isolation on Falklands grows with 'anti-colonial' Brazil snub - ブラジル政府がイギリス海軍の艦船(HMS Clyde)の寄港を拒否したそうです。先週就任したばかりの Dilma Rousseff 大統領が早くも気骨のあるところを見せてくれました。

Summer time (soon) by man_with_noname寄港拒否の理由は明らかにされてはいないようですが、イギリスとアルゼンチンの間で領有権争いの続いているマルビナス諸島(フォークランド諸島)の問題に関して、ラテンアメリカの国同士の連帯を重んじたものだと考えられています。ブラジルはこの問題に関して、ラテンアメリカ諸国の中では穏健派だと思われていただけに、イギリスはショックを受けているようです。

記事は、「反植民地主義的な立場」をとることによって、ルセフ大統領が労働党という左翼の支持基盤に強く訴えかけようとしているのだろうと分析しています。大人気だったルラ大統領の後を勤めるのは、並大抵のことではないと思いますが、この政策は彼女の人気につながるでしょうか。一つ間違えば民族主義的な罠に嵌ってしまいそうで、ちょっと心配です。

私たちの国の政府に「反植民地主義的な立場」を期待できるようになるのは、いつごろになるでしょうねえ。それとも、アメリカに対しては媚びへつらいをやめることはできなくても、もう一つの超大国、中国に対してだったら、毅然とした態度はとれるのかな。でも、それこそ国粋主義と紙一重ですよね。いずれにせよ、政治家の資質よりも、市民の気概が問題なのかもしれません。

マルビナス諸島のペンギンたちの写真は man_with_noname さんが CC-by-nc-ndで公開しているものです。

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2011年 1月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.11

密偵

Undercover officer spied on green activists - イギリスで先週、2年前の春に火力発電所に侵入を企てていたとして逮捕された環境活動家らに対する裁判中に、検察側が起訴を取り下げた。新たな情報により起訴事実が弱まったというのがその理由だ。

Ratcliffe by Night by wietse?新たな情報とは、環境団体に潜入していた私服警官の寝返りだった。この私服警官は、8年前から、名前を変え、環境運動に参加し、抗議行動の中心的な役割も担っていたらしい。受動的な囮りではなく、かなり能動的に、わざわざ法に触れるようなことを提案したりしていたようだ。最近になって、彼の本名が書かれた身分証明書を運動の仲間が見つけ、不審に思って調べたところ、彼が警官であることが分かった。問い詰められ、彼はすべてを白状し、公判で被告たちのために証言することを申し出た。それを受けて、検察は公判が維持できなくなったと判断したのだ。

Ratcliffe-on-Soar 発電所での抗議行動では、その前夜に114人もの活動家が一斉に検挙された。おそらく、その時点でだれもが密告者がいることに感づいただろうが、まさか私服警官が運動の中心部に潜入しているとは思わなかっただろう。

私たちの国では、憲法の第21条で、集会、結社の自由が保障されている。集会、結社の自由とは、国家権力が介入しないことだと思うので、よもや警察が身分を隠して市民運動や学生運動に忍びこむなどという卑劣なことはしていないと私は信じたい。

大量の二酸化炭素を夕空に放つラトクリフ発電所の写真は wietse? さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2011年 1月 11日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.01.10

街の再生

New beginning for Rio slum - ブラジル、リオデジャネイロのスラムの最近のようすを伝える AP 電。リオデジャネイロの山沿いに広がる Santa Marta というスラム(ファベラ、favela)では、2008年に警察が大規模に介入し、麻薬取引業者などの犯罪者を排除したそうです。その後も、国は、治安確保や電力や水道の普及、投資などに積極的に取り組み、スラム街の経済を「表の経済」に組み込むことに成功したようです。

esperando na janela by alineassisインターネットの会社はスラム向け価格でブロードバンド回線を提供したり、かつては麻薬商人らが開いていた屋外のパーティー(“bailes funk” というそうです)の代わりに、地域主催でサンバのショーを開き、「昔なら足を踏み入れることもできなかった所に来るスリルのために」街の外の人がお金を払って見に来るとか。人々がいろいろな考えを出し合っているようすがよく分かります。

しかし、治安がよくなり、清潔になったため、これまではスラム街ではないところに住んでいた中流階級のうちの比較的貧しい層が流入し、それによって家賃が高騰して、不動産価格は4倍にもなったようです。それでもまだ他のところよりも安いと、今日も新しい人々が移り住んで来ます。一方、本当に貧しい人たちは、より周辺に押しやられているようです。

あまり触れられていない負の面をも想像しつつ、いつか想いは旅の空。

サンタ・マルタの写真は alineassis さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 1月 10日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.09

くじらのうんち

Whale poo makes the ocean more productive - クジラは大量のオキアミを食べる。ヒトなどの動物では、食べた物は主に筋肉を作るために使われるが、クジラの場合は筋肉よりも寒さから身を守る皮下脂肪を作ることに使われるので、鉄分はほとんど未吸収のまま排出される。そして、クジラの糞に含まれた鉄分が肥料の役目をして植物プランクトンが育ち、それが魚のエサになる。つまり、クジラの糞は海を維持する栄養になっているのである、という研究がオーストラリアで発表されたそうです。

by jarumcaster記事は、近代的な捕鯨が始まる前に比べ、南氷洋に棲息するクジラの数は2%から3%ぐらいにまで落ち込んでいると指摘しています。そして、魚も昔に比べ、ずっと減っています。捕鯨によって、生態系が乱され、まさに海全体が死に瀕しているというわけです。

鵜呑みにせず、今後の議論を見守りたいと思いますが、クジラの減少傾向に歯止めがかかったと思われるから捕ってもいいだろうと主張する、捕鯨にしがみついている人たちにも、よく考えてもらいたい命題です。そして、ここで提起されている海全体の生態系のことを考えるには、いくらクジラだけを捕って「調査」してみても、無意味なように思えます。

浅草の鯨料理屋の写真は jarumcaster さんが CC-by-nc で公開しているものです。ささやかな愉しみは感じられますが、そのせいで海が死んでしまうのは許せません。

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2011年 1月 9日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.01.08

国を形作る主人公

インドは連邦国家で、一つひとつの州はそれぞれが「国」である感覚なのかもしれません。そう言えば、半世紀以上前に書かれた堀田善衞さんの「インドで考えたこと」に(以前、この本について書いた記事)、インドで開かれた文学者の国際会議で、各国の代表に発言時間を割り当てたら、インドの各州の代表が自分たちは一人ひとり個別に発言できるものと思っていたことが分かり、面食らったという話があったような気がします。旅行で見た限りでは、今ではもっと統一国家としての意識が強くなっているような気がしましたけど。

インド南東部のアンドラ・プラデシュ州で、内陸部が別の州として分離するかどうかを決める日が近づいてきたようです。ここ一年あまり、州議会ではほとんどの政党が分離に賛成または容認する態度を示してきて、連邦政府が躊躇の姿勢を見せてきました。年末に連邦政府の自治大臣へ提出された諮問委員会報告書では、州の統一を維持するのが最善の選択肢とされていることが、6日、明らかになりました("United Andhra Pradesh with constitutional empowerment of Telangana 'best way forward'")。

Colorful!!! by Venu Dharmaji (Busy and less time!)これに反発して、テランガナ独立を望む学生たちが地方全域でストライキ(bandh)をかけ("Educational institutions remain shut in Telangana")、大学構内で警官隊と衝突して、けが人が出たりしているようです("Pro-Telangana students clash with police at Osmania University")。

分離の是非については私には何も分かりません。ただ、何というか、「国」の形みたいなものが永久不変ではないことが端的に分かるような気がして、興味を持ちました。また、例えば今、日本では大阪府と大阪市を一元化して東京都(とその23区)のような形にしようという話が出ていますが、それとの対比にも圧倒されました。知事が一人で無理やり推し進めようとしているのと、若者たちが力を振り絞って得ようとしているのとの対比です。なんか私たち、社会の形は変えられないものだと諦めたり、変えるのは自分たちではなく政治家の仕事だと思い込んだりしていないでしょうか。

衝突のあったオスマニア大学の写真を探していたら、きれいな自然の写真がたくさんありました。学内で撮影された蝶の写真は Venu Dharmaji (Busy and less time!) さんが CC-by-nc で公開しているものです。記事の内容とはいささか遠いのですが、美しさに目が眩み、つい、これを選んでしまいました。

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2011年 1月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.07

南へ遷りゆく時

Millions of exiles head to southern Sudan for referendum - France 24 のブログから。リンクも充実した記事です。スーダンでは、ちょうど6年前にハルツームの中央政府と分離独立を求める南部の武装組織(スーダン人民解放軍/運動、SPLA/M)の間に停戦が実現し、その合意に基づいて、明後日の9日、南部10州で分離独立の是非を問う住民投票が行なわれます。

Returnee girl at Torit waystation by sidelife記事は、住民投票に参加するため、250万人もの国内避難民が南部への帰郷を始めていることを伝えています。帰還の費用は南部の自治政府(南スーダン政府、GOSS)が負担しているようですが、交通の便は悪く、一週間以上かけて歩いたり、ワニの棲むナイル川で船ごと沈没したりと、大変な旅のようです。

ほぼ確実と思われる分離独立が現実となれば、避難民たちは北部に留まっておれば迫害の対象になると怖れており、投票後も南部に残るだろうと言われています。元の自分たちの家に戻るのだとはいえ、内戦で疲弊した土地に250万人もの人々を受け入れることができるのか、とても心配です。

中央政府のバシール大統領は、住民投票の結果を尊重すると述べています。その言葉を信じたいですが、記事は、軍事面での緊張が高まっているようすも伝えています。南側にしろ北側にしろ、あるいは世界のどの国においても、私は銃を持った人たちの判断には警戒すべきだと考えますから、この報道は不安を駆り立てます。

世界の多くの人が注目しているということが、事態の平和的な推移を保障することになるよう、祈ります。

ちなみにこの記事のタイトルはタイーブ・サーレフの小説の題名のもじりですが、5年前に『北へ遷りゆく時』について書いた時にはまだ生きていた彼は、2年前に亡くなったのでした。諸行無常。

帰還途中の少女の写真は sidelife さんが CC-by-nd で公開しているものです。

Brief Summary in English: This post refers to The Observers article at France 24 and discusses the upcoming referendum in South Sudan. Hopefully, the many watchful eyes even from far away places like mine help realize a democratic and peaceful independence of South Sudan.

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2011年 1月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.06

貧しい国、貧しい人

It's time to focus on poor people – not poor countries - 昨年暮れの英ガーディアン紙のブログから。2010年の間にセネガル、ツバル、ウズベキスタン、ベトナム、イエメンが世界銀行の定義する低所得国(LIC)の範疇から抜け出し、中所得国(MIC)になったことを報じています。これで、2000年以降、27か国が「最も貧しい国」ではなくなったことになり低所得国は39か国にまで減ったそうです。。

JE-GH060621_32957 World Bank by World Bank Photo Collection2011年の予測としては、ガーナが中所得国になる、パキスタンとコート・ジボワールが低所得国に逆戻りするおそれがある、という点が挙げられています。

記事はしかし、国全体の経済がよくなったとしても、依然として「貧しい人たち」はいるわけで、今や、世界の最も貧しい人たちの4分の3、約9億6千万人は、中所得国に暮していることになると指摘しています。

こういった現状の中で、ODA をどのように行なっていくか、負債金融、自己資本調達などをどのように強くしていくか、各国内で貧困の原因となっている差別的な社会構造などの問題にどのように国際的に働きかけていくかなどが大きな問題になるだろうと記事は論じています。

国というのはあくまでも便宜的な存在で、重要なのは一人ひとりの命。もしかすると、問題の図式は、より基本的なものになってきたと言えるのかなと思いました。

ガーナの写真は World Bank が CC-by-nc-nd で公開しているものです。撮影は Jonathan Ernst さん。

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2011年 1月 6日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.01.05

学生が闘う国、闘わない国

Why Aren't US Students Rioting Over Crazy Tuition Hikes Like College Kids in Europe? - イギリスなどで教育予算削減などに対して大学生たちが強い抗議行動を起こしたのに対し、アメリカの大学生たちはなぜおとなしいか、という AlterNet の記事。ヨーロッパでの学生運動に関する報道や、アメリカの特に州立大学が直面してきた財政的事情について、多くのリンクがあります。昨年9月にも似たような話題を取り上げました。併せてご覧ください。

occupazione binari - napoli stazione centrale by Cau Napoli欧米間の温度差に関して紹介されている一つの意見は、アメリカの学生たちが学費値上げなどを自分自身の問題だと感じていないこと、逆に、問題を感じている前衛的な学生たちは、インドの貧しい人たち、アフタにスタンの戦火にさらされている人たちにも目を向けるため、ローカルな活動から力を奪ってしまうという見方です。

この意見に対し、著者の Simeon Talley さんは、過去数十年の間に州立大学への州の運営費交付が急激に減ったことや、1980年代初頭に比べ、大学の学費が5倍あまりにもなったことを指摘し、学生たちは在学中にいかに自分を雇用者にとって魅力ある人物にするかに汲々とせざるを得なくなっていると述べています。つまり、大学教育がよりよい民主的な市民社会を形成するためではなく、単なる勤労者の生産工場となっしまってているというわけです。

一方、ヨーロッパでは、学費値上げだけではなく、社会をよくするために教育は存在するということを忘れがちな風潮、大卒という肩書きを単なる「将来への投資」と考えるような功利主義、そして社会の地平が狭まっていくことへの抵抗として学生たちは闘っているのだというイギリスの学生の意見が紹介されています。

つまり、今、イギリス(の大学生たち)が直面しているのは、アメリカ(の大学生たち)がずいぶん前に置かれていた状況だ、というのがこの記事の結論です。悲観的に言い換えれば、アメリカで学生たちが活動的になることを期待するのには、もう遅すぎるのだということでしょう。

私たちの国でも、学生運動は全く下火です。もちろん、デモなどに行けば、大学生も参加しています。でも、大半の学生は、3年の後半から「就活」ばかりにいそしんでいるのだと思います。それはそれで、自分の置かれた立場を非常によく理解しているということですから、責められるべきことではないと思いますが、なんといっても、大学というのは、大人の思慮を持つ年齢になった人間が、唯一、緩い時間の制約のもとに比較的自由に行動できる時間だったはずです。その時間を奪ってしまっていることが、社会全体の活力のなさの一因となっているような気がします。

イタリアのナポリで学生たちが学費値上げ反対闘争の一環として中央駅を占拠した際の写真は Cau Napoli が CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2011年 1月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2011.01.04

食べたらダメ、ゼッタイ

Doctors call for ads that sicken to fight obesity - オーストラリアでは、ジャンクフードの包装に、購入意欲を減退させるような写真(肥満によって不健康になった内臓の写真、脂肪や砂糖を口に入れようとしている人の写真)等を入れることを義務化しようという動きがあるそうです。

Four People by C. G. P. Greyこれは、タバコの箱に病巣となった肺の写真を入れるなどの30年来の取り組みによって喫煙が減ってきたことを受け、オーストラリアの医師会が次の目標は肥満の撲滅だとして、キャンペーンを提唱しているものです。アメリカのニューヨーク市では、既にそのようなキャンペーンが展開されているそうで、オーストラリア医師会はまず、ビクトリア州で州予算への計上を目指しています。

こうしたキャンペーンについては、既に自分が太っていることを気にしている人に対して、さらに自信を喪失させ、耳を閉ざさせてしまい、逆効果になるのではないかとの反対意見も出されているそうです。

食べるか食べないかは自分の勝手なんだから、放っておいてくれ、という強気の意見も多いだろうなあ。太り過ぎの私は意志が弱く、他力本願なので、甘い物にでかでかと警告が書いてあったら、けっこうありがたいです。

でも、なんとなくニーメラーを連想してしまいますよね。「国が喫煙者を攻撃したとき、私は多少不安だったが、自分が喫煙者ではなかったから何もしなかった」、云々。本当は、厳しく自分を律することが正解なのかなあ。

写真C. G. P. Grey さんが CC-by で公開しているものです。

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2011年 1月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.03

国境線の柵

Greece plans border fence to keep out illegal immigrants - ギリシャとトルコは206キロメートルにわたる国境線で接している。アフガニスタン、アルジェリア、イラク、パキスタン、ソマリアなどからその国境線を越えて、トルコからギリシャに、つまりEUに「不法外国人」たちが流れこんでくる。その流れを押しとどめるために、ギリシャ政府は、国境沿いにフェンスを作る考えであることを明らかにした。

2265 by Brian Auerこのドイチェ・ヴェレの記事によれば、EUに越境してくる不法移民の8割がギリシャ経由でやって来ており、その数は現在では30万人にのぼるとのことだ。ギリシャでは、毎日百数十人の不法移民が検挙され、入管施設に収監される。施設は検挙者であふれ返っており、その状態が人権問題として糾弾されているそうだ。

ギリシャ政府が考えている国境封鎖柵は、アメリカがメキシコとの国境線沿いに築いているのと同じようなものらしい。アメリカ・メキシコ国境の写真を眺めてみると、ほんの申し訳程度に有刺鉄線を張っただけのところから、高さ5メートルはありそうな鉄板できっちり塞いだところまであり、ギリシャ政府が考えているのがどのようなものなのかは分からない。ドイチェ・ヴェレだけでなく、ギリシャの通信社の記事も、"fence" を築くとしている。このニュースに最初に気づいたのはイスラエルのエルサレム・ポスト紙での報道なのだが、そこでは「ギリシャが壁を作る」(fence ではなく wall を作る)と報じられていた。

私は、ふだん、島国に住んでいるので、国境線というものを意識することが少ない。意識させられるのは、やけにぴりぴりした報道がなされた時だけだ。今までのギリシャがそうであったように、地続きの国々では、わりとおおらかなところが多かったのかもしれない。経済的な結びつきなどによって、国というものが否応なしに消えていきつつある中で、垣根を高く強くして国境線を太書きにしようというのは、空高くから見たら、かなり滑稽に見えるのだろう。

カリフォルニア州の国境線のフェンスの写真は Brian Auer さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 1月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.02

涙以上に失われるもの

Bil’in female protester in critical condition from tear gas inhalation - 非暴力的な抗議行動で知られる西岸地区ビリンの村で、集会に参加したパレスチナ人女性がイスラエル軍の撃った催涙ガスを大量に吸い込み、危篤状態に陥っている。

Met with bullets and tear gas by ~ Magne毎週のように行なわれるビリンの抗議行動。12月31日には、21世紀最初の十年の最後の日を隔離壁の最後の日にしようという呼びかけで、1,000人以上の人が集まったという。フェンスに近づいたデモ隊に対してイスラエル軍は催涙ガスを放ち、催涙弾に顔を直撃された男性1人が負傷。そして、 Jawaher Abu Rahmah さんが大量のガスを吸い込んで、窒息状態となった。病院で手当てを受けているが、ガスの成分に中毒を起こしており、意識はない。 遠い地より、同志として、彼女の回復を祈る。

…という原稿を書いて数時間後、イスラエルのハアレツ紙 "Bil'in protester dies from tear gas poisoning" で彼女の訃報に接することとなった。死亡時刻は1月1日午前9時(日本時間の午後4時)。残念でならない。

新しい年を、このような暗いニュースで始めなくてはならないのは、とても悲しいことだが、この日、ビリンに集まったパレスチナ人、イスラエル人、外国人たちのように、希望を捨てず、積極的な行動によって、未来を切り開いていこう。

4年前のビリンでのデモで催涙ガスが使われた際の写真は ~ Magne さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2011年 1月 2日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.01

新しい年に

恩姫、2010_10_17

新しい年が始まりました。どうか、私たち一人ひとりにとって、よい年でありますように。

年の瀬に、去年一年に起こったことを振り返りました。こんなことがありました。

  1. 世界各国で学生運動が盛んに
  2. 同性婚の広がり
  3. 世界的には、死刑廃止に向けて動いている
  4. カリフォルニア州で大麻所持の非厳罰化。ただし合法化は否決
  5. 米軍基地への反発強まる
  6. 第二次世界大戦での戦争犯罪は今も裁かれている
  7. ドイツで極右団体のデモを市民が阻止
  8. 高校無償化と朝鮮学校
  9. 京都市の空き缶条例
  10. アウンサンスーチーさん解放
  11. マビ・マルマラ号がイスラエル軍に拿捕
  12. 無印良品のイスラエル出店計画撤回

実は私、一昨年の12月に「このブログ、来年は、幸せオーラが思いっきり出ている感じにしたいと思っています!」と書いたのですが、ちょっとそれは無理だったみたいです。いいニュースはたくさん取り上げたとは思うのですけれど。

今年も、引き続き、幸せオーラの感じられるブログを目指したいと思います。というわけで、年初は、うちの恩姫ちゃんの写真で。去年、一回も登場しなかった恩姫は今年で14歳になるので、腎臓が悪いのですが、とても元気です。この間、検査してもらったら、一年前から全然悪化はしていないようでした。ほら、私の幸せを感じていただけるでしょう?

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2011年 1月 1日 午前 12:00 | | コメント (10) | トラックバック (1)

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