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2010.12.13

経済では追い抜かれたけれど

Foreign Language Programs Cut as Colleges Lose Aid - 10日ほど前のニューヨーク・タイムズ紙の記事ですが、ニューヨークの州立大学で、フランス語、イタリア語、ロシア語、古典語(おそらく、ラテン語、ギリシア語、ヘブライ語)の専攻を閉鎖されるという話がありました。同様にルイジアナ州立大学ではドイツ語とラテン語の専攻が閉鎖され、ポルトガル後、ロシア語、スワヒリ語、日本語の授業が削減されると記事は伝えています。外国語プログラムの縮小、専攻の閉鎖は多くの州立大学で起っているようです。

Concentration by cvconnell一方で、記事はアメリカの言語教育の最大の学会である Modern Language Association が昨年秋学期に全米の大学で調査した言語科目受講者の数を見る限り、言語を学ぶ大学生は増えていることを指摘しています。 MLA 報告書(PDF)の表は、次のようになっています。増加率は4年前の調査との比較です。

言語学習者数増加率
スペイン語864,9865.1%
フランス語216,4194.8%
ドイツ語96,3492.2%
手話(ASL)91,76316.4%
イタリア語80,7523.0%
日本語73,43410.3%
中国語60,97618.2%
アラビア語35,08346.3%
ラテン語32,6061.3%
ロシア語26,8838.2%
古典ギリシア語20,695-9.4%
聖書ヘブライ語13,807-2.4%
ポルトガル語11,37110.8%
韓国語8,51119.1%
現代ヘブライ語8,245-14.2%
その他40,74720.8%
1,682,6276.6%

このブログでは、過去に2002年の統計2006年の統計を紹介しました。あわせて見ていただくと、傾向がよく分かると思います。

とにかくアラビア語の伸びが依然として驚異的ですね。それに次いで、中国語、韓国語も20%に迫る勢いで学習者が増えています。日本語も10%を越す伸び率でがんばっていて、今回の調査でも中国語を抑えて、7位にとどまりました。経済規模では既に中国は日本を追い抜いていますから、日本語は大健闘だと思います。しかし、直近の4年の伸び率が今後も続くとすると、2012年の秋学期には、日本語は中国語にもアラビア語にも抜かれる計算になります。どうなるでしょうか。

あと、前回調査に続き、アメリカ手話が学習者数で4位になりました。日本の大学で日本手話を外国語の履修要件の中に入れているところはないと思うのですが、どなたかそこらへんのことをご存知ですか? 大学の設置基準は大綱化されて久しいから、手話を外国語科目として認定する大学があってもよさそうな気がするのですが。聴覚障碍者側からの働きかけみたいなものが少ないんでしょうか。それでも、2010年代半ばには、日本手話を外国語科目として扱う大学が出てくるんじゃないかな。

言語系科目の試験中の教室。写真は cvconnell さんが CC-by-nd で公開しているものです。

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2010年 12月 13日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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