二十万人が路頭に迷う
Niger Delta evictions could make over 200,000 homeless - Amnesty - ナイジェリアで都市再開発の名のもとに何十万人もの市民が家を失いつつあります。ロイターの記事は、アムネスティ・インターナショナルが28日に出したレポートをもとにしたものです。
問題が起こっているのは、ナイジェリア南東部の海岸近く、ニジェールデルタ地帯にある Port Harcourt という都市です。劣悪な住環境の大集落があるだけでなく、石油利権を狙った犯罪組織が入り込んでいるという問題もあるようで、それらの「解決」のために、昨年から住居の取り壊しが始められました。2009年の間だけで、1万3千人以上が家を失いました。いや、家だけでなく、財産すべてを。代替の居住施設を提供されることもなく、多くの場合、立ち退きの令状すらないまま、人々は路頭に迷うことになったのでした。
Port Harcourt の人口は160万人。「再開発」の行なわれる川岸地区には20万人から50万人が住んでいると言われています。このままでは、戦争や内戦でもないのに、数十万人の国内避難民が発生するという異常な事態になるかもしれません。
ここにこの話を書くことで、私は何も達成することはできません。ナイジェリアの大使館に抗議の手紙を書いたりすることはできるでしょうが、私たちの国だって、空港を、ダムを、高速道路を、米軍基地を作るからと言って、多くの人たちを立ち退かせたり、土地を接収したりして、経済成長を成し遂げてきました。発展途上にある国に対して、「それは人道的によくないことだから、やめてほしい」などと言える立場にはないでしょう。
じゃあ、なんでこんなことをここに書いているかと言うと、ナイジェリアの地図を思い浮かべることのできる人、そして私と同年代の人ならば分かると思いますが、この話がビアフラで起っていることだからです。自分の暮している国のほかに世界が広がっていて、そこで私とは全く違う生活を送っている人がいる。そのことを私に最初に教えてくれたのは、ビアフラ内戦の結果、栄養失調に陥っている Igbo 人の子どもの写真でした。
あの時、私は「可哀想だね」と言うことしかできませんでした。あの時から40以上、歳を重ねた私は、今でもまた Igbo の人たちに「可哀想だね」と言うことしかできないのでしょうか。いえ、私は、絶対、もっと力強いことができる人間になったはずです。その証を立てる決意を表明するために、私はこの記事を書きました。
Port Harcourt の写真は ☀Rhys☀ さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。
2010年 10月 29日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
この記事へのコメントは終了しました。







この記事の URL をメールで送信する
コメント
ナイジェリアは10月1日に英国からの独立50周年を迎え。来年1月の大統領選挙がこの国の大きなターニングポイントになるそうです。世界でも有数の石油産出国なのに、その富が国民に公平に分配されていない現状が改善されると、いい方向に変わっていくのでしょうか。資源のあることがいいのかどうか考えてしまいます。
来年の選挙を注目したいと思います。
投稿: tae | 2010/10/30 0:08:09
tae さん、
今年あたりは、アフリカ諸国の独立50周年が目白押しですね。植民地支配よりは、はるかにマシなのでしょうが、半世紀経っても、貧困であるとか感染症であるとか政治家の腐敗であるとかの問題は、悩ましいまでに残ってしまったようです。これからの50年が真にアフリカの飛翔の年月となりますように。
投稿: うに | 2010/10/30 1:37:44