« 絵馬を掛けてきた | トップページ | ケニアでは魚が値上がり中 »

2010.10.13

占領地はビジネスで救えるのだろうか

Teaching Gaza to fish - 「ガザに漁業を教える」。イスラエルの新聞「エルサレム・ポスト」の記事。テルアビブ大学でビジネスや紛争解決などを学ぶ大学院生たちが、ガザの問題は住民が豊かになれば解決するとして、魚の養殖事業を始めるという話。

Early morning at the harbour, Gaza by kjRoc一人あたりのGDPが6,600ドル(約54万円)を上回ると、その国からはテロリストがいなくなるという研究があるそうで、それに基づき、ビジネスを盛んにして、雇用を創出し、所得レベルの向上を目指す。イスラエルの魚の養殖技術は定評があるので、その技術移転を図る。将来的には漁業資源の輸出を目指すが、当面はガザの住民の栄養不足の対策となるタンパク源となるだろう。

Nets of Peace というのがプロジェクトの名前で、国際的にも先駆的な試みとして注目を集めている。

読む文章の一つひとつに、「それが本当の問題ではないはずだ」「その問題がなぜ生じているかをあなたたちは考えないのか、なぜ根本的な原因を正そうとしないのか」「占領者であるあなたたちは、この上さらにビジネスの名のもとに搾取を企むのか」等々の不満を述べたくなった。

私の心が今、とても荒んでいるから、ということもあるのだろう。もしかしたら、お金の問題として解決しようというのも悪くないのかもしれないし、あるいは、この若者たちは尊敬すべき人たちなのだけど、記事の書きかたが悪いのかもしれない。

ガザの漁船の写真は kjRoc さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

このブログで

2010年 10月 13日 午前 12:22 | | この月のアーカイブへ

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12988/49726835

この記事へのトラックバック一覧です: 占領地はビジネスで救えるのだろうか:

コメント

>お金の問題として解決しようというのも悪くない
最近こういうの、社会的起業とか、日本でも流行ですよねえ。『青臭いこと』『書生論』言ってなんかやるのって照れるとか、経済に還元して考える俺って「現実的でカッコいい」とか、ね。
 でも、「あうん」の湯浅さんや『素人の乱』の松本さんのように現実に対する『怒り』とか熱い心がないとねえ、と思います。

 ガザについて言えば、占領下、経済封鎖下にある金魚鉢みたいなところなんで、これを見ないことにして行うすべてのことは敗れ去る運命にあるのは、『沈黙を破る』を見るまでもなく明らかです。生産力に乏しく、いや許されず、外部からの流入によって支えられる河川生態系のようなところですから。おまけに外へ自由に出すこともできないし。養殖といっても、餌をはじめとする必要な資材を、この人たちが供給しつづけることができるかさえまったく疑わしい。インティファーダ以前には、イスラエルへの出稼ぎやイスラエルを通じての貿易、ライフラインなどでガザや西岸は搾取されてきたのですが、今の状況は搾取されていた当時のほうが、とんでもない仕事にせよ、自分で稼げた分、まだましにさえ見えるのです。金魚鉢に閉じ込められ、僅かな餌で飼われるノーフーチャーな今よりも。ゲットーとは、煉獄とはこういうところなんでしょう。
 ま、よきにつけあしきにつけ、彼らによほどの力がないかぎりこの計画は実現さえしないと思いますが。それでも、「立派なボク」がアピールできれば十分な価値があるのかもしれませんけど。
 
 

投稿: L | 2010/10/14 20:57:25

Lさん、

この計画自体のメリットよりも、こういうのをヨイショすることのメリットがずっと大きい、って感じでしょうか。

本人たちは、きっと間違ったことをしているとは全く思っていないのだから、そして「善意」でやっているのだから、そういう人たちも取り込んで、有効な力に変えていかなくてはならないという気もします。いや、これはこの青年たちについて言っているのではなく、当事者ではないのに「いたたまれない気持ちで」問題に関わろうとしてしまう私自身を排除しないでほしいという願いのような言葉なのですが。

投稿: うに | 2010/10/14 23:18:48

コメントを書く