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2010.10.31

キャタピラー社の決断

Caterpillar Corporation stops shipment of armored bulldozers to Israeli military - 世界的な重機メーカーであるキャタピラー社が当面の間、イスラエルへの大型ブルドーザーの輸出を停止することを発表したようです。

IDF CAT D9R - side view by Zachi Evenor輸出停止の対象とされているのは D9 および、それに装甲を施した D9R という機種のようです。パレスチナ占領地への侵攻時に街に入って建物を壊すのに使われているもので、特に、7年前に家屋の破壊を阻止しようとした平和活動家のレイチェル・コリーさんを轢き殺すことにも用いられたものです。現在、レイチェル・コリーさん殺害の罪を問う裁判がイスラエルで開かれていて、キャタピラー社はその裁判の進行中はイスラエルに対する D9、D9R の売却を自粛します。

このニュースに関する信憑性に私がちょっと不安をいだいていることも、お伝えしておきましょう。上に挙げた International Middle East Media Center については、私はかなり信頼をしているのですが、肝心のキャタピラー社の決断に関する一次的な報道は、イスラエルのエルサレム・ポスト紙の25日付けの記事 "Report: Caterpillar to delay supply of D9 bulldozers to IDF" ぐらいしか見つけられないのです。Caterpillar 社の報道発表等にも見当たりませんでした。

報道が正確だという前提で話を進めると、「当面の禁輸」という措置であるにしても、キャタピラー社の決断はイスラエルがパレスチナにおいてとっている非人道的な占領政策に自社が加担することを是としない姿勢を示すものであり、評価に値するものだと私は思います。イスラエルの司法に過度な期待はできないでしょうから、近いうちに「もとどおり」になってしまいそうなのは残念ですが。

企業とイスラエルの関わりという点では、私は無印良品のイスラエル出店計画に反対しています。もちろん、大型ブルドーザーとは違って、直接、人を殺す物を売るわけではないのは分かっています。イスラエル軍(IDF)の本部で、無印の消しゴムを使って作戦図を描き直したり、兵士が軍服の下に「ぬくもりインナー」を着込んで冬の寒さをしのいだり、戦いに明け暮れた一日の疲れをベッドで癒したり。そんなことを気にしなければ、私も同じ商品を買うのでしょう。しかし、このままでは、私にとっては、無印の商品は、ロカンタンの見たマロニエの木の根になってしまいそうです。

イスラエル軍の所有する D9R ブルドーザーの写真は Zachi Evenor さんが CC-by-sa で公開しているものです。何気にアナキストっぽい旗は戦闘工兵隊の旗だそうです。冒頭にリンクを張った記事に添えられた写真は、もっと迫力があります。ぜひご覧ください。

追記:私がこの記事を書いた後、2010年12月1日に良品計画はイスラエルへの出店計画中止を発表しました。ボイコットを呼びかけた私たちの声を聞いてくれたのだと思います。イスラエルに行かないでくれてありがとう、無印良品。

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2010年 10月 31日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

私も無印良品には計画撤回の葉書を2回送りました。家には使用中の ThinkPad が 4台ありますが、いずれもオークションの中古なので IBM 経由でイスラエルには資金移動してません。キャタピラー社にはどう対抗することもできませんが、英国教会が株を divest したとの記事は読んだ事があります(次行記事の中段です)。
http://www.ne.jp/asahi/cyberpunk/freedom/article/song_for_gaza.htm
こういうことも、やはり影響していると思いたいですね。

投稿: hagure | 2010/10/31 9:26:21

すいません。すいません。ロマの過去記事を探すのが面倒だったもので、ここに貼っておきます。

こういうのって、特殊学級差別にもならないかなあ。


http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3432

投稿: kuroneko | 2010/10/31 12:27:47

hagure さん、

英国国教会の脱資についてお教えいただき、ありがとうございます。イスラエルの特に軍事部門と関わることを拒絶しようという動きは確実に広がりつつあるようですね。それが十分な効果を上げているか、あるいは、そのことが持ちうる意味にイスラエル政府が気づいているかというと、まだまだなのでしょうけれど。

kuroneko さん、

私は身内には甘いので、許してあげます(笑)。次回からは左の欄の「過去の記事」のところにある検索をお使いください。

ロマの話ではないのですが、私の住んでいる町では、労働者として来ていた南米の日系人の子どもが中学校のいわゆる特殊学級に入れられて、失意のうちに帰国してしまったそうです。特別な指導の必要性があるからと言って、さまざまな問題をかかえる子どもたちを一か所に集めて、それでよしとするわけにはいきませんよね。

投稿: うに | 2010/10/31 23:40:10

冒頭の記事のキャタピラーはまるで巨大な怪物のようですね。それに向って石を投げることしか抵抗の手段がないパレスチナの人。ジェニンで家ごと人を押しつぶしたのもこのブルドーザーでした。この記事が本当であることを願います。
不買運動は欧米の企業には効果的のようですが,日本ではどうでしょうか。メディアがもっと取上げれば、世間体を気にする日本の企業には効果があるかもしれませんね。

投稿: tae | 2010/10/31 23:57:09

tae さん、

巨大な怪物。まさに子供向けの怪獣番組か何かに出てきていて、ウルトラマンか何かが助けに来てくれなくては困る場面のようですよね。

日本の企業(良品計画)、批判の声があまりピンと来ないまま出店し、その後も批判は止まず、「50年史」とかが編纂される時点で、なかったことにされる、みたいな道筋をたどるような気がします。

投稿: うに | 2010/11/01 0:09:03

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