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2010.09.30

ある戦後の終わり

Legacy of Versailles: Germany Closes Book on World War I With Final Reparations Payment - 今度の日曜日、一つの戦後が終わるのだそうです。ドイツの戦後。ドイツにとっての第1次世界大戦の戦後です。

StaffordshireKnotjp81 by DeviousWolf1第1次世界大戦があったのは1914年から1918年。もうほとんど1世紀近く前のことです。戦後のヴェルサイユ条約でドイツが負った戦後補償。その最後の部分の支払いがこの度、行なわれるとのこと。第2次世界大戦後の取り決めで、「ドイツが統一されるまで待つ」とされていた部分があって、それが完済されます。

90年以上経って戦争の幕が閉じられるということ、ヴェルサイユ体制への反発に乗じてドイツが右傾化したことなどを考えると、感慨深くもあります。

いろいろな意味で、日本のアジア太平洋戦争の戦後も、まだ終わっているとは言えません。もしかすると、今は、ナチスのような国粋主義者がじわじわと人々の心に入り込んでいるところなのかもしれません。

写真は DeviousWolf1 さんが CC-by-nc で公開しているものです。イギリスで開かれた第1次世界大戦のコスプレ(?)だと思います。どこの国の軍服でしょうか。顔はヒトラーのそっくりさんみたいですが…

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2010年 9月 30日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.29

ある教師の死

L.A. teacher suicide sparks test-score pushback - ロサンゼルスで一人の教師が自殺した。小学校の5年生を受け持っている先生だった。彼は、ロサンゼルス・タイムズが公開した「教師の付加価値」ランキングで低めの評価を受けたことを苦にして命を絶ったらしい。

She Makes a Good Point by marctonysmith受け持った生徒たちの学力テストでの英語(言ってみれば「国語」)と算数の点をもとにして、それぞれに先生が「効果がある」か否かを評価しているらしい。教育の専門家でもなく、単純化されすぎた指標を用いていることなどに組合(United Teachers Los Angeles)が反発し、ランキングの撤去を求め、不買運動などを呼びかけている。

2教科のみで評価を決めるというのは、小学校における教育の成果を測るには明らかに不適当だと思う。私は、小学校の高学年は、例えば、寛容な良き市民となるか、偏狭な差別主義者になるかを決める重要な時期だと思う。他にも、小学生として学ぶべきものは数多くあるだろう。

小学校に限らず、教育の「成果」を単純な尺度で計量化できるという誤った考えが、この世にはあまりにも多いと思う。教えるということ、育てるということの意味が即時的かつ数量的に把握できるという考えは捨て去られるべきものである。亡くなった先生のご冥福をお祈りする。

ロサンゼルスの学校での集会の写真は marctonysmith さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2010年 9月 29日 午前 12:03 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.28

次のスーパーヒーロー

New Muslim comic book superhero to save the world - スーパーマンやスパイダーマンを生んだアメリカで、次に登場するスーパーヒーローは車いすに乗ったムスリムの少年だそうです。 Open Hands Initiative という NPO がアメリカとシリアの障碍を持つ若者を引き合わせ、討論を通じて練ってもらった構想をもとに、 Liquid Comics というマンガ本の出版社から刊行されることが決まっているとのこと。

Pattaya: Dutch Wheeler by bwaters23まだ素案の段階のようですが、記事には主人公のスケッチも載っています。地雷で両脚を失ったムスリムの少年が自分には金属を自由に操つる超能力があることに気づき、車いすを変形させて、「銀の蠍」というスーパーヒーローに変身し、悪と戦う、という筋書きのようです。

11月にもアラビア語と英語で刊行し、シリアなどで配布したいとのこと。ウェブでも無料で読めるようになると書いてあります。

私はあまりマンガを読まないのですが、自由奔放な想像力が発揮できる、すばらしい媒体なのだろうと思います。日本でも、排除の対象になりかねない外国人とか障碍者が主人公の優れた作品もあるのでしょう。お勧めのものがありましたら、お教えください。

車いすの写真(タイ在住のオランダ人だそうです)は bwaters23 さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.27

学校をボイコット

Could boycott cause division among children? - トルコでは、先週、新しい学年が始まったのですが、それにあわせて、クルド人の子どもたちが学校のボイコットを行ないました。

beautiful children by lachicaphotoボイコットはクルド人が母語であるクルド語で教育を受ける機会を与えられるべきだという主張のためのもので、クルド教育言語運動(TZP Kurdi = Tevgera Ziman û Perwerdahiya Kurdî)が呼びかけ、平和民主党(BDP = Barış ve Demokrasi Partisi)が後押ししています。この要求に対し、エルドアン首相は「トルコにおける教育はトルコ語のみによって行なわれるべきだ」として、拒否を明言しています("Turkish PM rules out Kurdish schooling")。

冒頭の記事は、クルド人以外のトルコ人の視点から書かれているような気がしますが、登校ボイコットが大人による子どもの政治的利用にあたるのではないかとか、ボイコットに参加した生徒と参加しなかった生徒の間に分断が生じるのではないかといった懸念を表明しています。

ボイコットに参加しなかった生徒というのが、主にクルド人以外の子どもたちのことを指すのであれば、すでに存在する差別を黙認するのはよくて、能動的にその差別を語ることだけを批判するのはおかしいと思います。それとも、ボイコットに参加したクルドの子どもと参加しなかったクルドの子どもの間の分断のことなのでしょうか。それはそれで、全員参加でなくては反対運動ができないと言っているようで、ちょっと変です。

子どもを政治に巻き込んでいるというのは難しい点ですね。私は逆に、子ども自身が当事者でもある学校教育の問題から子どもを隔離してしまったら、子どもに対して不誠実である気がします。私の子どものころ、ベトナム戦争が行なわれていました。ベトナムという地名も、戦争という出来事も、聞いたことはありましたが、それらがいったい何を意味するのかについては、大人たちから教えてもらった記憶がありません。のちに私は、とても大事なことだったのに、すでに生きていた私が何もしなかったことに歯噛みしました。もしクルドの子どもたちを議論から遠ざけてしまったら、彼ら彼女たちも同じように、後になって自分が何もしなかったことを恨みはしないでしょうか。

クルドの子どもたちの写真は lachicaphoto さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 9月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.26

落書きを鑑賞

Graffiti critic invites world to laugh at Pilsen taggers - アメリカの都市部では、建物の壁や塀などが落書きされることが多い。派手なペンキで、大きな絵や文字を書かれるのだ。シカゴ近郊の Pilsen の街も、その例外ではない。

crowd considers by opacityPilsen では、一人の住民が、自分のアパートの壁が落書きされたのがきっかけで、落書きとの戦いを始めた。彼女のとった方法は、絵を批評した紙を落書きの横に貼ってくるというものだ。彼女が一番最初に貼りつけたコメントは「私の5歳の子がまったく同じ絵を描きました。まじで、全く同じ」というもの。ほかには、「あなた文字が読めないでしょ」など、辛辣なものが多い。どれも、「あなたがやっていることはバカなことだ。やめたら?」という感じのメッセージだ。通りがかった人がそれを読んで笑っていることもしばしばだ。

彼女自身、これで落書きが無くなるかどうかは分からないと言っているが、落書きによって、描いた人に乗っ取られてしまった街を、みんなのもとに奪い返す力にはなっているようだ。

ピルゼンの街の落書きと、それを見る人々の写真は opacity さんが CC-by-nc-nd で公開しているもの。

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2010年 9月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.25

犬の明かす差別

Dog cast(e) away after dalit touch - インド北部、マディヤ・プラデシュ州のモレナ市からの、なんとも遣る瀬無いニュース。

In Morena by sehroiber一週間ほど前、クシャトリヤ(上から二つめのカースト。戦士階級)の下位区分 Rajput に属する家で飼われていた Sheru という犬が道をうろうろしていた。通りかかったダリット(被差別民)の女性が Sheru にパンをあげた。それを見た飼い主が、ダリットに触れられた犬は「不可触」だと言い張り、女性を罵るだけでなく、村の自治会(panchayat)に訴えた。自治会はダリットに触れられて不可触になった犬はダリットのもとで飼われるべきだと裁定し、さらに女性に15,000ルピー(約28,000円)の損害賠償を命じた。

犬がダリットの集落に連れてこられ、柱に繋がれて置き捨てられたのを見るに至り、女性は被差別民への迫害を専門に扱う警察の部署に届け出たが、あまりまともに取り合ってもらえず、提出した告訴状も受け取っただけのままになっているようだ。

「穢れた」人に触れたから自分の犬も穢れてしまったと考える飼い主の子どもっぽさにも呆れるが、そのような考えを訂正しようとしない共同体全体の責任も重い。

この話がニュースになったというのが、この種の話がまれであることの証であると考えたほうがいいのだろうか。それとも、曲がりなりにも警察沙汰になったからこそ話が明るみに出ただけであって、闇に葬られている話は数知れずあるのだろうか。

そして、私たちの国では、どうなのだろう。

モレナ市の街のようすの写真は sehroiber さんが CC-by-nc で公開しているもの。

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2010年 9月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.24

マニラの行政代執行は差し止め。渋谷は?

Thousands of slum dwellers resist eviction in Philippines - フィリピンのマニラ近郊、ケソン市で当局に立ち退きを求められたスラム街の住民たちが抵抗を続け、騒然としているようです。

sitio magdalena by 8ght上のリンクはドイツの通信社の記事ですが、フィリピン国内の報道 "1 hurt in clash between police, informal settlers in QC" もあわせてまとめると、ケソン市の Pag-Asa 地区にある San Roque 街区のスラム街を再開発計画に基づいて取り壊すため、国の住宅局(National Housing Authority)が住民2,000人余りに対して去る16日に退去命令を出しました。23日までに立ち退くようにという命令に住民たちが応じなかったため、マニラ首都圏開発局(Metropolitan Manila Development Authority )が昨日(23日)、強制排除に乗り出したところ、住民が投石するなどしてこれを拒み、警官に負傷者が出たようです。

当局側は、立ち退かされる住民たちの代替施設が用意してあると言いますが、23キロも離れたところであり、そこに移り住んだら、生活が成り立たなくなることは明らかだろうと思います。また、フィリピンの新聞では退去を命じられたのは約2,000人とされていますが、DPA は、約9,000人が影響を受けると書いていて、当局が十分にスラム内部の状況を把握していたかどうかも疑問です。

木曜の夕方に新たに出た記事 "Court stops demolition of shanties in QC" によれば、地裁が住宅局に対して行政代執行の差し止めを命じました。強制排除の再開に必要な条件は記事からは読み取れません。

スラム環境を改善することは重要ですが、そのために、そこに住む人たちがより困窮してしまうのであれば、それは本末転倒だろうと思います。都市再開発という行為が自己目的化していないかとか、だれか他の人たちのための開発なのではないかなどと疑われてもしかたないでしょう。アキノ政権にはあまり期待してはいけないということなのでしょうか。

今日、私たちの国でも行政代執行が実施されると言われています。渋谷区の宮下公園です。公園を商業施設化しようという話のようです。公園は市民のためのもの。「ナイキ化」は市民を欺くものだと思います。詳しくは、「みんなの宮下公園をナイキ公園化計画から守る会」のブログなどをご覧ください。渋谷に生まれ育った者として、強く憤りを覚えます。

Pag-Asa 地区(「希望」という意味のようです)の写真は 8ght さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2010年 9月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.23

怒る教師たち

Angry teachers plan eight more strikes - ニュージーランドでは中学校、高等学校の先生たちが先週、一日のストライキを行ないました。10月半ばから12月初頭にかけて、さらに8回のストが計画されています。組合の投票では、95%もの組合員の圧倒的な賛成でストライキ権が確立されました。

ppta rally in auckland by macmanusg今回、争議に臨んでいるのは、中等教育の教員労組 PPTA です。4%の賃金引き上げや、1クラスあたりの生徒数の上限の堅持を要求して教育省と交渉してきましたが、決裂し、ストに訴えることになりました。「教育は政府にとって優先事項となっていないことは明らかだ」と政府の姿勢を批判しています。

私たちの国でも、教育が国の優先事項になっているとは思えません。自民党政権の間もずっとそうでした。民主党政権になって、教員免許更新制度の撤回が方針として打ち出されましたが、どうやらずるずると更新制度が施行されてしまいそうです。また、教員の大幅増員が来年度の概算要求に盛り込まれましたが、これも野党自民党の抵抗に遭って、潰されてしまいかねません。私たちも、政府に、そして与野党に向けて、強く主張を述べるべきだと思います。

教員のストは「学ぶ権利」の侵害だという反対意見がありますが、それはとても偏った考え方だと私は思います。教育に予算を回さず、ほかのことにお金を回してしまう政府(や私学の経営者)の擁護のためにそういう言い方が悪用されていることに眼をつぶってはいけないと思います。

7月にオークランドで催された PPTA のデモの写真は macmanusg さんが CC-by で公開しているものです。真ん中や右端の黒い丸が気になると思いますが、他の写真を見ると、裏側に「教育を重視せよ」と書かれているようです。

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2010年 9月 23日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2010.09.22

入植地の上空から

Peace Now Flight Highlights West Bank Settlements - ニューヨーク・タイムズ紙の記者がイスラエルの平和運動団体 Peace Now が企画したヨルダン川西岸地区上空からの視察飛行に同乗した際のことを書いています。

Qedumim settlement up close by michaelramallahイスラエルによる違法な入植地の建設が続けば、西岸地区は細分化されてしまい、大きくパレスチナとイスラエルに分ける「2国への分割による解決」が不可能になってしまう、というのが Peace Now の主張です。この日の飛行に加わった劇作家の Joshua Sobol さん(先日の芸術家らによる声明にも署名したかたです)が、周囲とは明らかに異なる雰囲気を持つ入植地が多く作られていることについて、「病気(=入植地)は広がり、転移しつつある」と述べたことを記事は伝えています。

私はブログの左側に無印良品のイスラエル出店に異議を唱えるバナーを貼っています。どうか、出店によってイスラエル政府の占領政策に承認を与えてしまうことの意味をしっかりと考えていただきたいと思います。

記事に載っていたことで印象に残った点を二つ。一つは、パレスチナ政府がラマラの近郊に Rawabi という都市を建設中であるということ。しかし、イスラエルの妨害によって、都市開発はなかなか進んでいないそうです。もう一つは、入植地に、あえて聖書に出てくるような地名を付けているという点。シロ(Shiloh)という入植地があるそうで、聖書でその名前が出てくるところを調べると、ヨシュア記(18:1)に「そこでイスラエルの人々の全会衆は、その地を征服したので、シロに集まり、そこに会見の幕屋を立てた」などと書いてあったりします。

自分たちの先祖の地、自分たちの国の「固有の領土」などにこだわるのは、不幸なことだと私は思います。こういうことを言うと、「じゃあ、かつてのユダヤ人のように国を失い、虐殺されてもいいのか」といったことを言う人がいるのですが、それはおかしいと思います。頑迷な国粋主義と不幸なディアスポラという両極端ではない中庸の道を歩むこと、そして他者にもそのような道を歩ませることを、人類は歴史から学んできたはずです。

入植地の写真は michaelramallah さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。記事の中に、「入植地の赤い屋根」という表現が出てくるので、この写真を選びました。記事には航空写真も載っています。

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2010年 9月 22日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.09.21

今日は平和の日

今日、9月21日は国際平和デー(International Day of Peace)。国連総会の開会時期に合わせて、この日が選ばれたそうです。国連本部にある、1954年に日本から贈られた鐘が鳴らされます。鐘には「世界絶対平和萬歳」と書かれているようです。国連のページ "International Day of Peace, 21 September 2010" によると、今年は平和や発展のために尽力している若者たちに焦点が当てられるとのこと。

日本貢獻的和平鐘 by Kramchang国連は、戦争状態にある場所で、せめて一日の停戦が実現されることを求めています。銃弾が飛び交ったり爆弾が破裂したりすることはないところでも、占領や抑圧の不条理が少しでもただされることを祈ります。

私たちの国は、今、中国との間で領土領海をめぐる争いで、関係が緊張しています。よもや武力衝突などにはならないだろうと思いますが、政治家や外交官のかたがたには、今一度、平和の鐘に鋳込まれた祈りを思い起こし、世界に先駆けて「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄」した国の誇りをもってもらいたいと思います。

平和の鐘の写真は Kramchang さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.20

英警察幹部が大麻合法化を提唱

Police chief issues call to decriminalise cannabis and redirect resources - イギリスの警察の最高幹部の一人がマリファナは合法化されるべきだという見解を明らかにしました。この主張を発表したのはヨークシャー等を管轄する Humberside 警察管区の Tim Hollis 本部長です。

The harvest is coming closer. by smokershighlifeホリス本部長の「介入」の主な論点は、警察の予算は限られていて、それは少量の大麻の所持で若者を逮捕することにではなく、暴力団などの組織暴力の摘発に向けられるべきだという点、麻薬所持で若者に一生「犯罪者」の烙印を押すのは酷であるという点、さまざまな合成麻薬をすべて取り締まるのは不可能だという点、そして常用者に危険をもたらすというのであれば、酒やタバコに関しても議論が必要であるという点などです。

ガーディアン紙の記事は、この他にも、キャメロン首相、クレッグ副首相もマリファナなどを犯罪として扱うことが非効率的であると考えているらしいこと、内務省は建前としてはマリファナの非犯罪化には反対しているものの、密かに不起訴処分化を検討していることを伝えています。

日本の警察の予算配分とかを考えたことがないので、これらイギリスの話が私たちの国にも当てはまるものか分かりませんが、暴力団とか迷惑な路上駐車とか公害とか、もっと真剣に取り組んでもらいたい課題はたくさんあります。

写真は smokershighlife さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 20日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.19

札幌の夜の虹

札幌のテレビ塔が虹色に 性的少数派への理解訴え」 - 今日行なわれるレインボーマーチ札幌の企画として、さっぽろテレビ塔が18日、LGBT 運動の象徴である虹の七色にライトアップされたそうです。今日の夜もライトアップ。マーチは今日の13時からです。

double rainbow... all across my wall! by tray私は全般的にライトアップという企画があまり好きではありませんし(2年前にこんな記事を書きました)、性的少数「派」とか、「理解」とか、表現面で個人的にはちょっと不安なところもありますけれど、多くの人の意識に性的少数者の存在が刻み込まれるのであれば、おそらくこれは有意義なことなのだと思います。私は理解するだけではなく、闘いたいです。

虹の意味を問う写真は tray さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 19日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.09.18

中流階級

ADB defends 'middle-class' bracket report - 新浪網の記事。アジア開発銀行(ADB)が先月、アジア経済についての報告書("The Rise of Asia’s Middle Class”)を発表したそうで、その中で8億人以上の中国人が「中流階級」であるとしたことについての記事です。

Things Undone by Skip Cooper -aka powmanこの報告書での中流階級の定義は、一日に2ドルから20ドル(約170円から1,700円)を消費する人々だということです。これは欧米での中流階級とは違うけれども、アジア諸国の生活水準からすれば高い部類であり、また、中程度の貧困の尺度である一日$1.25(約106円)を上回っています。中国人の多くは一日$2から$4の階級に入りますが、この階級の人でもカラーテレビなどを持っていることが多く、それは中流階級の定義に十分合うだろうとのことです。この尺度を用いれば、1990年には人口の21%であった中国の中流階級が56%にまで増えたことになるそうです。

私たちの国で、「一億総中流」という表現は、既に過去のものになったようですが、中流階級とは、いったい何なのだろうと思います。幻想だったのでしょうか。

私の中流階級のイメージは、上の写真のような感じです。 Skip Cooper -aka powman さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 9月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.15

あの国の礼儀

Study finds link between considerate behavior and income - エルサレム・ポストの記事がイスラエルで行なわれた、相手を重んじる態度や礼儀正しさに関する調査の結果を紹介しています。礼儀正しい人ほど収入が多いという相関関係が見つかったそうです。礼儀正しさが10%上がると収入が5.8%上がるのだそうです。

Information breakdown by fabbio日常のどのような場面で無礼さに遭遇するかをイスラエル人とアメリカ人に聞いたところ、買い物や運転といった場面では数字が変わらなかったのに対し、役所での対応が失礼だと答えたイスラエル人はアメリカ人の1.5倍だったそうです。また、集団として最も礼儀正しいのは超正統派ユダヤ教徒(haredim)の人たちだったとのこと。

パレスチナに対する非人道的な扱いは、「礼儀正しさ」というのとはまた別の話でしょうか。

反戦集会で隣り合わせになったハレディムの男性とアラブ人の男性。写真は fabbio さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 15日 午後 11:11 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.14

空飛ぶ提灯

Chinese lanterns: Tranquillity masks a threat - 提灯といえば、私は盆踊りやお祭りの時に吊るされているやつを思い浮かべますが、中国や台湾では、空を飛ぶ提灯があるのですね。テレビなんかだと紹介されたりするのかなという気もしますが、私はあまりテレビを見ないので知りませんでした。

Chinese lanterns by richardkで、この「天灯」は、インドネシアのバリ島で爆破事件が起こった時に犠牲者の追悼に使われて以来、イギリスでも人気なのだそうです。結婚式や葬式などで、この小さな軽気球を飛ばすことも多いとのこと。

ところが、天灯が草地に落ちた後に、骨組みの針金を牛などが誤って食べて、死んでしまう事故が頻発していて、怒った農業団体などが禁止を図っているらしいです。議会でその運動を率いている人の名前がベーコン議員というのが、被害者が牛だけに、ちょっと微笑ましいです。ランタンを作っている企業などは、針金を使わず、生物分解性のある素材に乗り換えるなどして対処するようです。

チャイニーズ・ランタンが空を漂うところを見たことのあるかたはいらっしゃいますか?

写真は richardk さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2010年 9月 14日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.09.13

週末に立ち上がれ

"Global Movement to Make Noise to End Poverty" というフィリピンの新聞の記事を読んで、はじめて知ったのですが、今度の週末(17日の金曜日から19日の日曜日にかけて)、世界的な規模で貧困撲滅のための共同行動があるそうです。

Stand Up, Speak Out by Steve Rhodes2015年までに世界の貧困を半減させるとした国連のミレニアム開発目標(MDGs = Millennium Development Goals)の首脳会議が来週(20日から22日)開かれるのにあわせて、街頭に立ったり、楽器などを打ち鳴らしたりして、人々の注意を喚起する行動です。国際的には STAND UP 2010 | Stand Against Poverty に、日本ではSTAND UP TAKE ACTION (スタンド・アップ テイク・アクション)に情報が集約されています。日本の共同行動は「動く→動かす」もう一歩、貧困のない世界へが母体となっているようです。ブログもあります。東京、大阪、神戸、佐賀、熊本などで企画があるようですね。京都でもやらないのかなあ(他力本願ですみません)。

「動く→動かす」のサイトに、先日の参議院選を前に各政党に世界の貧困撲滅に関してアンケートを行なった結果が出ています。ODAを増やすべきか減らすべきかという問いには、回答のあった政党すべてが「増やすべき」と答えています。このところ、自民党政権がずっとODAを減らしてきたわけなので、自民党が増額を希望しているのは、ちょっと驚きでした。ネット上では、「税金を外国人のために使うなんて、もってのほか」みたいなことを書いている人がけっこういると思うのですが、そういう人は自民党よりさらに右寄りの政党を支持するしかないということですかね。

写真は2007年、サンフランシスコでの行動の一幕。3年も前からやっていたのですね。全然知りませんでした。 Steve Rhodes さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.12

仏米の違い

Why Millions March in France, But Not in the US - アメリカの経済学者 Rick Wolff さんによる論考。フランスでは何百万人もが参加してデモやストが行なわれるのに、アメリカでは大きな抗議行動がほとんど起こらないのはなぜかという問題を論じています。

les manifestants, les slogans, l'ambiance by jbguerillotフランスでもアメリカでも、経済が抱えている問題とその由来や構造は同じ。とられた対策も、総体的に見れば、さほど変わりません。なのに、フランスでは年金支給年齢の引き上げなどの緊縮財政策に対して先週、大きなストライキが行なわれました。来たる29日には全欧で統一抗議行動が予定されています。ウルフさんによれば、これを支えるのは次のような考え方です。曰く、経済危機は銀行や大企業などの資本家たちが間違った投資などを行なったために起こったもので、今、政府は資本家たちを護るために人々に負担を要求している。これは許すことはできない。

つまり、ヨーロッパの人たちは、資本主義に依存しない生き方があるということを知っていて、個別の問題に対する反対も、広く正義を希求し公正な社会を作ろうという闘いの歴史の中に位置づけることができるのだ、とウルフさんは言います。そのような思慮は長年の教育や情宣によって培われるもので、アメリカの左翼は、その点を反省しなくてはならない、とも。

私たちの社会について考えると、市民が声を上げないことにかけては、アメリカに輪を掛けたようなところがあります。それを、「おとなしいから」といった怠惰な総括で終わらせてしまうのがいけないことは分かるのですが…資本主義の悪を説く人も(少ないとはいえ)ちゃんといるのですけれど、声はなかなか届いていないようです。どう考えたらいいものでしょう。

9月7日のパリのデモの写真は jbguerillot さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.11

高校、大学でスト

Los estudiantes universitarios de Buenos Aires se unen a la huelga - あまり詳しい事情は分からないのですが、アルゼンチンのブエノスアイレス大学の学生たちがストライキに入ったようです。

UBA4 by |LaHire|数日前から、ブエノスアイレス市の高校の生徒たちが教育環境の改善を求めてストライキ(学校の封鎖)を行なっており、大学生たちの行動はそれに連帯したもののようです。高校生たちは、校舎の老朽化などに抗議しており、市当局は一部の学校の改修に着手することに同意しましたが、生徒たちは問題を抱えるすべての学校について市が手を打つまでストライキをやめない構えのようです。

実は私の職場も今、とても大きな決断の時期に来ていて、経営側の方針にいくつかの学部教授会が反対決議をすると思われるのですが、教職員が、そしてとりわけ学生たちが、ストライキに打って出るかというと、それはないだろうと考えてしまいます。黙ってやり過ごすわけにも行かないんだけどな。

ブエノスアイレス大学の写真は |LaHire| さんが CC-by で公開しているものです。

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2010年 9月 11日 午前 01:22 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.10

憎しみの火を消して

今日の夕方には細い三日月が見え、ラマダン明けのイド(Eid ul-Fitr)が始まっているでしょうか。 Eid Mubarak!

Qur'an by Doctor Yuri残念なことに、アメリカでは、明日の9月11日に、コーラン(クルアーン)を燃やしてムスリムたちへの憎悪を表明する催しが保守的なキリスト教教会で開かれるそうです。

微力ながら、それに対抗して、今日は私が好きなクルアーンの一節を引用することにしました。第42章(アッ・シューラ)第42-44節です。翻訳はモハマッド・オウェース・小林淳さんによるものです。

迫害された時、防御するは、罪に非ず。
罰せらるべきは、人を迫害し、地上に於て不当にのりを越える者どものみ。
されど、耐え忍び、赦してやるなら、そは崇高な裁断なり。

対立の両側にいる人々に呼びかける内容だと思います。どうか、理性と寛容が平和な世界を作りますように。

コーランの写真は Doctor Yuri さんが CC-by で公開しているものです。

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2010年 9月 10日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2010.09.09

遺族が立候補

Sean Bell's fiancée, Nicole, mulls run for Queens City Councilman Thomas White Jr.'s seat - 2006年の秋、ニューヨーク市のクイーンズ区で、ショーン・ベルという23歳のアフリカ系アメリカ人の青年が亡くなりました。結婚式を翌日に控えていた彼は、友人たちとバーで酒を飲み、店の外に出たところを、張り込み中の警察官に不審人物と誤認され、射殺されました。

We Are All Sean Bell by clofreshどういう経緯で警官たちが彼を殺す必要があると考えるに至ったかについては議論がありますが、銃を持たない無抵抗の彼に50発もの銃弾が打ち込まれたことを考えれば、警官たちが過剰な反応をしていたことは明らかです。社会では、警察がアフリカ系アメリカ人の男性をことごとく犯罪者扱いにしているとして、強い抗議行動が起こりました。

彼が結婚するはずだった女性、Nicole Paultre Bell さんがニューヨーク市議選に立候補することになりそうです。任期途中で死去したクイーンズ区選出市議の議席を争うことになりますが、現在は選挙区内に住んでいないので、まだ最終決定ではないようです。

未だに人種差別的な警察組織を政治家として変えようという彼女の試み、成功するでしょうか。

地下鉄の駅に貼られた「私たちはみなショーン・ベルだ。このひどい社会に罪がある」というポスターの写真は clofresh さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2010年 9月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.08

最低賃金を払わず工場が閉鎖

Low wages may close down plants - 南アフリカの KwaZulu-Natal 州、 Free State 州では、385か所の工場で最低賃金(週給324ランド、約3,740円)を下回る賃金しか支払われておらず、労働者の抗議を受けて、労働調停委員会が先週、工場の閉鎖を命じました。調停委員会は雇用者側に、30日間のモラトリアムを設け、その間に労働条件の改善に踏み出すように求めています。雇用者側が最低賃金を遵守したら経営が成り立たないと判断すれば、工場は撤退することとなり、2万人以上の労働者が失職することとなります。

Fighting for their rights... by Gregor Rohrig不当な条件のもとで労働者を働かせていた工場の3分の1が中国資本あるいは台湾資本のもので、先週、ズマ大統領が中国を訪問したのに合わせて、争議に発展したようです。クワズールー・ナタルには、アパルトヘイト時代の政府の肝入りで中国、台湾の資本が参入したとも記事は伝えています。中国人が労働者を搾取しているといった言い方がなされるが、問題のある企業の大半は中国資本ではないのだから、それは不当な言いがかりだという意見も紹介されています。

日本企業はちゃんとした賃金を払っているのでしょうかね。仮にズマ大統領が中国ではなく日本を訪問していたら、日本企業が槍玉にあがっていたのではないかと心配です。日本企業も、表向きはアパルトヘイトに対する制裁に従っているようなふりをしながら、かなり進出していたようですから。また、国内で、技術研修生制度などを通じて、最低賃金を守らない搾取をしていることも明らかですから。

写真は、ヨハネスブルクでの集会のようすです。今回の争議とは関係ありません。 Gregor Rohrig さんが CC-by-nc-nd で公開しています。

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2010年 9月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.07

学ぶ権利を奪いたい人たちがいる

Law on free education referred to Constitution Bench - インドでは昨年、「子どもの無償義務教育を受ける権利法」(The Right of Children to Free and Compulsory Education Act、画像PDF)が制定されました。この「教育を受ける権利法」とそれに関連する憲法(テキストPDF)の修正が違憲であるという訴訟が相次いで起こされており、それについて、最高裁が大法廷で審理することを決めたという記事です。

India  Children  :  leaving school  Nimaj (Rajasthan) by Vincent Desjardins 問題となっているのは、憲法第21条Aにある6歳から14歳の子どもが無償で義務教育を受ける権利があるとした部分、憲法第15 条(5)にある下層カースト及び少数民族に対して政府は特例措置を設けることができるとした部分、権利法の第12条にある学校定員の25%を社会の中の弱く不利な階層に割り当てるとした規定です。特に私立学校に対してこれらの定めが適用されるのは、憲法第19条が定める職業選択の自由に抵触するという訴えのようです。

言うまでもなく、ダリットなどの被差別階級に属する子どもたちが他の子どもたちに混じって学校に通うのを快く思わない人たちが起こした裁判でしょう。もっともらしい理屈を付けて自分たちの行なう差別を正当化し、不平等な社会の構造を維持しようとする、えげつない人たち。どこの社会にでもいるものだと、改めて思います。

ところで、この権利法を読んでいたら、小学校は30人学級、中学校は35人学級にすると定めてありました。私たちの国では、自民党政権が教育を全く顧みなかったため、今でも40人学級という劣悪な状態が基本となっています。先月、文科省が来年度予算でインド並みの学級編制を可能にする教員増員を概算要求することを発表しました(新たな教職員定数改善計画(案)の策定について平成23年度予算 概算要求)。私は民主党政権の支持者ではないのですが、これだけでも政権交代をする意義はあったようにも思います。

インドの子どもたちの写真は Vincent Desjardins さんが CC-by で公開しているものです。

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2010年 9月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.06

消えた物乞い

US pressure leads to ban on beggars in Dakar - セネガルの首都ダカールでは、先週、物乞いをする人たちの一斉取り締まりが行なわれ、物乞いがほとんどいなくなりました。

maryama Djibril Aisha by met.e.o.r.a物乞いの多くは、 daara と呼ばれるイスラムの学校の生徒たちで、 marabout と呼ばれる先生たちの命令によって、街に出て物乞いをしていたのだそうです。アメリカ国務省がこれを人身売買、児童労働にあたると認定し、2年続けて報告書にセネガルを要注意国として記載しました。3年続けて記載されるとアメリカ政府は2国間援助を凍結しなくてはならないため、注意を喚起したところ、セネガル政府が物乞いの一斉排除によって対処したようです。子どもたちは、首都にはいられなくなったので、郊外に行って、今までの半分ほどになってしまった収入のために、今日も物乞いをしているそうです。

アメリカ大使館は「我々が求めていたのは、人身売買を行なう者の取り締まりであり、被害者である子どもたちの取り締まりではなかった」と述べていますが、このような結果になるのは、十分に予想できただろうと思います。人道的な考慮によって問題のある国に圧力をかけようとする場合、最も立場の弱い人たちをさらに苦しめることにならないか、とても慎重な取り組みが必要であることのいい例だと思います。

セネガルの子どもたちの写真は met.e.o.r.a さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 9月 6日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.05

日本から羽ばたくダライ・ラマの伝記

Comic book on 14th Dalai Lama to be available in 10 languages 日本で作られたダライ・ラマ14世の伝記が10言語に翻訳、出版されることになったそうです。

Dalai Lama in NYC by Ove Overmyer原作は、さいわい徹さんという漫画家が描いた『マンガで読む偉人伝1・ダライ・ラマ14世』です。アマゾンでは、この本は2009年3月刊ということになっていますから、2008年6月に出た英語版 "Biographic Novel: The 14th Dalai Lama" のほうが「原作」ということになるのかもしれません。英語版は、今月末にペンギン・ブックスからも "The 14th Dalai Lama: A Manga Biography" として刊行になります。

記事では、言語の名前としては英語とロシア語しか出ていないので、他のどんな言語に翻訳されるのかは分かりません。ロシア語版は、すでにロシアのカルムイク(Kalmykia)共和国という仏教徒の多い国で学校の生徒たちに無料で配られたそうです。

さいわい徹さんのブログ「マンガ家の奇妙でワンだふるな日々」にトラックバックを送ってみようと思います。この本について、「苦しい闘いの日々の中で完成したこの作品の持つ役割は、まだ始まったばかりなのです」と書いていらっしゃいますが、着実に作者の祈りが世界に伝わっていることが分かります。

写真は、5月にアメリカを訪問した時のダライ・ラマ。静かに法話を説いている姿が似合う彼ですが、もみくちゃにされて大変そうです。 Ove Overmyer さんが CC-by-nc-sa で公開しています。

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2010年 9月 5日 午前 12:00 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2010.09.04

対抗文化の拠点が取り壊しの危機に

"Counterculture Vs. Capitalism: Iconic Berlin Squat Fights Its Last Battle" page 1, page 2 - ベルリンの Mitte 地区にあるタヘレス(Tacheles)という建物が取り壊されようとしています。この建物には芸術家たちが住んでいて、建物の壁には所狭しとグラフィティっぽい絵が描かれており、ベルリンの対抗文化の拠点として親しまれてきたそうです。現在、この建物の所有権を持っている HSH Nordbank という銀行が、この一帯の再開発を行なうため、住んでいる人たちの立退きを求めていて、今にも排除と封鎖が強行されそうな状況のようです。

Tacheles staircase by The man with the golden camタヘレスは100年余り前に百貨店として作られた大きな建物で、第2次世界大戦で空爆を受け破壊されました。東ドイツ政府は建物の修復をしなかったため、東西ドイツ統合の時にも、壊れたままの姿でした。その廃墟となっていた建物に芸術家たちが住み着き、文化の中心として育ててきて、今、資本主義とそれに歯向かう文化との間の戦場になったわけです。

市長は芸術家たちに同情的であると言われており、他にも政治家などの間でも、ストリート・アートの美術館であるような建物を破壊してしまうのは問題だとの声が上がっているようです。ベルリンの自由な気風の象徴でもあり、年間40万人もの観光客が訪れる(予約が必要みたいですが)価値も多くの人が認めています。

タヘレスを支持します。 I support Tacheles. ここにあるポスターを印刷して、手に持ち、写真を撮って送ると喜ばれるようです。私は容姿に自信がないので尻込みしてしまいますが… どなたか、いかがですか?

公式サイト(kunsthaus tacheles)にリンクを張ります。地図はこちらです。

写真はタヘレス内部の階段です。 The man with the golden cam さんが CC-by-nc-sa で公開しています。ほかにも、 Creative Commons ライセンスのものだけでも、たくさん写真があります

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2010年 9月 4日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.03

孤児院の少女

Jewish filmmaker Schnabel tells Palestinian story - ベネチア映画祭が始まりました。今年の注目作は、 Julian Schnabel 監督の Miral です。フランス、イスラエル、イタリア、インド合作の映画です。

「ミラル」は、ナクバ(イスラエル建国)直後、狂信的なユダヤ人たちによってアルクッズ(エルサレム)近郊の Deir Yassin 村で起こされた虐殺を生き延びた少女ミラルと、彼女が引き取られていった孤児院を経営するパレスチナ人女性の物語だそうです。予告編を見ると、時代設定を第1次インティファーダのころに移した物語のようです。

Lou Reed's Berlin After Party by tmc - design haus原作は Rula Jebreal さんというパレスチナ人ジャーナリストの自叙伝的小説です(アマゾンでは近日発売になっています)。監督のシュナベルさんはユダヤ系アメリカ人。イスラエルを神聖視する母親に育てられた彼にとって、パレスチナの人々の苦しみは馴染みの薄いものでしたが、自分と切っても切り離せないイスラエルの歴史を考える上で、無視できない部分であるのだと語っています。そして彼は、この映画を「どちらの側にもいる、平和が可能だと今でも信じている人々に捧げる」と述べています。

合作とはいえ、イスラエルの映画なので、自ずと限界はあるのだろうと思いますが、自分自身で観て考えられるように、日本でも公開されるといいなと思います。

写真は監督のジュリアン・シュナベルさんです。彼は画家でもあるらしく、さまざまな抽象画も Flickr で見ることができました。 上の写真は tmc - design haus さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 9月 3日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.02

もう煙は目に染みない

Greeks Stub out their Cigarettes - ギリシャでは、9月1日から喫煙に関する新たな法律が施行され、公共の場所での喫煙が全面的に禁止されました。罰金は50ユーロ(約5,400円)から500ユーロ(約54,000円)。記事には「抜け穴も全くありません」と書かれています。職場における喫煙室も廃止されたそうです。

Me and my cigarette II- IMG_8635 ed by greekadmanBBC の記事によると、ギリシャの喫煙率は約40%で、EU全体の29%をはるかに上回っています。その地で、かなりきつい規則ですが、大丈夫なのでしょうか。ギリシャって、けっこう暴動とか起こりやすそうな印象がありますが。

私自身はたばこを吸わない(吸ったこともありません)し、たばこの煙が嫌いなので、うらやましいですが、ニコチン中毒の人には可哀想だなあと思います。私たちの国でも、最近では「喫煙コーナー」みたいなところでしか吸えないところが増えて、その場所が施設の大きさに比べて理不尽に小さかったりしますから、窮屈な思いをしている人も多いと思います。病気なのだから、禁煙治療を無料にするとかしなかったら、苦痛を強いるだけみたいに思います。

写真はギリシャの写真家 greekadman さんの自画像。 CC-by-nc-sa です。渋くてかっこいいですが、この写真を取って6日後に禁煙したそうです。

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2010年 9月 2日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.01

演劇家は占領に反対する

Israeli Actors Boycott Theater in Settlement - ヨルダン川西岸の占領地内にあるアリエル入植地で建設が進んでいる劇場が完成間近となり、公演の予定が発表されました。先週の水曜日、 Yousef Sweid さんというアラブ系イスラエル人の俳優が、自分が所属する 劇団(Habima)もそこで公演を行なうことになっていることに驚き、出演を拒否すると発表しました。

The Caucasian Chalk Circle by Bertolt Brecht - Aug 2006 by Dragon Productions Theatre CompanyIsraeli actors refuse to take the stage in settlement theatre - 金曜日には、36人の俳優や劇作家が入植地での公演ボイコットを宣言し、日曜日には署名者は60人を越しました。これに対し、ネタニヤフ首相が「ボイコットはイスラエルを貶めようとする国外の勢力に与するものだ」と語り、閣僚からも劇団への助成を即刻中止すべきだなどとする意見が相次ぎました。街頭では、「裏切り者ども」と書かれたプラカードが見られたそうです。

150 academics, artists back actors' boycott of settlement arts center - 火曜日に、イスラエルの大学教員150人余りが、俳優らのボイコットに賛同を表明し、自らも、第3次中東戦争によってイスラエルが占領した地域での学術的、文化的活動への参加を拒否することを宣言しました。署名者の中には、今春、来日したシュロモ・サンドさんの名前も見えます。作家などの文化人も声明を発表する準備を進めていて、日本でも有名なアモス・オズも呼びかけ人として加わっています。

侵略的な政府の方針に逆らう人たちを非国民呼ばわりする体制側の圧力は、私たちの想像以上に強いのかもしれません。これらの勇気ある人たちを支える力になりたいです。無印良品のイスラエル出店計画に対するボイコットは、その力になるでしょうか。

この件の新聞報道を見ていると、いろいろと啓発されるような意見を読むことができたのですが、その中で特に印象に残ったのが、劇作家の Joshua Sobol さんが述べている「人々は近年、イスラエルの実存的な問題に無関心になってしまった」という言葉です。「実存的」という語自体が最近は使われなくなったようにも思いますが、私たちの社会も、かつては過去の侵略、植民地支配、戦争、戦後処理などについて「実存的」な戸惑いを持ちつつ暮らしていましたよね。

写真は Ariel 入植地で上演が予定されている演目の一つ、ブレヒトの『コーカサスの白墨の輪』(Der Kaukasische Kreidekreis)の一場面です。 Dragon Productions Theatre Company というアメリカの劇団が CC-by-nc で公開しています。

追記:私がこの記事を書いた後、2010年12月1日に良品計画はイスラエルへの出店計画中止を発表しました。ボイコットを呼びかけた私たちの声を聞いてくれたのだと思います。イスラエルに行かないでくれてありがとう、無印良品。

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2010年 9月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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