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2010.07.31

西部のならず者

ビリー・ザ・キッド。19世紀後半の西部開拓時代の無法者。脱獄を繰り返し、ギャンブルに明け暮れ、得意のピストルで何人もの人を殺し、最後は執念深く彼を追う保安官に倒される伝説の人物です。というぐらいしか私は知らないのですが、これだけでは似たような人が何人もいそうですね。その中で、 Billy the Kid はひときわ人気が高いようです。

billy_the_kid by michael salamon"NM governor considers pardon for Billy the Kid" という記事によると、ニューメキシコ州のリチャードソン知事が彼に恩赦を与えようとしているそうです。それに対し、彼を殺した Pat Garrett 保安官の子孫たちが、「ならず者の人殺しに恩赦を与えるのか」「ビリー・ザ・キッドに恩赦を与えるのは、我々の先祖の名を汚す行為である」として、反対運動を繰り広げています。恩赦は、ビリー・ザ・キッドが当時の知事に嘆願し、与えられることが約束されていたが、実現されなかったものだそうです。

西部劇のヒーローに注目することは、先住民(いわゆるインディアン)からの略奪や搾取であるとか、アメリカによるメキシコの主権侵害であるとか、その時代の大きな問題から眼を逸らすことだと思うので、あまりよくないと思います。でも、自分の先祖の敵だったからって、むきになって反対するというのもちょっと…

写真は michael salamon さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。たぶん、こういう看板の一部でしょう。

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2010年 7月 31日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.30

また新たな戦犯裁判

Suspected Nazi guard charged over 430,000 killings - ドイツ西部ノルトライン・ヴェストファーレン州の検察当局は29日、88歳の元ドイツ兵を43万人のユダヤ人の虐殺に関与した疑いで起訴しました。

Belzec Memorial by elliotfreemanSamuel Kunz 被告は、1942年1月から1943年7月にかけて、ポーランド南東部ルブリン(Lublin)近郊にあったベウジェツ(Bełżec)強制収容所に勤務し、日常的に殺戮に加担したほか、自らの手で10人を処刑した罪に問われています。クンツ被告は将校ではなかったため、最近まで追求の手が緩かったようですが、Simon Wiesenthal Center からも戦犯として指名されていたそうです。クンツ被告は犯行当時、未成年であったため、裁判は青少年部の法廷で行なわれると見られています。Belzec 収容所は生き延びた人がほとんどおらず、今回の裁判で、その実像が明らかになることも期待されているそうです。

昨年ドイツで始まった別の戦犯裁判について書いた時にも触れたのですが、どうして日本では戦犯裁判が開かれないのでしょう。

ベウジェツ収容所跡地に立つ記念碑の写真は elliotfreeman さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 7月 30日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.07.29

薬害で画期的な和解

Stunning $50m legal coup for ageing thalidomide victims - オーストラリアとニュージーランドのサリドマイド被害者が製薬会社から 5千万豪ドル(約39億円)の賠償金を勝ち取りました。薬害をめぐる法手続きの点では画期的な出来事だと言えるようです。

On port tack by lassirena和解は、27日、45人のサリドマイド被害者とイギリスに本拠を置く多国籍製薬会社 Diageo の間で交わされました。オーストラリアでは、1974年にイギリスの製薬会社 Distillers があまり高額とは言えない賠償金を支払って、法的には決着がついていましたが、60年代に生まれた被害者たちが年老いていくにつれて、当時の賠償金では生活の補償が十分ではないことが明らかになったため、被害者団体が Distillers 社を買収した Diageo 社に対し、善意の証として支払いを行なうよう促してきたということです。

企業や国に過去の責任を問う時、「法的には解決済みだ」として、被害者の訴えが退けられることもしばしばです。今回の和解は、そういった態度がいかに善意に欠け、冷酷で利己的なものであるかを思い出させてくれます。

パラリンピックにボート競技で参加したフィリピンのサリドマイド被害者の写真は lassirena さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 7月 29日 午前 12:10 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.28

保守と極右の境界線

Controversial Meeting on Islam: Berlin Politician in Trouble for Inviting Dutch Populist Wilders - ベルリンで10月に開かれる予定のイスラムや移民に関する国際会議にオランダの極右政党自由党の党首 Geert Wilders が招待されたことから、会議を主催するキリスト教民主同盟(CDU)所属の地方議員が除名処分を受けることになりそうです。

Arabic gravestone in Berlin by cosmonautirussi招待状を出した Rene Stadtkewitz ベルリン市議は、CDU がイスラムに対してもっと強い態度をとるべきだと主張し、招待を撤回することを拒否しました。除名されれば、ヘルト・ウィルダースの党のドイツ支部を作るつもりのようです。CDU 幹部は、シュタットケヴィッツ市議の行動が「保守主義者の目指すものと相容れない」とコメントしています。

日本では安倍晋三元首相や河村たかし名古屋市長のような歴史修正主義者が保守の大政党(自民党や民主党)の中にいるのに対し、ドイツでは極右と保守政党の間に一線が引かれている、と思っていたのですが、やっぱりドイツでも保守にはそういう塵芥のような要素が入り込んでいるのですね。今度の除名処分が、まだ健全さの証だと考えることができればいいのですが。

写真は cosmonautirussi さんが CC-by-sa で公開しているものです。ドイツで一番古い、ベルリンのトルコ人墓地にある墓石だそうです。

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2010年 7月 28日 午前 01:03 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2010.07.27

めぼうきの病気

Fungus Wilts Spirits Of Basil Lovers, Farmers - バジル(バジリコ、めぼうき)は、イタリア料理に欠かせない材料ですが、ここ数年、アメリカでは、バジルを枯らす病気が流行してきているようです。

Basil by Amy Widdowsonバジルの病気は、べと菌(Downy mildew)というカビによって引き起こされるもので、胞子が葉に付くと、2週間ほどの潜伏期間を経て、葉を黄色に、そして茶色に変色させて枯らしてしまいます。べと菌は人間への毒性はないため、カビの付着したバジルを食べても、問題はないそうです。実際、カビが付着しているが、まだ発症していないバジルが市場に出回っていることも十分考えられるようです。

アメリカでは、バジルべと菌は2007年に初めて確認され、東海岸から西、北へ勢力を広げてきました。新種の問題であるため、農家や園芸家の間でこのカビはまだあまり知られておらず、記事には、2年続けてバジルが枯れてしまった農家の人などが、冷夏や肥料の量などのせいだと思い込んでいたといった話が紹介されています。認知度の低さと潜伏期間の長さが感染の拡大を助けているようです。また、防カビ剤によって病気を防ぐことはできますが、バジルを庭で育てている一般の人には手に入りにくいようです。あと、色の濃い品種のほうがカビに強いと書いてありました。

私はバジルが大好きなのですが、このままでは手に入りにくい高い食材になってしまいそうで、心配です。

写真は Amy Widdowson さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 7月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.26

三色のお尻拭き

Outrage au drapeau : notre liberté a expiré vendredi à minuit - 「政府は全くほかに何かやることがないのでしょうか?」という嘆きで始まる Rue 89 の記事。フランスで国旗への侮辱が罪になったことを伝えています。

Flag Retirement Ceremony - Boy Scouts - Yongsan Garrison, Seoul Korea by anja_johnson先週の金曜日に公布され、月曜の午前0時に発効する大統領令 décret n°2010-835 du 21 juillet 2010 は、公共の場で三色旗を壊したり汚したりすること、さらにはそのような行為の写真を流布させたりすることに対し、初犯が1,500ユーロ(約16万4千円)、再犯が3,000ユーロ(約33万9千円)までの罰金を課することを定めています。他にも、2003年の刑法改定によっても集会での(つまり複数の人物による)国旗や国歌の侮辱行為が違法とされているようです。

今回の大統領令は、一人の人が単独行動で旗を侮辱した場合の罪を定めるもので、この4月に芸術作品として展示された、男の人が街頭で用を足した後、フランスの旗を使ってお尻を拭いている写真が問題となって、定められました。問題の写真は冒頭にあげたリンク先にあります。写真を見て、サルコジ大統領が "m*rde!" と言ったかどうかは定かではありません。

記事は、国旗への侮辱が刑法犯罪として扱われることを表現の自由の侵害だとして批判しています。かなり表現の自由を重視する立場から書かれているようです。

私は、このブログを書き始めた初期から、旗を焼いたり汚くしたりするのは、人を大きく傷つけるかもしれないので、政府への抗議行動の様式としては、かわりに「旗を洗う」というのを提唱しています

燃やされるアメリカ国旗の写真は anja_johnson さんが CC-by-nc で公開しているもの。侵略を繰り返すアメリカの政策に抗議して燃やしているのではなく、ボーイスカウトが古くなった旗を供養しているところです。

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2010年 7月 26日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.25

聖母たちの航海

Women Prepare to Set Sail Past Israel - トルコからガザに救援物資を運ぼうとしたマビ・マルマラ号が地中海の公海上でイスラエル軍によって攻撃され、ボランティアの市民たちが殺された惨事はまだ記憶に新しいですが、レバノンで新たな救援船の出航が近づいています。マリアム(Maryam)号という船です。

Free Gaza by John Steven Fernandezマリアムとはイエスの母マリアのアラビア語での呼び方だそうで、聖母の名を付けられた船にふさわしく、マリアム号は女性のみを乗せて旅立つそうです。約50人の女性たちの約半数はレバノン人。残りはアラブ諸国、ヨーロッパ、アメリカなどからの参加者です。カトリック修道女や、インド人の弁護士(配偶者はインド海軍の上級将校だそうです)なども含まれているとのこと。500人ほどの応募者から選ばれたようです。

女性たちは、イスラエルに拘束された場合に備えて、お互いの本名ではなく、マリアム1号、マリアム2号のような番号で呼び合っているそうです。また、逮捕されるおそれがあるのでパレスチナ籍の人は乗船しません。レバノンとイスラエルは緊張関係にあるので、トリポリからすぐガザに向かうと戦争行為だと言いがかりを付けられる可能性があるため、どこか第三国の港を経由してからガザを目指すという用心もします。もちろん運んでいるのは医薬品や女性、子どものための物資のみで、兵器の類は全くありません。

こころよく思わない人たちからは「女性だからといって、手荒な扱いを受けないとでも思っているんだろう」などと、いやみを言われるかもしれませんし、反対側からはもしかするとホモソーシャルな企画の意義を疑問視されたりもするのかなと思いますが、とにかく今は、彼女らの勇気をたたえ、安全な旅路を祈りたいと思います。そういえば、もうすぐ来る8月15日はマリア様が天に召された日。マリアム号の女性たちに聖母の祝福がありますように。

ガザ解放を求めるデモで歩く女性の写真は John Steven Fernandez さんが CC-by で公開しているもの。先月、カナダのトロントで撮影された写真です。

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2010年 7月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.24

新しい文字

Language gets a new face - インド南東部のアンドラ・プラデシュ州 Visakhapatnam 郡にある Araku 渓谷に住む Bagatha という民族の言語を記述する新たな文字体系ができたという、ザ・ヒンドゥー紙の記事です。文字はアンドラ大学の Prasanna Sree 教授が19年がかりで考案したものだそうです。上記記事の中に Sree さんとその文字表の写真があります。Omniglot のページにも情報があります。

kumari కుమారి by SriHarsha PVSSアンドラ州には35前後の別表掲載民族(ST)が存在し、Sree さんはそのうちの10民族の言語の正書法を考案したとのこと。未開民族集団(PTG = Primitive Tribal Group)の中には、テープレコーダーに録音された自分の声に驚いたり、カメラのフラッシュに動揺したりして、なかなか打ち解けてくれない人も多く、また、この地方に影響力を持つナクサル(Naxilte、毛沢東主義ゲリラ)からも妨害を受けたそうです。

文字ができたということと、その文字が普及するかどうかということは全く別問題で、これから、小学校、識字学校などでの教育が始まります。

自分の身と重ね合わせて考えると、日本語の文字体系は、いろいろと不備な点が多いとはいうものの、しっかりと確立されていて、私も小学校に上がるとともに学び始めることができました。それはとても幸せなことだったのだと、今また、その喜びを噛みしめます。

アラク渓谷の女性、クマリさんの写真は SriHarsha PVSS さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。バガタ人であるかどうかは分かりません。

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2010年 7月 24日 午前 09:45 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.23

左翼は公安の監視対象

Is Germany's Left Party a Threat to Democracy? - シュピーゲル誌の記事。22日、ドイツの連邦行政裁判所(Bundesverwaltungsgericht)は、左翼党(Die Linke)が連邦憲法保護局(BfV = Bundesamt für Verfassungsschutz)の監視対象となりうるという判決を出しました。監視すると言っても、スパイ活動などは許されず、公開の場で行なわれた発言などを分析することができる、という意味です。

Linke-4094 by Milch&Honig裁判は、BfV がテューリンゲン州の左翼党代表である Bodo Ramelow さんの言動を監視することの是非をめぐって争われました。BfV は主に、極右のネオナチやイスラム原理主義集団などを監視対象としている機関で、それらといっしょにされるのは侮辱的だとの思いがあるようです。判決は、ラメロウさん自身が民主主義にとって危険人物であるとは認められないとしたものの、左翼党の中の共産主義者プラットフォーム(Kommunistische Plattform)やマルクス主義フォーラム(Marxistische Forum)などのグループが憲法に反する傾向があるとして、監視は妥当と判断しました。

記事によれば、この判決に対し、ドイツの左派から中道右派までの新聞が批判的な論評をしています。曰く、国粋主義のドイツ国家民主党(NPD = Nationaldemokratische Partei Deutschlands)などのほうがはるかに危険である、左翼党は反資本主義であるかもしれないが、憲法は資本主義を守るためのものではない、等々。左翼党以外の政党の有力者からも「ふざけた判決だ」などの声があがっています。

日本でも公安調査庁が毎年、「内外情勢の回顧と展望」を公表しており、日本共産党や新左翼も観察対象となっています。ドイツのも似たようなものでしょうか。戦後すぐならまだしも、今どき共産党を監視しても何も出てこないと思いますが… やめるタイミングが難しいんでしょうかね。憲法を変えることを党是としている政党とか、友だちの友だちがアルカイダな政治家とか、もっと要注意のはずなのですが。それにしても、この報告書、例えばパレスチナ情勢のところとかを読むと、「こんな表面的な分析じゃまずいでしょう」と思ってしまいます。大学生のレポートのレベル以下ですよ。税金の無駄遣いみたいな気がするなあ。

左翼党の集会の写真は Milch&Honig さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。向かって一番左が今回の裁判の主役のボド・ラメロウさんです。

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2010年 7月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.22

ノーベル賞作家が政界へ

Nobel laureate Wole Soyinka launches political party - 1986年にアフリカ人として初めてノーベル文学賞を受賞したナイジェリアのウォーレ・ショインカさんが、来年の選挙に向けて、腐敗した政権を倒すべく新たな政党を立ち上げることを明らかにしました。革新勢力(進歩派、progressives)を結集させるような党にしたいとの意気込みを語っています。

Presidential Inaguration by chris.peplinナイジェリアの新聞を見ていると、ショインカさんは頻繁に、歯に衣を着せぬ政府批判などの発言で紙面に登場します。良心的な知識人としての活躍と政党活動とは全く別のものだと思いますので、はらはらしながら見守ることになりそうです。

日本で政界にいる作家と言えば、『なんとなく、クリスタル』の人と… うーん、もう一人はどういう枕詞で紹介するのがいいのでしょう。あまりにもエピソードがあり過ぎて… 「芥川賞? いいじゃないか。でも、ノーベル賞じゃないんだろ。別に否定しませんよ。しかしそれはそんなに快挙かね。 まあ結構でしょう」とか書いておきましょうか。ショインカさんの場合は、まさにノーベル賞をとった文学者なので、格が違いますから、もっとずっと期待できるように思います。

Wole Soyinka さんの写真は chris.peplin さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。

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2010年 7月 22日 午前 12:55 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.21

どや顔で勝利宣言

Pro-union law struck down by appeals court - 労働運動という観点からは一歩後退だと言えますし、アメリカの話なので私には直接関係ないことなのですが、時々、悪意のコメントを寄せられるブログの書き手としてはとても興味深く読みました。カリフォルニアの裁判で、ストライキをしている労働者たちが会社の敷地の中でピケを張ったりするのは違憲だという判決が出たという記事です。

Westboro Baptist Church Protest 1 by JSmith Photoカリフォルニア州では、1975年以降、会社や店舗の建物の外などで労働者がピケを張ったりビラを撒いたりするのを禁止することができるのは、器物損壊などのおそれがある場合に限られるという法律が施行されてきました。これにより、労働者は、私有地内であっても、平和的な抗議活動を行なうことができました。

2007年7月にサクラメントにある Foods Co という商店の職員を United Food and Commercial Workers Union が組織化しようとした際、店のすぐ前で行なわれたビラ撒きの根拠となったこの州法が合衆国憲法に違反するという訴えを会社側が起こしていて、その主張が一昨日、控訴審で認められました。曰く、この州法は労働争議に関する言論の自由のみを尊重するあまり、私有財産権を侵害していると。私有地の所有者は、望まない人物の立ち退きを命ずることができる、ということです。

労働者の権利拡充を願う者としては残念な判決なのですが、平和や多様性の尊重、平等などをテーマとするブログを書く者としてはとても納得のいく話だと思いました。というのも、このてのブログには必ずと言っていいほど、軍隊が好き、○○は無かった、隣国の人たちが嫌い、恵まれない人たちに手を差し伸べるのは自由な社会がすべきことではない、といった主張を持つ人たち、いわゆるネット右翼が因縁を付けて来るからです。で、「消したら、あなたは表現の自由を否定していることになりますよ」みたいなことを、どや顔(私も最近知った言葉です。「どんなもんだい?」と言いたげな顔、みたいな意味だと思います)で言ってきたりします。私はこれまで、あまりに汚い罵り言葉だけの書き込みはもちろん即刻削除してきましたが、たいがいの場合は「あなたのような意見を世に広めるために、私はこのブログを書いているわけではありません」と言って、お引き取りを願ってきました。今回のカリフォルニア州高裁の判決は、まさに私が取ってきた対応を全面的に支持するものです。どや?

要約すると、「私有地」に無遠慮に入ってきて嫌がらせの書き込みをするネトウヨは私有財産を否定するスターリンやポル・ポトと同じ、ということでしょうか。もし、そういう人がこれを読んでいたら、どうぞ心を入れ替えてください。決して遅すぎることはありません。

「神は愛。憎しみは愚か」と書かれたプラカードの写真は JSmith Photo さんが CC-by-nd で公開しているもの。カンザス州で開かれたプライド・イベントで撮影されたものです。

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2010年 7月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.20

右翼は戦争を利用するな

Fury as far right group plan march to city Cenotaph - 18日づけの英国スコットランド地方の新聞が、その日の昼に極右団体がデモを計画していて、混乱が予想されると報じています。19日づけの記事にはこのデモのことを取り上げたものはないみたいなので、おそらく、デモは取りやめられたか、極めて小規模だったために大きな騒ぎにはならなかったのだと思います。

NO TO SDL by jkdjulia記事によれば、 Scottish Defence League という反イスラム、反移民の国粋主義団体が、イラクやアフガニスタンに派兵されているイギリス兵たちを讃えるためにグラスゴー市の戦没者記念碑(Cenotaph)に向けて、デモを行なう申請を市当局に出しました。これに対し、退役軍人団体 British Legion は、忠魂碑でのデモは戦死した兵士たちを政治的に利用することになり許されないとして、デモに反対しているそうです。

イギリスでは、最近、Scottish Defence League や English Defence League などのデモが反戦団体や人権団体などによる対抗デモに圧倒される事態が続いているそうで、今回のデモは態勢巻き返しを図ってのものでしたが、どうやら今回も右翼の目論見は頓挫したようです。遠くからですが、拍手を送りたいと思います。

私たちの国はどうでしょうかねえ。遺族会とか軍国主義者(または軍オタ)とか国粋主義者(あるいは、単に排他的な人)とか天皇制支持者が渾然一体となってるからなあ。これらの集団の間で互いに親和性が高いのは分かるけど、今回の英国在郷軍人会のように毅然とした態度をとる人がいないのは、残念なことだと思います。

Scottish Defence League への左翼団体や平和団体による対抗デモの写真は jkdjulia さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 20日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.19

水牛の肉だった

Govt has never concealed from public that imported Indian beef is buffalo meat - マレーシアで、インドからの輸入牛肉として売られていた肉の80%が実は水牛の肉だったらしいです。

Buffalo Race by bottled-bohemia地元の新聞が「市民はこの事実を知らされずに、劣悪な肉を買わされている」として報道したのに対し、農業相は、「安いのは、水牛だからに決まっているじゃないか」「消費者には、物を買う時は常に、だまされずに、賢明な選択をするように訴えてきたはずだ」「そもそもインドでは牛を殺してはいけない法律があるのだから、牛肉を輸出するはずがない」といった感じに開き直っているようです。インドからマレーシアに輸出された水牛の肉は年間80,000トンほど。小売価格は、キロあたり10から12リンギット(約270円から324円)だったそうです。

日本で売られている肉はもっと高いから、大丈夫ですよねえ。私たちの国では、ここ数か月、「食の安全」に関するニュースをあまり見ていない気がしますが、何を食べているか分からない状況というのは、どこの国も同じなのでしょうかね。

写真は、南インドの伝統的な水牛レース、 kambala のようすです。 Bottled-bohemia さんが CC-by-nc-sa で公開しています。

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2010年 7月 19日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.18

英雄の帰還

Venezuela opens Bolivar's tomb to examine remains - ベネズエラのチャベス大統領の命令により、ラテンアメリカ解放闘争の英雄シモン・ボリバルの墓が開けられ、死因をめぐる遺体の検証が始められました。遺体の保存状態はとてもよかったそうです。チャベス大統領は、「これは骸骨ではない。偉大なボリバルが帰ってきたのだ」と語ったそうです。

driving the revolution by globevisions ボリバルは1830年に結核で亡くなったとされていますが、一部の歴史家は、結核の治療に使われたヒ素が直接の死因だと考えているそうです。チャベス大統領は、それを一歩進めて、ボリバルは暗殺されたのではないかと疑っているとのこと。それが証明することが可能かどうかは大統領自身、分からないと言っているそうですが、調査が終わった後は、ボリバルの栄光により相応しい石棺に納め直される予定だそうです。

露骨に死者を自分の政治的な権力のために利用しているだけのような気がします。でも、ベネズエラの人たちは、そんなことで大統領を尊敬したり支持したりするようになるのでしょうか。まあ、私たちの国でも、侵略戦争を推し進めた人たちのことを英霊とか呼んで祀り上げて利用する人たちがいて、それがそれなりに選挙の票になっているわけですから、そんなものなのかもしれません。

ベネズエラの街で見かけたボリバルの肖像画の写真は globevisions さんが CC-by-nc で公開しているものです。

最後に一言。今日は現代の英雄、ネルソン・マンデラ元南ア大統領の誕生日です。彼が私たちに与えてくれた勇気と希望、思いやりに感謝し、長寿と繁栄を祈ります。 Nelson Mandela International Day のサイトにリンク

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2010年 7月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.17

露西亜の猛暑

Hundreds drown in Russia heatwave - モスクワをはじめとして、ロシア各地に熱波が襲来しているそうです。平年より6度ほど高い気温だそうで、スターリン時代の1938年の記録を塗り替える最高気温になっているとのこと。干ばつも続いていて、農業は大きな打撃を受けそうです。

by zrm35今日はモスクワで36度まで上がると予想されています。暑さのせいで、水の事故もものすごく多いようで、今月に入って400人余りが溺れて死にました。先月も1,244人が犠牲になったそうです。ちょっと多すぎませんか? ロシア人って、池の氷に穴を開けて泳ぐほど、泳ぎに長けた民族だと私は思っていたのですが、誤解だったようです。

暑い暑いと言ってもだいたい32度か33度ぐらいみたいで、京都に住んでいる私に言わせれば、その程度で音をあげるなんて、かなり柔だなとか思ったり。だからこれまでの戦争も一勝一敗なのかとか、変なところで納得してしまいます。

ロシア人は、地球が温暖化すると自分たちのところが暖かくなっていいと思っている、という冗談がありましたが、暖かいでは済まないみたいですね。

モスクワで水浴びする人たちの写真は zrm35 さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 17日 午前 01:01 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2010.07.16

ブラジルが体罰禁止へ

Brazil president seeks legal ban on spanking - ブラジルのルラ大統領が、子どもへの体罰を全面的に禁止する法案を議会に提出しました。子どもをおとしめたり脅威を与えたりする残虐、あるいは心を傷つけるような行為がすべて違法行為となります。お尻を叩いたりすることも含まれていると記事は書いています。

A Kid and His Car by olivcris体罰を加えなくても子どもを育てることはできる。ほかのやりかたがあるのだとルラ大統領は述べています。世界では20以上の国で体罰が禁止されており、それらの国々から学ぶべきだとも。 Global Initiative to End All Corporal Punishment of Children のサイトに体罰が禁止された国々のリストがあります

私たちの国では、学校での体罰は禁止されているようですが、親が自分の子どもを殴ったり叩いたりすることは禁じられていません。体罰を全面的に禁止しなくても、子どもの虐待は取り締まることができるという考えに基づいているのだと思いますが、最近とみに耳にすることの増えた痛ましい事件の数々は、この考え方が間違っていることを示していると思います。

ブラジルの子どもの写真は olivcris さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2010年 7月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.15

翻訳されない絵本

Jordan's Queen Rania rejects offer to publish Hebrew edition of her children's book - ヨルダンのラニア女王(公式サイト)は、教育の振興や貧困撲滅などの分野で活発に発言している人ですが、彼女が書いた絵本をめぐるイスラエルのハアレツ紙の記事です。イスラエルの出版社数社からヘブライ語での翻訳出版の申し出を受けているが、すべて断っているとのこと。

Queen Rania, "The Sandwich Swap" (サンドイッチ交換)と題された絵本は、同じ学校に通う Lily と Salma という文化的背景の異なる二人の女の子たちが仲良くなっていくさま、仲良くなったけれど、お互いが持ってくるお弁当(リリーはアメリカ的なピーナッツ・バターとゼリーのサンドイッチ、サルマは中東風のピタとフムス)だけは受容できず、諍いを起こしてしまうさま、お弁当を交換するパーティーをきっかけにそれを乗り越えていくさまを描いたものだそうです。

他文化への許容が問われているイスラエルでこそ読まれるべきものと言うこともできると思いますが、占領地パレスチナの人たちに対するアパルトヘイト政策をとるイスラエルとは関わりを持つことを拒否するという、強いボイコットのメッセージをラニア女王は送っているのだと思います。

ハアレツ紙の記事は、これがボイコットだとは書いていません。イスラエルの読者たちは、女王の真意に気づくでしょうか。それとも、「ああ、彼女もまた反ユダヤ主義者だったのか」と思うのでしょうか。

ニューヨークの書店で絵本の読み聞かせをしているラニア女王の写真は 3ammo さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。そうだ、久しぶりにアマゾンにリンクでも張ってみましょう(アフィリエイト付き)。

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2010年 7月 15日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.14

閉ざされた国の労働事情

BURMA: ILO Steps into Political Minefield to Help Revive Trade Unions - 国際労働機関(ILO)がビルマ(ミャンマー)の労働情勢に関して、若干の明るい展望を見出しているという記事です。

Cherot Factory by jesse55lvビルマは1955年に ILO 条約を批准していますが、1960年代以降、代々の軍事政権によって、労働運動は封じ込められてきました。しかし、2008年にモンスーン後の混乱の中で実施された国民投票で採択された現行憲法では一応、労働者は組合を組織することができると書かれているほか、昨年11月から今年3月までの間、ラングーン市内で違法ストが頻発したけれど、だれも弾圧を受けなかったことなどを ILO は明るい要素と見ているようです。記事は、ストライキが強く取り締まられなかったのは、ストが主に女性労働者によって組織され、その女性労働者の多くが兵士の妻や姉妹、娘であったからではないかと指摘しています。

ILO はこれまでビルマ国内では、強制労働の問題や子ども兵士の問題を主に取り扱ってきましたが、今後、労働者の組合結社の自由の問題に取り組んでいく方針だと言います。

私たち一人ひとりも、労働者の権利が比較的によく保証されている社会で働く者として、ビルマなど労働者が抑圧されている社会をよくしていくために、力を出し合っていかなくてはならないと思います。

ビルマのことに関しては、フォトジャーナリストの宇田有三さんのブログがとても参考になります。ふだん、宇田さんのサイトで興味深いビルマの写真を数多く見せていただいているので、目が肥えてしまったのか、今日は写真選びが大変でした。葉巻工場の写真は jesse55lv さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 14日 午前 12:38 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.07.13

今年は最悪の年

Report: 2010 worst for Afghanistan - アルジャジーラの記事。 Afghanistan Rights Monitor という人権団体が発表した今年上半期のアフガニスタンの状況に関する報告書を紹介しています。

Kabul - Afghan Workers-26482 by RyuugakuseiARM Mid-Year Report: Civilian Casualties of Conflict January-June 2010 (PDF) によれば、2010年はアメリカが2001年に侵略を開始して以来で最悪の年になりつつあるようです。1月から6月までの間に、1,074 前後の民間人が戦争によって命を落としたと考えられています。世界の世論の圧力によってアメリカや NATO が無人機による攻撃を控えるようになったこともあり、外国軍による殺害は減っていますが、抵抗勢力の路肩爆弾(IED)などを用いた攻撃の巻き添えになる市民が跡を立たないようです。また、タリバンは掃討されるというのからは程遠く、むしろより強力になり、殺傷力を強めていると指摘されています。

先日は、米共和党の有力者が「アフガニスタンで戦争をして勝てないということは、歴史を見れば明らかだ。それを学ばなかったアメリカは愚かだ」といった発言をして議論の的となりましたが、私は。より広く、「武力で平和は作れない」ということをまだ学んでいない人は愚かなのだと思います。

写真は Ryuugakusei さんが CC-by-nc で公開しているもの。少年の拳が撃とうとしているのはだれなのでしょうか。

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2010年 7月 13日 午前 01:45 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.12

新疆の貧民街

新華社通信の英文記事 "Slum, shanty towns to be removed from Urumqi" (1, 2, 3) - ウイグル人住民と中国政府の間の大きな衝突から一年が経った新疆ウイグル自治区の首都ウルムチ(乌鲁木齐)でスラム街の大規模な改良計画が進んでいることを伝えています。

Urumqi July 2009 by Remko Tanisウルムチ市の西北部にある黒家山(Heijiashan)地区は、過去には20万人もの人が住んでいたスラムで、電気、水道、ガスなどの設備のない家屋も多いようです。多くの家屋は築40年以上経過しており、耐震性に大きな問題があります。中国政府は3千億元の予算の5年計画でウルムチ市内にあるスラムの改良計画を今年から始めたそうで、順次、人々を立ち退かせて、高層住宅に建て替えるようです。建て替え後は、これまで合法的に居住してきた人には同面積が、違法に居住してきた人には70%の床面積が保証されるほか、1年半から2年半の建て替え期間中は市が用意した仮設住宅に入るか、親類などの家に住み、補助を受け取ることができるそうです。

当局側の視点から書かれている記事ですが、その中からも心配の種を読み取ることができます。まず、スラム街の改善事業推進のきっかけが、一年前の衝突の際、スラムはひっきりなしに人が出入りしていて、「治安の妨げとなった」とされている点。そして、建て替え後の住宅は、「シンガポールの教訓を生かして」多民族の混住型となるとされている点です。それぞれ、反体制派の拠点を撤去するとか、先住民族であるウイグル人のコミュニティを破壊し漢民族の移住を促進するとかいった、政治的な意図が強いことが伺えます。あまり当局側の報道のみをもとにしていろいろと考えるのはいけないかとも思いますが…

スラムの環境改善が図られることは喜ばしい反面、住民の意見を注意深く聞く努力を怠ると、人権が踏みにじられ、社会の絆が失われてしまうことは、世界中で何度も私たちが経験してきたことだと思います。これまで以上に、ウルムチの情勢に注意を払っていこうと思います。

ウルムチ市内のウイグル人居住地区(今回の話の舞台である Heijiashan ではないと思います)の写真は Remko Tanis さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.11

区長の結婚

Gays Can’t Wed in N.Y., So a Politician Won’t Either - ニューヨーク市マンハッタン区の区長がこの夏に結婚する決心をしましたが、ニューヨーク州では同性婚が認められていないため、隣のコネチカット州に行って婚姻届を出すことにしたそうです。彼は同性愛者ではありません。しかし、同性愛者が結婚する権利を認められていないのは不公正であると考え、自分にできる抗議の方法として、自分の町を離れ、同性婚を認めている州で結婚することにしたのです。

Gay Pride Parade 2010 - Dublin by infomatique 記事によれば、彼の婚約者が親しい友人である同性愛者に自分が結婚することを告げるのにとても悩み、「自分の彼に対する愛が、友人の愛より価値があるとされることがどうしても納得できない」と考え、いろいろな人に相談した結果、他州に行って結婚するのが正しいことだと、二人の心が決まったとのことです。

思いやる心、正義を貫く精神を持つ二人に祝福がありますように。そして、私たちも、二人の勇気を受け継いでいくことができますように。

「人権は私のプライドだ」と書かれたプラカードを掲げるダブリン・プライド参加者たちの写真は infomatique さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 11日 午前 01:37 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.10

原発の通信簿

島根原発は最低評価と発表 保安院、点検漏れを重大視」 - 共同通信の記事です。経済産業省の原子力安全・保安院が今年度から原子力発電所の保安活動総合評価という、いわば原発の通信簿を公表するようになったそうで、そこで松江市にある中国電力の島根原子力発電所が「許容できない課題あり」として5段階評価の最低評価である1を与えられたそうです。

Kashima Nuclear Power Plant at Sunset by nagaremono島根原発に対しては、すでに先月、経済産業大臣から厳重注意が行なわれたそうです。中電側の発表では(中国新聞の記事)、点検漏れが506、点検結果の記述が間違っていたものが1,159あったとのこと。点検表は全部で約70,000項目だそうですから、506とか1,159という数字が企業の安全管理とか危険物取り扱い業務の常識で多いのか少ないのか、気になるところです。

核の利用に不安を持つ市民としては、安全点検には間違いが一つもあってほしくありませんし、通信簿は「オール5」であってほしいのですけれど、なかなかそうはいかないのでしょう。でも、少なくとも、義務教育じゃないんだから、成績表で「1」を取ったなら、落第させさせるべきだと思います。現在停止している1号機、2号機のほかに、3号機も建設中なのですね。心配だなあ。

夕暮れ時の島根原発の写真は nagaremono さんが CC-by-nc-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 10日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.07.09

外国人に慈悲は不要

Rabbis: 'Don't rent to foreign workers' - エルサレム・ポスト紙は、イスラエルの産経新聞ようなものだとも聞きますが、外国人排斥に関する記事が載っていました。テルアビブのユダヤ教聖職者たち25名が、「外国人には慈悲をかけるな」という文書を公開したという話です。

PHR-IL's Open Clinic for Migrants, Refugees and Asylum Seekers by Physicians for Human Rights - Israel文書は、不法滞在者はもとより、外国人労働者に対してもアパートや家を貸すのをやめようと呼びかけています。そして、外国人に部屋を貸すのはユダヤ教の律法ハラーハー(Halakha)に抵触することになるとしています。インタビューに答えて、呼びかけ人の一人は、「ここらへんを歩いて、見てみれば分かるが、もう住めるような状態ではない。外国人が多すぎる」と言います。外国人は犯罪率が高いのだとも主張しています。

どんな国にも、こういった国粋主義者はいるのだと思いますが、どういう条件が揃うと、そういう人たちの主張が大きな音量で聞こえだすのだろうかと、考えてしまいます。

移民や難民のための診療所の写真Physicians for Human Rights - Israel が CC-by-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 9日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.08

煩悩と薬と病気

疲れていて、納得のいく記事が見つかるまで探し続ける気力がないので、今日はこのへんで妥協します。

Older Viagra users more likely to get STDs: study - 中高年でバイアグラを処方されている男性は、処方されていない男性に比べ、性病に罹患する率が高いことが分かったそうです。医学誌 Annals of Internal Medicine 最新号に載った研究。これですね: "Sexually Transmitted Diseases Among Users of Erectile Dysfunction Drugs: Analysis of Claims Data "。

long time lovers by GazingGirlもちろん、バイアグラなどのED(勃起不全)治療薬に性病に感染しやすくする効果があるわけではなく、使う人が危ない行動をとるからだろうということです。

新聞報道を見た時点では、薬で元気になって頑張るので問題が起こるのかと思ったのですが、論文要旨を見ると、処方後に感染率が高い(服用者は非服用者の2.65倍)だけでなく、治療を受ける前も感染率が高い(2.80倍)のですね。つまり、頑張りたい人が治療を受けるわけだ。なるほど。

は GazingGirl さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2010年 7月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.07

死んだら水に流して

人が死んだ時、日本やインドではほとんどの場合、荼毘に付す、つまり火葬しますが、そのまま墓地に埋める社会も多いと思います。死体を燃やすことを罪なことだとする考え方もあるでしょう。野ざらしにして鳥についばませる鳥葬というのもありますね。また、「スタートレック」などでは、宇宙で隊員が死んだ場合、宇宙に放って弔うようです。もちろん、あなたがエジプトの王であれば、防腐剤などを詰めてもらってミイラになることもできるでしょう。毛並みが素敵なら、剥製にするというのもあるかもしれません。

Protester by __Wichid__ Liquid Farewell: Belgian Undertakers Seeking Permission to Dissolve Corpses - ベルギーでは、新たな葬りかたが提案されています。溶かしてしまうという方法です。苛性カリ(caustic potash)という物質の溶液に死体を漬け、圧力をかけると、加水分解(hydrolysis)によって、数時間のうちに死体は液体と灰になるのだそうです。液体部分は下水に流し、灰を埋葬なり何なりするとのこと。

死体を溶かすなんて恐怖映画のようですし、反発も強いようですが、火葬に比べ使われるエネルギーも少なく、二酸化炭素も出ないため、エコだとされています。まあ、死んだらそれまでなので、どうでもいいと言ったら、どうでもいいのですが。反面、死んでいった人が望んだように弔ってあげたいとも思います。難しいですね。

写真は __Wichid__ さんが CC-by で公開しているもの。ニュージーランドのオークランドで行なわれたガザ救援船団に対するイスラエルの攻撃に抗議する集会のようす。棺は象徴的なものです。

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2010年 7月 7日 午前 01:06 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.06

長良川河口堰を見つめて

中日新聞「「長良川が死んでしまう」 訴え続け20年、調査団解散へ」。1995年に運用が開始された三重県の長良川河口堰(政府側の公式サイト)。河口を塞き止め、海水が上ってくるのを防ぐと、川はよどみ、生態系に大きな影響を与える。そう訴えて堰の建設に反対し、完成後も継続的に環境変化の調査を続けてきた長良川下流域生物相調査団が活動を終えたと報じています。

 河口堰完成(運用)の前と後の景観は、長良川の堤防道路を下流に向かって走れば一目瞭然です。国内最高レベルだった清流も、今では新幹線鉄橋あたりから下流では、どんよりと濁った広大な水たまりと化しています。
 三川公園より下流へと車を進めると、車窓の右(揖斐川)と左(長良川)とでは異質の光景を見せます。揖斐川では浅瀬に広々としたヨシ原が目に入り、オオヨシキリなど小鳥のさえずりが耳に入るのに対し、長良川ではどんよりとした水たまりのみで、ヨシはほとんど姿を消し去りました。旧建設省が、私たちの血税を投じて、ヨシ原の回復を試みた跡も見られますが、セイタカアワダチソウ、オギ、ヤナギなどが生い茂り、水質を浄化する貴重なヨシは見る影もありません。

こう記した調査団の最終報告書、「長良川下流域生物相調査報告書2010」は向井貴彦さんのサイトからダウンロードできます。

The Nagaragawa Estuary Barrage by Hyougushi自分たちの愛する自然が徐々に死んでいくのを見るのは、とてもつらいことだっただろうと察しますが、辛抱強く、信念を貫き、長期にわたって観察を続けたメンバーのかたがたに敬意を表し、感謝したいと思います。日本のいろいろなところで、そして海外でも、自然を守ろうという運動はこれからも続きます。長良川下流域生物相調査団の足跡は、場所や時代を越えて、人々を勇気づけるものとなるでしょう。

近代に生きる私たちは、とかく、便利さとか生産性を尺度として自分たちの暮らしの幸福度を測りがちです。そういう開発優先の思考は、例えば戦後の高度経済成長期に比べたら、正されてきたのかもしれませんが、まだ、原発を作ろうとかダムを作ろうとかいう主張の中に根強く生きていると思います。今度の選挙では、私は、自分の生活で少しは犠牲を強いられても、環境をできる限り守ることを約束してくれる人たちに投票したいと思います。

河口堰付近の航空写真は Hyougushi さんが CC-by-sa で公開しているものです。

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2010年 7月 6日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.05

アメリカ大陸の新たな地域共同体

Venezuela, Chile to head new Latin American bloc - 来年7月に、アメリカ合衆国とカナダを除くすべてのアメリカ大陸諸国32か国が参加する新たな地域ブロックが誕生することになりました。ラテンアメリカ及びカリブ海諸国共同体(CELAC = Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños)です。

Somos Latinos by gui.tavaresCELAC の設立は2月に提案され、一昨日ベネズエラのカラカスで開かれたラテンアメリカ、カリブ海サミット(CALC = Cumbre de América Latina y el Caribe)で具体的に決まったものです。ベネズエラ外務省の発表はこちら: "Venezuela y Chile liderarán creación de la Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños"。サミットでは、地域統合に向けて貧困撲滅、自由貿易圏の協力拡大などに取り組むプラン・カラカスが討議されたそうです("Cancilleres de la CALC debatieron sobre el Plan de Caracas")。

私たちの国では、民主党政権になってから、韓国や中国との関係が少し改善されたと思いますが、北東アジアの地域統合への動きは全くと言っていいほど進みませんね。排他的な国粋主義者の人たちが反発して足を引っ張りたがる気持ちは分かりますが、長い目で見て地域統合が避けられないことを考えれば、日本の影響力が相対的に強いうちにこそ枠組み作りをするべきだと思うのですが…

そう言えば、グローバリゼーションという言葉も、一時ほど聞かなくなったなあ。ネオリベ的な大企業優先のグローバリゼーションか、国粋主義的な閉鎖と衰退か、それとも民衆による民衆のための「もう一つのグローバリゼーション」か。来週の選挙でも、この選択を念頭において投票したいと思います。さて、第3の選択肢を信じる私はどの人に入れたらいいのでしょう。

「私たちラテン人」と書かれたは gui.tavares さんが CC-by-nc で公開しているものです。

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2010年 7月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.04

ドイツ議会が全会一致でイスラエルに抗議

Germany calls for an end to Israel's Gaza blockade - ドイツの連邦議会(Bundestag)は2日、全会一致でイスラエルによるガザの経済封鎖を非難する決議を採択しました。それを受けて、ドイツ政府はイスラエルに対し、経済封鎖の即時停止を求めました。

ドイツ議会の議決が全会一致になるのは極めてめずらしいそうです。記事には、左翼党からネオリベの自由民主党まで、政治的な主張を異にする党派が足並みをそろえて非人道的な経済封鎖に反対する立場を明らかにすることができたことを歓迎する各党の談話が紹介されています。

Muji 相框 by tsaiid先日も書きましたが、今、私たちの国では、無印良品のイスラエル出店計画への抗議が呼びかけられています。詳しくはパレスチナ情報センターのページなどをご覧ください。

私は、どちらかと言うと地味で飾り気のない物が好きなので、あまり商業主義的でない無印良品のデザインはすてきだと思ってきました。無印とは無垢のことで、良品の良とは良心のことだと信じたいです。パレスチナの人たちへの抑圧を座視することによって自分もイスラエルの非人道的な占領に加担することになるという呵責を感じることなく、使い続けることができるといいのですが。そのために、ぜひイスラエル出店の計画撤回をお願いしたいと思います。

無印良品のフォトフレームの写真は tsaiid さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。この写真立てには、微笑むパレスチナの子どもたちや、力強く伸びるオリーブの木の写真を飾りたいものです。イスラエル出店とは、隔離壁やイスラエル兵の写真を飾るようなものだと思います。

追記:私がこの記事を書いた後、2010年12月1日に良品計画はイスラエルへの出店計画中止を発表しました。ボイコットを呼びかけた私たちの声を聞いてくれたのだと思います。イスラエルに行かないでくれてありがとう、無印良品。

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2010年 7月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.03

地元の反対で原発建設を断念

Indonesian Plans to Build Nuclear Power Plant Suffer Major Set-Back - インドネシアのジャワ島中部、ムリア半島で進められていた原子力発電所の建設計画が地元の反対で断念されることになりました。3年前に原発をハラム(宗教上の禁忌)とするファトワ(宗教命令)が出た所です。

Going to Jepara by faniezインドネシア政府は、代替地を探すことにしたようですが、建設予定地の確定までには数年かかるため、国の中期計画で定められている2016年までの原発稼動開始は不可能になったと考えられるということです。代替地候補としては、スマトラ島の東に位置する Bangka Belitung が一番有力とされています。 Banten、Gorontalo、Kalimantan の名前も挙げられています。

辛抱強く原発の建設反対運動を続けた Jepara の人たちに敬意を表します。

ところで、3年前の記事で、プラムディアの四部作にジュパラに住む少女が出てくると書きましたが、あれは独立運動家、女権運動家として有名なカルティニ(Kartini)がモデルだったということに、この3年間で気が付きました。少し賢くなった気分。

写真は faniez さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。 Jepara への家族旅行だと思います。すごく楽しそうですね。

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2010年 7月 3日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.02

革命家の愛人

Simón Bolívar's lover gains heroine status - ラテンアメリカの解放者、シモン・ボリバルの晩年の伴侶だった Manuela Sáenz の復権を伝える記事です。不遇な死を遂げた彼女の遺体がベネズエラに戻され、来週、カラカスの国立霊廟(パンテオン)のボリバルの墓の隣に埋葬されるそうです。

Caracas, Venezuela by Ander Vaz軍人にたぶらかされて尼僧院を追い出され、ていよく結婚させられた英国の商人のもとから出奔し、革命家ボリバルと出会い、恋に落ちたマヌエラ・サエンス。ボリバルが失脚し、反動的な体制に戻った後には蔑まれ、ペルーの片田舎に逃れて、一文無しで死んだようです。「アメリカ大陸で最も有名な娼婦」とも呼ばれる彼女は、単にボリバルの愛人だっただけでなく、彼女自身、彼の同志として革命運動に強く関わっていたそうです。囚われの身になっていたボリバルの脱走を助けたことから、「解放者の解放者」(Libertadora del Libertador)とも呼ばれるとか。

チャベス大統領が日に日に独裁色を濃くしているので、あまり騒ぎ立てるのもよくないかもしれませんが、革命と恋の両立に悩んだ人を知っているので、シモンとマヌエラの物語は、とても興味をひかれます。

カラカスの街で見かけた壁画の写真は Ander Vaz さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。冒頭に挙げたガーディアン紙の記事にあるマヌエラ・サエンスの肖像と似ている気がしないでもありませんが…

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2010年 7月 2日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.01

海亀の引越し

Some 70,000 turtle eggs to be whisked far from oil - メキシコ湾で BP 社の海底油田 Deepwater Horizon が爆発事故を起こしてから、もう2か月半になります。現場からは依然として大量の原油が流出し、海の汚染が広がっています。

Kemp's Ridley, Padre Island NS, TX by NPCA Photosそんな中、フロリダ半島やアラバマ州の海岸に産み落とされた約7万ものウミガメの卵を掘り返して、大西洋岸に移送し、生まれてくるウミガメを救おうという計画が立てられています。もし、このままにしておけば、卵からかえったウミガメの子どもたちは、海に向かい、油まみれになるか、油の付いた海藻や魚介類を食べるかして、死んでしまう。それを見かねて、無理は承知で、卵を掘り返し、陸の上で孵化させ、汚染の影響の及んでいない海岸で放すということのようです。ふだんは政府と環境団体は意見を異にするものだが、今回ばかりは共同歩調を取っているとのこと。

人為的な絶滅防止策みたいなものには、あまり大きな期待を寄せないほうがいいという気もしますが、どうなることでしょう。ウミガメって、自分が生まれた浜に帰ってくるんですよね? 移動でカメさんたちのアイデンティティ形成に支障が出ないことを祈ります。

今回、救出の主な対象となる Kemp's ridley (ケンプヒメウミガメ)の写真は国立公園保護協会(NPCA)が CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2010年 7月 1日 午後 11:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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