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2010.03.06

海南島慰安婦裁判の行方

去る2日に最高裁で、中国の海南島で日本軍の慰安婦にされた8人の女性たちが起こした裁判に対して上告棄却の決定が出されました。あまり広く報道されてはいないみたいなのですが、毎日新聞に記事があるほか、この裁判に関わった弁護士の杉浦ひとみさんがブログに記事を書いていらっしゃいます。

海南島紅色的人, by mingsho一審では請求の期限が切れているという理由で、二審では日中共同声明で中国は個人賠償請求権を放棄したからという理由で、原告は敗訴していたそうです。この日の棄却は、一二審の判断を支持するものです。

人民網英文記事 "Japan's unilateral interpretation of Sino-Japanese Joint Statement invalid: FM spokesman" や光明日報「秦刚就日最高法院终审驳回中国慰安妇赔偿上诉答记者问」によれば、この最高裁の決定について中国外交部の秦剛報道官は「中日共同声明は両国の政府の間の厳粛な政治文書であり、日本の裁判所が勝手な解釈を出すのは法にかなったことではなく、無効である」と反論しました。

私の素人考えだと、日中共同声明には中国政府が賠償請求を行なわないとしか書いてないように思えます。おそらく秦剛報道官もそう考えていて、それを個人賠償請求権も放棄したようにとらえるというのが日本の勝手な解釈だと言っているのでしょう。

中国政府が真剣にこのことを考えるのであれば、今後、この問題は国際司法裁判所で争われることになるのかもしれません。

日本の戦争責任あるいは戦後責任をはっきりさせるという意味では、この展望は望ましいものだと思えますが、80歳を過ぎた原告のかたがたにとっては、あまりにも残酷な時間のようにも思えます。

挿絵は mingsho さんの「海南島紅色的人」と題された絵。CC-by-nc-sa で公開されています。慰安婦の問題とは直接関係はない絵だと思いますが、無意識に関連付けてしまったのでしょう、私は見た時、はっとしてしまいました。

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2010年 3月 6日 午前 01:22 | | この月のアーカイブへ

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受信: 2010/03/09 20:08:43

コメント

トラックバックをありがとうございます。
mingsho さんの「海南島紅色的人」と題されたの挿絵は、なぜか心を惹かれますね。
海南島の現地を訪ね、今ではおばあちゃんになられた女性の方たちとずっと関わってきた記憶と呼応して、この挿絵が何か、どうしようもあらがえない力に翻弄されているものを暗示しているように見えてしまいます。

投稿: 杉浦ひとみ | 2010/03/06 2:21:04

杉浦さん、コメントありがとうございます。

裁判でのご努力に敬意を表します。原告のかたがたに報告することの気の重さ、お察しします。

ブログにお書きになったように、法とか正義といった、きれいに整理されたものではなく、もっと生々しい生き様と向き合う経験は、さぞかし大変なことだったでしょう。

どうか、私たちがこの裁判から何かを学びますように。

これからもご活躍をお祈りします。

投稿: うに | 2010/03/06 23:05:20

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