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2010.02.19

海兵隊基地の汚染

Report on Marines' water omitted cancer chemical - ノースカロライナ州にある米海兵隊の基地で、飲料水として使われていた地下水から発がん性のあるベンゼンが高濃度で検出されていたにも関わらず、軍がその事実を隠蔽していたらしいというAP電。

Iraq War - Eyes Wide Open, by H DragonCamp Lejeune では、1984年に地下水から380ppbのベンゼンが検出されたそうです。調査にあたった企業は、これが5ppbという連邦政府の安全基準をはるかに上回る値であると指摘しました。1991年にも調査が行なわれ、健康への危険性が指摘されました。1992年に連邦政府も調査に乗り出しましたが、軍はある企業に改善策をまとめさせ、その企業の報告書には1984年に実際の値の10分の1にあたる38ppb検出されたと記載されていました。その企業が1994年にまとめた次の報告書にはベンゼンの話はまったく載っていませんでした。

実際には汚染は進んでいて、2007年から2009年にかけて別の企業が行なった調査では、3,490ppbものベンゼンが検出されていました。ベンゼン汚染は、燃料貯蔵庫から大量の流出が続いたことによるものだと見られています。

ベンゼンの濃度がどんどん低く提示されていったことは人為的、意図的な操作だっただろうと環境問題に詳しい法律家は指摘しています。また、以前から兵士やその家族にがんが頻発し、水道水の汚染の可能性が指摘されてきたにも関わらず、軍は住民への説明で「だれも直接の危険にさらされた者はいない」と説明していました。組織ぐるみの隠蔽工作が疑われています。

普天間基地が戻ってきた時、土地はどんなことになっているのだろうとか、仮に沖縄の海沿いに移転されたら、海の自然は守られるのだろうかとか、アメリカ軍が使っている兵器などについて「健康への影響を示すデータはない」などと言われる時、それを鵜呑みにしていいものだろうかとか、いろいろなことを考えてしまいます。

写真はイラク戦争で死んだ米兵の数だけ軍靴を置く催しのようす。H Dragon さんが CC-by で公開しています。写っている名札の人は、キャンプ・レジューン配属の部隊の人だったようです。

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2010年 2月 19日 午前 12:43 | | この月のアーカイブへ

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