行く川の流れは絶えずして
モルジブやツバルなどの島嶼国家が温暖化による海面の上昇で危機に瀕していることは、近年、よく耳にする。それだけでなく、内陸国でも気候変動で国土が狭くなったところがあるという話を読んだ。
River's change of course alters Uganda-DRC border - ウガンダとコンゴ民主共和国の国境の一部はセムリキ(Semliki)川だ。植民地時代に宗主国が決めた大雑把な境界線を今でもそのまま使っている。ところが、1960年に撮影された衛星写真と現在の地形を比較すると、川の流れが大きく変わってしまったことが分かる。下流では川はウガンダ領内に大きく食い込み、反対に上流のアルバート湖近くではセムリキ川はコンゴ側に移動している。一つの国の村だったところが、今ではもう一つの国の中に入ってしまったりしている。
自然な川なら、どこでもそんなものだろうという気もするが、記事が指摘するのは気候変動の影響だ。セムリキ川の源流であるルウェンゾリ(Rwenzori)山脈の雪と氷は、100年前に比べて激減した。特に1987年以降の減少が甚だしい。その雪解け水がセムリキ川の水量を増やし、川幅を広げるとともに、浸食を促し、流れの形を大きく変える力になっているというのだ。
セムリキ川流域には石油があるという調査もあり、川が形を変えたというのが、のどかな話では終わらなくなる怖れも十分にあると記事は指摘している。
2009年 11月 12日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12988/46738893
この記事へのトラックバック一覧です: 行く川の流れは絶えずして:







コメント
30年以上前のことになりますが、リン鉱石、つまりは海鳥の糞の堆積によってできた島嶼の国、ナウル共和国のことが新聞で話題になったことを思い出しました。この頃まで、この国は、まさに国土そのものを売ることで生計を立て、国民は無税、すべての教育費も無料という、世界一裕福な国家といわれていたはずです。ところが無尽蔵と思われていたその国土もそろそろ底を尽き始め、やがて国自体が水没するかもしれないことに危機感を抱き始めているというような記事でした。地球温暖化など、その片鱗さえ話題にはならなかったような頃のことです。いま調べてみると、辛うじてこの国はまだ生き延びているようです。
どこに進んでいこうとしているのか誰にも分からないような世界情勢ですが、他にも、かつては世界第4の大湖沼であったアラル海がほぼ消滅状態になるなど、地球自体が腐食し始めた時代に私たちは立ち会っているのですね。
投稿: argon | 2009/11/12 6:39:07
argonさん、こんにちは。
長い地球の歴史の中では、いろいろな変化があったのだろうと思いますけど、最近見聞きすることはちょっと恐ろしい感じがしますね。今日も、オーストラリアの南の海で大きな氷山が見つかったという話を読みました。オーストラリアの近くまで氷山がやってくるのはめずらしいのだそうです。
投稿: うに | 2009/11/12 23:23:22