« はるかなグルジア | トップページ | ミンダナオが心配 »

2008.08.12

現金は武器

Money as a Weapon - 11日づけワシントン・ポスト紙のイラク戦争特集。アメリカ軍は Commander's Emergency Response Program (CERP、司令官緊急対応プログラム)という予算枠を持っていて、イラク市民の懐柔のために大金をばら撒いているという報告だ。経理資料が見つかったものについては検索できるようになっている。

CERPのお金は大小さまざまな用途に使われている。アメリカ軍の作戦で家の窓を割ってしまったら25ドル。ドアを壊してしまったら50ドル。腕や脚を失わせてしまったら500ドル。死んでしまったら2,500ドル(約27万円)。軍に「武器としてのお金」というマニュアルがあって、そこにそう定められているらしい。バグダッドの動物園の熊や虎の水浴び用のプールに12,800ドル、"I Love Iraq" と書かれたTシャツを作って配るのに14,250ドルが使われたこともある。巨額な支出としては、単年度で終わらない浄水場の建設に830万ドル(約9億1千万円)が支払われた例もある。あからさまに、アメリカ側に寝返るようにお金が渡される場合もあるようだ。

経理はあまり明瞭ではないし、司令官が任期が来て交代するので長期的な展望をもってお金が使われることもない。横の連係もない。ある時、一日8ドルの賃金でイラク人を働かせようとしたら、ほとんど人が集まらなかった。なぜかと思って調べると、すぐ近くで別の部隊が一日10ドルで人を募集していて、みんなそっちに行ってしまっていたという。

一、二年前に比べて落ち着いてきたように見えるイラクは、ドル札の泡で黙りこんでいるわけだ。銃や剣で服従させるより、お金で誘惑するほうがましだという見方もできるのかもしれないが、経済の秩序を破壊しているという面に目をつぶることはできないだろう。

アラビア語にも「金の切れ目が縁の切れ目」なんて言い方があるのかな、などと暗いことを考える。

このブログで

Tags: , , ,

2008年 8月 12日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 現金は武器:

コメント

この記事へのコメントは終了しました。