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2008.08.19

ツヒンバリはスターリングラードだったのか

Tour of Tskhinvali undercuts Russian version of fighting - 17日づけのマクラチー新聞社の記事。南オセチアのツヒンバリの様子はロシアの主張と大きく食い違うことを指摘している。

7日夜のグルジア軍の侵攻によりツヒンバリは壊滅的に破壊され、2,000人余りの南オセチア人がグルジア人のジェノサイドによって虐殺されたというのがロシア側の主張だ。12日にはロシア軍の Anatoly Nogovitsyn が「ツヒンバリは今や存在しない。第二次世界大戦の時のスターリングラードのようなものだ。学校も病院も家も、インフラはすべて破壊された。水もなければ電気もない。我々が再建する」と語っている(同じく McClatchy Newspapers、"Russia says it's halted Georgia war, sets peace terms")。ロシア軍によって認められた取材でツヒンバリを訪れた取材陣に街の人が「ちょっとしたスターリングラードみたいだろう?」と語ったという報道もある(英インディペンデント紙13日づけ "The view from South Ossetia: Joy and thanks in the land that is now part of Russia")。

しかし、ロシア軍の許可を得ずにツヒンバリに入った Tom Lasseter 記者は、ロケット弾で大きな傷を受けた建物もあればまったく無傷の建物もあることや、混乱の中で唯一開いていた病院で確認された死者は40人であったことを伝えている。病院に運び込まれることなく、家の庭などに埋葬された死者などがいたにしても、2,000人あまりという数字との開きは大きい。

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2008年 8月 19日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

下記サイトで21日の「SMI.RU-2」記事を読むと、どうやら、そのようです。
http://www2e.biglobe.ne.jp/~tis-russ/

投稿: katute | 2008/08/27 13:13:51

ロシア側の死亡者数発表も百人台にまで減りましたが、ご指摘のとおり、追悼コンサートを行なった指揮者のゲルギエフさんも21日の段階でスターリングラードの比喩を使っています。

「徹底的な破壊」という表現と、当初おそれられていたよりも死者が少なかったことは、爆撃の地理的な偏りによるようです。

Data on destructions in Tskhinvali exaggerated, eyewitnesses say
http://eng.kavkaz-uzel.ru/newstext/engnews/id/1227745.html
によると、ビジネス街やユダヤ人街と呼ばれる部分は壊滅状態であるのに対し、住宅地の被害は比較的少なかったようです。

投稿: うに | 2008/08/27 23:04:34

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