カシミールと自由
Land and freedom - 22日づけの英ガーディアン紙に掲載された Arundhati Roy さんの論考。カシミールでインドからの分離とパキスタンへの帰属を求める非暴力抵抗運動が大きな高まりを見せていることを受けて、カシミールの分離を支持する意見を提示している。
この夏、ヒンズー教の巡礼地を整備する計画に対するムスリム住民の反発から始まった紛争は、急速に独立運動に変化していった。ストライキなどで物資も届かなくなる中、カシミールの若い世代は抵抗することの大切さに目覚めていった。スリナガルで警察と衝突した際も、人の波は警察を押し戻した。アルンダティ・ロイさんは、カシミールの行く末にさまざまな危惧を感じながらも、カシミールの占領を続けることはインドを歪めることになると指摘している。カシミールがインドから自由になるべきであるのと同じように、インドもカシミールから自由になるべきなのだ。
何百万もの人の生き方が決まる大きな問題なのに、人口10万足らずの南オセチアほどに話題になっていないなあ、と思う。幸運にも軍事介入や戦闘に至っていないからなのだろうか、それともやっぱりパイプラインとかがあるとないとでは大違いということなのか。
地図はリンク先の Perry-Castañeda Library Map Collection のものを加工した。破線で示した停戦ライン(実効支配線)の南がこの記事の舞台であるインドの Jammu and Kashimir 州、北が パキスタンの Northern Areas。東は中国が実効支配する Aksai Chin 地方。イスラマバードの近くで実効支配線をわずかにはみ出して色の付いている部分はパキスタンの Azad Kashmir。
2008年 8月 24日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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