イタリアでロマの指紋押捺
イタリアでは、ロマ(ジプシー)の人たちへの弾圧が急速に強まっているようだ。ベルルスコーニ内閣の Roberto Maroni 内務大臣が、ロマ全員に指紋押捺を課すという方針を発表した。大人だけでなく子どもも、外国籍のロマだけでなくイタリア国籍のロマも対象になる。英インディペンデント紙 "Plight of the Roma: echoes of Mussolini"。
5月にここでも論じたナポリでの焼き討ち事件(の原因となった誘拐でっちあげ事件)をきっかけに、反ロマ感情に火が付き、それを与党の右翼政治家たちが利用しているようだ。今回の指紋押捺も、「治安の危機」対策として売り出されている。実際には、このところ治安は改善されてきているというのにである。
ところで、記事によれば、欧州評議会人権委員長の Thomas Hammerberg さんがロマのキャンプを視察した後、こう語っている。「私が訪れたキャンプの住民の多くはイタリアに40年も住んでいます。ある国に40年も住んでも、その人はまだ外国人だというのでしょうか」。息を飲むほど新鮮に聞こえた。
2008年 6月 28日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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