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2008.04.06

糞になる

ビルマを継続的に追っていらっしゃるフォトジャーナリストの宇田有三さんのお話を聞いて来ました。4月5日に京都で開かれた「ビルマ最新取材報告~軍事政権下に生きる人びとの現実とわたしたち~」という講演会です。

この記事のタイトルに挙げた「糞になる」は、質疑応答の時間に「今後、ビルマでどんな写真が撮りたいですか」という質問に対する宇田さんの答えの中に出てきた言葉です(ビルマ情勢に関する難しい質問が続いた後で子どもっぽい質問をするのは、かなり恥ずかしかったのですが、真剣に答えてくださいました。ありがとうございました)。言葉を越えた表現をしたい。外国人だからこそ撮れる写真を撮りたい。そして「糞になりたい」。絶対的な権力を持った者でも、それを踏んだら腹が立つ。そんな癪に障る写真が撮りたい。

撮る人にとっても、そして見る人にとっても、それはなかなか難しいことかもしれません。当然のことながら、撮る人にとっては、尾行や監視そして通報者がいる中での撮影はとても危険ですし、案内や被写体の人たちに危害が及ぶおそれもあります。見る人も、ぼんやり見ていても写真は読み解けません。宇田さんの講演は、アルジャジーラのビデオを見ながら、見落としがちな点を指摘するところから始まりました。デモ隊のもとに投石用の煉瓦を運ぶトラック。車両の普及の度合いなどを考え合わせれば、これは騒乱状態を引き起こすために政府側が用意したものと考えるのが自然。写真に写った僧侶と兵士の、あるいは将校と翼賛団体幹部の力関係。等々。目から鱗ですが、今後、解説なしに自分でこれらのことを読み解いていくのはとても難しそうです。

宇田さんの身の安全を、そしてタン・シュエ政権の軛をビルマの人々が打ち破ることを祈ります。

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2008年 4月 6日 午前 12:27 | | この月のアーカイブへ

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 4日振りに日付を越えて起きていた。 DVDまだ2本あるけど、眠気には勝てない。... 続きを読む

受信: 2008/04/06 15:42:30

コメント


 昨日はどうもご苦労様&ありがとうございました。

 「糞」の話ですが、オリジナルは本田靖春さんの
 『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社)の
 462項目に「野糞精神」として書かれております。

 

投稿: ウダ | 2008/04/06 16:01:26

ウダさん、

とても考える糧となる講演でした。ありがとうございました。話の出典をお教えくださり、ありがとうございます。読んでみようと思います。

今後ともご活躍をお祈りします。

投稿: うに | 2008/04/06 20:41:53

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