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2008.04.30

静かな死は私たちに語りかける

この週末、韓国で二人の元慰安婦が亡くなった。一人は78歳、金という名字だけが公開されている。心臓と腎臓を患っていたらしい。もう一人は83歳。名前は公開されていない。肝臓がんだった。28日づけのハンギョレ新聞英語版に載った大邱発の記事 "Two former comfort women die over two days" による。二人の主張などについては、何も書かれていなかった。

ご冥福を祈ると書くのはそらぞらしすぎる。肉親や親友でもないのに、彼女たちの死は私の心を大きく抉る。

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2008年 4月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.29

和解を歌う

In Australia, From Reconciliation, a Hit Grows - ケビン・ラッド首相が2月に行なった先住民に対する謝罪が歌になった。市民運動団体のサイトでダウンロード販売されているだけで、街の店先では買うことができないのだが、先週は全豪4位のヒットになったらしい。

曲は20年以上前に人種差別反対を訴えて作られたもので、ラッド首相のスピーチやそれに対する先住民の発言などを歌詞に盛り込んでいる。市民運動団体 GetUp のサイトで短いビデオを視聴することができる。

残念ながら、オーストラリア国外からでは曲を購入することができない。

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2008年 4月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.28

著作権切れを待つヒトラー

イスラエルのハアレツ紙が "Another struggle over 'Mein Kampf'" という記事で、ドイツでヒトラーの『わが闘争』を積極的に出版しようという動きがあることを報じている。

現在、ドイツでは『わが闘争』の出版や販売は禁じられている。ヒトラーは1945年に死んだので、著作権保護期間が70年のドイツでは、2015年末にこの書籍もパブリック・ドメインになる。それを受けてネオナチたちが宣伝用に出版を計画する前に、偽りや矛盾などを指摘する注釈を付けた版を世に問うておいたほうがいいのではないかという議論だ。そのような批判校訂版を作るために公費を用いるべきだとの意見も出ている。

現在、ナチスの出版物の著作権はババリア州政府が所有しており、『わが闘争』の出版や販売はババリア州政府の意向によって差し止められているようだ。ドイツにはナチスの紋章や文書物を禁止する法律があるにはあるらしいが、その法律が制定される前に存在していた『わが闘争』には遡及適用はされないということらしい。

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2008年 4月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.27

見送られたJPEPA批准審議

28日にも上院で批准のための審議が始まると思われていた日比経済連携協定(JPEPA)は、Miriam Defensor-Santiago 外交委員長が条件付き同意を推奨する意見書を提出したところで、更に足踏みをすることとなった。今回は、なんとフィリピン外務省が審議の延期を申し入れたのだ。25日付けのテレビ局 ABS-CBN の記事 "DFA asks Senate to defer vote on JPEPA" によると、Alberto Romulo 外務大臣が23日、サンチアゴ委員長に書簡を送り、上院が批准の条件とする諸点について日本政府と文書を取り交わすまで審議を先送りしてほしいと伝えてきた。サンチアゴ委員長も、論点の整理に時間が必要だという意見が委員から出されていることを理由に挙げて、審議の延期を宣言した。

日本からの有害廃棄物運び入れを危惧する意見が根強くあり批准が見込めるか不明であることに加え、条約への「条件付き同意」が憲法上および国際法上認められるかどうか疑念が残ることによる判断らしい。

前日の ABS-CBN の記事 "Senate may ratify JPEPA despite objections: Cayetano" によれば、日本は廃棄物の国境を越えての移動を原則的に禁止するバーゼル条約本体は批准しているが、その後まとめられた Basel Ban Amendment と呼ばれる修正条項を批准していないことが不安を煽っているようだ。

フィリピンの人々が納得できるような確約を日本政府が与える用意があるのか、注目したい。

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2008年 4月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.26

ガリポリ

昨日(4月25日)は ANZAC Day - オーストラリアとニュージーランドが共同で第一次世界大戦に参戦した記念日なのだそうだ。1915年のこの日、これら2か国の部隊がイギリス軍などとともにダーダネルス海峡制圧を目指してトルコのガリポリ(Gallipoli)半島に上陸した。オスマン・トルコ帝国軍の抵抗により戦局は膠着し、両国は合わせて1万人を越す戦死者を出した後、翌年、撤退を余儀なくされる。

定義上、侵略戦争を始めた日であるわけだし、敗退するわけだし、あまりいい思い出を伴う日ではないように私は思うのだが、オーストラリアとニュージーランドにとっては、その後の国としてのアイデンティティ形成に非常に重要な契機だったという話を何回も聞いた。

ガリポリでも、毎年、式典が開催されるらしい。トルコの英字紙 Hürriyet の記事 "Thousands mark 93rd anniversary of Gallipoli battle"、Today's Zaman の記事 "Messages of friendship mark the Battle of Gallipoli commemoration" によると、式典はトルコ軍の主催で行なわれ、オーストラリア、ニュージーランドの閣僚も出席している。当時の敵味方が現在は友好を祝う場となっているようだ。

アジア太平洋戦争という侵略戦争を起こした日本とどうしてこんなに違うのだろう。あと30年も経てばこんなふうになるのだろうか。

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2008年 4月 26日 午前 12:00 | | コメント (9) | トラックバック (0)

2008.04.25

英国で大規模教員スト

イギリスでは24日、教員による大規模なストライキが行なわれた。National Union of Teachers (NUT)によるこのストには40万人に上る教員、大学講師、公務員が参加し、7,800の公立学校が休校となった。メトロの記事 "Britain's day of discontent as 400,000 strike"、インディペンデントの記事 "Teachers' strike expected to close 7,800 schools"。

NUT がストライキを行なうのは21年ぶり。ここ数年、物価上昇を下回る賃上げが続いていることに抗議してのストらしい。政府側は現在2.45%の賃上げ回答を出しているが、NUTは3.8%を要求している。

英国の教員スト

写真はロンドンでのデモの様子。NUT と共闘関係にある University and College Union (UCU)のプラカードが見える。carlo.nicora さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2008年 4月 25日 午前 12:27 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.24

国歌に不起立

ある国で、国歌が流れている時に起立しなかった人が不敬罪に問われている。その国では伝統的に映画館で映画が始まる前に国歌が流される。国歌の演奏が始まると人々は席から立つことが求められており、不起立の不敬行為は刑法112条で罰せられる。

昨年の9月20日、ある人が首都の映画館で立ち上がらなかったことを2つ離れた席にいた人が見咎め、立つように言ったが聞き入れられず、映画館の従業員に言いつけたが何の措置もとられなかった。5日後、警察に通報したところ、一昨日(4月22日)になって当該人物に出頭が求められた。

席を立たなかった人は、国歌が流れている間に起立しなかったことには国王を侮辱する意図はなく、単に思想の問題だと主張している。起立するかしないかについて人は選択する権利を持っており、思想や信教の自由は憲法4条と28条で認められている。不敬罪は思想の自由を侵すものであり、廃止されるべきである。彼はそう主張した。

警察は起訴の意向を示し、当該人物は帰宅を許された。

以上、タイのバンコク・ポスト紙の23日の記事 "Activist denies charge of lese majeste" より紹介した。警察で事情聴取を受けたのは Chotisak Onsoong さん、27歳。全学連の執行部役員を務めたこともあり、一昨年の軍部クーデターに反対する運動家であるとのこと。

このようなニュースは、どこの国からも聞かなくて済むのが一番望ましいが、せめて、こういったニュースを聞くのが海を越えたどこかからである日が続いてほしいと思う。

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2008年 4月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.23

サドル・シティの学校で

Iraqi children desperate to learn in ruined schools - ロイター電の伝えるバグダッドの学校の状況。銃撃戦などがあって危ないこと、建物が傷んでいて修理も追いついていないことのほか、子どもの数に対して教室が全く足りていないことが紹介されている。サドル・シティでは、学齢期の子どもが50万人いるが、校舎は260しかない。一つの教室に70人もの子どもが詰め込まれて授業が行なわれる場合もある。また、同じ教室で、朝、昼、晩と3組の別々の子どもたちが学ぶようなところが多い。

湾岸戦争の前、イラクの教育は中東で人もうらやむほど充実しており、識字率も100%に近かった。しかし、その後の経済制裁と戦争で教育が荒廃し、現在、大人のイラク人の3分の1が文字を読むことができない。教師の待遇も著しく低下し、今では月収は12万ディナール(100ドル、1万円)ほどだ。これでは生活もままならない。

近くで戦闘があっても、サドル・シティの子どもたちは学校に行きたがる。友だちに会いたいから。勉強して、医者になって、けがをした人たちを治療したいから。

サダム・フセインが悪いとか、アメリカが悪いとかいうのではなく、「大人たち」が彼ら彼女らの未来をめちゃくちゃにしてしまったような気がする。

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2008年 4月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.22

チベットのための塩の行進

南アフリカのダーバンでは、ここ数年、(南半球の)秋の恒例行事として、塩の行進が行なわれる。1930年にインドでガンジーがイギリスの塩の独占販売に抗議して行なった非暴力抵抗運動を模したもので、若き日のガンジーも住んでいたことのあるダーバン近郊の地から20キロほどの道のりを歩く。

今年の塩の行進が20日に行なわれ、5,000人ほどが参加した。今年は南アフリカに暮す亡命チベット人も参加し(南アフリカ The Times 紙の "Tibetans join Salt March for peace")、主催者も談話の中で、チベット、ビルマ、ジンバブエの人々との連帯を強調した。

インドの The Hindu 紙の記事 "South Africans walk the Gandhi march for Tibetans" から参加者の声を拾う。「ガンディーは紛争と向き合い、意見の違いと向き合うために、非暴力を通じた別のやり方があることを示してくれました」「人々にチベットの問題に気付いてもらうために参加しました。平和をもたらしたいと思います。人々が平和的、非暴力的な方法で問題に気付くようにダライ・ラマ法王は主張しています」「ガンディーの始めたサチャグラハの運動、彼が消極的な抵抗によってあんなにも多くのことを成し遂げたということに感動しました。私もその運動の一部になるべきだと考えたのです」。

チベットについて、世の中は、聖火リレーを邪魔して中国政府に恥をかかせるのがチベット支援だと勘違いしている人とか、何か起こるんじゃないかとドキドキしながら待っている人とかばかりみたいに見えて、気が滅入ることも多い。そういうのとは違う別の関わり方もあるのだということをあなたにも伝えたくて、この記事を書いた。

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2008年 4月 22日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.21

食糧危機は静かな大量殺人

国連の食糧問題特別報告官 Jean Ziegler さんが最近起こっている米などの穀物の値上がりを「静かな大量殺人」だと形容している。ロイター電 "Food price rises are "mass murder"-UN envoy" に紹介された発言を紹介する。

穀物の値上がりによって貧しい国で大量の飢餓が起こっているのは、バイオ燃料の増加や、商品取引市場での投機、ヨーロッパ連合の輸出助成金などが原因の一端を担っており、西側諸国には大きな責任があるとジーグラーさんは語る。人が腹を空かせなくてはならないのは運命の問題だと考えるのは間違っており、これは沈黙のうちに行なわれる大量殺戮である。グローバリゼーションは「地上の富の独占」を許してしまった。多国籍企業が飢餓という構造的暴力の背後にある。「トレーダー、投機家、金融界の山賊どもが勝手し放題に不平等と恐怖の世界を作り上げてしまった。なんとしてもやめさせなくてはならない」。いつの日か空腹にあえぐ人々が立ち上がる日が来るかも知れない。

「食料の値上がりは『大量殺人』」だという見出しで配信されたこのロイター電の元はウィーンの Kurier 紙の日曜版。ドイツ語なので私には読めないのだが、こちらの見出しは主語が違っていて "Kapitalismus ist "stiller Massenmord"" - 「資本主義は静かな大量殺人」となっている。おそらく、このほうが正しい。

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2008年 4月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.20

再び国境を目指す

3月10日にダラムサラを出発した亡命チベット人による行進(3月11日の記事12日の記事)は3月15日の記事に書いたように、数日後に参加者が逮捕拘束された。その後、消息を追っていなかったのだが、行進が再開されたことを伝える記事があった - "Tibetan NGOs resume March to Tibet"。

Free Tibet Sticker記事によれば、逮捕者の拘留は14日間に及んだが、逮捕の2日後には別のグループが行進を開始していたようだ。最初の集団の拘留が解けた後、二つのグループは合流して行進を続け、ニューデリーに到着した。ニューデリーでは、チベット弾圧に抗議する「平行聖火リレー」とともに Rajghat(ガンディーが荼毘に付された場所)で集会を開き、引き続きチベットまでの行進を続けることを宣言した。

行進はガンディーとダライ・ラマの写真を掲げて、静かに、平和的に行なわれる。19日朝に出発し、2か月かけて国境を目指す。今回の報道では、Uttranchal 州の Nainital で国境を越える予定だとされている。道中の無事を、そして訴えが一人でも多くの人の耳に届くことを祈る。

逮捕の後、数日間、サイトの更新がなかったので、見るのをやめてしまっていたのだが、The Tibetan People's Uprising Movement のサイトが、日々の行進のようすをしっかり報告している。フィードも作られているし、Flickr に写真集までできている! 残念ながら写真は all rights reserved なので、ほかのところからチベット関係で CC のものを探してきた。jetalone さんの写真は CC-by。

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2008年 4月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.19

希望をくれた判決文

イ ラク派兵差し止め訴訟控訴審の判決文を読みました。一 審の裁判があまりにもひどかったので、私は司法に対して完全に信頼をなくしていたのですが、今回の判決は、絶望してはいけないのだということを教えてくれました。

主文は「本件控訴をいずれも棄却する」ですから、形式的には敗訴に違いなく、残念にも思います。しかし、「当裁判所の判断」の部分に掲げられたイラク戦争およびその後の占領についての事実関係の考察、憲法9条に照らしての判断、さらには平和的生存権の認定は、今後、平和に関する国際的な議論の中で繰り返し言及されていくであろう、一里塚的なものだと思います。広く読まれることを願います。

「多国籍軍と武力勢力との間のイラク国内における戦闘は、実質的には当初のイラク攻撃の延長であって、外国勢力である多国籍軍対イラク国内の武装勢力の国際的な戦闘であるということができ、この点から見ても、現在の戦闘状況は、国際的な紛争であると認められる」
「航空自衛隊の空輸活動のうち、少なくとも多国籍軍の武装兵員をバグダッドへ空輸するものについては、… 他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない行動であるということができる。よって、現在イラクにおいて行われている航空自衛隊の空輸活動は、政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合であっても、武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる」
「例えば「自由」や「平等」ですら、その達成手段や方法は多岐多様というべきであることからすれば、ひとり平和的生存権のみ、平和概念の抽象性等のためにその法的権利性や具体的権利性の可能性が否定されなければならない理由はないというべきである」

原告団の主張にほぼ同意し、このように認定しながらも請求を棄却することを述べる部分に、象徴的に以下のような考えが示されています:

「本件派遣によっても、日本において控訴人池住らの生命、自由が侵害されまたは侵害の危機にさらされ、あるいは、現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされ、また、憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強制されるまでの自体が生じているとはいえない」

原告の主張と異なり、日本に暮らす私たちは生の戦争に巻き込まれてはいないから訴えることはできないのだ、ということです。私たちの税金で派兵が行なわれていることを考えれば、この考えには承服しがたいところがあります。それでも、しかし、確実にこの判決は、この国が戦争への道を転げ落ちていくのを止めてくれたように思えます。

原告団、弁護団のみなさん、いい判決をおめでとう。私たちの言葉に誠実に耳を傾けてくれてありがとう、名古屋高裁。

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2008年 4月 19日 午前 12:00 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2008.04.18

JPEPAは批准されるのか

フィリピンのアロヨ大統領が今週、上院に対して日比経済連携協定(JPEPA)の早期批准を要請した(Inquirer 紙の "Arroyo renews call to Senate to ratify JPEPA")。外交委員会の Miriam Defensor-Santiago 委員長が28日に条件付き同意の意見書を出すことになっているが、議会内には反対の声も根強く("Arroyo can’t pressure Senate on JPEPA--Senator Pia Cayetano")、3分の2の賛成が得られるかはまだ不確定なようだ。

フィリピンのシンクタンク IBON Foundation がJPEPAを却下する8つの理由をまとめている("Reasons To Reject The JPEPA"、16日発表) 。

  1. JPEPA は不均衡である。日本はフィリピンより多くのセクターを協定の適用外として保護している。フィリピンも5つのセクターを日本からの投資から除外しているが、実質的な保護になっていない。
  2. JPEPA によってフィリピンが得る利益は非常に少ない。看護師受け入れなどが大きく宣伝されているが、実際には日本語能力などの厳しい資格認定を伴っており、多数の受け入れは期待できない。
  3. 有害ゴミ受け入れの根拠となってしまう。同意なしに有害ゴミを輸出しないと日本政府は言うが、フィリピン政府が「ゴミ処理施設の開発」の名目で同意を与える可能性がある。
  4. 「自由貿易」は後進国の発展に寄与しない。歴史的に明らかである。日本の経済規模はフィリピンの50倍もあり、「対等な立場」は強者にのみ有利に働く。
  5. 自由化はフィリピンの経済政策の足かせとなる。投資の制限撤廃は、フィリピンに益のある投資を誘導するような政策の実施を不可能にする。
  6. JPEPA はフィリピンの工業を破壊し、雇用機会を減少させる。そもそも、フィリピンからの工業品の輸出は日本企業の現地法人によるものや下請けがほとんどなので、関税が撤廃されてもフィリピン経済への恩恵は少ない。むしろ、関税撤廃によって原材料の輸出が安価になれば、雇用自体が海外に出てしまう危険性もある。
  7. JPEPA は農業を破壊する。バナナやパイナップルの輸出が容易になると説明されているが、実際にはフィリピンから日本への農業品の輸出は少なく、また、ドールやデルモンテのような多国籍企業に牛耳られている。
  8. JPEPA はフィリピンの発展とは無関係である。そもそも JPEPA は日本の大企業がフィリピンに投資しやすくすることを目的としたものである。

どの点ももっともだと思うのだが、それでも批准されてしまうのではないかと恐れる。先日取り上げた事件以外にももう一件、日本人によるフィリピン人の殺害が最近起こっているので、社会全体として日本への憤りもあるだろうと思う。でも、政治って、それぐらいでは止まらないのだろう。

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2008年 4月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.17

怒る生徒たち

フランスでは、3月の終わりから連日、高校生による大規模なデモが続いている。15日に行なわれたパリのデモは警察発表で2万人、主催者側発表で4万人から5万人にまで膨れあがった。AFP電 "French students march against teacher cuts" によれば、投石と催涙弾の応酬になり逮捕者も出た模様。

フランスの高校生のデモ高校生たちが求めているのは、新自由主義路線のサルコジ政権が決めた教職員11,200人の削減の撤回だ。サルコジ大統領は、退職者の非補充と非正規雇用の教職員の増員によって、より効率的な教育を目指すとしている。生徒たち、父母、そして教職員からの反対の声は強まるばかりだが、Xavier Darcos 教育相は頑として計画の見直しに応じていない。抗議行動は5月15日、24日にも予定されている。

リベラシオン紙の "Education: les petits calculs de Darcos" によると、フランスの高等学校での生徒対教員比は全国平均で28:1だそうだ。都市部では35ないし36対1にまで上がっている。それでも日本よりずいぶんいいような気がする。調べてみなくては。

写真は philippe leroyer さんが Flickr で CC-by-nc-nd で公開しているもの。15日の撮影。白黒写真だから、「1968年です」と言われても信じてしまいそうである。1968年と2008年が連続していることを強く感じさせる作品だ。

(後になって読み返す時のための独り言:今、職場が悲惨なことになっている。そのことについて書かず、ひとさまの教育について書くことが逃避にならないよう、中でしっかりと責任を果たしていく。)

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2008年 4月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.16

パレスチナに家を建てる

「パレスチナに、いいニュース」といった見出しを付けて転載している新聞もあるのですが、私は、悪く悪く読んでしまいました。15日づけニューヨーク・タイムズ紙 "New Home-Buying Plan May Bolster Abbas" - アメリカ政府主導で、資本金5億ドル(約500億円)のローン会社をパレスチナ(西岸地区)に作り、今後5年間で10の新しい住宅街を整備するという話。融資によって西岸の人たちが家を持つことができるようになるだけでなく、住宅整備にともなう工事で雇用も創出されるとされています。もちろん、ハマスを見限ってファタハの側に来れば甘い汁が待っていますよ、というガザへのメッセージでもあります。

パレスチナ人からなけなしの金をむしり取ろうという魂胆に思えるなあ。新しく作られるローン会社の名前が Affordable Mortgage and Loan で、頭文字がアラビア語で「希望」を表わす AMAL となるというのも、怪しげな商法にありがちなパターンのように思ってしまいます。ちなみに、出資は、アメリカの Overseas Private Investment Corporation という投資会社が半額、残りは Palestine Investment Fund という投資会社、世界銀行の International Finance Corporation という子会社、そしてパレスチナ銀行と英政府だそうです。

アメリカって、サブプライム問題で世界中に迷惑をかけているわけでしょう? そんな国がよく「住宅ローンならお任せください」なんて言い出すものだと、あきれてしまうのですが… うーむ、どうしても、多重債務に陥っている人を甘く誘う悪徳業者のようなイメージで見てしまいます。資本主義って、本当に白々しいですね。

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2008年 4月 16日 午前 12:22 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.15

大統領は悩む

トルコに刑法301条という「反トルコ」的な言論を取り締まる法律があることは、ここでも何回か取り上げてきた。1月に、この条項の改訂が検討されているという話を書いた。その後、あまり注意を払って来なかったのだが、14日づけの Turkish Daily News 紙に "Government's proposal for Article 301 stirs up tension in Çankaya" という続報があった。チャンカヤとは大統領府の所在地らしい。

表現の自由の侵害を懸念する声に押されての改訂作業だと思っていたのだが、どうもあまり期待してはいけないようだ。記事からは改訂の全体像は分からないが、政府案では301条に抵触するか否かを審理する組織が大統領府に置かれることになっていると記事は伝えている。下手をすると言論統制を強めることになりはしないだろうか。

ギュル大統領が、公平性に疑念が差し挟まれたり、国粋主義勢力から取り締まりの強化に向けた圧力をかけられたりすることを懸念して、この改訂には乗り気ではない、というのを Radikal という新聞が報じ、テレビで法務大臣が「大統領は反対していないはずだ」と釈明した、というのがこの記事。

この301条および「国益への侮辱」を取り締まる305条に関しては、年間約1,500件の提訴が行なわれると書いてある。私たちの国にこのような法律がなくて、本当によかったと、誇りに思う。もちろん、そう思い続けるためには、絶え間ない努力が必要とされている。「反日」とか騒ぎ立てる愚か者たちにこの国を乗っ取られてたまるものか。

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2008年 4月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.14

死をもって何を償うかについての一つの備忘録

今週の水曜日にアメリカの連邦最高裁で死刑に関する弁論が行なわれるらしい。ロイター電 "Court to consider death penalty for child rape" によると、審理されるのは、ルイジアナ州で8歳の義理の娘をレイプして死刑判決を受けた男性が子どもに対するレイプが死刑とされるのは違憲であると申し立てている事件。記事によれば、アメリカではルイジアナ、モンタナ、オクラホマ、サウスカロライナの4州で13歳未満の子どもに対するレイプへの刑罰として死刑が認められている。

原告側の弁護団によれば、現在、世界で死刑をもってレイプを罰することを認めているのは中国、エジプト、ヨルダン、ナイジェリア、サウジアラビアなどごく少数。アメリカでは大人へのレイプに対する死刑は1977年にが廃止された。被告であるルイジアナ州政府側の弁護士によれば、アメリカでは14の州および連邦政府が殺人以外の罪、つまり反逆罪、スパイ行為、誘拐、航空機乗っ取りなどに死刑を認めている。

私は、日本では殺人にしか死刑が適用されないのだと思っていたのだけれど、刑法を見ると、実際に死刑判決が申し渡されるかは別として、殺人以外の致死行為にも死刑の規定はあるし、致死行為以外にも政府転覆を狙った暴動や、スパイ行為などにも死刑が定められている(第79条、第81条、第82条)。今回アメリカで問題になっているレイプに関しては、死に至らしめたとしても死刑は適用されない。

運用においては、内乱や利敵行為への死刑も人命が失われた時にしか適用されないのだろうと思うが、そのことは文章の上には現われていない。法の理念としては、日本では「命をもって命を償う」ためだけに死刑があるわけではないということなのだろう。

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2008年 4月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.13

イラクのエアコン

Low-power air conditioners are hot items in Baghdad - McClatchy 新聞系列の記事。アメリカによりインフラが破壊されたイラクでは、今でも電気が使えるのは1日5時間ぐらいだ。電気を広く行き渡らせるために、普通の家庭は10アンペアしか使えない。その中で、今年になって省エネ型のエアコンが人気を集めており、6年ぶりに惨めな夏を過ごさなくて済むと言って喜ばれている。

記事によると、イラクの人々がこぞって買っているのは5アンペアで動く機種で、室外機と室内機が別々になっているもの。小さめの締め切った部屋でなければイラクの夏の暑さには太刀打ちできないようだが、省エネ型なので停電時に発電機ででも使えるのも魅力らしい。

「LG(韓国)、Carrier(アメリカ)、Kelon(中国)といった世界的に有名なメーカーの品だが、全部中国製だ」と書いてある。日本で暮らす者としては、日本のメーカーの名前が挙がっていないのが気になるなあ。すてきな電化製品と言えば日本製という時代はもう遠い過去なのか。イラクは220ボルトなので、省エネ技術の開発に熱心な日本企業なら、簡単に5アンペアモデルぐらい作れそうなのに。

しょうもない道路工事のために派兵することばかりにご執心で、イラクの人々の心をとらえ、印象を残すようなことをやろうとしなかった自民党や経団連の責任は重大だ。平和に戻ったイラクに行って「戦争の後の混乱の中、俺の家族はお前の国のエアコンで暑さを乗り切ったんだぜ」とか言って歓迎されるのは、どこかほかの国からの旅行者になりそうだ。さびしいなあ。

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2008年 4月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.12

友情という名の列車が走る

Bangladesh, India to restore train link after decades - インドとバングラデシュの間の旅客列車の運行は、印パ戦争(当時バングラデシュはパキスタン領だった)の影響で1965年から途絶えていた。来週の月曜日、43年ぶりにコルカタとダッカの間に急行が走る。急行には Moitree Express (友情急行)という名前が付けられた。

バングラデシュの The Daily Star 紙の記事によれば、列車は土曜日と日曜日の朝、コルカタとダッカを出発し、538キロの道のりを12時間ほどかけて走る。空調付きの寝台車が20ドルぐらい、空調なしの座席が8ドルぐらいらしい。ダッカ発が418人乗り、コルカタ発が366人乗りと書いてある(折り返して走ると考えると、地下鉄漫才並みに不思議)。

バングラデシュは軍部の傀儡政権だから、手放しで喜んではいけないのかもしれないが、国境を越えて移動が容易になることは、たいがいの場合、いい方向に世界が向かっていることのしるしだろう。

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2008年 4月 12日 午前 12:32 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.11

遅い卒業式

日本が真珠湾を奇襲攻撃してアメリカとの戦争を始めた時、アメリカ西海岸では日系市民へのいわれなき迫害が始まった。10万人以上の人が強制収容所に抑留された。抑留こそされなかったとしても、西海岸で暮していた日系市民は社会から追放されていった。

Degrees Deferred - 西海岸のオレゴン大学で6日に行なわれた“卒業式”の写真集。1942年の春、University of Oregon では、在籍していた20人の日系市民が学籍を奪われ、追放処分となった。彼ら彼女らに名誉学位が贈られたのだ。

The Oregonian 紙の記事(ページ123)によれば、学長は、学生たちの追放が大学の歴史の中の暗い日々に犯された大きな過ちであったとし、66年ぶりに正しいことをする機会を得ることができたと語った。

自分たちの社会の過去の不正ときちんと向き合い、それを乗り越えて、よい社会を創ろうとする、誇らしいニュースだと思った。記事によれば、強制収容について学んだ大学生が州議会の議員の助手になり、議員に働きかけ、州立大学を追われた日系市民を顕彰する州法を作ったらしい。教育の大切さや民主主義の力強さを感じさせるエピソードだ。

とてもいい話なので、終わりに嫌なことを書くのは気がひけるのだが、これが日本だったら、「反日」とか「自虐」とかいう言葉を好きこのんで使う人たちが黙ってはいないだろうな、と思った。アメリカにもそういう人はいるのだろうが、きっと極右の人種差別主義者だと相応に判断されて、だれにも構ってもらえないだろう。

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2008年 4月 11日 午前 12:12 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.10

地球儀の上の難民

UNHCR and Google unveil new map programme for humanitarian operations - 国連難民高等弁務官事務所の報道発表。Google Earth で難民キャンプなどの情報に接するためのレイヤーが提供された。

UNHCR のサイト www.unhcr.org/googleearth の一番下にあるリンクから入手できる。起動すると、Refugee's Life というコンテンツが追加される。現在のところ、収録されている地点はダルフール、イラク、コロンビア。リンク先は英語、スペイン語、フランス語のページ。動画などへのリンクもあるほか、クレジットカードでの募金も行えるようだ。

グーグルアースのメディアとしての可能性って、どうなんだろう。確かに地球儀をぐるぐる回しながらクリックするといろいろ分かるというのは、面白いし今風なんだけど、あらかじめレイヤーを入手しておかなければならないことを考えると、なんか馬の前に馬車を置いているような感じもする。もちろん、メディアの可能性とは「思わぬ発見」の可能性だけではないけれど。

以前書いた関連記事:

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2008年 4月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.09

二度目のチャンス法

U.S. Shifting Prison Focus to Re-entry Into Society - ニューヨーク・タイムズ紙の記事。今日、アメリカではブッシュ大統領が署名して新たな法律が発効する。Second Chance Act - 「二度目のチャンス法」だ。

アメリカには現在、史上最多の服役囚がいる。罪を犯した彼ら彼女らは、教育も、いい職業を得るあてもないまま、やがて刑務所を出ていく。社会への復帰の道は厳しく、再び罪を犯す者も多い。二度目のチャンス法は、この悪循環を断ち切るべく、服役中の更生や教育を重視した予算配分を可能にする法律だ。犯罪者のリハビリと言ってもいいだろう。連邦政府はこの法律に従って1億6,500万ドル(165億円)の予算で、刑務所内の教育、麻薬依存症の治療、出所後の居住や雇用の世話、コミュニティ作りなどを行なう。

議会でも市民の間でも支持は保守派から進歩派まで意外なほどの広がりを見せ、議会ではほぼ満場一致で採択されたそうだ。予算配分の話にとどまらず、罪を犯した人たちをあらためて社会に迎え入れる暖かなまなざしが定着するなら、それはすばらしいことだ。

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2008年 4月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.08

共和国の遠い夢

Australian PM confirms aim to remove Queen as head of state - オーストラリアのケビン・ラッド首相がイギリスを訪れている。オーストラリアはイギリス国王(女王)を名目上の国家元首としているが、共和制へ移行しようという意見が根強い。ラッド首相は、共和制導入を推進するつもりかどうか問われて、「今は他に取り組むべき課題がある」と答えた。

記事によれば、王制廃止の投票は最近では1999年に行なわれたが、意識調査では70%の人が共和制を望んでいるにも関わらず、投票に付された大統領制は不人気で、否決された。

オーストラリアの硬貨

エリザベス2世の肖像の刻まれたオーストラリア硬貨の写真は Scootie さんのもの。CC-by-nc。

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2008年 4月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.07

王制最後の日々

かつて、その国では、国王は現人神だと信じられていた。今週の木曜日、その国では憲法議会選挙が行なわれ、王制廃止の民意が確かめられる。ニューヨーク・タイムズ紙 "In Nepal, Long-Lived Monarchy Fades From View"、AP電 "Nepal prepares for end of monarchy"、英インディペンデント紙 "Last of the Hindu kings?"、タイムズ・オブ・インディア紙 "'Nepal king must vacate palace'"。

ネパールとその周辺の地図

ネパールはすでに昨年、絶対王制を廃止している。以前は役所などには必ず国王の写真が飾られていたものだが、それらもおおかた取り払われた。長い間、内戦を戦ってきて、ごく最近、選挙政治の場に進出したネパール共産党毛沢東主義派(CPN-Maoist)が第一党となれば、王制の完全撤廃が実施されると見られている。しかし実際には、毛沢東主義派も、中道に位置するネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派(CPN-UML)も、中道右派のネパール国民会議派(NC)も、単独で過半数を取ることはないだろうと予想されている。

私たちの国は、きっぱりと天皇制を廃止する契機もあっただろうに、中途半端な形でそれを存続させてしまった。民主的な手続きによって君主制を廃止することって、本当にできるのだろうか。今後書かれていくネパールの憲法に、とても興味をひかれる。

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2008年 4月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.06

糞になる

ビルマを継続的に追っていらっしゃるフォトジャーナリストの宇田有三さんのお話を聞いて来ました。4月5日に京都で開かれた「ビルマ最新取材報告~軍事政権下に生きる人びとの現実とわたしたち~」という講演会です。

この記事のタイトルに挙げた「糞になる」は、質疑応答の時間に「今後、ビルマでどんな写真が撮りたいですか」という質問に対する宇田さんの答えの中に出てきた言葉です(ビルマ情勢に関する難しい質問が続いた後で子どもっぽい質問をするのは、かなり恥ずかしかったのですが、真剣に答えてくださいました。ありがとうございました)。言葉を越えた表現をしたい。外国人だからこそ撮れる写真を撮りたい。そして「糞になりたい」。絶対的な権力を持った者でも、それを踏んだら腹が立つ。そんな癪に障る写真が撮りたい。

撮る人にとっても、そして見る人にとっても、それはなかなか難しいことかもしれません。当然のことながら、撮る人にとっては、尾行や監視そして通報者がいる中での撮影はとても危険ですし、案内や被写体の人たちに危害が及ぶおそれもあります。見る人も、ぼんやり見ていても写真は読み解けません。宇田さんの講演は、アルジャジーラのビデオを見ながら、見落としがちな点を指摘するところから始まりました。デモ隊のもとに投石用の煉瓦を運ぶトラック。車両の普及の度合いなどを考え合わせれば、これは騒乱状態を引き起こすために政府側が用意したものと考えるのが自然。写真に写った僧侶と兵士の、あるいは将校と翼賛団体幹部の力関係。等々。目から鱗ですが、今後、解説なしに自分でこれらのことを読み解いていくのはとても難しそうです。

宇田さんの身の安全を、そしてタン・シュエ政権の軛をビルマの人々が打ち破ることを祈ります。

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2008年 4月 6日 午前 12:27 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.04.05

この国は、私の家は

バンコクで開催された気候変動枠組み条約の特別作業部会について、地元のバンコク・ポストのサイトが最終日のようすについての記事("Bangkok climate talks in last day")を掲載している。午後3時に開会の予定だったが、舞台裏での交渉がまとまらず、7時過ぎに開会、10時ごろ閉会、という見通し。

混乱の中心は日本が提案した「セクター別アプローチ」。発展途上国にCO2の排出削減目標を課し、工業国には有利な扱いを与える仕組みであるとして発展途上国側が反発。3日の時点では否決される見込みだったが(Bloomberg)、日本とアメリカがゴネているらしい。京都議定書の削減目標からはるかに遅れている日本が怪しい提案をしていると受けとめられているようだ(AFP電)。

もう一つ、世界銀行が発展途上国に対して融資の枠組みを作ろうとしていて、国連気候変動枠組み条約(UNFCC = United Nations Framework Convention on Climate Change)の中での取り組みを目指している発展途上国から「気候変動問題の乗っ取り」だと批判されているという話もある(ロイター電 "World Bank accused of climate change hijack")。

さて、我が身を振り返ってみると、1990年に比べて6%の削減ができているかと考えると、はなはだ心許ない。車がなくなり、パソコンはデスクトップだったのがラップトップになったので、そこらへんは削減に貢献しているように思うが、冷蔵庫は大きくなったし、無線ルータなど昔はなかった電気製品が増えている。うーむ。

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2008年 4月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.04

ニコシアの壁は取り払われた

レドラ通り地中海のキプロスは、ギリシャ系市民とトルコ系市民の対立の激しくなった1970年代から北半分がトルコによって占領されている。首都のニコシアも南北に分断されており、買い物客でにぎわう Ledra 通りも、途中にバリケードや国連による検問所が築かれていた。

そのレドラ通りのバリケードが、このほど撤去された。ロイター電 "Cypriots tear down barricades on division symbol"、BBC "Symbolic Cyprus crossing reopens"。もちろん、これで問題が解決したわけではなく、統一への道のりはいまだ遠いことをだれもが知っている。しかし、ニコシアの老人は「生きてこの日を見ることができるとは思わなかった」と喜びを語っている。ここに至るまでには、国連などによる辛抱強い調停とともに、和解をかかげて政権についた共産党(労働者進歩党)の功績が大きいと言えるだろう。

紛争が平和的な解決に向かっていることを示すこの象徴的な壁の撤去は、「壁」をかかえているすべての人々に希望を与えるものだ。

レドラ通りの写真は GunnarInIstanbul さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。

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2008年 4月 4日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008.04.03

女王が語る

Queen Rania on YouTube - ヨルダンのラーニア女王が YouTube にチャンネルを作った。世界中からアラブ人に関するステレオタイプをコメントとして寄せてもらい、それに彼女が答えていくことによって、相互理解を促進しようという試みだ。

オランダの右翼政治家 Geert Wilders が作った反イスラム短編映画 Fitna が公開された直後に発表された企画だが、たぶん、Fitna (これも YouTube にある)に対抗するというより、もっと広い視野での取り組みだろうと思う。

私は王制のような封建的な遺制が大嫌いなのだが、人民を代表、代弁して王族が語るという図式がちょっと新鮮に見えたりする。まあ、実際のところ、庶民の生活を実感をもって伝えたりはできないだろうと思うけど。人々の質問に直に答えるという姿勢も、某国の皇族のみなさんとは違うなあ、という感じ。

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2008年 4月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.04.02

金持ちは死者を運ばない

2週間ほど前、東京の東久留米市で、バスの運転手をしている男性がフィリピン国籍の妻と生後7か月の子どもを殺す事件が起きた(共同通信電)。

PAL to fly home mother, child slain in Japan--DFA - 先週木曜日のフィリピン Inquirer 紙の記事。亡くなった Crisanta Mahusay Lopez Nagano さんの遺族がフィリピン政府に陳情し、フィリピン航空が輸送費を肩代わりする形で、クリサンタさんと直正ちゃんの遺体をフィリピンに移送することになったと伝えている。

フィリピンはとても貧しい国で、日本はとても富んだ国だ。なぜ私たちが遺体を里帰りさせる費用を負担してあげなかったのだろう。

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2008年 4月 2日 午前 12:00 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2008.04.01

怯える社会

東京での「靖国」上映中止 「近隣に迷惑の恐れ」 - 先月19日に「右翼の圧迫感に負けないで」という記事を書いたのですが、映画「靖国 YASUKUNI」をめぐる事態はその後も深刻化し、4月12日から予定されていた東京と大阪での上映はすべて中止に追い込まれたとのこと。

記事には、実際に脅しなどを受けたのかどうかが書かれていません。ぜひとも知りたいところです。

本当に、例えば祝日に日の丸を掲げていない家が焼き討ちに遭うような日が近づいてきたような気がします。怯えず、団結して立ち向かいましょう。真実と正義は私たちの側にあるのですから。

今年はエイプリル・フールで遊ぶ気にもなれません。

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2008年 4月 1日 午前 12:00 | | コメント (5) | トラックバック (6)

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