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2008.03.31

この国を地球の時間の流れに載せよう

消灯中のトロント一昨日取り上げたアースアワー(Earth Hour)は世界的に成功したようで、元祖のオーストラリアでは成人人口の半数が消灯行動に参加したというし、全世界で3千万人もの人が電気を消したとも伝えられている(ロイター電)。3千万人といえば、世界の人口のほぼ200人に1人にあたる数だ。

それだけの盛り上がりを、ここ日本では感じることはできなかった。私自身、アースアワーについて知ったのは前日のことだったし、ネットで検索しても、「アースアワー」について多くの人が書いているようにも見受けられない。

別に、お祭りがあるからって参加しなきゃいけない義理などないのだが、踊る阿呆に見る阿呆、祭りを知らぬは、もっと阿呆だ。「クールアース」とか言って安倍前首相のころから「温暖化問題に国を挙げて取り組んでいます」と口先では言って、本当のところ大したことをやっていないというこの国のお寒い現状を考え合わせると、これでいいのだとは言い難いだろう。

消灯前のトロントはやり言葉で言えば、「空気が読めない」と言うのだろうか。慰安婦問題でも捕鯨問題でもそうだが、日本で幅をきかせている右寄りの言説というのは、ものすごく閉鎖的で、「世界の空気が読めていない」と言えると思う。世界の人々が考えていることに無関心と言うのが正しいかもしれない。自尊心が高いこと自体はいいことなのだろうが、独りよがりになっている今の姿は、ただのお馬鹿さんだ。

十分に多くの人が世界の動きを見ていれば、アースアワーの話題も、もっと盛り上がったはずだ。なのに、私たちの中で世界を見ている人は少なすぎた。環境問題に真剣に取り組んでいる人たちは、ちゃんとアースアワーという催しがあるということを世に訴えていた。しかし、テレビなどが垂れ流す大企業寄り、体制寄りの情報の音量が大きすぎて、私たちはその訴えを見逃してしまった。

うさんくさい資本家の宣伝や、かびくさい国粋主義的な雑音なんかは軽く無視して、外の空気に窓を開きたい。聞こえてくる音のすべてが快いものではないだろうけど、耳を澄まそうと思う。この国でまかり通っている歪んだ時間を、少しずつ解きほぐしていこう。普遍的な時間を取り戻すために。

写真は saveourclimate さんが CC-by で公開している、トロントの消灯前後。

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2008年 3月 31日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.30

東独春画

旧東ドイツ軍には秘密の映画部隊があり、軍幹部や共産党幹部向けにポルノ映画を作成していたことが明らかになった。英テレグラフ紙の "Secret Stasi pornographic films found"、英インディペンデント紙の "Stasi's official pornography department finally exposed" などが報じている。ドイツのテレビ局 MDR が作成した旧東独の性に関するドキュメンタリー(たぶん、Sex im Sozialismus と題されたこの番組だと思う)の中で紹介されたらしい。

記事によると、東ドイツでは、おおやけにはポルノ映画は資本主義の病弊であるとして禁止されていた。なのに偉い人たちは自分たちだけ楽しんでいたなんて、ずるい。あと、男だけいい思いをしていたんだろう、みたいな批判も可能だろう。

「祖国のためにやる」などの題が付けられた作品の中の女性医師や女性兵士については、インディペンデント紙に出演シーンの描写、MDR の記事に写真へのリンクがある。

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2008年 3月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.29

地球のための一時間

今日はアースアワー(Earth Hour)という一斉消灯行動が国際的に行なわれるのだそうですね。都市や自治体としての参加が売り物みたいです。26の大都市を含む35か国371自治体で、世界標準時9時、つまり日本の午後6時から1時間、観光名所などのランドマークが消灯するそうです。28日づけAFP電 "'Earth Hour' to plunge millions into darkness" で知りました。私、こういう催しが好きです。何かあったら、教えてくださいね。

日本では杉並区が参加するようです(区からのお知らせ)。こっちは午後8時から9時になっていますね。「可能な範囲での消灯」を呼びかけています。防犯上問題になるようにしてまで、あるいは代わりにロウソクを使ってまで電気を消すようなことはするなという姿勢です。これなら参加しやすいですね。

アースアワーは去年、オーストラリアで始まった運動だとのこと。2年目にしてアジア、ヨーロッパ、アメリカなどにも広まりました。1時間消したところで節約できる電気は知れているが、みんなの考えるきっかけになる、という趣旨です。

家庭でちまちま電灯を消すことも大切なのだと思いますが、都心で大企業の広告ネオンを消すのは(あるいは、今回そういう形で日本では運動が広がっていないことを考えるのは)、物質主義、過剰な消費商業主義、寡占化された資本主義についてみんなが考える契機として重要だと思います。

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2008年 3月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.28

壁に刻まれた名前

ワシントンDCにベトナム戦死兵祈念碑(Vetnam Veterans Memorial)という石碑がある。ベトナム戦争で死んだアメリカ兵の名前が刻まれた黒い大理石の壁だ。その壁を部分ごとに写した6千枚余りの写真をつなぎ合わせて自由に拡大縮小できるような形で電子化し、政府の戦死兵資料のデータベースと連動させてさまざまな形で検索できるようにしたサイトが今週、公開された: Interactive Vietnam Veterans Memorial

Vietnam Veterans Memorial画像は40万ピクセル×12,500ピクセル。壁には58,320の名前が記されており、そのうちの70ほどは重複や誤記。女性であることが明示されているのは8名のみ。2,056名は遺体が回収されていない。死亡時の平均年齢は22.8歳。

私が住んでいた町の出身者もいた。海兵隊所属、上等兵、狙撃兵、白人、カトリック信者、独身、1948年11月20日生まれ、1968年9月29日出兵、1969年3月1日、敵からの攻撃により爆弾の破片を体中にあびて負傷し死亡、20歳。

ベトナム戦争や日本のアジア太平洋戦争のように不正義な戦争であっても、それに駆り出されて死んだ兵隊たち個人は悼まれるべきだろうと思う。40年の時間を超えて、自分と関わりのある戦死兵を探しあてることができるデータベースというのも、一つの追悼の形式かもしれない。戦死兵を軍神だの英霊だのにまつりあげ、間違った偏狭で危険な思想を再生産するだけの装置よりも、はるかにましだと思う。

写真は SnoShuu さんによるもの。CC-by-nc-nd。

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2008年 3月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.27

命の重み

命について考えさせられるニュースが続いています。

土浦と岡山で起こった「だれでもいいから殺したかった」といった言葉とともに報じられる事件。どちらも若者によって起こされました。私の想像力では、人を殺してみたかったという彼らの気持ちが理解できないので、的外れかもしれませんが、「あなたには人の命を奪う権利はないのだ」ということをもっと強く教えることが必要なのだと思いました。

イージス艦「あたご」の当直員だった海士長が自殺を図ったというニュース(毎日共同)。人は自分自身の命を管理する特権を持っているとは思いますが、自分の命を損なおうという判断は極めて抑制的になされなければならないと思います。自分自身の命ですら軽く見てはいけない、自分自身の命でさえ完全に自由ではないということを社会全体で確認しなくてはいけないと思いました。

袴田巌さんの再審請求が最高裁で棄却されたニュース(毎日共同)と、その背後にある死刑制度の問題。私は、冤罪とか更生の可能性などの点で問題がなかったとしても、それでも死刑というのは行なわれるべきではないと思っています。仮に極悪人であっても、その命を軽く見てはいけない、国家にすら人の命を奪う権利はないと思います。ましてや、無実を訴えている人に死刑判決の見直しの機会を与えないなんて。

殺人、自殺、死刑。この三つの中で殺人だけを犯罪と考え、それを減らすために道徳を明確化しようとする時、自殺する人がたくさんいるのに何も手を打たない社会や死刑を容認する社会は、説得力のある倫理体系を作ることができるのでしょうか。

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2008年 3月 27日 午前 12:11 | | コメント (0) | トラックバック (1) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.25

ダライ・ラマの心の平和

Tibet on mind, Dalai Lama teaches compassion - 24日づけの The Times of India 紙が伝えるダライ・ラマの近況。ダライ・ラマ14世は、先週の金曜日からニュー・デリーに滞在している。「瞑想の実践と諸段階」というワークショップで教えるためだ。

緊急時にも関わらず、以前からの約束を果たしに来たダライ・ラマだが、いつもと違って、あまり笑わない。「いつもなら、私は瞑想する時、かなり集中するのですが、今はだめです。集中できません。でも、原稿を用意してきましたから、大丈夫です。」そんな冗談とともに見せる笑顔も悲しげだ。「いろいろと心が騒ぎます。頭の中は心配でいっぱいです。」

しかし、ダライ・ラマの表情や声には怒りの影はない。だれかが「チベットでジェノサイドが起こっていても、中国人に対して憐れみや思いやりの気持ちを感じ続けることができるのですか」とたずねた。ダライ・ラマは答える。「私が怒りや憎しみを感じても、それはチベットの人々の助けにはなりません。そして、それによって私の内的な平和が壊されてしまいます。憎しみはそれを感じる人を壊してしまいます。頭の中には心配や不安がありますが、私の心は穏やかです。ちゃんと1日8時間眠っていますよ。」

怒りや憎しみで行動しても、チベットの人々の助けにはならない。これはダライ・ラマだけのことではなく、私たちにも当てはまると私は思う。

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2008年 3月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (2) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.24

聖火リレー

今日、ギリシャで北京オリンピックの聖火が灯され、聖火リレーが始まる。それを前に、23日、タイの聖火リレー走者の一人が中国によるチベットでの武力鎮圧に抗議して走ることを辞退したという。AP電 "Thai Olympic torchbearer withdraws in protest over China's crackdown in Tibet" で知った。

北京オリンピックのコンセプトの一つが「緑のオリンピック」ということで、タイでは八十数人の走者のうち6人が環境問題の活動家から選ばれた。コカコーラ社からの推薦で選ばれた Narisa Chakrabongse さんもその一人で、Green World Foundation という環境団体を主宰している。バンコク・ポスト紙の "Thai takes a stand" によれば、ナリサさんは、「三月半ばからのチベット人の虐殺は人権の甚だしい侵害であり、聖火がアテネを離れる2週間前、オリンピック開幕の5か月前という時期にこれが起こったことは、中国政府が世界の感情を無視していることを反映している」とし、中国政府が取った行動が国際社会には受け容れられないものであることを明確に伝えるために、聖火リレーには参加しないことを決断したとしている。

日本では、先週、53名の走者が決まった(長野市のサイトによれば、1名が調整中)。おそらく、内心、葛藤している人もいるのだろうと思う。「オリンピックに政治を持ち込みたくない」「しかし、これは政治の問題ではなく、人権の問題だ」等々。心中をお察しする。納得のいく決心をするまで、あと一か月ある。

なにも、ボイコットしなくても、抗議の気持ちを伝えることはできるようにも思う。例えば、チベットの旗をふまえて、片足に青い靴下を、もう片方の足には赤い靴下をはいて走ればいいかもしれない。さりげない意思表示でも、世界はきっと気がつくだろう。

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2008年 3月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.23

パナイ島の戦争祈念碑

World War II memorial unveiled in Iloilo - フィリピン中部のパナイ島のイロイロ市で新たに第二次世界大戦の祈念碑が建てられた。日本による占領に抵抗し、日本軍と戦って死んだ抗日ゲリラ兵1,421人の名前が刻まれている。「記憶の壁」(the Wall of Memory)と名付けられた祈念碑は、Panay、Guimaras、Romblon の島々が解放されて63周年にあたる先週、Iloilo 市 Jaro 地区にある Balantang Memorial Cemetery National Shrine で除幕された。

フィリピン政府の報道発表 "Ilonggo WW II veterans say Victory Day commemoration a must" も、対日ゲリラ戦の経験者たちが戦勝記念日にあたり、「この高貴な戦いを今の若い世代にも語り継いでいってもらいたい」と語ったことを報じている。

パナイ島では、日本人の民間人たちの集団自決もあったらしい。先日、フィリピン下院外交委員会で慰安婦への謝罪と補償を求める決議が採択された時、新聞のインタビューに応えていた元慰安婦のかたも、この島の出身だった。

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2008年 3月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.22

故郷に帰る日

Return and Coexistence Initiative by Ziad Abu Ein - パレスチナ自治政府の閣僚で、ファタハの幹部である Ziad Abu Ein さんがパレスチナ難民に向けて“帰還”を呼びかけている。パレスチナの Ma'an News Agency の記事エルサレム・ポスト紙の記事Palestine Media Center の記事で知った。

一斉帰還が実行されるのはナクバから60年の日である(イスラエルの建国記念日の)5月14日。帰還は国連決議194号の実力行使であり、奪われた故郷に帰ろうとするパレスチナ人は、国連の旗のみを掲げ、国連決議の文章を難民証明書とともに胸に貼り、ユダヤ人たちと平和的に共存するために失われた地を目指す。かつて住んでいた家は壊されているだろうから、テントを忘れずに携帯すること。この出来事を見届けるために、世界各国の指導者、判事、ジャーナリスト、芸術家たちの立ち会いを要請する。

ファタハの求心力が低下していることを考えると、この提案がどの程度、現実味を持っているかについては懐疑的にならざるを得ないが、逆に考えれば、この日、一人でもイスラエルの空港や国境検問所で追い返されるパレスチナ難民がいれば(あるいは、私たちの予想に反して入国が認められれば)、それは十分に衝撃的なことだと言えるようにも思う。

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2008年 3月 22日 午前 12:12 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.21

テルアビブにいる私たち

イスラエルのテルアビブでは、中国大使館の前で連日、チベットでの武力弾圧に対する抗議行動が行なわれている。16日のハアレツ紙19日のエルサレム・ポスト紙

抗議行動には、イスラエルで農業労働者として働いている亡命チベット人だけでなく、イスラエル人も参加している。ユダヤ人の参加者の一人は、「特定の集団に対して暴力が振るわれるということの意味を、ユダヤ人はあまりにもよく知っている」と述べ、ホロコーストの民族的な体験に引きつけて、チベットへの連帯を語っている。

記事には「パレスチナ」の文字はない。

最初、「自分たちが起こしている人道問題を放っておいてチベット連帯もないだろう」と思った。しかし、本当は、おそらく、デモに参加している人の中にはパレスチナの占領について強く心を痛めている人もいるのだろうと思う。ただし、それはなかなか記事には出てこない。

たぶん、日本でチベット問題について中国政府に物申している私たちの姿も、「お前らが言えた義理かよ」と言われる類のものだろう。意地悪な人であれば、私たちがパレスチナ云々と語る時にだって、「まずは自分たちの戦争責任、植民地経営の過去をしっかり精算することではありませんか」と冷笑するだろう。

胸を張って言えるように、力を尽くそう。チベットに自由を。そして日本帝国主義の被害者たちに正義と尊厳を。

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2008年 3月 21日 午前 01:54 | | コメント (2) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.20

イラクの5年間から分かること

反戦とか平和とかを唱える人は夢見がちな愚か者で、戦争をも厭わない人は賢い現実主義者だという印象論が世にあります。イラクの戦争が始まって今日でちょうど5年。この5年の日々は、これが全くの作り話であることを明らかにしてきました。

「イラクが大量破壊兵器を持っている証拠など見つかっていない」「サダム・フセインとアルカイダは結託していない」「武力で平和はつくれない」「戦争を始めたらベトナム戦争のように泥沼化する」。戦争を望まない人たちのこれらの主張が正しかったことを私たちは一つひとつ確認してきました。それは悲しい過程だったとも言えます。

The Iraq War Will Cost Us $3 Trillion, and Much More - 今月の9日にワシントン・ポスト紙に掲載されたノーベル経済学賞受賞者 Joseph E. Stiglitz 氏らによる論評です。イラク戦争の費用を一つずつ積み上げていくと、3兆ドル(300兆円)になると試算されています。「失敗した戦争のために海外で3兆ドルも使って、国内で痛みを感じないわけがない」「ベトナム戦争に次いでアメリカ史上2番目に長い戦争、そして第二次世界大戦に次ぐ最も高くつく戦争になった」「中国がアフリカで影響力を増しつつあると心配する考え方がある。しかし、アメリカが毎月イラクで戦うために使う費用は、毎年アフリカに与える支援の倍以上だ」「イラク戦争によって失われた生産性は大恐慌以来最大だ」等々。経済の面でも、現実をよく見ていなかったのは戦争が分に合うと考えた人たちのほうだったようです。

これほどはっきり自分たちが間違っていたことを示されても、戦争好きの人たちが自分が(ちょっと言葉は悪いですが)ばかだったということに気づかないのはどうしてなのでしょう。イラク開戦5周年の今日が、気づくきっかけになるといいのですが。

この5年間、徹底的に壊されたイラク。その傷が、一日でも早く、少しでも、癒えますように。

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2008年 3月 20日 午前 12:00 | | コメント (18) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.19

右翼の圧迫感に負けないで

映画「靖国」(李纓監督)の上映を予定していた東京のシネマコンプレックス新宿バルト9が、万が一問題が起きればビルの他のテナントに迷惑を掛けることになるとして、この映画の上映を中止した(18日づけ朝日新聞共同通信)。「靖国」は、つい先日、稲田朋美議員(自民党、衆議院福井1区)らが検閲まがいの事前上映を求めた映画だ。

私たちは、東京のグランドプリンスホテル新高輪が「街宣車が押し寄せたら取り返しのつかぬ事態になる」「宿泊客らの安全を守りたかった」という理由にならない理由で日教組全国集会の予約を一方的に取り消したというニュース(日教組のページ)に驚いたばかりだ。

反動的、国粋主義的なテロリストたちの暴力に、私たちは怯えはじめているらしい。私たちの社会の病は、思っていたよりも深刻だ。

怖気づいてはいけない。跳ね返そう。もっともらしい、臆病で卑劣な言い訳を聞かされるのはまっぴらだ。

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2008年 3月 19日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (4) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.18

少しずつチベットを知る

チベットの旗週があけて、厳戒態勢がしかれ、主な僧院が閉鎖されたラサは、暴動や銃撃がないという意味では、平穏なようです。凪のような時間が、問題を深めたり先送りしたりするだけの弾圧ではなく、平和的な話し合いに向けて使われることを祈ります。

Tibetan Centre for Human Rights and Democracy や ニュースサイトの Phayul.com によれば、中国政府や漢民族系住民に対する抗議行動はチベット各地で続いているようです。17日づけの記事は次の4つです。

  • 16日、ラサ近郊の Phenpo Lhundup にある Gaden Choekhor 僧院の僧侶らによるデモ。
  • 17日朝、四川省のチベット人自治区にある Marthang という町の中学校で、ダライ・ラマの帰還を求めた生徒たち約40人が逮捕され、他の生徒たちも留置所の前で抗議行動を行なっている
  • Meldrogungkar の僧などによるデモ。
  • Amdo Mangra の Kagya 僧院で約70人の僧と市民約500人が参加するデモ。逮捕者はなし。

地名とか、よく分かりません。私の持っている紙の地図帳はけっこう詳しいのですが、載っていないところも多いです。

上にあげた記事にも表われていますが、チベット文化圏ないしチベット人の居住地帯というのは、チベット自治区(西蔵自治区)にはとどまらないのですね。私は全然認識していませんでした。The Tibetan & Himalayan Digital Library地図は、起動時にはチベット文化圏全体が表示されています。左欄にある PRC Provinces (中華人民共和国の省)をクリックしてレイヤーを重ねてみると、文化圏と自治区の関係がよく分かります。

写真は gilus_pl さんが CC-by-nc-sa で公開しているもの。ワルシャワでのチベット連帯行動の時に撮影されたようです。

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2008年 3月 18日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (5) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.17

壊される街

イスタンブールのスルクレ地区

トルコのイスタンブールにスルクレ(Sulukule)という地域があることを知った。ちょっと知るのが遅すぎたようで、その街は今、壊されようとしている。都市整備計画に基づき、先週の木曜日、ついに家屋の取り壊しが始まった。15日づけ Turkish Daily News 紙の "Demolition teams at work in Roma neighborhood"、一か月ほど前の記事 "Int'l voice raised for Sulukule"。

スルクレ地区の取り壊し

スルクレには、ビザンティン帝国の時代から千年近くもの間、ロマ(ジプシー)の人たちが暮らしてきた。取り壊しにあたっては、40キロ離れた土地に住宅が用意されているとのことだ。しかし、そこでは生計を立てることはままならない。取り壊された家々の跡には住宅も建てられるが、それを買うだけのお金を持つロマの人たちは少ない。また、取り壊しの執行にあたっては、「3月末までに退去するように」と命令書に書いてあったこともあって、まだ荷物を家の中に置いたままだった人もいたらしい。家を壊された人の中には、路上生活を強いられる人もいる。

イタリアの人権団体 EveryOne (Urgent campaign to save Sulukule)が、再開発は歴史的な遺産を破壊するだけでなく、ロマ(rrom)のコミュニティをも破壊するものだとの懸念を発表し、署名を集めている。

どこの国のことであっても、だれかが強制的に立ち退かされるという話を聞くと、心が早鐘のように騒ぐ。人々の生が引き裂かれるのを見るのはとても辛い。より近くでおこっている立ち退きのを思い出し、自分がトルコ語を読めないのは幸いだとも思った。もし読めたら、スルクレについてたくさんの心ない発言を目にしていただろうから。

一枚目の写真は john brock さんによるもので、一年前の撮影。二枚目は E. A. Roberts さんによるもので、取り壊し当日の撮影。どちらも CC-by-nc-sa。

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2008年 3月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.16

電球よ、さらば

Argentina to 'Ban the Bulb' - アルゼンチンが2010年までに白熱電灯を禁止することにしたそうです。この記事によると、電球の禁止を法律で決めた国はこれで10か国。アイルランド(2009年までに)、オーストラリア、アルゼンチン、イタリア、フランス(2010年)、イギリス、オランダ(2011年)、カナダ(2012年)、アメリカ(2014年)、中国(2017年)です。日本は「禁止を検討中」として表に名前が挙げられています。

私の家では、もともと照明のほとんどが蛍光灯で、電球があるのはトイレとか廊下とか、あまり長く点いていないところです。付け換えてどれだけ効果があるのかなと疑問に思いつつ、電球が切れたところから電球型蛍光灯(CFL)に換えていっているのですが、この間買ったやつは、1分ぐらい経たないと明るくならなくて、ちょっと閉口しています。

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2008.03.15

チベットの抵抗、続く

中国による占領に反対する蜂起の49周年だった月曜以降、チベットのラサでもデモなどの行動が続いている。14日の共同電「僧 侶2人が重体、混乱続く」もそうであるように、情報統制の中、現地からの情報は残念ながらアメリカ政府の広報機関 Radio Free Asia によるものにほぼ限られている。これを書いている時点で、Radio Free Asia の最新記事は "Tibetan Monks in Critical Condition After Attempted Suicide, as Protests Mount"。リンクを張るが、それは私が Radio Free Asia を信頼しているという意味ではない。

ニューヨーク・タイムズ紙の "Monk Protests in Tibet Draw Chinese Security" が別のルートの情報として僧侶たちの抗議行動の詳細を載せている。クリスチャン・サイエンス・モニター紙の "Police keep tight lid on Tibet after protests " (前 半後 半)に、デモとその鎮圧を目撃した海外からの旅行者の証言がある。

11 日12 日の記事で書いたインド国内での行進の続報。タ イムズ・オブ・インディアロ イター電ニュー ヨーク・タイムズなどによれば、行進は Dehra という町で警察に阻止され、参加者の大半は逮捕拘束された。逮捕者たちは「今後、政治的活動は行なわない」という念書に署名することを拒否し、ハンガース トライキに入っているらしい。

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2008.03.14

イルカがクジラを助けた話

Moko the friendly dolphin saves whales - ニュージーランドで、クジラの親子をイルカが助けたというニュース。浅瀬に乗り上げてしまった親子のクジラが、方向感覚を失って、どちらが海か分からなくなってしまい、立ち往生していました。自然保護局の人が海のほうに連れていこうとしましたが、うまくいかず、クジラたちは衰弱してしまいました。その時、沖をイルカが通りかかり、クジラたちが困っているのに気がつくと、鳴き声をあげてクジラたちを誘導し、手を引くように、沖のほうまで連れて行ったのだそうです。

お手柄のイルカの名前はモコちゃんというそうです。海岸近くで海水浴客とじゃれあう、愉快なイルカらしい。英インディペンデント紙の記事が詳しいです。

やっぱりイルカやクジラって、頭がいいんでしょうかね。それにしても、通りかかったのが優しいイルカで本当によかった。他人が苦しんでいても知らんぷりするような冷たいイルカや、他人の不幸を陰険にあざ笑うような意地悪なイルカ、自分と同じ種族しか仲間じゃないと思ってるような視野の狭いイルカだっているんでしょうから、きっと。

世界というものは、人間だけのもの、ないしは人間対自然といった図式で捉えられがちですが、本当はもっと豊かなものだというのが分かる話ですよね。

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2008.03.13

振り返る

Hitler's Austria Through the Eyes of the Press - ナチスドイツによるオーストリア併合の70周年にあたる今年、オーストリアでは1938年当時の新聞のコピーが週刊で発行されてい る、というニュース。"NachRichten" (「後から-判断する」と「ニュース」の掛け言葉らしい)と名づけられたその「新聞」を通じて、人々は、いかに積極的に人々がナチスを受容していったかを 知る。実際のところ、報道機関のナチス化にあたっては、ほとんど抵抗もなかったらしい。

記事によれば、第二次大戦末期、連合国側は、オーストリアをナチスによって侵略された国、つまり「ナチスの被害者」として扱うことに よって、ドイツからの離反を促した。しかしその「被害者扱い」が、結果的には、歴史を直視しない戦後の否定主義の土壌になったという。今でも、自分たちが ナチスの共犯だったということを認めたがらない人たちがいるらしい。しかし、多くの人たちは自分たちの戦争責任を認識するようになった。

このへんは、ちょっと日本にも似ているかもしれないと思った。空襲、原爆、沖縄戦などで苦しめられた日本人たちは、自分たちを戦争の被 害者だと規定し、その体験から「戦争はもうこりごり」という思いを語ったからだ。私は子どものころ、まわりの大人たちからそういう話をとてもよく聞かされ た。しかし、そのころ、「日本の兵隊が行った先の人たちも、同じような苦しみを体験したに違いない」という当たり前の真理を、だれ一人、語ってくれる人は なかった。疎開だとか戦後の闇市だとかに視点がべっとりとくっついてしまっていて、他の人の目で見る余裕などないようだった。

今なら客観的に見ることができ、冷静に判断することができるだろう。そんな思いでこの新聞は作られているのかもしれない。「当時の新 聞」を発行する試みは、イギリスの Albertas 社というところが中心になってやっているらしい。今まで、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、スペインでも取り組まれたとのこと。

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2008.03.12

歩き続ける

BBC の "Indian Tibetans 'defy march ban'"、ロイターの "India to block Tibetan protest marchers" - 昨日の記事で言及した亡命チベット人による行進は、ダラムサラから20キロ歩いたところで、インドの警察によって制止を受けたらしい。Dharamsala があるのはヒマチャル・プラデシュ州の Kangra 地区というところで、そこから出ることは、中央政府によって発行された令状によって差し止められていると告げられたという。

行進は制止を無視して続けられており、水曜日中には Kangra 地区の境界線に達するもよう。逮捕には非暴力で抵抗し、保釈され次第、行進を再開すると語っている。

火曜日には、チベットのラサでも抗議行動が行なわれたことをアメリカ政府の広報機関 Radio Free Asia が伝えたが、BBC によれば、中国外務省の Qin Gang 報道官が「不法行為」を取り締まったことを認めている。

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2008.03.11

チベット、チベット

チベットの蜂起49周年だった昨日、ダライ・ラマが声明を発表した。ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトにその日本語訳が読める。一節を引用する:

チベットでは、弾圧が続いています。数えきれないほどの想像を絶する人権侵害、宗教の自由の否定、宗教的問題の政治問題化が増え続けています。これらはすべて、チベット人を人間として尊重する姿勢が中国政府に欠如していることに起因しています。そしてこれが主な国民感情となり、チベット人と中国人との間に差別を生んでいるのです。

「人間として尊重する姿勢の欠如」という表現は、とても明解なのだけれど、逆に、あまりにも多くの事象を引き受けすぎてしまうようにも思う。パレスチナの問題だってそうだし、野宿者や生活保護受給者の問題だってそうだし、慰安婦にされた女性たちに謝罪を尽くそうとしないという問題だってそうだ。別の言い方をすれば、一つひとつの事象の解決を示唆する力に弱いということだろう。もっと身も蓋もない言い方をすれば、そもそも差別感情を持っている人に、こんなことを言っても通じないだろう。しかし、アフリカの植民地解放闘争だって、アメリカの公民権運動だって、これに関して闘い、自由や平等を勝ち取ったのだ。あきらめてはいけない。

タイムズ・オブ・インディア紙 "Tibetan exiles set off from India on symbolic march home"、AFP電 "Dalai Lama lashes out at Chinese 'repression' in Tibet" - チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラから、100人ほどの僧侶がチベットへの行進を始めた。徒歩で国境を越え、6か月ほどかけてチベットに向かう予定。妨害などを防ぐため、道のりや最終目的地は明らかにされていない。象徴的な闘いだ。彼らの行く道が平和でありますように。

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2008年 3月 11日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0) このエントリーを含むはてなブックマーク

2008.03.10

北朝鮮の経済規模

North Korea far poorer than reported: expert - 北朝鮮の経済規模は、これまで考えられてきたレベルをはるかに下回り、世界の最貧国なみだろうと韓国の元統一相が推定していることを報じるロイター電。

昨年8月に韓国銀行(韓国の中央銀行)が発表した統計(英文報道資料)では、2006年の北朝鮮の国民総所得(GNI)は228億ドル程度でその規模は韓国の3%未満とされていた。一人あたりGNIは$1,100程度(約11万円)ということになる。この中から比較的大きな部分が軍事などの部門に回されているにしても、伝えられてく