ニュージャージーの奴隷制謝罪決議
1月7日、ニュージャージー州議会が奴隷制について公式な謝罪を決議した。AP電 "New Jersey apologizes for slavery"、日本語では共同電(リンク先は産経)。
ふだんから私は、日本が過去の戦争や植民地支配の中で行なった犯罪に真剣に向き合おうとしないことを残念に感じているので、この決議の話を聞いた時には、一世紀以上も昔のことになれば、もっと素直に謝れるようになるのかなあ、などと思った。
決議第270号を読んで、私の感想をちょっと軌道修正する必要を感じた。確かにこの決議は拉致されたアフリカ人たちの人間性を奪い、名前を奪い、レイプし、家族を離散させたことをはじめ、さまざまな奴隷制の悪をあばき、それに誠実に謝罪している。しかし、それだけでなく、この決議は第二次世界大戦当時や60年代の公民権運動の時代に至るまで、そして現代に至るまで、奴隷制の痕跡が存在し続け、それが日々、アフリカ系住民たちを苦しめていることを言挙げしているのである。この決議は、遠い過去のことを詫びるだけのものではない。決議は、また、これらの歴史について子どもたちが学ぶことの重要性も指摘している。
裁決は、下院で賛成59、反対8、棄権8。上院で賛成30、反対1。圧倒的多数での可決だ。なぜ私たちにはそれができないのだろう。
2008年 1月 10日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
この記事へのコメントは終了しました。
コメント