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2008.01.08

崩壊するアルゼンチンの平等社会

日本にいる私たちから見て地球の裏側にあるアルゼンチンは第二次世界大戦前は世界有数の経済大国で、一人あたりGDPは戦後1960年ごろまで日本よりも高かった(日本銀行のページにグラフがある)。

7日付けクリスチャン・サイエンス・モニター紙の "Class divide hardens for Argentina's growing poor" によれば、アルゼンチンでは1920年代から中流化が進み、70年代ぐらいまでは比較的均等な所得の配分が行なわれており、ラテンアメリカで際立って平等主義的な社会を形成していた。その後、政府の財政の失敗などにより生活は徐々に悪化していったが、アルゼンチン経済を崖から突き落としたのは90年代に進められた民営化(財界や自民党の言い方をまねれば、構造改革)と公教育の劣化であると記事の中で経済学者が語っている。

2001年の国家財政破綻を底に、徐々に経済は持ち直してきているとも言えるが、以前の姿に戻りつつあるとは言えず、格差の固定化の傾向が見られると言う。「お手伝いさんの子どもは、お手伝いさんにしかなれない」。アルゼンチンは「後ろ向きに歩みを進めている」と記事は結んでいる。

テレビのニュースを見ていたら、大企業の経営者たちが新しい年の経済とか株価とかについてインタビューに答えていた。一年の前半は横ばい、後半は緩やかに上昇だって。でも、もう少し大きな目で見たら、私たちも後ろ向きに歩んでいるんじゃないだろうか。

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2008年 1月 8日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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