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2008.01.29

アパルトヘイトと並ぶ不正義

Minto refuses honour from South Africa - 南アフリカ政府が授与する O. R. Tambo 賞の候補になったニュージーランドの著名な人権活動家が「南アフリカの現状には落胆する」と述べて、選考から辞退したというニュース。リンク先はニュージーランド Christchurch の The Press 紙。南アフリカの Mail and Guardian 紙の記事で知った。

John Minto さんは、ニュージーランドのラグビー・チームがアパルトヘイト時代の南アフリカに行くことを阻止する運動で南アフリカとの関わりを持った。その後は広く人権関係の運動を中心に広く革新派の活動を続けてきたようだ。The Press 紙にも定期的にコラムを書いている。新聞のほうにはまだ載っていないが、彼の Mbeki 大統領への辞退の手紙はブログで読める

アパルトヘイトが打ち倒され、黒人の政治的な権利は確立されたが、経済的な権利はないがしろにされ、貧困の度合いは「白人少数支配下と変わらないか、時には悪化している」。「トップの顔は白から黒に変わったが、変化の実態は虚構にすぎない」など、ミントさんの言葉は非常に手厳しい。

彼はさらに、憂うべき現状を作り出した原因を名指ししている。「自由市場経済の破壊的な力」だ。彼はこれをアパルトヘイトにも比べうる不正義だと呼んでいる。「よりよい南アフリカ」を目指した反人種隔離政策の運動の功績がこのような不正義の行なわれるもとで栄誉を与えられることを彼は良しとしない。

彼の言葉は、単に南アフリカ政府への批判にとどまらず、同じ新自由主義の流れの中にあるすべての経済への警鐘である。

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2008年 1月 29日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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