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2007.12.30

デリーより

デリー市街

インドに来ています。インドと言っても広いですが、北部のデリー、ヴァラナシ(ベナレス)、アグラを見て回る、いわば初心者コースを巡っています。

写真はデリーのメイン・バザールという通りです。歩行者の波をぬって、自転車人力車などが通り抜けて行きます。牛も歩いています。お米屋さんの店先に並べられた米の麻袋の間には昼間からネズミが走り回っていたりします。

著しい活気を見せるデリーにおいても、いたるところに貧困の姿を見ることができますが、なかなかカメラを向けにくいです。 …と書くと、もっともらしく聞こえますけど、カメラが変わったこともあって、どのテーマにしても、なかなかいい写真が撮れないというのが現実です。

28日の朝、新聞で隣国パキスタンのベナジル・ブット元首相の暗殺を知りました。いくつかの新聞に目を通しましたが、視点が暖かい感じがしました。日本で韓国や中国についての記事を読むと、なんか冷たい感じがするのと比べての話ですが。インドとパキスタンの間も、決して友好的ではないはずなのですが、反目はあっても、地域的な連帯感があるような気がします。

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2007年 12月 30日 午前 12:35 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.26

紙面を刷新!

スタイルシートに手を入れて、文字を少し大きくしてみました。

修正前: 前のスクリーンショット 修正後: 後のスクリーンショット

あまり仕組みが分からないまま、行き当たりばったりに書き換えているので、ちょっと問題があります。私が試した限りでは、マックの Firefox 2、Netscape 9 では字が小さいままです(Windows の Firefox 2、Firefox 3 beta、IE 6、IE 7、Opera 9、Netscape 9 と、マックの Safari 3、Opera 9 ではうまく表示できました)。なんでだろう… ぼちぼち直していこうと思います。

明日から一週間ほど、更新が不定期になります。得意げに見せられるような写真が撮れるといいのですが… 私の腕では無理ですね。

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2007年 12月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.25

家門の対立

Feuding Korean clans end 400-year fight - 韓国で400年近くにわたって続いていた名家の間の抗争がようやく終息したというニュース。ロイター電がもとにしていると思われる韓国語での報道は23日付けハンギョレ新聞の "파평 윤씨-청송 심씨 400년 묘지 다툼 종결"。

舞台はソウルの北40キロほどにある京畿道の坡州市。1614年から尹(ユン)家と沈(シム)家が墓地の領有権をめぐり争ってきたが、このほど両家の間の話し合いにより、尹家が沈家に8,300平方メートルの土地を譲ることによって、和解が成立した。抗争は、沈家出身の大臣が尹家出身の将軍の墓を取り壊したことによって始まり、時に人命が失われることもあったと言う。今でも、互いの家の子孫との結婚を許さない親も多いが、今回の和解では、両家出身者からなる夫婦の仲立ちもあったらしい。

ちなみに、Montague 家と Capulet 家の対立の中で運命的な恋をするロミオとジュリエットをシェークスピアが戯曲にしたのはこの韓国の抗争の発端とほぼ同時代の 1590年代。

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2007年 12月 25日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.24

アズハル大学でアメリカ英語

American English - エジプトのアル・アフラム紙(12月20日付け)によれば、カイロのアル=アズハル(Al-Azhar)大学にアメリカ政府が英語学習センターを寄贈したことが論議を呼んでいる。

Al Azhar University Mosque, by Tierecke アズハル大学は千年以上の歴史を誇る伝統的な大学で、イスラム神学の分野では世界最高峰の権威と目されている。そこにアメリカ政府の肝いりで、アメリカ人が赴任して教員や大学院生を対象に英語を教える ELRC (= English Language Resource Centre) がこのほど設立された。国外の大学に留学したり、英語で行なわれる会議での議論などに参加するために英語教育が必要だとする大学執行部の考えと、中近東での英語の普及を図ることによってソフトパワー戦略を展開したいアメリカ政府関係者の希望がうまくかみあったようだ。

アメリカ政府が大学のカリキュラムに影響を与えようとしているのではないかと考える人も多いらしい。同大学の教員の多くは、アメリカの凶暴な中東政策を忌み嫌い、センターの設立に反対していると、匿名の教員が語っている。同大学が過去にフランスやイギリスによる占領に対する抵抗運動の拠点となっていたことを思い起こし、アメリカによる漸進的な文化的占領と覇権を阻止しようという声もあがっている。

日本政府による日本語学校設置の動きも、一方で過去をうやむやにしたままだと、足をすくわれかねないと思う。

大学のモスクの写真は Tierecke さんが Flickr で CC-by-nd で公開しているもの

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2007年 12月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.23

タイで進められる国立大学法人化

タイでは今日、総選挙が行なわれる。Human Rights Watch などが軍部の介入により公正な選挙が行なわれないおそれを指摘している。このブログでは、先週、選挙前に駆け込みでさまざまな法案が可決されていることに対して市民が異議を申し立てていることを取り上げた。

重要な大学関係の法案も可決されたようである。1年前に見たように、タイでは個々の国立大学が別々に法人化されてきている。タイで最も長い歴史を持つチュラロンコン大学を法人化する法案が12月20日に可決された。22日付けのネーション紙は、"Foes of University Act appeal" という記事で、法人化に反対する Prasong Soonsiri 議員ら27人のグループがチュラロンコン大学法人法は予算関連および行政関連の諸法と整合性を欠き、違憲であるとして、憲法裁判所に違憲審査の請求を行なったことを伝えている。

11日の同紙の "Autonomy will not ensure excellence" という記事の中で、チュラロンコン大学の Tul Sittisomwong さんが、法人化が大学の商業化を招きかねないことのほか、学内の意志が十分に確かめられないまま法案が上程されたこと、法人化されれば大学職員は公務員としての年金受給資格を喪失する上に、労働法による保護対象からも外され、非常に弱い立場に置かれること、大学執行部の権能をチェックする仕組みが組み込まれていないことなどを指摘している。

同記事によれば、Wijit Srisa-an 教育相は、任期中にすべての国立大学の法人化を行なう意向だとされている。一年前のリストと大学名が異なっているが、既に法人化された大学は Thaksin UniversityBurapha UniversityMahidol UniversityKing Mongkut's Institute of Technology North Bangkok で、法人化が近い大学として、今回の Chulalongkorn University のほか、Chiang Mai UniversityKing Mongkut's Institute of Technology Lad Krabang の名前が挙げられている。

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2007年 12月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.22

政府の日本語学校増設計画

一年ほど前に、中国政府の進める孔子学院計画、韓国政府の進める世宗学堂計画に比べ、日本政府は海外での日本語学習支援の取り組みが遅れていることを嘆く記事を書きました。

12月21日付けの毎日新聞が、日本政府の動きを伝えています:「日本語学校:300カ所に増設 政府が3年計画」。現在、国際交流基金が運営している日本語学校は10か所。これを300か所に増やすとのこと。「日本の対策は遅すぎたのが実態で、直営だけでなく、現地の大学を借りるなど低コスト化にも努める。今後、増加が予想される外国人労働者の来日前の研修機関としても活用する考えだ」とされています。

日本語教育機関の充実自体には大賛成ですが、3年間で290か所作るというペースの速さと、「低コスト化」という表現、さらに現地での学習希望者と来日予定者の両方へのサービスを兼ねようとしているところなど、落とし穴がいくつも潜んでいるような気がします。

追記:読売にも記事が出ました - 「日本語学習拠点、3年で10倍100拠点に…中国に対抗」。見出しからしてナショナリストの読売らしいので笑ってしまいます。こちらでは100校になっていますね。「紫式部日本語講座」という案も出ているとか、低コスト化については「外務省は、施設を新たに設けたり、自前で講師を雇ったりする従来の方式を改め、コンビニエンスストアなどの店舗拡大に利用される「フランチャイズ方式」を採用する。日本語講座のある大学や民間の日本語学校などにテキストや学習ノウハウを提供するもので、低予算で拠点を増やすことが可能となる」とか書かれています。

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2007年 12月 22日 午前 11:43 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.21

京都議定書から10年

京都議定書採択10周年にあたって立命館大学で開かれた「『低炭素社会シナリオ2050』と日中印の役割」というシンポジウムにラジェンドラ・パチャウリ(Rajendra Pachauri)さんの話を聞きに行ってきました。パチャウリさんは今年ノーベル平和賞を受賞した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC = Intergovernmental Panel on Climate Change)の議長です。

基調講演の中でパチャウリさんは、地球温暖化が人為的な原因によるものとする考えが主流になったことなどにより、2007年が「気候変動の年」として記憶されるだろうと語りました。削減量の少なさやアメリカの離脱を許したことなどを京都議定書の弱点として総括し、今後は炭素の価格化などの介入が必要であると述べていました。バリ行程表については、数値目標が明記されなかったとは言え、その論議に多くの時間がさかれたことは無駄にはならないだろうと、肯定的な評価をしていました。

続くパネルディスカッションはひどいものでした。環境省の小島敏郎さんは、バリ会議の間に日本が「今日の化石賞」を受賞したことに関して全く反省するようすを見せていませんでしたし、安倍前首相の提唱した「美しい星50」提案に沿った発表をしているにも関わらず、「京都議定書で日本が合意した6%の削減は、温室効果ガス排出量の0.5%の削減と、排出権の買い取りなどによる5.5%であって、それは実現できるだろうが、その後の削減は極めて状況が厳しい」という、最初からあきらめているような話でした。中国の国立エネルギー研究所の前所長である周大地さんも、2050年までに50%削減といった目標が現実的であるか懐疑的なようでした。電源開発株式会社の北村雅良さんは、同社が開発している石炭火力発電における排出抑制技術の宣伝に来ていたようでしたし、早稲田大学の榊原英資さんは、そういった技術をインドに売り込むためにはODAなど政府の力が必要だという話ばかりでした。

コメントを求められたパチャウリさんは、これらの一般的な言説からは欠けている点として、発展途上国では20億人にのぼる人たちが電気などの現代的なエネルギー供給の恩恵を受けずに暮していることを指摘しました。このような人たちを現状のままにとどめおくのは不公正。通常の発想ならば、大きな発電所を作って、これらの人々の住む田舎に送電するという計画をたてるのだろうけれど、本当に必要なのは、風力とか太陽光による、分散的、脱中央的なエネルギー供給である、というのがパチャウリさんの考えでした。学ぶべきものが多くある話だと思いました。

会場が眠くなるほど暖房が効いていたり、階段が封鎖されてエレベータだけが使えるようになっていたりしたのは、ちょっと変だなあと思いました。パチャウリさんのお話以外の面では、なんか納得のいかないところの多いシンポジウムでした。

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2007年 12月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.20

タイで国会前の座り込み

タイのバンコク・ポスト紙 "Activists want NLA to stop passing bills"、ネーション紙 "Blocking at the Parliament continues" によれば、19日の水曜日、国会前に市民が座り込んで議事堂の入り口を封鎖し、議事を停止させたらしい。

Jon Ungphakorn 元上院議員などらが求めているのは、治安、放送、水資源、農業などに関わる人権関係の8法案の審議を選挙(23日に行なわれるらしい)後まで繰り延べること。私は、タイの政治に注意を払って来なかったので、どういう法案なのか、反対しているのがどういう人たちなのかは分からない。

座り込みに参加している人の数は、バンコク・ポスト紙では約100人、ネーション紙では約500人。数百人いれば国会を止められるのだというのは、ちょっと新鮮な、忘れていた驚きだったりする。

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2007年 12月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.19

何歳になっても学ぶ

Wis. man graduates college at age 87 - アメリカのウィスコンシンで、87歳になる人が大学を卒業したそうだ。探せば、もっと高齢で学位を取得した人もいるのかもしれないが、とにかくめでたい。

Clarence Garrett さんは、第二次世界大戦前に海軍に入隊。戦時中は陸軍兵としてヨーロッパに派兵された。隔世の感があるが、当時、アメリカ軍は肌の色ごとに違う部隊が編成されていたのだそうだ。ギャレットさんは黒人。戦後、一時、大学に席を置いたが、結婚し子どもが生まれたため退学した。半世紀のブランクを経て、今回の卒業となった。

私のまわりにも、ちょっと似た話がある。私は京都市のすぐ近くの小さな市に住んでいるのだが、その市で来年2月に市長選がある。先週出馬を表明した人は65歳。民主党、共産党を含めた野党統一候補として4年前の市長選にも出たが、僅差で敗れたらしい(私は3年前に引っ越してきたので、よく知らない)。当時、その人の学歴は中卒だったのだが、その後、高校卒業資格を取り、現在は大学に通っている。

20年後、40年後に自分がこれらの人たちのようにがんばっているかと考えると、どうもそのような自信はない。私がダメなだけでなく、世代としてひ弱なところがあるようにも思うのだけど、どうだろう。

質問:普通 graduate は自動詞として使われるので、言及した記事のタイトルの中の "graduates college" というのは、とても違和感がありますが、見出しでは許される省略語法なのでしょうか。

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2007年 12月 19日 午前 12:37 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.12.18

男もすなる自転車といふものを

Culture Puts the Brakes on Women's Mobility - 南アフリカでは、自転車に乗るのは「女らしくない」として、敬遠される傾向にあるそうです。女らしさ以外にも、もちろん、安全の問題(交通事故の被害者の4割以上が車以外の乗り物に乗っていた)とか、中古の自転車でもかなりの経済的な負担になるとか、社会的な地位のためには車に乗っているところを見られなければならないとか、いろいろあるようですが。低所得層(月収約8千円以下)では、バスなどの交通費支出が所得の3分の1に上っており、自転車の普及は貧困の緩和にも効果があると考えられるが、なかなか進まない、とのこと。

自転車推進運動をやっている人でさえ「都市部では女性がスラックスをはいて自転車に乗っていても問題はないが、田舎ではそんな服装はもってのほかだと思われている」と語るほどですから、これからも登り坂が続くのかもしれません。日本でも昔(白黒映画の時代?)はそうだったんじゃないかと思います。いや、私が服装とかに無頓着だから気がつかないだけで、今日でも着こなしと自転車に乗ることとの両立に悩んでいる女性もいるのでしょう。

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2007年 12月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.17

アフリカで生きる

Life expectancy down due to diseases, says Karume - タンザニアの Arusha で先週、アフリカ人口会議が開かれた。記事は、ザンジバル自治政府カルメ大統領の発言などを通じて、アフリカの平均寿命の低下を報じている。"Why many Kenyans might not celebrate their 50th birthday" とともに、ケニアの Nation 紙の15日付け記事。

現在、アフリカの平均寿命は女53歳、男51歳とのこと。出産時の女性死亡率、乳幼児の死亡率などに加え、HIV/Aids などの感染症の影響もあり、1990年代後半から2000年代初頭あたりを境に、平均寿命は短くなっている。HIV/Aids 治療薬が手に入らない患者は多く、また高齢者の医療も全く充実していない。

国際援助の名の下に積み重ねられた負債の問題や不公正な貿易が社会の歪みの一因となっているとしたら、あながち私たちに全く無関係であるわけでもない。

何も考えず、たぶん自分はあと30年以上生きるのだと思っていたのだが、別のところ(例えばジンバブエ)で生まれていたら、今ごろもう私は死んでいたかもしれないのかと、しみじみ。

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2007年 12月 17日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.16

ロシア反体制派の拘束

Russian Dissenter Put in Psych Hospital - ロシアで反体制派の活動家が精神病院に強制入院させられているというAP電。

mari el republic拘束はモスクワの東700キロぐらいのところにある Mari El 共和国(地図では、Kazan の少し上あたりだと思う)で11月23日に起こった。拘束されたのは違うロシア(The Other Russia)という野党連合に属する国家ボリシェヴィキ党の20歳の活動家、Artem Basyrov さん。反体制派が企画していたデモの前日だった。少女を殴った罪で検挙され、精神科医が容疑者は精神病を患っていると診断したため、精神病院に隔離された。13日に初めて面会が許された。虐待などは受けていない模様。

この夏以来、反体制派や政府に批判的なジャーナリストの精神病院収容が続いていたらしい。精神病院への収容はソ連時代に弾圧のためによく用いられていた手法。

「違うロシア」のサイトでもこの事件は報じられている。一方、プラウダでも、AP電が掲載されている。

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2007年 12月 16日 午前 12:05 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.15

自分を蹴ってしまった白羊

Switzerland in Turmoil as People's Party Splits in Two - ドイチェ・ヴェレの12月13日付け記事です。10月のスイス総選挙で黒羊を蹴り出す白羊のポスターを使って外国人排斥、民族主義的な主張を繰り広げたスイス国民党(SVP)が事実上分裂し、「自ら不寛容の犠牲者となった」ことを伝えています。

色とりどりの羊たちスイスでは、議会が7人の閣僚を別々に選出して内閣を作る(さらに、閣僚が輪番で大統領職に就く)らしいのですが、SVP右派の代表格で、これまで司法警察相だった Christoph Blocher が指名投票で落選し、SVP穏健派の Eveline Widmer-Schlumpf が当選しました。彼女と、同じくSVPから再選された Samuel Schmidt 国防相が閣僚就任の意向を示したため、SVPは二人を除名し、政権から離脱することを表明しました。

政権は過去40年近くにわたり、SVPのほか、キリスト教民主党(CVP)、社会民主党(SPS)、急進民主党(FDP)という議会の8割を占める政党による大連立だったそうで、その一角が崩れたのは歴史的な大転換点であり、野党である緑の党の大勝利と考えられているようです。

日本語での報道は少ないようなのですが、スイス国営放送 swissinfo の日本語サイトに12日13日の記事があります。民族主義的な不寛容の広がりとか、多数派の大連立と少数野党の役割とか、日本と似ている点も多いので、もっと注目してもいいような気がします。

写真は mightymightymatze さんが Flickr で CC-by-nc で公開しているもの。10月のSVPのポスターのパロディーです。色とりどりの羊たちが自由に歩き回っています。素敵です!

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2007年 12月 15日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.14

ソマリアの避難民キャンプは思ったより近い

Somalia's refugees - ソマリアの首都モガディシュを逃れた避難民の人たちの写真集。リンクは写真集の2枚目に張りました。木の枝とビニール袋などで作られたテントが痛々しいです。

写真集は McClatchy Newspapers の記事 "Somalia descends into Africa's worst crisis" で知りました。2006年の12月、アメリカの支援のもと、隣国エチオピア軍が侵攻し、イスラム法廷連合政権を倒した後、モガディシュの治安は全く回復するようすを見せていないようです。数ではダルフールなどよりも小規模だとは言うものの、状況の厳しさにおいてはアフリカ最大の人道危機と言ってよいと記事は述べています。

首都から十数キロ内陸に入った Afgoye の避難民キャンプ地での調査によれば、避難民の4分の1は5歳未満の幼児だそうです。子どもたちの多くは、銃撃戦や、逃避行の間の暴力などによって、トラウマをかかえているようです。

ソマリアなんて、遠いアフリカの話のはずですが、「テロとの戦争」での自衛隊によるインド洋上給油活動はこのソマリア沖で行なわれていたのですよね。アメリカの大きな世界戦略の中で、糸は結びついているのでしょう。私は、日本がその糸で操られる人形となることがいいことだとは思いません。

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2007年 12月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.13

オーストリアのモザイク模様

外務省のサイトでオーストリアの基礎データを見ると、宗教については、「カトリック約78%、プロテスタント約5%」と書いてあります。

ドイツの国営通信社 dpa の記事 "Muslims to overtake Protestants in Austria, study says" によると、2006年の推計で、カトリックが563万人、プロテスタントが32万6千人、ムスリムが約40万人。すでにプロテスタント信者よりもムスリムのほうが多くなった見込み。2010年の国勢調査でこの傾向が明らかになるだろうとしています。

だからどうだ、という話ではないのですが、ヨーロッパ・イコール・キリスト教みたいな単純な図式が崩されていくのは興味深いなあと思います。私が子どもだったころは、そういう単純な世界観を注入されつつ育っていったわけですが、これから生まれてくる世代は、いろいろな面で最初から多様性を基盤とした思考を身につけていくわけですね。うらやましい気がします。

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2007年 12月 13日 午前 12:04 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.12.12

GMOのない2008年

French activist Bove to go on anti-GMO hunger strike - 南仏よりロイター電。フランス政府が遺伝子組み換え作物(GMO)の使用を一年間全面禁止することを求めて、反グローバリゼーション運動の旗手ジョゼ・ボベ(Jose Bove)さんが来たる1月3日より無期限のハンストに入ることを発表しました。

フランスでは市民の過半数が遺伝子組み換え作物に警戒感を持っており、政府は先週、2月9日までGMOの種子を商業的に利用することを禁止することを発表しました。しかしボベさんは、そもそも真冬に種まきなどはしないのだから、この一時禁止措置はまやかしに過ぎないとして、批判しています。

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2007年 12月 12日 午前 12:01 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.11

ポルトガルの戦争

Portugal Gets Harsh Blast From the Past - AP電。ポルトガルでこの秋、RTP1 というテレビ局で放映された A Guerra(戦争)というドキュメンタリー・シリーズについて報じている。驚異的な視聴率を獲得したこのシリーズの第1シーズンは、今日、最終回を迎える。

1961年、アフリカのアンゴラでポルトガルによる植民地支配に対する武装抵抗運動が始まった。Antonio Salazar 独裁政権下のポルトガルによる報復、弾圧は熾烈を極めたらしい。アンゴラの抵抗運動は一年足らずで鎮圧されたが、同じくポルトガルの植民地であったモザンビークとギニアビサウでも独立運動が始まる。ポルトガルの植民地戦争は、1974年、クーデターにより独裁体制が倒され、その翌年に樹立された民主的な政権が植民地を放棄するまで続く。

独裁政権下では報道が統制されていたため、植民地戦争の実態はポルトガル市民に伝えられなかった。その後の政府も、自分たちが敵対していた独裁政権のもとに行なわれた不正に真正面から向き合ってきたわけではないため、ポルトガル市民のほとんどは「他の国々に比べ、ポルトガルの植民地支配は温厚だった」と考えてきたようだ。Joaquim Furtado 監督による「戦争」(各回の内容が手ごろにまとめられているようなので、リンクします。公式サイトとかではありません)は、語られてこなかった苦々しい真実を人々に突きつけることとなった。

わずか3、40年前にヨーロッパがいかに蒙昧で野蛮であったかを私たちはここに見る。アフリカの脱植民地化の運動が人類史において画期的な過程だったことを見て取ることもできるし、近年イラクなどで行なわれてきたことを考えれば、人間の残虐さは今日とて全く変わっていないと嘆くこともできるだろう。もっと我が身に引き寄せて、日本の植民地支配やアジア太平洋戦争での侵略と並べて考えることもできるはずだ。これらの事柄は、すべて密接に絡み合い、私たちの足をすくっている。前に向かって歩みを進めるためには、丹念に糸をほどいていくことが必要だ。

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2007年 12月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.10

思いやる遺伝子

Generosity 'may be in the genes' - 人に惜しみなくお金をあげる傾向と遺伝子の間に関連が発見されたという話題。遺伝子を提出した203人の被験者にコンピュータでゲームをさせ、自分でポイントをため込まずに仲間に分け与える傾向を計測したところ、ある特徴を AVPR1a という遺伝子上に持つ人は、その特徴を持たない人の約1.5倍、人に分け与える傾向が見られたとのことです。

AVPR1a のプロモーター(手元の英和辞典では「オペロン中の部位で, 構造遺伝子の機能が発現されるために不可欠の部分」)が長く、その遺伝子の伝える形質がより強く表れる人ほど、 arginine vasopressin というホルモンが脳細胞によく働き、思いやりや利他心を発揮しやすいということのようです。記事によると AVPR1a はハタネズミ(vole)という鼠(よく猫が畑で捕まえてくるやつですね)にも見られ、その社会性に関わるものとされています。検索すると、この遺伝子は人間の自閉症とも関連があるみたいです。

記事で紹介されていたのはイスラエルのヘブライ大学の Ariel Knafo さんたちの研究です。Genes, Brain and Behavior という学会誌に発表されたもので、オンラインで読めると書いてあったのですが、学会誌のサイトでは見つけられませんでした。投稿前の版がヘブライ大学のサイトにありました。

私は贈り物をするのがものすごく下手です。惜しげもなく、しかも、さりげなく人にプレゼントをあげている人とかを見ると、うらやましくなるのですが、ホルモンのレベル、いや、遺伝子のレベルで私とは違っていたのですね。納得してしまうような、信じたくないような。

1年ほど前に、思いやりと脳の部位との間に関連があるという研究がありましたが、その時もコンピュータ・ゲームで金離れのよさを調べていました。仮想世界での行動と現実世界での行動との間の相関は実証されているんですよねえ? ちょっと心配。論文によると、「独裁者ゲーム」というのを使っていて、経済学の分野では利他心の存在を調査するのによく使われる手法だそうです。

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2007年 12月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.09

史上空前のボイコット

Mumbai gears up for record protest - インドのムンバイで空前の規模の抗議行動が計画されているという話。郊外とムンバイ市内を結ぶ鉄道が何ら混雑緩和の対策をとらないことに対し、12月10日、朝6時から夕6時までの間、鉄道の乗車をボイコットして抗議するというもの。300万人の参加を予想していると報じられています。

ムンバイの満員電車ムンバイとその北西に広がる Vasai-Virar 地区を結ぶ鉄道は、現在10分から15分間隔で運行していますが、これを5分間隔にせよという要求を掲げています。混雑はまさに殺人的で、これまでに数百人の死者が出ているそうです。参加者の予想人数とともに、ちょっと眉唾の気もしますけど。この地区は、ムンバイ市街と結ぶ幹線道路もなく、電車が唯一の交通手段だと書かれています。ということは、10日の月曜はみんな会社を休むのでしょうか。それとも朝6時前に出勤するのか。そこらへんがよく分かりませんが、非暴力抵抗のガンジーの伝統が生きているような気がして、感銘を受けました。

写真は Akuppa さん(イギリス人のようです)が Flickr で CC-by で公開しているものです。こっちの写真のほうがよかったでしょうか。

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2007年 12月 9日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.08

壁画、ふたたび

イギリスの落書き芸術家バンクシー(Banksy)の新作は西岸地区ベツレヘム近郊の隔離壁。nofrills さんが today's news from uk+ ブログでイギリスでの報道や作品展のサイトへのリンクなどを含め詳しく紹介しています。

パレスチナの通信社 Ma'an からも記事が配信されました:"English graffiti artist Banksy back in Bethlehem"。記事によれば、パレスチナでのバンクシーの評価は憤りから賞賛まで賛否両論。イスラエル兵がロバに身分証明書の提示を求めている作品については、パレスチナ人を貶めているととらえる人もいれば、イスラエル兵がパレスチナ人を動物並みに扱っているという真実をうまく描いていると考える人もいるそうです。そんな中で、パレスチナ人の幼い少女がイスラエル兵のボディーチェックをしている作品は、圧倒的な人気。確かにこれは、個別の状況を超えて、権力による抑圧を弾劾する強い力を持っているように思います。

パレスチナでのバンクシーの活動については、一年半ほど前に取り上げました。読み返してみて、自分がほとんど成長していないことが身に染みて分かりました。

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2007年 12月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.07

劣化ウランの検出

劣化ウラン弾:被ばく状況の確認に成功 米英の研究者」 ― 12月6日の毎日新聞の記事です。ニューヨーク州 Albany 郊外の工場で働いていた人や近くに住んでいた人の調査を通じて、従来の方法では検出できなかった、尿に含まれる微量の劣化ウランの測定に成功したことを報じています。

地元紙 The Record の記事 "Report: NL Industries still a danger to people in area" に、この研究のプレプリントのアドレスが掲載されていました。Parrish RR et al., Depleted uranium contamination by inhalation exposure and its detection after ∼20 years: Implications for human health assessment, Sci Total Environ (2007), doi:10.1016/j.scitotenv.2007.09.044 です。同位元素の比率を用いて、環境に存在するウラニウムと劣化ウランの割合を推定するようです。尿のほか、飲み水や土などを調べて、水には劣化ウランが見られないことから、被ばくは呼吸によって引き起こされたと考えられるとしているようです。

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2007年 12月 7日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.06

テヘランの女性たち

Through a Different Lens: Female Photographers Depict Their Iran - 今ベルリンで開かれている写真展についてのドイツの Spiegel 紙の英文記事です。

"Made in Tehran" と名付けられたこの写真展は、イスラム革命前後に生まれた6人の女性が撮影した写真を集めたものです。ベルリンの Cicero というギャラリー(Die Cicero-Galerie für politische Fotografie)で開催中です。スナップ写真あり、前衛的なコラージュあり。シュピーゲル紙のサイトでは14枚の作品を見ることができます。

私がイランに行った時に撮った写真と、ずいぶん感じが違います。プロの写真家と素人の観光客を比べても仕方ありませんが、腕の問題より、視点(外から見ているか、「自分たち」を見ているか)の差のような気もします。

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2007年 12月 6日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.05

アルジェのサルコジ

Colonialism 'profoundly unjust' says Sarkozy - フランスのサルコジ大統領が訪問中のアルジェリアで植民地主義を反省する言葉を述べたことを伝えるAFP電です。

「植民地体制は真底から不正義で、フランスの共和制が基盤としている自由、平等、友愛という三つの言葉に反するものだった」と語っています。また、20世紀半ばのアルジェリア独立戦争の当時、「怖ろしい犯罪行為」が行なわれたと述べ、「アルジェリアとフランスの歴史家たちに、この苦痛に満ちた歴史の1ページをともに記すことを託す日がやって来た」と語りましたが、植民地経営や独立戦争時の弾圧等について謝罪はしなかったと記事は伝えています。

現地アルジェリアの仏字紙 El Watan は、もう少し詳しくサルコジ大統領の発言を伝えています。「未来を語るということは、過去を無視するということではない」「よりよい未来を作るためには、過去をしっかりと見据えることが必要だ」。

過去の発言と比べると、やけにしおらしくて、不気味な感じもします。しかし、右寄りのサルコジ大統領ですらこのように語るところに、21世紀が脱植民地主義の時代であることの証左を私たちは見て取ることができます。

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2007年 12月 5日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.12.04

凧を追うカブールの少年

'Kite Runner' boys are sent to United Arab Emirates - アフガニスタンを舞台にしたアメリカの新作映画 The Kite Runner に、男の子が年上のいじめっ子に強姦される場面があります。それを演じた子役たちは、撮影後、アフガニスタンに戻っていたのですが、映画が公開されると彼らが迫害を受けるかもしれないとして、10月にいったん公開が延期になっていました。このほど、子役たちが無事アフガニスタンから出国したことを記事は伝えています。

10月の報道では、イスラムが同性間の性行為を認めないので、それを演じた子どもたちの保護が必要という話だと理解していたのですが、アラブ首長国連邦に退避した子どもたちには暴行を働いたいじめっ子の役を演じた子どもが含まれていませんから、ちょっとその理解は正しくなかったようです。強姦を受けたことが恥ずべき烙印であるとか、それに加えて被害者が少数民族のハザラ人であること(多数者パシュトゥン人を反社会的な加害者として描いていること)が問題らしいです。

映画を作ったせいで母国に住めなくなったから他の国に移動させるというのが正しい行動なのかは疑問に感じます。すねた見方をすれば、映画の宣伝なのかもしれません。

原作は、アフガニスタン出身でソ連侵攻の後にアメリカに移住した Khaled Hosseini さんの The Kite Runner です。とても読みやすかったです。特にカブールでの子ども時代を描いた前半はとてもいいと思いました。著者同様アメリカに移住した主人公が作品の後半でタリバン統治下のアフガニスタンに戻るのですが、そこは描写の迫力が落ちるように思います。あと、あまりに細かく伏線が張られているのに、だんだん食傷しました。「移民による文学」とかいった色眼鏡を通さず読めばいいことですが。

題名の kite runner とは、カブールの子どもたち(と書きましたが、「男の子たち」と言うほうが数倍正しいです。女性の存在がとても希薄な小説です)が凧揚げ競争をして、糸を切られて落ちていく凧を追って走っていくさまのことです。ある冬、主人公(パシュトゥン人)が凧揚げ競争で一番になります。最後に落とした凧を主人公の家の召使いの子ども(ハザラ人)が走って追いかけて行く、というのが前半の重要な場面です。

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2007年 12月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.03

教皇は無神論が嫌い

ローマ教皇ベネディクト16世が司教への通達を出し、その中で共産主義などの無神論を強く批判したらしい。"Atheism is cruel, says the Pope" - AP電。

教皇は、この通達の中で、人類が苦しみや不公正を自分たちで取り除こうとした例としてフランス革命とマルクス以降の共産主義革命を挙げ、「苦しみを取り除くのは神の業であり、人間には行えないことなのだ」と述べて批判しているらしい。「人の世で救済が行なえるなどと考えるのは思い上がりであり、本質的に誤りであり、この考えが後に怖ろしい残忍さを見せたり不正を行なったりしたのは偶然ではない」としている。

教皇本人の書いたものを読んでみないと分からないが、個人の救済、ある階級ないしある社会の救済、そして人類の救済みたいなものをごっちゃにした議論が展開されていて、混乱しているような印象を、この記事からは得た。

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2007年 12月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.02

北の国から来たスパイ

写真は一昨日(11月30日)のベネズエラのカラカス市内。今日、投票が行なわれる改憲案に賛成する市民の集会の様子です。その前日にあった反対派のデモと異なり、通信社が伝えこそしませんが、賛成派もこのように街頭に出ているようです。撮影は Alex Lanz さん(Flickr、CC-by-nc)。私はファッションには全く無頓着なのですが、こんな日には間違った色の服を着て外に出たくないなと思いました。

ベネズエラ、国民投票2日前賛成が57%、反対が44%という事前予測(足すと101%になるのは愛嬌でしょうか)が出ています。出所は、ベネズエラ駐在アメリカ大使館の内部メモとされているもの(スペイン語で全文がここにあります)。大使館付き CIA 職員の Michael Middleton Steere という人が20日付けで書いたとされています。英語では、このメモについて James Petras さんの "CIA Destabilization Memo Surfaces on Venezuela" という記事、Eva Golinger さんの "CIA Operation 'Pliers' Uncovered in Venezuela" という記事で、その内容を知ることができます。

メモが本物かどうか、まだ分かりませんが、本物だとすると CIA は「ペンチ作戦」(Operación Tenaza = Operation Pincer, Operation Pliers)という選挙妨害活動を行なっています。選挙前には反対派の街頭行動を支援し、投票中には反対派市民を投票所内にとどまるように指示して混雑による混乱を引き起こし、開票開始前に「反対派優勢」の情報を流し、可決されれば「選挙は不正行為により無効」と主張し、4、5日以内に軍部の一部による蜂起も企てるようです。

本当じゃないといいのですが。ベネズエラの人々が、是にせよ非にせよ、怖れることなく自由に票を投じることができて、可であれ否であれ、その結果が尊重されることを祈ります。

ベネズエラに関する英語ニュースサイトのリンクと Perry-Castañeda Library の地図を貼っておきます。

ベネズエラ地図

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2007年 12月 2日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007.12.01

ボリビアの危機

A fractured Bolivia heading at full speed to the cliffs - ボリビアの政情不安が深刻な事態になっているらしい。ウルグアイの Mercopress の記事。エボ・モラレス大統領の社会主義的な改憲案に対して富裕な東部6州が反発し、28日にゼネストが行なわれたが、混乱はまだ続きそうだ。

ボリビア地図 天然資源を有し、ヨーロッパ系の住民の多い6州と、先住民の多い西部3州との間で、くっきりとストライキへの支持の度合いが分かれ、先住民出身のモラレス大統領は一連の混乱を「富者のスト」として批判している。西部3州でのモラレス大統領への支持は圧倒的で、改憲案が国民投票に付されれば、全体の過半数の支持を得て可決されるだろうと記事は伝えている。

東部6州は、新憲法草案による政府は強大すぎると警戒している。モラレス大統領は、虐げられ権力から隔離されてきた先住民に相応の権力を付与しただけだと主張している。市場万能で、規制の少ない「小さな政府」を求める新自由主義と、万人が平等に尊厳を持つとする考えとの間の闘いだと言うこともできるだろう。それは決して遠い「地球の裏側」の出来事ではない。

Perry-Castañeda Library のボリビア地図を重ね合わせて、州境と州名を入れてみた。下手ですみません。

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2007年 12月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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