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2007.11.30

パソコン、ゲーム機の環境評価

Nintendo, Microsoft and Philips flunk toxic test - グリーンピースが電子機器メーカの環境配慮度ランキングを公開しました。今回から、パソコン、ケータイに加えて、テレビとゲーム機も調査対象としています。

その結果、環境配慮度ゼロの不名誉な地位に輝く企業として任天堂の名が挙げられています。任天堂への厳しい評価は、ポリ塩化ビニル(PVC)やボロン繊維強化金属(BFR)などの有害な物質の不使用に向けた取り組みが全く見られないこと、「安全に疑問のある物質を使用しない」という方針を採用していないことのほか、回収やリサイクリングの取り組みに関して情報提供がほとんどないことが要因となっています。情報開示に関することですから、比較的容易に改善できるとも考えられます。

グリーンピースによるパソコン、ゲーム機等の企業評価グラフ

環境配慮度ランキングのグラフは、スクリーンショットの使用に関して Greenpeace が求める著作権上の原則に従って表示します。リンク先は報告書の PDF です。

私は現在、パナソニックのレッツノートを使っているのですが、環境に関しては、ちょっと悪い選択をしてしまったみたいですね。使用者の一人として企業に要望を出していくべきかな。

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2007年 11月 30日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.11.29

パキスタンにおける人権弾圧とテロ特措法

パキスタンでは、昨日、ムシャラフ大統領が兼任していた陸軍参謀長職から退役し、今日、「文民」大統領として新たな任期に就くそうです(毎日新聞の記事などを参照)。定義上、「軍事独裁政権」ではなくなります。現実には依然としてムシャラフ大統領が軍の実権を掌握しているのだと思いますが、現役の軍人が行政の長ではなくなったことは、歓迎すべきだと思います。

しかし、私は自衛隊によるインド洋での補給支援活動はムシャラフ政権の支援になるので、行なうべきではないと考えています。その考えは、「文民」ムシャラフ大統領の就任によっても変わりません。緊急事態宣言の解除によっても変わらないでしょう。

国連の IRIN ニュースの "Hope fades for the 'disappeared' under emergency rule" によれば、「テロとの戦い」開始以降、多くのパキスタン人がパキスタン政府の手で拉致されたと見られています。アムネスティ・インターナショナルによれば、拉致された人は2千人にも上るようです("Fatal erosion of human rights safeguards under emergency")。諜報当局のもとに拘束されていると考えられるこれらの失踪者を即時解放すべきだという判断を最高裁が下そうとしていた矢先に、緊急事態宣言が発せられ、判事数名が解任されました。

ある国の政府がこのように人権を蹂躙している場合、即座にその国との経済的な関係を切ってしまおうという考え方(封鎖とか制裁)には私はあまり賛成しません。関係を保つことによって人権を守ることができるということもあるかもしれないと考えるからです。しかし、そのような国の軍艦に燃料補給などの支援を行なうというのは、もってのほかだと思います。

テロ特措法は、その「もってのほか」のことを、当たり前のように行なってきました。新法の議論においては、そのようなことが繰り返されないようにするためにどんな仕組みが組み込まれなければならないのかについて、ちゃんと議論されるべきだと思います。政府原案には、何らそのような歯止め措置は盛り込まれていません。このままこの法案を通すことは許されません。

本質的に、「テロとの戦い」という枠組み自体が人権弾圧に用いられてきたようだということと併せて、悔いが残らないよう、徹底的に議論してほしいと思います。

この問題について書いた記事は以下の通りです。

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2007年 11月 29日 午前 12:10 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.28

安心してお出かけ

Montclair State Unveils Mandatory 'School Phone' - 教育関係のサイトを見ていて気がついた記事。アメリカ、ニュージャージー州のある州立大学が学生にGPSケータイの所持を義務付けたという話。

基本料金は授業料といっしょに納める。一か月の無料通話時間はわずか50分ほどだが、携帯メールは無制限に使える。学校のサーバが使える。緊急時にはGPSで所在地を通報することもできる。すでに携帯を持っている学生にとっては、無駄なお金になる、等々。

「みんなが安全に感じるというのなら、問題ないんじゃないですか」という学生の意見と、「移動する時、だれかに見守ってもらえることになるわけです」という警察の意見が紹介されています。通常時に所在地情報がどう扱われているかは記事では触れられていません。大手メディア(CBS系列のテレビ局)なので、「プライバシーの侵害が心配だ」といった意見が紹介されないのは仕方がないのでしょう。

そのうち、こういうのが当たり前になりそうで、ちょっと怖いです。

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2007年 11月 28日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.27

カンタベリー大主教の語るイラク、現代文明

US is 'worst' imperialist: archbishop - 英国国教会の最高指導者 Rowan Williams カンタベリー大主教がムスリムのための雑誌 Emel のインタビューに応えたことを報じる英タイムズ紙の記事。記事からのリンクで Emel 誌の記事がPDFで読める

ウィリアムズ大主教は、現在のアメリカが往時の大英帝国をも凌ぐ巨悪となっていると語っている。特にイラク戦争については手厳しく、少なくとも大英帝国は資本を投下して統治するつもりで侵略していったが、アメリカは、後でだれかがなんとかしてくれるさと軽く考えて破壊を行なったと断じている。

タイムズの記事では取り上げられていないが、インタビューの中で大主教はパレスチナの隔離壁について、あまりにも大きな人的犠牲が生じているとして、その存在は認められないとしている。またイスラエルの政策を支えているキリスト教右派の原理主義的な考え方は理解しがたいと述べている。

インタビューでは、このほか、現代社会が機能主義に乗っ取られてしまっていることを大主教は指摘している。イスラムにせよキリスト教にせよヒンズー教にせよ、神の栄光と大いなる愛を表わすために人間は生きていると考えるのに対し、機能主義は、どうやったら一人ひとりが社会の歯車の一つとしてうまく機能するか、どうしたら生産を増大して経済を潤わせるかばかりを追い求めている。彼は、機能主義は一つの神話にすぎないと考える。

スイスでの移民排斥の動きなどについては、「社会は国民性とかそれを指させる権力などの神話について根本的に問い直す必要があります。ヨーロッパの多くの国々において、まるで国家が基本的な政治的な単位で、国家が他の集団を認可するといった見方に近づきつつあることが懸念されます。しかし、本当は実在するさまざまなコミュニティーの間を取り持つために国家が働くようにできているはずなのです」と述べている。

2004年暮れのインド洋の大津波に関する彼の発言を読んで以来(2005年1月3日に「津波と信仰」として取り上げた)、私はウィリアムズ大主教の思索の重厚さに畏敬の念を抱いてきた。今回のインタビューを読み、その気持ちはより強くなった。

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2007年 11月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.26

「こびと~王女様の誕生日~」

滋賀のびわ湖ホールでは、昨年まで秋には若杉弘前監督のもとでヴェルディのオペラで日本初演のものが演じられてきました。今春、沼尻竜典さんが新監督に就任し、ツェムリンスキーをテーマにコンサートなどを行なってきたそうで、昨日はその最後を飾るオペラ「こびと~王女様の誕生日~」が上演されました(テノール:福井敬、ソプラノ:吉原圭子、高橋薫子)。

スペインの王女の誕生日プレゼントとして、トルコのスルタンから醜怪な男が届けられます。ほとんど鏡を見たことがない彼には自分が異形であるという自覚はなく、彼を見た人だれもが(実はそのこっけいな姿に)笑い出してしまうことから、自分には「人々に平和や歓び、そして限りない善をもたらす不思議な力がある」と考えていました。王女は彼に恋をしたふりをして、彼をたぶらかします。しかし宮殿の大きな鏡に映った自分の姿を見た彼は、その醜さに驚きます。彼は王女に救いを求めますが、見放され、死んでしまいます。

James Conlon 指揮、David Kuebler、Solie Isokoski、Iride Martines 他による CD "Der Zwerg" を聴いて予習しました。予習した段階では、侍女のギータが憐れみを経て主人公の豊かな内面的な人間性に気づき、美醜をめぐる通念的な価値観から解き放たれこそしないものの、彼の尊厳のために声を上げる、というところがこのオペラの最大の見どころだと思いました。その点で今回の演出はかなり期待はずれでした。ギータの存在感は薄く、象徴的なことに、リブレットでは最後が「ギータ、主人公にばらを押しつける」で幕となっているにもかかわらず、昨日のギータは主人公にばらを渡した後、燭台を片付けながら退出して行ってしまいました。

原作はオスカー・ワイルドの "The Birthday of the Infanta" で、寓話集「ざくろの家」の第2話です。そこでは王女は12歳という設定。リブレットでは18歳の誕生日ということになっています。昨日の舞台では幼女でした。王女の年齢は王女の残酷さの意味を解釈する上で重要な手がかりなわけですが、見た目はおもしろいけれど、この設定でよかったのかなあ、と考えてしまいます。

舞台装置がかなり簡素なものだったのも、ちょっとがっかりでした。予算のことを考えると、宮廷のきらびやかさを期待するほうがいけないのかもしれません(ならば、いっそ思いっきり現代風にして、「幼女と非モテ系男子」にしてしまっては、とか思ったり。冗談ですが)。隣の大広間で繰り広げられる王女と主人公との間のやり取りなどを侍女たちがうわさ話するという場面があるのですが、「隣の部屋でのやり取り」を表現することも十分可能な舞台装置であったにもかかわらず、背景に王女や主人公を登場させることなく、単に侍女たちの歌だけの表現にしてしまったところなどは、さほどお金をかけなくても、もっと楽しくできるかな、と思いました。

すみません。全然ほめていませんね。でも、手の届くお値段で良質のオペラが地元で見られて、本当にうれしいです。2月にはびわ湖ホールプロデュースオペラとして、シュトラウスの「ばらの騎士」を上演。そして来年の秋はシュトラウスの「サロメ」だそうです。楽しみにしています!

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2007年 11月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.25

新テロ対策特別措置法に反対

新テロ対策特別措置法案の参議院審議の中でパキスタンの人権情勢が議論されることを私は望んでいます。防衛省のサイトを見ていたら、ムシャラフ大統領による非常事態宣言布告のわずか4日前の10月30日に、石破防衛大臣が記者会見でパキスタンに言及しているのを見つけました。

日本が活動を中止することによって、どこかの国に必ずしわ寄せが行き、どこかの国に必ず負担がかかるということだと私は認識しております。日本の高い能力というものは、世界有数のものであって、その負担はどこかが負う。これはどこかの新聞に報道されていましたが、パキスタンの活動に対して、大きな影響を与える。唯一のイスラム教国として参加しているパキスタンに、少なからぬ影響があるかもしれない。私は、そのテロとの戦いに陸上あるいは海上において、40カ国が参加している中にあって、わが国が一時的にせよ活動を中断するということをどのように外国は捉えるのか、わが国の責任の果たし方として、これで良いのかということ。それは、日本国民が考えていかねばならないことだと思っています。

同じく防衛省のサイトには、パキスタンの軍部指導者が日本による洋上補給支援活動を強く望んでいることを示す記述もあります。小池前防衛大臣が8月にパキスタンを訪問した際の記録です。

 小池大臣より、インド洋においてパキスタン海軍とわが国海上自衛隊の艦艇が緊密に協力しながら海上阻止活動に取り組んできたことは喜ばしい、この活動の根拠となる法律は11月に期限を迎えるが、わが国として「テロとの闘い」に積極的かつ主体的に寄与していきたいと考えている旨発言。
 イクバール国防大臣より、パキスタンは、テロとの闘いに参加しており、パキスタンにとって日本のテロ特措法の延長は極めて重要であり、日本のテロ特措法の延長による支援なしにはパキスタンが継続することは困難である旨発言。

とっくにご存知と言ってしまえばそれまでなのですが、石破、小池、イクバールの3氏の発言はそれなりに重いものだと思いますので、引用します。

テロ特措法による自衛隊の活動がアメリカへの追随ではないことを示したくて名を挙げていたパキスタンが民主化に逆行している今(外務省による見解です)、新法を作ればそれが軍事独裁政権に対する支援であることを隠しきれなくなります。逆に、軍事独裁政権を支援するつもりがないのであれば、新法は要りません。それは前職および現職の防衛大臣の言葉そのものが証明しています。

日本はパキスタンの軍事独裁政権を支援してはなりません。その人権抑圧の状況に関しては稿を改めて書こうと思います。

この問題について書いた記事は以下の通りです。なんか国会と言えば「ねじれ国会」ばかりが話題になり、防衛省と言えばニュースは山田洋行や守屋前防衛事務次官のことばかり。特措法についてはイラク戦争への転用疑惑ばかり問題にされ、パキスタンへの軍事支援という面があまり語られていない気がしています。同じテーマで何回もしつこいですが、まだまだ続きます。

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2007年 11月 25日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2007.11.24

馬英九氏の来日をめぐる報道

台湾の国民党前党首で総統選候補の馬英九(Ma Ying-jeou)氏が21日から23日にかけて来日していたそうです。馬氏は反日的だと日本ではとらえられており、そのイメージを払拭するのも訪日の目的の一つだったとのこと。

21日に京都の同志社大学で行なわれた講演では、「台湾を日本が植民地とした過去に触れ、『間違った政策のために、台湾の人々は尊厳を傷つけられたが、過去にとらわれてはいけない』として、経済や観光の分野での交流の拡大を目指すべきとした」と語ったとのことです(京都新聞)。右寄りのメディアでは、都合良さそうに、読売新聞が「従来の歴史観を“軌道修正”し、植民統治時代の日本の『貢献』に一定の評価を示した」、産経新聞が「『台湾人の反抗を招いたが、台日の人々の友情も築いた』と部分的には評価。『歴史を忘れず、歴史を許す』とし」たと報じています。

台湾の英字紙 Taipei Times は、歴史認識関連の話題には触れず、対中国政策(統一を推進せず、独立を求めず、軍事的緊張を緩和する)についてのみ報じています。そして、同じく台湾の英字紙 The China Post は、なんと、"Japanese protest against Ma in Tokyo over islands" という見出しを掲げ、馬氏が釣魚台(尖閣諸島)が中華民国の領土だと主張していることに対して十数人の日本の右翼が東京で抗議行動を行なったことを大きく取り上げています。

すぐ「反日」とか言う人や右翼って好きではないのですが、大きく報道されるというのなら、それなりにそこから学ぶべきものがあるのかもしれません。どんなことをやったのでしょうか。来年のG8サミットに向けて、ちょっと興味をひかれました。

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2007年 11月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.23

幼児教育

Under-sevens 'too young to learn to read' - 英ガーディアン紙の教育欄の記事です。読み書きを教え始めるのは7歳ごろがよく、それよりも早い時期に教えると、むしろ長期的には有害で、読書が嫌いになる傾向があるということを、幼児教育の第一人者であるイリノイ大学の Lilian Katz さんがオックスフォード大学で開かれている学会の講演で語ると伝えています。

まずは「早すぎは凶」の理由。幼すぎるうちに読み書きを教えると、「自分は読むのが下手だ」という苦手意識ができてしまうからなのだそうです。たぶんこれは幼児教育に限らず、成年を対象とした外国語教育、第二言語教育でも言えるような気がします。気をつけようと思います。

次の論点。悪影響は特に男の子に多く見られるとあります。これは、多くの文化で、男の子は活発であることが期待されているのに、読み書きを教えられている時間はおとなしくしていなければならないからだ、とのことです。女の子のほうが、より幼いころに学習を開始しても、うまくいくようです。そういう性差別的な価値観自体に異議申し立てをしたいところですが、それには、教育という界面だけでなく、より広汎な協力と努力が必要なのかもしれません。

「7歳ごろが最適」という点に関しては、日本では小学校が満6歳の子どもを対象にして始まるので、ちょうどよいのでしょう。でも、最近は幼稚園でひらがな学習というのは当たり前なのかな。だとすると、長期的には逆効果なのかもしれません。イギリスでは満4歳の子どもから学校教育が始まるのだそうです(就学時に満4歳で、その年度のうちに満5歳になるという意味で「5歳児教育」というとらえ方のようです)。就学期をもっと前倒しにしようという議論も進められているようです。早期教育の是非はともかく、幼い子どもの教育に関して日本よりも熱心な印象を受けます。それに比べ日本の文科省から出てくるのは「授業時数の増加」とか「大学9月入学の導入」とか、お金をかけずに済まそうという感じのものばかりのような気がします。

最後に、ちょっと本論からズレてしまいますが… 上で述べてきた苦手意識とか、「おとなしく」学習することとか、「就学」という形態とか、公教育の充実とか、すべてと関連することで、「学校で学ぶ」というのだけが教育の形ではないだろうな、ということも思いました。ホームスクールとかフリースクールのことをもっと知らなくては。

…などと、いろいろと複層的に読める記事でした。

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2007年 11月 23日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.22

軍艦が来る!

China naval ship making Japan port call - 中国海軍の軍艦が東京と横須賀を訪問するため、中国南部の湛江(Zhanjiang)港を出港したと伝えるAP電。人民解放軍の艦艇が日本を訪問するのは歴史上初めて。来るのは深圳号(UTF-8エンコーディングなのでJIS規格外の文字を使っています。深セン = Shenzhen、センは「土+川」)というミサイル駆逐艦。

私はとてもナイーブな平和主義者なので、軍艦が行ったり来たりするのは忌まわしいことのように思うのですが、このように訪問があるのは友好の証しなのだそうです。言われてみれば、なるほど分かる気もします。

これを書いている時点で、出航を伝える日本語の記事は中国の人民網のものしか見つからないのですが、訪問が発表されたのは先週のようで、その時の記事(時事通信日経)や防衛省の報道発表があります。

日本側の扱いと中国側の記事を比べてみると、

  • 日本は船の大きさ(ルーハイ(旅海)級、排水量6100トン、全長154メートル)に注目しているのに対して、中国は乗組員の数(345人)に注目している
  • 防衛省は「中国海軍艦艇の訪日を受け入れることとした」としているが、中国は「日本海上自衛隊の招待を受け」と書いている
  • 日本は一貫して「艦艇」と記しているが、中国の記事の見出しは「軍艦」と書いている

のですが、あまり無意識とか裏の意味とかを見た気にならないほうがよさそうですね。

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2007年 11月 22日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.21

イラクの水

U.S. struggles to restore drinking water to Iraqis - McClatchy 系列の新聞がイラクの水に関する人道復興支援の状況を伝えています。

イラク政府もアメリカ政府も水道の整備を最重点課題の一つとしているものの、まともな水を手に入れることができない人は、戦争前の50%から大きく増え、70%にも上っています。チグリス川、ユーフラテス川を有するイラクに水がないわけではありません。しかし、川の水にしろ井戸の水にしろ、汚染が進んでおり、飲用には適さないようです。最近ではコレラが流行の兆しを見せているそうです。農業用水施設の整備も必要です。

アメリカ陸軍工兵司令部が10億ドル(約1,100億円)を投じて過去3年間にわたって建設を続けてきた都市部の浄水施設等、約1,500のプロジェクトが完成し、バグダッドのサドルシティにも新たに水道が敷かれたとのこと。イラク全土で1日あたり合計2億9千万ガロンの水を供給するのが目標で、現在、施設建設の点では目標の3/4が達成されつつあるそうです。しかし、施設を稼働するのに必要な電力の供給は依然として不安定で、施設が使い物になるかどうかはまだ分かりません。

3年近く前、サマワでの自衛隊の給水活動について書いた際、「一日当たり二百トンから二百八十トン程度を給水」という国会での発言を引用しました。1トンは約264ガロンなので、これでは当時の自衛隊の1日あたりの給水量は最大に見積もっても73,976ガロンにしかなりません。この数字はその後ある程度増えたのだと思いますが、米軍の目標としているという1日あたり290,000,000ガロンとは桁が違いすぎて(0.026%?)、どうも頭の中で辻褄が合わせられません。どこかで大きな勘違いか計算間違いをしているんですよね、私。

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2007年 11月 21日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.11.20

読むべきか読まざるべきか

National Endowment for the Arts Announces New Reading Study - アメリカの連邦政府に属する独立法人 NEA(全国芸術基金)が主に若者の読書傾向に関する調査 "To Read or Not To Read" をまとめたそうです。独自に調査を行なったのではなく、さまざまな研究結果などを集成したもの。

ざっとしか目を通していないのですが、全体的には、読書にあてられる時間が減少している、読む能力自体が低下している、といった感じで、あまり面白みはありません。読書がテレビやネットなどと競合しているという視点で書かれていますが、読むという行為の対象を紙の本に限定していることにも説得力が感じられません。

家にある本の冊数と高校生の成績との間に相関関係があるとか、読む能力の高い人は管理職や専門職に就いている比率が高いとか、本をたくさん読む人は美術館などに行く頻度も高いとか、面白そうな指摘もあるのですが、これらと密接に結びついているはずの「収入」との関連については「資料がない」として、ほとんど触れられていないことにも不満が残ります。

といった感じで、読み物としてはちょっと物足りない気がしました。読解力不足でそう思ってしまうだけかもしれませんけど。

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2007年 11月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.19

新テロ特措法とパキスタン

9月10日の「テロ特措法と価値観外交」の記事で、私はムシャラフ政権がクーデターによって権力の座についた軍事独裁政権であり、そのような政権に対し軍艦の燃料補給という形で軍事面で協力をするのは、民主主義の大義にもとる行為だと主張しました。

11月2日の夜に「パキスタンのテロとの戦い」という記事で緊急事態が近づいていると書いたところ、数時間後に実際に非常事態宣言が発令されました。記事では、パキスタンの英字メディアが「かなり楽観的に、政治活動の自由や言論の自由は守られ、議会も解散されないだろうとしている」ことを紹介しましたが、現実には、反体制派活動家や野党政治家らの自宅軟禁、テレビ局の放送停止など、パキスタンの市民的自由は大きな痛手を受けました。

防衛省が10月から11月にかけて開いた市民向けのセミナーのプレゼン資料「『テロとの戦い』と自衛隊の活動」を見ると、けっこうパキスタンに対する補給実績は大きいです(下のグラフを参照)。同資料は、また、「海自による洋上補給は各国の会場阻止活動に不可欠」「特にイスラム国パキスタンには海上阻止活動への参加そのものに影響を与える問題」と名指しでパキスタンとの連携を強調しています。

洋上補給国別実績グラフ

新テロ特措法案内閣官房サイトに関連情報あり)は、「諸外国の軍隊等がテロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行っていること」を、日本が補給支援活動を行なうべきである理由として挙げています。国連憲章は、その前文の中で、基本的人権と人間の尊厳及び価値を確認し、正義を確立し、一層大きな自由の中で市民が生きていけるような世界を創っていくことがその目的であることを記しています。

ムシャラフ政権の行なっていることは、国連憲章が目指したような世界を実現することに寄与しているでしょうか。その政権と結託しその軍隊に補給支援をすることは、本当に世界のためになるでしょうか。この点が、参議院での審議の中で真正面から議論されることを私は望みます。

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2007年 11月 19日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007.11.18

こんにちは、ガルシアさん

以前、アメリカで生まれてくる赤ちゃんに付けられる名前のランキングについて書いたことがありました。今度はアメリカの名字のランキングです。ニューヨーク・タイムズ紙の "In Name Count, Garcias Are Catching Up to Joneses"。記事からリンクのある国勢調査局のページには、名字の網羅的リストまであります。すごすぎる。

トップ10は、Smith、Johnson、Williams、Brown、Jones、Miller、Davis、Garcia、Rodriquez、Wilson だそうで、ガルシアとロドリゲスというヒスパニック系の名前が入っているのが注目されます。おそらく、アングロサクソン系ではない名前がトップ10に入ったのは初めてだろうとのこと。

それにしても政府による個人情報の把握がすごいですね。怖いぐらい。どこかの国の社会保険庁と足して二で割ると、ちょうどいいぐらいかもしれません。

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2007年 11月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.17

ロラたちの話を聞く

フィリピンで日本軍により「慰安婦」にされた二人の女性によるお話を聞きました。Pilar Frias さんと Narcisa Claveria さん。お二人とも、ゲリラ掃討作戦で村に来た日本兵たちに拉致され、昼間は洗濯などの労務を強いられ、夜にはレイプを繰り返されるという過酷な体験をしました。

二人の「おばあさん」(ロラ)たち、ピラールさんとナルシサさんは、当時の性奴隷に対する謝罪や補償が全くできていないということだけでなく、戦争を起こしてはいけないということを、強く訴えていました。

質疑応答の時間に、「日本軍による心の傷は、60年という月日によって、少しは癒されたのでしょうか」という質問をしました(心ない質問に聞こえるかもしれませんが、お二人には休憩時間中に私がホンダ議員の決議案についての署名に関わったことを伝えてあったので、反発を感じずに冷静に答えていただける自信がありました)。

お二人の答えをそのままご紹介します。通訳はマニラ新聞の澤田公伸さんです。

60年間の間、日本軍によって傷つけられた私の心、精神は一刻たりとも癒されたことはありません。むしろ逆にその傷が深まるような気がします。それは、当時の話を思い出すたびに傷が疼きます。さらに傷口が広がって、痛みが増してくるからです。しかも日本の政府は今に至るまで私たちのことを全く無視しています。時には私たちが嘘をついているとまで日本の政府関係者は言っています。そういうことを聞くたびに、私の傷は疼いてしかたがありません。私は両親や兄弟姉妹がみんな被害を受けました。レイプされました。だから私の気持ちが癒されたことは一刻たりともありません。さらに気持ちが重く沈む毎日を送っています。 - ナルシサ・クラヴェリアさん
私も全く同様な気持ちです。この傷つけられた気持ちが年を追うごとに、疼いてしかたがありません。私の場合は、この顔に当時の日本軍が傷つけた跡が残っています。私は鏡を見るたびに、この鼻のあたりを見るたびに当時の日本軍による加害を思い出さずにはいられないのです。私はまた日本に来るたびに傷が疼きます。日本の政府が私たちのことを全く認めようとせず、自分たちの加害を反省もしないこの日本の国にやってくるたびに、当時のことを思い出すからです。当時日本はフィリピンに対して侵略戦争を行ないました。そのことを日本の政府はしっかりと受けとめてほしい。私たち女性はただ単にレイプされたのではなく、尊厳、人間性が破壊されたのであり、そして子どもとして教育を受ける機会を奪われたのです。そういったすべての私たちの生活を取り戻してほしいと、今も私たちは日本の政府に訴えているのです。 - ピラール・フリアスさん

「時は傷を癒す」などという甘い表現を安易に用いてはいけないということ以外に、自分がどんな態度で社会と向き合っていかなければならないかということについて、お二人から多くのことを学んだと思います。

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2007年 11月 17日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (3)

2007.11.16

収容所マニュアル

Camp Delta Standard Operating Procedures - アメリカ軍のグアンタナモ収容所運用マニュアル。私が試した時には、回線が混み合っているのか、上記のリンクからはたどれず、IsoHunt などの BitTorrent サイトからダウンロードしました。

ようするに、「こういう時は、こういうふうに対処しろ」みたいなことがたくさん書いてあります。通訳については、「ことわざはそのまま訳すな。その伝える意味を訳せ」「詩は、全体を読んで、要約せよ」「分からない単語があったら、辞書をひけ」など。この最後の「辞書をひけ」なんて、訳している人に失礼な物言いだと思います。

マニュアルは、収容者が国際赤十字の視察団に会わないようにするなど、内部のようすができるだけ外部に漏れないようにするための指針を多く含んでいます。

全体としての評価は、もうちょっとよく読んでみなければなりません。

マニュアルには、BBC の "Guantanamo manual leaked on web"、Wired の "Sensitive Guantanamo Bay Manual Leaked Through Wiki Site " などからたどって行きました。

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2007年 11月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.15

外国語学習者の数、ふたたび

アメリカの高等教育機関でどの言語をどれぐらいの学生が履修しているかの調査の2006年版が公開されました。Modern Language Association の "Enrollments in Languages Other Than English in United States Institutions of Higher Education, Fall 2006"。

前回2002年の調査のことは、2004年7月にこのブログで取り上げています。表で「増加率」とあるのは、この2002年の調査と比較した数字です。全言語あわせての増加率が12.9%であるのに対し、日本語は27.5%と、ものすごく健闘しています。最大の伸びはアラビア語の126.5%、次いで中国語が51.0%。学習者数そのものでは、前回は日本語が6位、中国語が7位で、今回は中国語に一気に抜き去られたのではないかと息をのみながらファイルを開けたのですが、差はかなり縮まったものの、順位は変わりませんでした。

言語学習者数増加率
スペイン語822,98510.3%
フランス語206,4262.2%
ドイツ語94,2643.5%
手話(ASL)78,82929.7%
イタリア語78,36822.6%
日本語66,60527.5%
中国語51,58251.0%
ラテン語32,1917.9%
ロシア語24,8453.9%
アラビア語23,974126.5%
古典ギリシャ語22,84912.1%
聖書ヘブライ語14,140-0.3%
ポルトガル語10,26722.4%
現代ヘブライ語9,61211.5%
韓国語7,14537.1%
その他33,72831.2%
1,577,81012.9%

2002年と2006年では、私が書いた初級日本語教科書の売り上げはちょうど2倍になっていました。たぶんアメリカの大学市場でのシェアは1位になったと思います。1994年ごろから書き始めて、1999年に出版した本です。だいぶ古くなってきているので、売れ行きも今が華でしょう。この本の中では、人は音楽をウォークマンで聞いていますし、テレビはブラウン管型です。そんなふうに社会がどんどん変わっていくのに、例文の中に出てくる「寝ているホームレスの人のそばを、近くの会社で働いている人が毎日急いで通ります」とか「私はアウンサン・スーチーのような人になりたいです」とか、あまりにも状況が変わっていないことに、ちょっと眩暈がします。

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2007年 11月 15日 午前 12:00 | | コメント (4) | トラックバック (2)

2007.11.13

バグダッド国際映画祭

Baghdad to host international film festival - AFP電。にわかに信じがたかったのだけど、イラクのバグダッドで来月、国際映画祭が開かれるという話。12月16日から19日という日取りは決まっているが、会場は未定。これも私は全く知らなかったのだが、2005年9月にも短編映画中心の映画祭が開かれ好評だったとのこと。しかし、その会場だったホテルでは今年の6月に自爆事件が起こっており、別の場所を探すことになる見込みだ。

出展される作品のいくつかはエジプトの映画学校の卒業制作だとも書いてあるので、「バグダッド国際映画祭」という大仰な看板は「米軍の増派でバグダッドの治安がよくなりつつある」という情宣の一環に過ぎないと言えそうだが、すなおに成功を祈りたい気もする。

まあ、催しを企画しようと思うぐらいには状況が落ち着いてきてはいるのだろう… ちょっと語弊のある言い方だが「普通の」イラク人は見に行けるのだろうか… イランの作品も上映されるというから、アメリカの言いなりというわけでもないのか… とか、遠くでぐだぐだ考えても何の意味もないんだろうなあ。もっと足元を見据えなくては。

…というわけで、これもまた全然知らなかった話なのだけど、最低賃金の引き上げなどとともに衆議院を通った労働契約法案というやつ。この記事(PDF)を見て、心配になった。働く女性の全国センターのサイトにリンクを張っておく。

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お知らせ:13日の夜から14日の朝にかけてココログがメンテナンスを行なうそうですので、明日はこのブログもお休みします。平和な一日をお過ごしください。

2007年 11月 13日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2007.11.12

神なるオオカミ

英語で書かれるか英訳されたアジアの文学作品を対象にしたマン・アジア文学賞(Man Asian Literary Prize)という賞が創設され、その最初の受賞作が11月10日に発表された。栄えある第一回受賞作は中国の Jiang Rong さんの "Wolf Totem" という作品。文化大革命のさなか、内モンゴルに下放された北京在住の知識層の青年を描いた自伝的作品だという(AFP電: Author's life in remote China helps win Asian book prize)。マン・アジア文学賞は、イギリスの権威あるブッカー賞と同じ企業が財政的な後ろ盾となっている。今後、アジアの文学を語る上で無視できない存在になるのだろう。

著者ジャンロンさんの漢字表記は姜戎、作品は「狼圖騰(狼図騰)」。検索したら、なんともタイミングよく、今月、講談社から「神なるオオカミ」という題名で出版されることが分かった(ISBN は上巻が 978-4-06-213849-9、下巻が 978-4-06-213850-5)。

中国語版のこの表紙イラストはどこかで見た覚えがあるぞ。シンガポールの書店で見たのだろうか。

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2007年 11月 12日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.11

カティンの森、ふたたび

Poland's president promotes officers killed by Soviet secret police in 1940 - AP電。第二次世界大戦の近づく1940年の春にウクライナのカティンの森などでソビエト政府に虐殺された1万4千人にも上るポーランド軍将兵に対し死後昇進が行なわれた。ワルシャワの無名戦士の碑の前で、二日間にわたって名前が読みあげられた。

Mass Graves at Kharkov, Ukraine, by Stuck in CustomsKaczynski 大統領が「67年も経って、こんなことをするのは意味がないと言う人がいるかもしれない。しかし、それは間違っている。これは記憶の行為なのだ」と述べたと記事は伝えている。概ね好意的な扱いだ。

これに対し、AFP電 "Poland holds commemoration for WWII Katyn massacre" は辛辣だ。当初、この式典が10月の議会選挙の前に予定されていたことなどに言及し、カチンスキ大統領がよく使う民族主義、反共主義のカードの一つだと分析している。

遠い国の出来事だからこそ、こういった多面性を受け入れつつ、冷静に見守ることができるような気がする。

写真は Stuck in Customs さんが Flickr で CC-by-nc で公開しているもの。ウクライナの Kharkov にあるカティンの森虐殺事件被害者たちの集団埋葬地。

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2007年 11月 11日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.10

貧しさの中、少女は死んでいった

一人の少女の死がフィリピン社会に波紋を広げている。Mariannet Amper さん。享年12歳。フィリピン南部のダバオ市の小学校の6年生だった。彼女は、自分の家の貧しさに絶望して自らの命を絶った。"Girl who killed self lamented family's poverty in diary"。

彼女の日記には、「靴とかばんがほしい。お母さんとお父さんに仕事がほしい」と書かれていた。父親は建築現場の労働者で失業中。母親は工場でパートで働くほか、クリーニングの下請けをやっていて、わずかな収入を得ていた。家には水も電気もなかった。あの家の子たちは汚いと言って、近所の子どもたちが仲間はずれにしていたという証言もある。

同じく Inquirer 紙の "'We are all to blame for poor girl's suicide' -- bishop" は、Mariannet さんの自殺についての宗教者たちの発言を集めている。カトリック、プロテスタントを問わず、フィリピンに生きる人すべてが彼女の自殺に関して責任を負っているという見解を述べている。「私たちは、不正を正し、汚職や腐敗を追及するという市民としての義務を果たしてこなかった。見て見ぬふりをして、何も行動しなかったのだ」「イエスの教えの要点は、貧困と闘うことだ。イエスはいつも貧しい人たちについて語り、貧困を作り出す要因である秩序を批判した」「政府とは、貧しく弱い人たちを支えるためにあるのだ。しかし政治家たちは政府の意味を曲げてしまった」。

少女の死が不正や抑圧に端を発するものであるという考えを受け入れるならば、その責任は国境によって押しとどめられることもないと考えるべきだろう。ごく具体的に言えば、フィリピンの権力層の腐敗について、日本にいる私たちはずっと前から知っていたのに、その甘い汁のもとである援助の形を変えようという声を十分にあげることがなかったことを悔いなければならないだろう。

もう一つ。フィリピンの貧困や権力腐敗の度合いやを自分たちとは次元が全く異なるものと考えることも許されない。

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2007年 11月 10日 午前 12:00 | | コメント (3) | トラックバック (3)

2007.11.09

写真と距離

Iraq: When Killing Becomes Personal [Photo Essay] - イラク戦争に従軍した写真家 Ashley Gilbertson さんの写真とインタビュー。これから1か月の間、ニューヨークで個展が開かれているらしい。

イラク北部のクルド系住民を取材したことのあるギルバートソンさんは、サダム・フセインを倒すのは正当なことだと信じ、イラクに入った。しかし、戦争の現実を目の当たりにして、考えを変えたとインタビューで語っている。米軍の報道規制によって、戦争の痛みが伝わらない報道になってしまっている、とも述べている。

ギルバートソンさんの写真の被写体の中には、写真に写されたその日に死んだ人もいる。ある兵士は、死ぬ前の晩に妻に電話をかけていた。「離婚しよう」と言われると思いながらかけた電話で、彼は妻が自分の名を胸に入れ墨してもらったことを知る。その話をしてくれた彼が死んだ時、戦争はとても個人的な経験になったとこの写真家は語る。

*

ある大学で開かれている世界報道写真展を見に行った知人が、見に来ていた学生たちの会話を記していた。

「わたしさー、思うんだけどさー、写真撮るくらいだったら助けろよって思わない?」
「あたしもそう思うー」
「ねー、このコーナー、グロいから先進もうよ」

「っつーかさー、助けられてるんだから、もっと笑ったらいいのに」
「オレだったら絶対ピースするもん」

私がその写真展を見に行った時には、まわりの学生たちは真剣なまなざしで写真を見て、熱心にメモを取っていた。だから、全般的に言えば、私たちの目は曇ってはいないと私は思う。しかし、私たちは、それぞれ、自分と写真に映された情景の間に距離をかかえている。その距離をほんの少しでも縮めることがヒューマニズムの基本課題だと言えるだろう。写真の中の難民や負傷者たちとの間にとてつもない距離を保とうとする人たち、戦争を望む人たちは概して声が大きい。その声に負けないように、冷静に、説得力のある言説を作っていこう。

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2007年 11月 9日 午前 11:45 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.11.08

フランスで広がる大学法人化反対スト

ルモンド紙の7日づけ記事 "L'UNEF se joint au mouvement de grogne des étudiants" によれば、国立大学の法人化に反対する学生ストがフランス全土に広がる気配を見せている。7日の時点で Rouen、Tours、Toulouse-II le Mirail、Lille-III、Rennes-II の5大学が完全に閉鎖されており、84大学中45大学で学生大会が開催されるなどしている。ソルボンヌでもこの日、集会が開かれた。

フランスでは、国立大学の法人化法(loi sur l'autonomie des universités)が今年の8月11日に成立している。ストライキは、この法律の撤廃を求める CCAU(collectif contre l'autonomie des universités)という団体が組織してきたものだが、フランス最大の学生団体 UNEF も従来の路線を変更して、高等教育への予算拡大などを新たに要求し始めた。Valérie Pécresse 高等教育相が7日、8日に学生団体代表者らとの面談を行なう予定になっており、UNEF がどのような立場で面談に臨むかが注目を集めている。

日本の国立大学法人化への日々を私は国立大学で過ごした。私立大学に移った今も私は市場原理が大学を歪めていくようすを毎日のように見せつけられている。これが教育のあるべき姿ではないだろうと思い、良心に従って行動してきたつもりだ。しかし結果として何もはね返すことはできなかった。フランスの若者たちに向けて声援を送る。そして、日本の大学で学び、働く仲間たちにも連帯を呼びかける。

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2007年 11月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007.11.07

韓国の差別禁止法案続報

Rights Bill Excludes Many - Re-Introduce Comprehensive Language Into Non-Discrimination Legislation - Human Rights Watch が一か月あまり前にここでも紹介した韓国の差別禁止法案に対して注文を付けている。

画期的な法制になりうるのに、性的指向および性自認による差別を防止する文言が取り除かれてしまっているというのが主旨。韓国が LGBT の権利について以前は先進的な立場を取っていたのに、キリスト教右派からの介入により、規程が削除されてしまったことに失望を表明している。

韓悳洙(ハン・ドクス)総理大臣にあてた手紙が公開されているが、「親愛なるドクス首相」って何よ。ちゃんと韓国の活動家に読んでもらっていないのだろうか。信頼が揺らぐなあ、こういうのを見ると。

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2007年 11月 7日 午前 02:40 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.06

ファイルーズを聴く

アラブの歌姫、ファイルーズ。イスラエルのハアレツ紙の5日づけ記事 "Israeli Arabs get rare chance to see legendary singer Fairuz" によれば、ファイルーズ主演のミュージカルがヨルダンのアンマンで上演されました。イスラエルからはファイルーズの住むレバノンには行くことができませんが、ヨルダンには行くことができるため、アラブ系イスラエル人が大挙押し寄せたそうです。

ミュージカル「目を覚まして」(上演前のヨルダンの報道 "Fairouz performs 'Sah Al Noom' in Amman" では、タイトルは「よくお休み」となっています)は、昨年7月13日にレバノンのバールベック音楽祭で演じられることになっていましたが、12日にイスラエルがレバノンに侵攻したため、延期になり、今回アンマンに場所を移して演じられたのだそうです。一か月に一度しか目を覚まさない王は、目を覚ましてもたった3つの公文書にしか判を押しません。嘆願に行った貧しい少女が王の寝ている間にありとあらゆる文書に判を押してしまい、目を覚ました王は国の変わりように目を丸くする、という話らしいです。

記事では、20歳と27歳の若いファンの声が取り上げられていました。彼らがどれくらい代表的なのか、この記事からは分かりませんが、世代を超えた人気があるようです。もうすぐ72歳の誕生日を迎えるファイルーズ。これからも人民のために、レバノンのために、パレスチナのために歌ってください。

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2007年 11月 6日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.05

薔薇の香り

Concern over scentless roses - ケニアの Daily Nation 紙の記事。同紙は今まで無料の購読者登録が必要だったが、4日から自由に読めるようになった。NationMedia 社のテレビ番組も YouTube で公開されるようになった。

記事は、ケニアで生産されヨーロッパに輸出されるバラが年々増えているが、香りがないことへの不満が高まりつつあると伝えている。花の香りにはエチレンが含まれていて、それが花を枯れさせてしまうため、香りのない品種が主流になってきていたとのこと。そのぶん、花は長持ちで、遠い生産地からの輸入が可能になっていた。イギリスで、香りを持ち、かつ、長持ちする品種の開発が進んでいるという。

Kenyan roses, by Boyznberryバラをもらって、鼻にあててみて、香りがしないのでがっかりした人も多いだろうと記事は書いているが、そもそも私にはバラをくれる人がいない。日本で売られているバラも香りがしないのでしょうか。自分で買ってみればいいか。

バラの写真はケニアで宣教師をしている Boyznberry さんが Flickr で CC-by-nc で公開しているもの。住んでいる地域にバラ農園がたくさんあるとのこと。現地では20本で60円ぐらいだそうだ。ただし、ケニアの一人あたりの GNI を 365日で割ると、一日の収入は180円ぐらい。物価などを換算して購買力で見ても一日あたり400円ぐらいだ。

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2007年 11月 5日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.04

あなたの愛は何の香り?

Ethiopia tackles Aids with coffee-flavour condoms - エチオピアでは人口の2.1%がHIVに感染している。首都アジスアベバでは感染率は7%にものぼる。感染の拡大を食い止めるため、国際的な団体の協力でコーヒーの香りのコンドームが格安な価格で売り出され、コーヒー好きのエチオピア人の間で人気を呼んでいるという。クリームや砂糖がたくさん入ったマキアートの香りだとのこと。

記事によれば、企画している DKT International という慈善団体は、インドネシアでは、なんと、ドリアンの香りのコンドームを販売しているそうだ。おみやげにいいかもしれない。日本で喜ばれるかどうかは別として。サイトを見ると、インドでは、ぶどう、イチゴ、チョコレートの3風味(ここらへんは、さしてめずらしくもない、かな?)。ブラジルでは、何か分からないが6風味もある。

さて、冒頭で言及した英ガーディアン紙の記事、終わり方にひるみました。記事の半ばにある「非常に保守的なこの国で」という表現と矛盾していますよね。保守的な人は自分に都合がいいことだけ保守的、っていうことでしょうか。

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2007年 11月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.03

パキスタンのテロとの戦い

パキスタンでは、ムシャラフ大統領が緊急事態宣言を出すのではないかと噂されている。パキスタン The News 紙の記事。何らかの超法規的な権限がムシャラフ大統領に付与されると予想されているが、記事はかなり楽観的に、政治活動の自由や言論の自由は守られ、議会も解散されないだろうとしている。

大統領職とともに陸軍司令官職を続けたいムシャラフの利己主義(裁判所が兼職の可否について近日中に判断を出すことになっている)の問題なのではないかという気もするが、爆弾テロなどもあったし、亡命から帰ったブット元首相は再び出国を余儀なくされたし、もっと大きな流れがあるのだろう。

緊急事態宣言の中に含まれるのか別立てなのか分からないが、The Times of India 紙の記事 "Pak to try civilians in military courts" は、パキスタン政府が民間人を軍事裁判所で裁けるようにする法改正を数日中に発表するだろうと伝えている。部族地帯の民兵などが主な対象と見られるが、テロ行為、誘拐、武器の使用などの犯罪が軍事裁判所で扱われることになるほか、諜報機関による民間人の拘束や取り調べの権限が拡大されるらしい。

結論として、「テロとの戦いとは、こういうものなのだ」と達観のごとく述べるべきなのか、「日本が給油を行なってきた相手はこういう国だということを、新法の議論の中でも忘れないでほしい」と書くべきなのか、しばし、悩む。

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2007年 11月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.02

電源アダプタの標準化

Standardized Notebook AC Adapter Announced - 1日づけ韓国の東亜日報英語版の記事。日本語版もあります。もちろん韓国語版も。韓国政府の技術標準院という機関が、ノートパソコンの電源アダプタの標準規格を定めるという話です。2009年1月から適用、「勧告事項であるKS規格に定めるだけでなく、義務事項である電気用品安全管理法の安全認証項目に入れる案も検討している」と報じています。

サムスン、LGなどが既に受け入れを表明しているほか、インテル、レノボ、HP が前向きに検討中とのこと。規格は、60ワット、19±1ボルト、プラグは丸形で直径 6.5±0.1mm、長さ9.5±0.3mmとなる見込み。

これ、すごくいいアイデアだと思うんだけどな。出張先のホテルで借りられたりしたら、すごく便利。日本のメーカーも取り入れてくれないものでしょうか。

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2007年 11月 2日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007.11.01

ニューヨーク市、レジ袋規制に向かう

Time for Supermarkets to Recycle Plastic Bags? - ニューヨーク市議会に、レジ袋の規制条例案が提出された。中規模、大規模店舗がレジでポリ袋を渡す場合、リサイクル用の回収箱を設置すること、大きな文字で袋に「この袋は店舗に返してリサイクルしてください」と記すこと、年度ごとにリサイクル実績を報告することなどが条例案の骨子だ。

サンフランシスコでこの春に可決された条例などに比べると、かなり緩やかな規制であるように思われる。記事は、ブータンやバングラデシュなどの国が生分解性のない袋を禁止しているという例にも言及している。

A plastic bag on a tree, by dailydog

写真は dailydog さんが Flickr で CC-by で公開している、オランダのレジ袋の写真。幸い、私のまわりではこういう光景はあまり見られない。CC ライセンスで公開されている写真では、このほか、ベルギー(かなり普遍的とも言える)、フランスアメリカ(ニューヨーク)パキスタンのレジ袋のある風景を見つけた。

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2007年 11月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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