六ヶ所村でトリチウムを検出
この記事は環境を考える Blog Action Day の企画に賛同する意図を込めて書きます。
六ケ所・尾駮沼にトリチウム/県・原燃が報告 ― 東奥日報の10月13日の記事です注。再処理工場に近い尾駮沼で4月17日に採取した水から、3月までの調査ではいつも「定量下限値未満」だったトリチウム(水素の同位元素)が初めて検出されたことを伝えています。試運転(アクティブ試験)中の再処理工場から4月6日、7日、14日に液体廃棄物の海洋放出を行なったことの影響だろうと青森県の原子力施設環境放射線等監視評価会議評価委員会は見ているようです。
今回検出されたトリチウムは1リットルあたり2~3ベクレルで、EUの安全制限値が100ベクレル/リットルだそうですから、「仮に直接沼の水を飲んだとしても、健康に全く影響がないくらいの低い値」という県の説明は妥当なものだろうと思います。ただ、初めてのものは初めて。これから悪くならないことを祈ります。また、日本原燃の記録では6月に4月の2倍半程度の放出が行なわれています。その影響は今回の報告(4月から6月までの試料調査)では確認できなかったみたいですが、7月の調査で出るのか、あるいは放出直後しか検出できないのか(数日で希釈されてしまうのなら問題ないということなのかもしれません)など、今後も見守っていく必要があるように思えます。たぶんここに調査結果が掲載されるのだと思います。
同じ日の東奥日報は、「止めよう再処理!10.13全国集会」での講演でフランスの市民団体 ACRO の研究者が六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場がモデルとしたラ・アーグ(La Hague)再処理工場周辺で高濃度のトリチウムによる汚染が広がっていること、トリチウムと炭素14の健康への影響がこれまで考えられてきたよりも大きいことが分かったことなどを報告したと伝えています。
私は原理的に核エネルギーの利用を否定しているわけではないのですが、原爆の悲惨さを味わった国に生まれた者、チェルノブイリの悲劇を実時間で見知った世代としては、核が環境に与えかねない影響には、どうしても敏感になってしまいます。願わくば、そういった敏感さ、慎重さを知識で補いたいものですが、勉強が足りません。
注: 東奥日報や時事通信社(現在発生している問題に関する記事)は、「六ケ所」と表記しているようです。村役場、青森県、日本原燃、原子力資料情報室などは「六ヶ所」を使っているみたいです。ここでは、コピーして貼り付けているところは元のままの表記で、自分で打つ時は「六ヶ所」を使っています。どうでもいいようなことだと思うのですが、広い世の中には、このことに異様なほどの執着を見せ、意見の違う人を傷つけるようなことを平気で言う人もいるので、念のため、断り書きを入れておきます。
2007年 10月 15日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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時事問題と平和運動についての集会や催しのお知らせです。
21日 『六ヶ所村ラプソディー』福岡上映会&鎌仲監督トーク →詳細
第1部 13:00 開場,13:30 上映開始,15:30 トーク開始
第2部 17:00 開場,17:30 上映開始,19:30 トーク開始
会場 甘棠館(かんとうかん)show劇場
福岡市中央区唐人町1-10-1カランドパーク2F
問い合わせ先 NPO環境未来センター希望 092-522-8332 FAX 092-522-8308
常冨泰... 続きを読む
受信: 2007/10/21 2:03:46
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