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2007.09.15

アラーは原発を望まない

インドネシアで原子力発電所の建設計画が進んでいることに関し、今月初め、地元のイスラム学者らが、原子力発電は、それがもたらす利益よりも核廃棄物などがもたらす災害の可能性のほうが大きく、ハラム(haram、ムスリムに許されていないもの)である、という宗教見解(ファトワ、fatwa)を出したそうです。Greenpeace の記事で知りました。リンクの張り方が分からないのですが、日本のグリーンピースのサイトにも以下のような記述があります。

インドネシア政府が中部ジャワのムリア半島で進めている初の原子力発電所建設計画に対し、同国最大のイスラム系団体ナフダトゥール・ウラマー(NU)のジュパラ県支部が9月3日、ムリア原発の建設禁止を宣言しました。NUはインドネシア社会で大きな影響力をもっています。原子力導入を止めるうえで、この宣言はきわめて重要なステップとなるでしょう。

Map of Java, Indonesiaパブリックドメインの地図を集めた Perry-Castañeda Library にあるインドネシアの地図からジャワ島を切り出してみました。クリックするとインドネシア全体の地図に飛びます。右の地図で、ジャワ島中部北岸 Semarang の"g"のあたりが原発建設予定地のムリア半島で、"n"の文字のあたりが今回のファトワを出した神学者たちがいる Jepara です(ちなみに、プラムディアのブル四部作の中で、主人公ミンケと文通していた少女が Jepara に住んでいるという設定だったと思います)。

この原発建設計画には日本企業も受注しようと積極的に動いているらしく、日本でも反対運動が組織されています(どの団体にリンクを張るのが一番いいのか分からないので、適当に)。安倍首相(今の時期、「首相」という肩書き付きで彼のことを呼ぶのも、いたわりを欠くようで申し訳ない気もしますが)も、先月インドネシアを訪問した際、お願いをしたようですが、つれない返事だったのか、共同宣言では触れられていません。冒頭に挙げた Greenpeace の記事から察すると、韓国企業のほうが優勢なのかもしれません。

インドネシアは世界最大のムスリム人口を有する国なので、ファトワが核開発の禁止に言及したことは、大きな意味があると思います。もちろん、違う神学者集団は違う見解に達するのかもしれませんが、パキスタンやイランなど核開発を進めている国でも同じようなファトワが出るといいな、と思ってしまいます。あ、私は政治と宗教の分離を旨としているので、「ファトワが出るといい」と言うのは不適切かもしれません。基本的には、宗教家が政治についてとやかく言うのはよくないと思うのですが、イスラムが狭義の信仰だけでなく、生活態度全般への指針を定めていることを考えると、「生き方」として原子力発電を悪しきものとするというのは、とても興味深いことのように思います。原発うんぬんって、政治家の課題ではなくて、私たち一人ひとりの生き方の問題ですものね。

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2007年 9月 15日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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