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2007.08.25

緩いパンツ

Proposal would ban underwear-exposing pants - アメリカ南部のジョージア州 The Atlanta Journal-Constitution 紙の記事。AP電からたどりました。アトランタでは、だぼだぼのパンツをはいて下着が見えるようなファッションを市の条例で禁止しようという提案がされていることを伝えています。提案では、公共の場でのはしたない下着の露出を禁止するので、ブラのストラップを見せているなどというのも取り締まりの対象となるようです。

とりあえず想像通りと言うか、「だらしがない」「小さい子どもが真似して悪影響」みたいな話で、人々の反応を追った翌日の記事 "Reaction mixed over proposed baggy britches ban" にもあるように、「たしかにちょっと乱れすぎなので、いい考えだ」という賛成意見も多い一方、「表現の自由の侵害だ」といった反対意見もあるようです。

人権団体の ACLU の話、そして地元のヒップホップ・アーティストの話として、この服装規程は、若い黒人男性を狙い撃ちにしたものだという意見が出ています。緩いジーンズというファッションは、逮捕され監獄に入れられると、ベルトを取り上げられ、はいているパンツがずるずるっと落ちた感じになるのが起源。若者たちは釈放後に「ベルトは取られたがプライドは取られていない」ことを示すために、そのまま、ずり落ちたままのパンツをはいたのだと説明されています。今ではこの着こなしはヒップホップ文化の一部であり、それを禁止する条例を作るのは、人種的なプロファイリングを助長し、余分な職務質問をする機会を警察に与えるだけだ、と主張されています。

「ベルトは取られたがプライドは取られていない」という部分(原文では、"personal power" なのですが、訳としては「プライド」がぴったりすると思います)にとても感動し、この記事を紹介します。社会の秩序を作っていく上で、警察というものの有用性を否定するつもりはありませんが、その権力が恣意的な弾圧や排除に向けられることもあることを私たちは知っています。あなたも私も、この言葉を思い出したい時が来るかもしれません。

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8月25日夜追記: 最後の段落にリンクを追加しました。

2007年 8月 25日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

記事の末尾の追記に書いたように、釜パト活動日誌ブログの今日の記事にリンクを張りました。
リンクを張る前の状態で私の記事を読んで、なぜタグに「世界陸上」が入っているのだろうと不思議に思われたかたがいらっしゃいましたら、ぜひご覧になってみてください。

投稿: うに | 2007/08/25 21:42:46

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