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2007.07.23

考えること、働くこと

ニューヨーク・タイムズ紙の "New Leaders Say Pensive French Think Too Much"。フランスのサルコジ大統領とその内閣の反知性主義を観察しています。

Christine Lagarde 財務大臣が、富裕層への課税が厳しすぎるために働く人は国外に出て行ってしまっているとし、週35時間労働制を批判して、「もう考えるのはいいから、腕まくりして働け」と述べたそうです。これに対し、哲学者の Bernard-Henri Lévy が「フランスの大臣がこんな発言をするのは聞いたことがない。私はアメリカ好きだし市場主義者だからニコラ・サルコジに投票したっておかしくないはずだが、私が彼を支持しなかった理由の一つがこういう反知性主義的な傾向だ」と苦言を呈したと伝えています。

フランス政府は、雇用や個人消費を伸ばすためには、国民がもっと働くことが必要だとしていますが、国民の意識調査では、宝くじで裕福になれると信じる人が39%もいるのに対し、勤労を通じて裕福になれると信じる人はそれとほぼ同数の40%に留まっているとのこと。

日本でも「定職に就けないのは自己責任」みたいな言い方をする人はいるものの、さすがに安倍内閣も「考えないで働け」とは言いませんよねえ。でも、もともと「考える」ことを強調した言説が少ないっていうのもあるかもしれません。政府の教育再生会議なども「ゆとり教育を見直して学力を高める」みたいなことは繰り返し言うけれど、「しっかりと考える人間をはぐくむ」的なことはあまり言わないなあと思いました。

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2007年 7月 23日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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コメント

うにさん、こんにちは。興味深い記事ありがとうございます。

これ、絶対トラックバックください、「ウハウハ右派対談」のエントリーと、フィヨン内閣閣僚名簿のエントリー両方に。

投稿: 村野瀬玲奈 | 2007/07/23 23:02:32

村野瀬さん、
リクエストありがとうございます♪ トラックバックしておきました。私、ものぐさなので、ふだんあまりトラックバックを送りませんが、いつも興味深く読んでいます。
それにしても、村野瀬さんが22日にお書きになった記事に載っている沖縄のポスター、見ていて、情けないというのを通り越して、ポスターの人に憐れみに近いものさえ感じてしまいました。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-335.html

投稿: うに | 2007/07/24 0:53:54

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