バグダッドの米軍兵士の声
As Allies Turn Foe, Disillusion Rises in Some G.I.'s ― ニューヨーク・タイムズ紙の記事。バグダッドに展開している米軍部隊(Delta Company of the First Battalion, 325th Airborne Infantry, 82nd Airborne Division と紹介されている)の兵士たちに一週間にわたってインタビューした結果を伝えている。来たばかりの新米兵士には、まだ戦争を支持している者もいるが、部隊の半数以上はアメリカ軍がイラクにいることに全く意義を見出せないでいるらしい。
戦争が始まって1,2年の間は、自分たちの任務の意義を信じていたが、時の経過とともに、自分たちが育成し、ともに戦っているはずのイラク軍の兵士がアメリカ兵への狙撃や爆弾攻撃に加わっていることを目の当たりにし、幻想は跡形もなく消えてしまったようだ。
兵士たちは、自分のことを「テキサス出身の保守的な共和党支持者」であるとか、「親も兄弟もみんな兵役についた軍人家庭の生まれ」であると形容する。彼らがアメリカ軍兵士として戦い続けるのは、職業意識とか義務感のためであって、自分たちがやっていることについては「内戦に首を突っこんでいるのはよくない」「このまま何年駐とんしても、撤退したらすぐに状況が悪化するのは目に見えていて、占領は大きな傷に絆創膏をあててつなぎとめているようなもの」といった無力感しか感じられないと言う。
遠くから見れば、彼らがいること自体が、内戦とも呼べるような混乱状態の原因になっていると思えるのだが(この点については、スンニ派との融和路線を打ち出しているシーア派のムクタダ・アル・サドル師をめぐる最近の報道などが参考になる)、記事からは、そういった意識が彼らの中にあるようには読み取れない。
いずれにせよ、「軍靴を地につけて」いるアメリカ軍の兵士たちは、このように不条理を感じながら戦っているわけだ。その戦争・占領を日本は航空自衛隊による空輸という形で支援し続けている。もしかすると、空を飛んでいる自衛隊員には、地上の空気は感じられないのかもしれない。
2007年 5月 29日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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