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2007.05.03

コンサートと歴史認識

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が創立125周年を迎え、サイモン・ラトルの指揮で記念コンサートを開いた。その会場についての説明が、読んだ記事の間でずいぶん異なっていた。

時事通信は「ベルリン・フィルが創立125周年=地元で記念コンサート」という2段落構成の記事の第2段落を場所の説明にあてていて、「演奏会場は普段のコンサートホールではなく、東ベルリン地区にある19世紀末に建てられた工場の建物。「オーケストラと同様に長い歴史を持つほか、東ベルリンとの連帯感を示すため」、この建物を会場にしたという。」と書いている。朝日新聞もそのままの形で掲載している

ドイツの国営通信社 dpa の記事は "Berlin's Philharmonic digs up Nazi past as it marks 125 years" (創設125周年にあたり、ベルリン・フィルはナチスの時代の過去を明らかにする)というタイトルが付いていて、冒頭の段落で「ナチスの時代に強制労働に使われた元工場」で演奏会が開かれたと伝えているほか、曲目などの説明の前に、楽団やその主席指揮者であったフルトヴェングラーがナチス時代にどのような役割を果たしたか解明しようという機運が高まっていることを記している。

この対比から一足飛びに「日本の報道には無意識的に第二次世界大戦のころのことを忘れようというフィルターがかかっているのではないか」という疑念を持つのはあまりにせっかちであろうけれど、心して現代を相対化し、過去の轍を踏まぬように努力したいと思った。

AFP の記事は、ナチスとフルトベングラーの関係の複雑さ(政権は彼をプロパガンダに利用し、彼は政権に従順だった。その従順さゆえにユダヤ人音楽家を守ることにもつながった)を扱った書籍や劇、映画を紹介している。もちろん、このような歴史的な背景に全く触れない記事もある(Deutsche Welle)。

今のところ、5月1日のコンサートの出来について評した記事には巡り会えていない。

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2007年 5月 3日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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