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2007.05.08

解放の神学は今

ラテンアメリカの司教会議のために教皇ベネディクト16世のブラジルを訪問するのを前に、ニューヨーク・タイムズ紙に解放の神学の現状に関する記事が出ている: "As Pope Heads to Brazil, a Rival Theology Persists"。

現教皇のラッツィンガー枢機卿は、前教皇ヨハネ・パウロ2世のもとで、解放神学に対して批判的な発言を続けてきた。「教会の信仰への根本的な脅威」であるとか、「解放の神学はまぎれもなく異端である」とか、「必要なのは解放の神学ではなく、殉教の神学である。世俗的な論理を捨て去り、内的な自由に焦点をあてなければ神学の名に値しない」など。

Gustavo Gutiérrez や Leonardo Boff、Jon Sobrino などの指導的な神学者がバチカンによって言動を封じられ、その他の1970年代から80年代にかけてラテンアメリカで解放の神学を率いた司教たちも既に亡くなったり引退したりしており、一時ほど脚光をあびることはないが、ブラジルでも最貧地方であるアマゾン川流域、北東部の奥地、そして大都市のスラムなどでは、解放の神学は今も強い影響力を保っている。

記事に、サンパウロの教会で開かれた集会で歌われた歌が紹介されている:

人の世はピラミッドのようで、頂には人は少なく、底には人が多い。人の世では、頂にいる者たちが底にいる者たちを押しつぶしてしまう。ああ、貧しい者たちよ、虐げられた者たちよ、なぜそこに立ちつくしているのか。人の世は変えられなければならない。だから人々よ、じっとしていてはいけない。

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2007年 5月 8日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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