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2007.05.31

ダルフールの壁新聞

ダルフールの Al-Fasher という街のある木には、毎週、手書きの新聞が掲げられる(南アフリカ、メール&ガーディアン紙の記事 "Tree newspaper blossoms in dusty Darfur town")。Awatef Ahmed Isaac さんが発行する Al-Raheel (旅)という新聞だ。公共サービスの悲惨な現状、水不足、インフラの問題など、ハルトゥームの政府に対してダルフールの人たちが叛旗を翻す要因となったようなニュースには事欠かないのだ。ダルフールでは政府軍や政府寄り民兵組織の攻撃により20万人が死に、200万人が避難民となっている。その人たちの生活の様子も、もちろん報道されている。

アワテフさんの夢は、日刊の印刷した新聞を発行することだ。今年に入ってからワシントン・ポスト紙でも彼女の活動が取り上げられ、パソコンが贈られたり寄付が寄せられたりしたが、新聞発行への道のりはまだ遠い。しかし、Sudaneseonline.com というサイトに掲載されるようにはなったのだと言う(英語の部分には見あたらないので、アラビア語の部分のどこかがそうなのだろう)。

記事は、アワテフさんの新聞をダルフールの「大字報」(中国語で壁新聞の意味)と呼んでいる。ブログも壁新聞のようなものだよね、と思った。私も、しっかりと大切なことを伝える人でありたい。

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2007年 5月 31日 午前 12:05 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.30

新しいピル

先週、アメリカで Wyeth 社という製薬会社の Lybrel という薬が認可された(同社の報道発表)。Lybrel は低用量の経口避妊薬で、女性は休薬期間なしにこの薬を服用する。月経を規則的にしたり生理の量を少なくしたりするのではなく、月経そのものを止めてしまうわけだ。

発表によれば、この7月にも処方による販売が始まるらしい。効果に関しては、完全に経血がなくなるのは59%、微量の出血が残る人が20%、あとの21%の被験者では生理用品による対処が必要な出血が見られたとのこと。効果が安定するまでに3か月から6か月かかる。また、月経による出血がないぶん、想定外の妊娠が起こっても気づきにくいという注意書きが添えられるとのこと(ボストン・グローブ紙)。

薬としては基本的に既存の低用量ピルとさほど変わらず、生理が全く来ないということは、今までのピルを飲んでも生理痛がひどい人にはいいのかもしれない。もちろん、副作用など安全性については、もっと長く様子を見ないと分からないのだろう(「安全な薬などない」という原理主義的な考え方だってあり得るはずだ)。なにぶんにも現時点では情報が少なすぎる。

生理があることで自分の身体的な性に違和感を持っている人とか、宗教、文化、権力構造などの中で月経を持つことが不利にはたらいている人とかを視野に入れた社会的な意味合いが注目に値するように思う。

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2007年 5月 30日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.29

バグダッドの米軍兵士の声

As Allies Turn Foe, Disillusion Rises in Some G.I.'s ― ニューヨーク・タイムズ紙の記事。バグダッドに展開している米軍部隊(Delta Company of the First Battalion, 325th Airborne Infantry, 82nd Airborne Division と紹介されている)の兵士たちに一週間にわたってインタビューした結果を伝えている。来たばかりの新米兵士には、まだ戦争を支持している者もいるが、部隊の半数以上はアメリカ軍がイラクにいることに全く意義を見出せないでいるらしい。

戦争が始まって1,2年の間は、自分たちの任務の意義を信じていたが、時の経過とともに、自分たちが育成し、ともに戦っているはずのイラク軍の兵士がアメリカ兵への狙撃や爆弾攻撃に加わっていることを目の当たりにし、幻想は跡形もなく消えてしまったようだ。

兵士たちは、自分のことを「テキサス出身の保守的な共和党支持者」であるとか、「親も兄弟もみんな兵役についた軍人家庭の生まれ」であると形容する。彼らがアメリカ軍兵士として戦い続けるのは、職業意識とか義務感のためであって、自分たちがやっていることについては「内戦に首を突っこんでいるのはよくない」「このまま何年駐とんしても、撤退したらすぐに状況が悪化するのは目に見えていて、占領は大きな傷に絆創膏をあててつなぎとめているようなもの」といった無力感しか感じられないと言う。

遠くから見れば、彼らがいること自体が、内戦とも呼べるような混乱状態の原因になっていると思えるのだが(この点については、スンニ派との融和路線を打ち出しているシーア派のムクタダ・アル・サドル師をめぐる最近の報道などが参考になる)、記事からは、そういった意識が彼らの中にあるようには読み取れない。

いずれにせよ、「軍靴を地につけて」いるアメリカ軍の兵士たちは、このように不条理を感じながら戦っているわけだ。その戦争・占領を日本は航空自衛隊による空輸という形で支援し続けている。もしかすると、空を飛んでいる自衛隊員には、地上の空気は感じられないのかもしれない。

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2007年 5月 29日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.28

ナチスの遺産としてのアライグマ

From Nazi Past, a Proliferating Pest ― アライグマは北米原産だが、現在ではドイツを中心にヨーロッパに広く棲息していることが確認されている。南北ではバルト海沿岸からアルプス山脈まで。東はチェチェン共和国、西はイギリス海峡までだ。

1934年にドイツ中部にあった毛皮会社がナチス政権下の森林局を通じてアライグマを森に放す申請をして、Hermann Göring が認可したのがヨーロッパにおけるアライグマの起源で、現在ではドイツだけで100万匹のアライグマがいて、いまだに増殖中だと記事は伝えている。ドイツ語では、アライグマは日本語と同じで Waschbären =「洗う熊」というらしい。

記事によれば、アライグマによる生態系の破壊はあまり深刻ではなく、一番問題となっているのは、郊外の人家に侵入したりする「人への被害」だという。物珍しさや見た目の可愛さで食べ物をあげたりする人が半分。家が囓られた、爪研ぎされた、食べ物を取って行かれたなどで、追い払ったり罠を仕掛けて捕まえたりする人が半分といった感じだそうだ。

以前、アライグマの話を書いた時から気になっていたことの答えが書いてあった。食した人の言によると、「濃い味、野生動物の味」なのだそうだ。

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2007年 5月 28日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.05.27

先制攻撃、難民キャンプ、天然ガス田

パレスチナ関係の記事を3つ紹介する。

Z Net の記事 "Forty Years of Occupation" は、来たる6月5日が1967年のいわゆる「六日戦争」の40周年にあたることを受けて、パレスチナとイスラエルの歴史をとても手際よくまとめている。6月9日から10日にかけて世界各国で行なわれる反占領の抗議行動への参加を呼びかけている。

アルジェリアのフランス語紙 El Watan は26日、レバノン軍から攻撃を受けているレバノン北部のパレスチナ難民キャンプ Nahr Al Bared から脱出した Association de jumelage Palestine France (AJPF) というフランスの NGO の人たちの記者会見の模様を伝えている。キャンプは水も電気も止まり、食糧も尽きており、人道的にも政治的にも社会的にも大災害の様相を呈していると言う。ファタハ・アル・イスラムは最初にベダウイのキャンプに拠点を作ろうとしたが追放されて、移動してきた集団で、ナハル・アルバレドの人たちは彼らが若者に悪影響を与えないよう闘ってきたと説明されている。そもそもキャンプまでには何重にもレバノン軍の検問所があるのに、なぜ武装集団がキャンプに入れたのかという疑義も表明されている。

イギリスのタイムズ紙およびイスラエルの Ynet は、イギリスの BG Group 社がガザ沖の海底天然ガス田の資源をイスラエルに売る15年契約をイスラエル政府と来週にも調印する予定だと伝えている。ハマスは「バルフォア宣言にも匹敵する卑劣な行為だ」として反発を強めている。

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2007年 5月 27日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.26

大学総長を不信任

若かりし日に留学した大学が大変なことになっていることを知った。教員の総会が理事会と総長の不信任決議を可決したのだ。 "Faculty defiant on proposal for UMass" (ボストン・グローブ紙)。

マサチューセッツ大学は州立の大学システムで、5つのキャンパスからなっている。イメージとしては、1大学に5キャンパスあるというより、1つの学校法人が5つの大学を経営している、といったほうが近いだろう。その5大学システム全体の総長(President)がいて、各大学に学長(Chancellor)がいる。州都ボストンにもキャンパスがあるが、州西部のアマーストという小さな都市にある UMass/Amherst が伝統的にシステムの中核だととらえられてきた。「少年よ、大志をいだけ」の人が日本に来る前に学長をやっていたのがこのマサチューセッツ大学アマースト校だ。

先週になって理事会、総長側が機構改革案を打ち出し、アマースト校の学長を解任して総長が兼務するなどの、より中央集権型の体制作りを目指していることが明らかになった。教員総会の席でウィルソン総長は「情報をちゃんと伝えてこなかったため、このような事態になってしまったことに責任を感じる」と述べ、機構改革は既定事項ではなく、これから調査委員会を設置すると語ったが、アマースト校の教員は圧倒的な多数で不信任案を可決した。

記事には、総長に向けられた「(調査委を作るというのは)聞いている私たちがそう言えば喜ぶと思って言っているだけ」「いろいろとお話をするのはお上手なようですが、私たちはあなたの行動しか信じません」などの教員のコメントが紹介されている。

トップダウンの大学運営指向とか、構成員への説明不足による経営陣への不信感の増大とか、身近な現実とかなり重なって見えてしまう。そんなふうに感じる大学教員は、いたるところにいるような気もする。

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2007年 5月 26日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.25

バグダッドのビデオ日記

Hometown Baghdad というプロジェクトを、つい先ほど知った。ちょっと調べただけでも、イラク:Terrorist or Resistance?低気温のエクスタシーbyはなゆーFalluja, April 2004 - the book などのブログが既に取り上げているので、ご存じのかたも多いのかもしれない。

Hometown Baghdad

Adel、Ausama、Saif というバグダッド在住の20代の若者たちが日々の生活を撮影したものを、世界のいろいろなところの間をビデオのやり取りで結ぶ Chat the Planet というアメリカのグループが数分のビデオにまとめ、YouTube にどんどん投稿しているらしい。全部で45本のビデオを作るつもりで、これを書いている時点で、31本のエピソードが公開されている。サイトの左側にエピソードへのリンクが順番に並んでいる。ポッドキャストとしても受信できるらしい。作っている若者たちは英語で説明をしていて、その他の登場人物はもちろんアラビア語で話しているのだが、英語の字幕が付けられている。

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2007年 5月 25日 午前 12:03 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.05.24

ソマリランド

Somaliland leaves Somalis in limbo ― アルジャジーラの記事。ビデオへのリンクもある。

Somaliland map, Wikimedia Commonsアフリカの角、ソマリアの首都モガディシュでの戦闘を逃れて北に向かい、ハルゲイサ(Hargeysa)に何万人もの人たちがたどり着いている。しかし、ここでは、この人たちはとても微妙な立場に立たされている。ハルゲイサは1991年5月18日にソマリアからの分離独立を宣言したソマリランド共和国の首都なのだ。しかしソマリランドを独立国として認めている国や国際機関はないため、国連は彼ら彼女たちを「難民」としては扱わない。そのように扱うのは国連がソマリランドの独立を認知したことになってしまうからだ。一方、ソマリランド政府は、彼ら彼女たちは国内の避難民ではなく、隣国からの難民であると考えている。

もしかすると、私たちが気がつかないだけで、このようなことは世界のいたるところで起こっているのかもしれない。ちょっと端折った論理になるが、「国」というものを基本的な単位とする思考の愚かさがここに表れているように思う。「人」(個人)の自由や尊厳を保障し、平等と多様性を確保するために機能しないのであれば、「国」など意味のないものだ。

アルジャジーラの記事に戻ろう。記事は、ソマリランド政府や国連の立場を説明し、そもそも援助物資が足りないことに言及し、固定的な建造物を作ることも許されずテントでの生活を余儀なくされる人たちの姿を淡々と伝えている。言外に、記者やそこに暮らす人たちの、私たちに何かを考え、手をさしのべることを望む声を読み取ることができるが、私たちには何ができるのだろう。

地図は Wikimedia Commons より。緑に彩色されたところがソマリランドで、それと、その右から下に伸びる東海岸沿いの地域を併せて、私たちはソマリアと呼んでいる。

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2007年 5月 24日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.23

色を探して

The Right of Return through the Language of Colours ― 「色彩の言語で語る帰還権」という魅力的なタイトルに誘われてページを見たら、文字ばかりで、がっかりした。関連サイトのリンクぐらい張ってくれなくちゃ、詐欺だよ。

イスラエルの建国(という大災害=ナクバ)によって多くのパレスチナ人が難民化した。その後、避難していった人たちの家や農地は、持ち主がいないものとされて、イスラエルに接収されてしまう。今後、どのような形でイスラエルが引き起こしたパレスチナ問題が解決されていくにせよ、パレスチナ人の帰還は非常に大きな課題となる。

ナクバの59周年にパレスチナの芸術家 Yousef Katalo さんの作品を展示した Good Morning Yafa という展覧会が開かれた、ということを上の記事は伝えている。

めげずに、検索したら、色彩を見ることができた。展示会場 Bethlehem Peace Center のページ。Yousef Katalo さんの作品のいくつかはここでも見ることができる。そして、これがたぶん、彼のブログ

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2007年 5月 23日 午前 12:52 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.22

猫を悼む

タイトルどおり、哀しいお知らせです。18日の夕方に連れて帰った赤ちゃん猫、残念ながら、生き延びることはできませんでした。

近所の人の話では、17日の夜に捨て猫の鳴き声が聞こえ始めたとのこと。18日の朝に一匹目が見つかり、私が引き取ったのは18日の午後に見つかった二匹目の赤ちゃんでした。最初はミルクを吸う力もなかったけど、19日、20日と、少し力が出てきたように思ったのですが、赤ちゃん猫が来て以来、恩姫(私がいっしょに住んでいる10歳の猫)がものすごく動揺して、食べ物も食べずに家の隅に隠れてしまったので、予定を早めて、赤ちゃん猫は20日の夕方に友人に託しました。21日の朝に獣医さんに連れて行ってくれたのですが、治療の甲斐なく、午後、静かに息を引き取ったそうです。夕方、花を添えられ、冷たくなった猫を引き取ってきました。玄関の横に埋葬します。

目も開かないうちに電車に乗せて移動させるのが無理だったのかもしれません。友人にはピッポちゃんという名前も付けてもらい、猫のことをものすごくよく知っている人が様子を見に来てくれていた矢先でした。

お昼に Joost で A Cat's World というドキュメンタリーを見ていたら、「5日間で体重が2倍になるほどミルクを飲む」と説明されていました。うちにいる時も、少しずつ飲んではいたけれど、体重は全然増えなかったものなあ。私の認識が甘かったとしか言いようがありません。

心優しい友人はもちろんのこと、19日の記事を読んで心配してくださったかたがたをも悲しい気持ちにさせてしまって、ごめんなさい。

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2007年 5月 22日 午前 12:00 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2007.05.21

イギリスの薬害エイズ

Number 10 hiding blood scandal facts ― 英オブザーバ紙の記事。私は不勉強で知らなかったのだが、イギリスでも血友病患者への血液凝固剤治療によりHIVやC型肝炎の感染が起こり、1,700人以上が死んだ。この薬害は70年代後半から80年代前半に起こったが、90年代に入って、当時の資料が「誤って」廃棄処分されてしまったことが明らかになっている。2000年に、保健省による内部調査が行なわれたが、どのような経緯で廃棄処分が行なわれたか、どの時期に政府が輸入血液製剤の危険を認識していたかなどに関する調査結果は公表されなかった。

記事は、公表の差し控えが首相府(ダウニング・ストリート10番地)の指示で行なわれたことが明らかになったと伝えている。被害者団体は、犯罪性を裏付ける証拠が隠蔽されているのではないかと批判を強めている。

首相の交代によって、うやむやにされてしまいそうな気もする。記事中に言及されている被害者団体のサイトはここらしい。

薬害エイズの問題については表層的なことしか知らないのだが、新聞やテレビの報道では他国での事情などについては語られることがないように思う。問題を厚生労働省や国内メーカー(ミドリ十字)、国内の大学(帝京大学)やその教授(安部英)の責任だけでなく、新自由主義的な世界経済における製薬会社、多国籍企業の責任というマクロな視点でとらえる必要性を感じた。

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2007年 5月 21日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.20

刑務所で学ぶ

Unlearning preconceptions - Program offers joint classes to college students, inmates ― ボストン・グローブ紙の記事。マサチューセッツ州西部の大学で行なわれている、その地域の刑務所に教員と学生が出向いて服役囚とともに学ぶ授業のようすを紹介している。記事によれば全米30の大学で、階級差や人種、犯罪歴などに伴う偏見を乗り越えることを目的として、このような取り組みが行なわれているらしい。

服役囚からは「お坊ちゃま、お嬢ちゃまが来ると思っていた」、大学生からは「あんな深い読みができるとは思っていなかった」など、お互いに対する思いこみが回を重ねるごとに変わっていったことを示す発言が取り上げられている。読んだのはソロー、フーコー、クッツェー、カフカなど。コースのシラバスを見ると、他にはハンナ・アレント、カール・マルクス、アマルティア・センなどを読んだようだ。

話がちょっとずれてしまうかもしれないが、この記事を読んで、私は水俣病認定申請を取り下げた緒方正人さんの「チッソは私であった」という言葉を思い起こした(ごんずい朝日新聞)。私はだれなのか、私を取り巻くこの世界は何なのか。私はまだそのような迷路の奥深くを彷徨っている。

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2007年 5月 20日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.19

子猫

子猫

生後1日か2日の赤ちゃん猫が家の近くの公園に捨てられていて、今夜は雨なので、とりあえず引き取ってきました。というわけで、今夜はネットの記事など書いていられない状態です。まだ目も開いていません。ラップトップの上は暖かいらしく、気持ちよさそうにしています。

恩姫も、事情をだいたい察しているらしく、いじめたりはしませんが、自分の生活が一変してしまいそうなので、ものすごく動揺しています。

2007年 5月 19日 午前 12:49 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2007.05.18

尾身財務相をめぐる記事二つ

尾身幸次財務大臣が17日に記者会見を行なった。大して注目すべき発言があったわけでもないらしく、これを書いている時点では、日本の新聞社のサイトでは朝日にロイター通信の記事が載っているぐらいのようだ。この日発表された1月から3月のGDP値に基づいて、日本の経済が順調な回復過程にあると語ったことが伝えられている。

ロイターは尾身財務相の会見について英文の記事も配信しているのだが、書いてある内容が全然違う。記事は "Japan's Omi says Wolfowitz doing a good job"。身内へのお手盛りの昇給を指示したことで世界中から大きな批判を受け、辞任に追い込まれつつある世界銀行のウルフォウィッツ総裁について、「彼はいい仕事をやっていると思う。我々は彼の働きぶりを高く評価している」と語ったことを紹介している。

もちろん、みんなが悪口を言っている時にそれに加わらないのはよくない、などと言うつもりはないが、(1) そこまでしてアメリカに尻尾を振るのか、(2) そこまで世論による批判を軽視するのか、と驚かざるを得ない。

このうち、第2点に関しては、いかに安倍内閣の閣僚が鈍感で傲慢であるかのいい例であると言えると思うが、もとを正せば、ナントカ還元水に何百万も使ったと言い張る農林水産大臣とか、「人権メタボ」とか言って平然としている文部科学大臣とか、狭義の強制性はなかったとか言って、旗色が悪くなるとだんまりを決め込む総理大臣とかが公職に留まることを許してきた私たちに罪があるのかもしれない。

最近書いた、英語の記事と日本語の記事で印象がものすごく違った例:

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2007年 5月 18日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.17

いろんな英語

先日、アジア開発銀行の総会に対抗する市民フォーラムで通訳をした時、本番の直前にインドのNGOの人にパワーポイントを見せてもらったら "27.92 lakh people" 云々と書いてあって、"lakh" なんて言葉は知らなかったので、これは何だと聞いたら「million の10分の1だ」と言われました。

彼の英語がいいかげんなのかとも思ったのですが、"lakh" (十万)って単語、インド(あるいは南アジア)ではけっこう普通に使うみたいですね。先ほども The Hindu 紙を読んでいたら、"The Government had more than 2 lakh STBs" (STB = Set Top Boxes = ケーブル放送のチューナ)とか、"Cities with more than one lakh population would be taken up next" とか出てきました。

私はアメリカとかイギリス中心の英語教育を受けてきたので、インドなどの旧植民地で話される英語について、あまりよく知りません。しっかり学んでいかなくてはなあ、と考えているところです。

ちなみに、ところ変わってフィリピンでは、憲法変更のことを ChaCha と言うようです。Charter (憲法、憲章) Change (変更)の略。日本でも使えそうですね。「チャチャはご免だよ」とか。

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2007年 5月 17日 午前 12:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.05.16

あの人は今

ビルマ(ミャンマー)の軍事政権による自宅軟禁状態の続いているアウンサンスーチーさんの解放を求める署名に、さまざまな国の59名の元政治指導者が参加した。AP電の末尾に署名をまとめた Oslo Peace Center へのリンクが張られていた。署名の主意文と署名者の一覧を見る。

アメリカからは、生きている元大統領3名全員が署名しているが、残念なことに日本からの署名者は小泉純一郎前首相だけである。小泉前首相のほかにも、中曾根康弘、海部俊樹、宮澤喜一、細川護熙、羽田孜、村山富市、森喜朗の合計7名の元首相が存命のはずだが、彼らの名前は見出せない。

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2007年 5月 16日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.15

モンゴルで金採掘による飲料水汚染

ロイター電によれば、モンゴル北西部で違法な金採掘により水源が汚染され、浄水施設が機能しなくなり、住民5,400人ほどの Darkhan Uul という町の飲料水に水銀や基準を数千倍上回るシアン化ナトリウムが混入した。これらの有害物質はハラー(Kharaa)川にも流入すると懸念されている。

2006年の金の高値以降、モンゴルでは金の違法採掘が続いており、270万人の人口の1割が鉱業に従事する時もあると言う。シアン化ナトリウムの使用は8社に認められているが、それ以外の企業による採掘は野放しになっているらしい。

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2007年 5月 15日 午前 12:11 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.14

ガザ国境検問所の経済効果

'Karni opening helped Gaza economy' ― イスラエルのエルサレム・ポスト紙の記事。イスラエル軍の調整連絡事務所の Nir Press 大佐の話として、ガザ地区の出入口であるカルニ検問所(Karni Crossing)の閉鎖が減ったことにより、過去3か月で 16,600 の雇用が創出されるなど、この半年でガザ地区の失業率が7%近く下がったと伝えている。と言っても、まだガザの失業率は30%ほどである。

6か月前から4か月前の3か月にも 19,100 の雇用機会が創出されたが、このうち 10,500 は農業分野のものであった。それに対し、直近の3か月では、農業分野への新たな就労は数百に過ぎず、残りは運搬、建設などの分野であり、ガザの物流がよくなったことを示しているという。

プレス大佐の会見は、母の日までのカーネーションの輸出シーズンの終わりにあたって開かれたもので、昨年の1,700万本に対し今年は4,300万本のカーネーションが主にヨーロッパに向けて輸出された。

The Apartheid Wall -under construction, by FREEPALカッサムロケットなどのテロ攻撃が減ったために検問所が閉鎖される日数が減ったわけで、パレスチナ人たちもテロを抑制することが生活の改善につながることがこれで分かっただろう、というのがイスラエル軍の言い分なのだが、もちろんこれは「卵と鶏」のような話で、イスラエルによる経済封鎖が緩和されたぶん、テロが減ったという見方もできるだろう。この記事に付けられた読者からのコメント欄でも、イスラエルのユダヤ人がそのような見方を示している。それに対し、イギリスやアメリカに住むユダヤ人からは、そんな手ぬるいことではいけない、といった反動的なコメントが付いている。経済制裁をめぐる言説の典型として興味深い。

写真は FREEPAL さんが Flickr で by-nc-sa で公開しているもの。隔離壁の建設に抗議するパレスチナ住民とそれを阻止するイスラエル兵。

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2007年 5月 14日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.13

韓国の干拓事業と渡り鳥

Birds 'starve' at S Korea wetland ― BBC の記事。韓国南西部、全羅北道の海岸線にあるセマングム(新萬金)という大きな干潟が干拓事業のため閉め切られたため、ヘラシギ(spoonbilled sandpipers)やカラフトアオアシシギ(Nordmann's greenshank)などの渡り鳥が激減していると伝えています。

15年余り、環境団体などによる裁判闘争が続いていたが、昨年、堤防が閉め切られ、湿地から魚介類が消えたため、やってきた渡り鳥が食べ物を見つけられず、死んでいるとのこと。堤防の一部を開放し、わずかでも湿地帯を取り戻せば、生態系の保護に大きな効果があるという意見が紹介されています。

Birds Korea の関連ページおよび、藤前干潟の保護運動をしていらっしゃるかたが実際にセマングムに赴かれた際の報告にリンクを張ります。一昨年と今年で、1桁から2桁、シギの数が減ったことを観察なさっています。

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2007年 5月 13日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.12

ダリットの党がウッタルプラデシュで単独過半数を獲得

Low castes lead in Uttar Pradesh ― インド北部の Uttar Pradesh 州議会選挙で、ダリット(不可触民)の女性 Mayawati さんが率いる Bahujan Samaj Party (BSP)が第一党になったことを伝える BBC の記事。Hindustan Times によれば、開票が進むにつれ、BSP は403議席中少なくとも208議席を獲得し、単独過半数を有する与党となった。選挙は4月上旬より、地域ごとに投票日をずらして、1か月にわたって行なわれた。序盤戦後の予想をはるかに上回る BSP の「一人勝ち」状態となったようだ。

今回、BSP は中核的な支持層であるダリットのみならず、上位カーストからも強い支持を受けたらしい(The Hindu の "Mayawati's social remix turns out to be a hit")。以前は「ブラーミン、バイシャ、クシャトリアをやっつけろ」というスローガンを掲げていたが、今回は、党のシンボルの象について、「これは象ではない。ガネーシャだ。すべての神やコミュニティを象徴するものだ」というスローガンで運動を進めたと言う。ウッタルプラデシュ州はインドで最大の州で、人口は1億7千万人余り。ここでの勝利は、国政レベルでも上位カーストの国粋主義政党である BJP などから権力を奪還する大きな契機となるかもしれない。

貧しい人々、虐げられた人々に基盤を置く運動が社会全体に広がっていくというのは、遠くから見ている限りには、とても喜ばしいものに思える。おそらくその渦中にいれば、いい面だけでなく悪い面も見えるのだろうと思うが、ここでは、とりあえず、羨望の眼差しを送ることにする。

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2007年 5月 12日 午前 12:02 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.05.11

数十年後のことを言ったら、鬼が合唱するのが聞こえた

アフリカ諸国の統合を目指す汎アフリカ主義は、植民地の独立が始まった今から半世紀前にも存在していて、その夢は、実現されることなく今日に至っている。今週、南アフリカのダーバンで開かれた外相会議でも話し合われ、ガーナで開かれる7月の首脳会議でも更に話し合いがもたれるらしい: "Ministers Prepare Recommendations for Africa's Integration"。

記事によれば、2005年にアフリカ連合(AU)の中で、統合が正式に話し合われるようになったとのことで、この先あと何年かかるのかは分からないが、今世紀の半ばに向けて、アフリカ統合の勢いが増すことは間違いないだろうと思われる。

昨年12月にボリビアのコチャバンバで開かれたラテンアメリカの首脳会議でも、中南米の統合が話し合われ、コチャバンバ宣言としてその可能性が明記された。500年前からある夢だとは言え、実際に議題になったのは画期的なことだと、チョムスキーが書いている: "South America: Toward an Alternative Future"。

民族国家の時代は明らかに過ぎ去ろうとしており、現存する国家の主権を何らかの形で棚上げして、今ある国境を越えた統合体に収束していくことは、今後数十年間の世界の変化として、間違いのないことだと思う。いかに、今日の寡占資本(多国籍企業とか、超大国とか)の敷いたレールにそった統合を阻むか(どのように対抗的なグローバリゼーションを現実のものとするか)が、私たちの闘いの大きな部分になっていくのだろう。

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2007年 5月 11日 午前 12:18 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.10

ニアゾバさんの転向と釈放

4月17日の記事で取り上げたウズベキスタンの人権活動家 Umida Niazova さんに関して大きな展開がありました。転向です。BBC の "Confession frees Uzbek activist"、Human Rights Watch の "Human Rights Defender Released"。

2年前の5月に起こったアンディジャンでの住民虐殺に関する反政府的な書類を所持していたことで禁固7年の有罪判決を受けたニアゾバさんの控訴審が8日に開かれました。ニアゾバさんは罪状認否で自分の罪を認め、「自分が意図せず犯した罪を真摯に反省している」「自分の考えは周りの人たちに影響されていた」「自分が働いていた国際組織の一部の人たちに深く絶望している」「自分たちのやった仕事は偏向しており、国民を傷つけた」などと書かれた手書きのメモを読み上げたとのことです。

これを受けて、タシケント市裁判所はニアゾバさんの禁固刑を執行停止しました。釈放の条件として、定期的に警察に出頭すること、仕事を変わった場合などには届け出ること、毎晩10時以降は家の外に出ないことが申し渡されたとされています。

ウズベキスタン政府の圧力によって強いられた「転向」であることは疑う余地もありません。拷問や脅迫などによるものでないことを祈るばかりです。複雑な気持ちではありますが、彼女の釈放を喜びたいと思います。

私にとって、「転向」とは、遠い治安維持法時代の事象のように感じられていたのですが(学生運動等に関わっていた人には、もっと身近に感じられる事柄なのかとも思います)、違う国とは言え、現在進行形でその過程を見ることになったのは、大きな衝撃でした。私たちの社会も強権的になりつつあるように思います。心の準備と言うか、何か教訓をここから学び取る必要を感じています。

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2007年 5月 10日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.09

イスラエルの大学スト続く

Israeli Higher Education Shuts Down as Student Strike Stretches Into 4th Week ― The Chronicle of Higher Education の記事。イスラエルでは、学費値上げに反対する大学生のストライキが既に1か月近く続いている。

Avraham Shochat 元財務相が座長を務める委員会で学費の値上げや国の文教予算の削減が答申されたことに抗議して、全土の大学でストライキが実施され、教員組合もそれを支持しているという。過去には学費引き下げを提案する答申が出ていたのに、それを無視して学費値上げを提案していることが問題になっているらしい。学校側は、これ以上ストが長引くなら、今学期は単位認定ができないという脅しをかけているそうだ。

日本でも、国立大学の運営費交付金の削減や、私学助成の見直しが取りざたされているが、ストに発展しそうな気配は感じられない。

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2007年 5月 9日 午前 12:29 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.08

解放の神学は今

ラテンアメリカの司教会議のために教皇ベネディクト16世のブラジルを訪問するのを前に、ニューヨーク・タイムズ紙に解放の神学の現状に関する記事が出ている: "As Pope Heads to Brazil, a Rival Theology Persists"。

現教皇のラッツィンガー枢機卿は、前教皇ヨハネ・パウロ2世のもとで、解放神学に対して批判的な発言を続けてきた。「教会の信仰への根本的な脅威」であるとか、「解放の神学はまぎれもなく異端である」とか、「必要なのは解放の神学ではなく、殉教の神学である。世俗的な論理を捨て去り、内的な自由に焦点をあてなければ神学の名に値しない」など。

Gustavo Gutiérrez や Leonardo Boff、Jon Sobrino などの指導的な神学者がバチカンによって言動を封じられ、その他の1970年代から80年代にかけてラテンアメリカで解放の神学を率いた司教たちも既に亡くなったり引退したりしており、一時ほど脚光をあびることはないが、ブラジルでも最貧地方であるアマゾン川流域、北東部の奥地、そして大都市のスラムなどでは、解放の神学は今も強い影響力を保っている。

記事に、サンパウロの教会で開かれた集会で歌われた歌が紹介されている:

人の世はピラミッドのようで、頂には人は少なく、底には人が多い。人の世では、頂にいる者たちが底にいる者たちを押しつぶしてしまう。ああ、貧しい者たちよ、虐げられた者たちよ、なぜそこに立ちつくしているのか。人の世は変えられなければならない。だから人々よ、じっとしていてはいけない。

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2007年 5月 8日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.07

連休はADBで

ゴールデン・ウィークの後半は、私の住んでいる京都で開かれていたADB(アジア開発銀行)の年次総会と、それに対抗する市民フォーラムに参加していました。

援助の名の下に工業国の大企業が民営化要求などを通じて発展途上国の市場に参入して搾取を行ない、貧しい国の債務ばかりが増え、地元の声を無視した開発で環境が破壊されたりする、という過程を、それを行なう側とそれを告発する側の両方の中に入って意見を聞くことができました。

どんな話を聞き、どんなことを思ったかを整理して提示するには頭が疲れすぎているので、象徴的な表現を使いますが、一日のうちに扇町公園の野宿者の人たちと財務大臣の両方の顔をじかに見られたのは貴重な経験だったと思います。その経験をしっかりと活かして、発言、行動していきます。

それにしても、NGOの人たちは力強いですね。今日(7日)は、朝の8時半から、お揃いのTシャツを着て、総会の会場(国際会館およびプリンスホテル)で抗議行動をするそうです。私は仕事に戻るので行けませんが、連帯の気持ちを送ります。抗議行動がちゃんと報道されるか、目を皿のようにしなくては。記事を見つけたかたがいらっしゃいましたら、ぜひお知らせください。

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2007年 5月 7日 午前 12:46 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2007.05.06

今のままの9条が好き

今のままの9条が好き

旅行かばんに付けるタグをもらったので、名前のかわりに主張を書いて、通勤用のかばんに付けています。昨日は若い女性に「それ、かわいい~」と言われて、とても気をよくしています。どう見ても可愛さを感じるデザインではないので、「かわいい」というのが、カバーと文字の色を合わせている作り込みの細やかさをほめた若者言葉なのか、さえないおじさんが持っているくたびれたかばんに「~が好き」と書いてあることの意外性を柔らかく表現したものなのかは分かりません。

4月19日の記事を書いて以来(というか、関連する項目ごとの改憲案提起が国民投票法案に盛り込まれて以来)、ワタシ的には、9条改憲が提案されても国民投票で否決されるという明るく美しい未来予想図が広がっています。milou さんのブログに紹介されていた東京新聞の記事「2段階改憲 自民が検討 9条は後回し」によると、これは私の脳内の幻影ではなく、自民党も認める政治的な現実のようです。こういう流れを見越して九条の会運動を始めた人たちの先見性に、改めて敬意を表したいと思います。

「今のままの9条が好き」という表現は、検索しても使用例が見あたらないのですが、けっこうイケてると思いませんか。流行らせたいんですが、ご協力いただけませんでしょうか(笑)。まあ、私は流行とかに無頓着にしか生きられない人なので、きっと「今のままの9条が好き」も流行ることはないでしょう。なので、そう書かれたタグの付いたかばんを持って歩いているおじさんがいたら、たぶん、それは私です。

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2007年 5月 6日 午前 12:07 | | コメント (12) | トラックバック (11)

2007.05.05

薬の値段

4月の終わりにアメリカ政府の通商代表部が公開した報告書で、知的所有権の侵害が著しい国のリストにタイが加えられた(タイの The Nation 紙の記事)。これには、タイ政府が1月にとった HIV/Aids に関する政策決定が大きく影響していると考えられている。

タイ政府は、エイズ対策のため、アメリカの Abbot 社の Kaletra、Merck 社の Efavirenz を自前で製造販売することを決定した。WTO の知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)では、衛生上の緊急時に知的所有権の保護を受けている薬剤を「強制許可」(compulsory licensing)によって複製したり並行輸入したりする権利を各国政府に認めており、タイ政府はこれを発動したのである。

これに対し、アボット社は反発し、タイへの薬剤の販売を中止するという非人道的な措置に出たが、国際的な批判を浴び、低所得国などでの薬剤の頒価を引き下げを発表せざるを得なくなった。タイ政府の強制許可による製造に関しては依然として不当であるとして係争中である。4日のタイ国営通信社電は、Mongkol Na Songkhla 保健省が来週、訪米して交渉にあたることを伝えている。

私もいろいろな薬のおかげで生き延びている人間なので、製薬会社のことをあまり悪く言える立場にはないのだけれど、薬の中には、私にそれなりの収入があるからその治療を受けられるものの、端的に言えば「貧乏人は病気もするなということかよ!」と言いたくなるような高価なものもある。社会の根本的な問題として、もう少し活発に論じられるべき問題のように思う。

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2007年 5月 5日 午前 12:13 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.05.04

ニアゾバさんに禁固刑

一昨日、急に始まったことを伝えたウズベキスタンの人権活動家 Umida Niazova さんの裁判は、5月1日に開かれた2回目の公判で結審し、禁固7年の有罪判決が申し渡されたようです(Human Rights Watch の発表、英ガーディアン紙の記事)。批判的な声をことごとく封じようとするカリモフ政権の非民主性に強く抗議します。

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2007年 5月 4日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.05.03

コンサートと歴史認識

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が創立125周年を迎え、サイモン・ラトルの指揮で記念コンサートを開いた。その会場についての説明が、読んだ記事の間でずいぶん異なっていた。

時事通信は「ベルリン・フィルが創立125周年=地元で記念コンサート」という2段落構成の記事の第2段落を場所の説明にあてていて、「演奏会場は普段のコンサートホールではなく、東ベルリン地区にある19世紀末に建てられた工場の建物。「オーケストラと同様に長い歴史を持つほか、東ベルリンとの連帯感を示すため」、この建物を会場にしたという。」と書いている。朝日新聞もそのままの形で掲載している

ドイツの国営通信社 dpa の記事は "Berlin's Philharmonic digs up Nazi past as it marks 125 years" (創設125周年にあたり、ベルリン・フィルはナチスの時代の過去を明らかにする)というタイトルが付いていて、冒頭の段落で「ナチスの時代に強制労働に使われた元工場」で演奏会が開かれたと伝えているほか、曲目などの説明の前に、楽団やその主席指揮者であったフルトヴェングラーがナチス時代にどのような役割を果たしたか解明しようという機運が高まっていることを記している。

この対比から一足飛びに「日本の報道には無意識的に第二次世界大戦のころのことを忘れようというフィルターがかかっているのではないか」という疑念を持つのはあまりにせっかちであろうけれど、心して現代を相対化し、過去の轍を踏まぬように努力したいと思った。

AFP の記事は、ナチスとフルトベングラーの関係の複雑さ(政権は彼をプロパガンダに利用し、彼は政権に従順だった。その従順さゆえにユダヤ人音楽家を守ることにもつながった)を扱った書籍や劇、映画を紹介している。もちろん、このような歴史的な背景に全く触れない記事もある(Deutsche Welle)。

今のところ、5月1日のコンサートの出来について評した記事には巡り会えていない。

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2007年 5月 3日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.02

ニアゾバさん裁判始まる

4月17日に書いたウズベキスタンの人権活動家ウミダ・ニアゾバ(Umida Niazova)さんの裁判が4月30日に始まった模様です。ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、弁護人はこの日に審理が開始されることを知らされておらず、開廷の30分前に知らされたとのことです。この連絡の遅れのため、人権団体、外交官などは十分な傍聴態勢がとれなかったようです。

ニアゾバさんは、2005年5月13日に起こった東部の国境の町アンディジャン(Andijan)で軍により市民が虐殺された事件についての「非合法」文書をパソコンの中に持っていた疑いで2006年12月に一時拘束され、その後キルギスタンに出国していましたが、弁護士を通じてその嫌疑が晴れたという連絡を受け、ウズベキスタンに戻ろうとしたところ、不法入国で逮捕、監禁されました。

ウズベキスタン当局が騒乱を引き起こす可能性のある非合法文書としているのは、Human Rights Watch の "Bullets Were Falling Like Rain" という報告書で、ニアゾバさんは、この文書を仕事の一環として持っていただけで、配布する意図はなかったと主張しています。

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2007年 5月 2日 午前 12:04 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.05.01

イギリスでお買い物

1か月ほど前にサンフランシスコの大規模店舗がレジのポリ袋をやめた話を紹介しました。今度はイギリス発のニュースです: "No plastic bags in town's shops" という BBC のニュースによると、イングランド南西部デボン州の Modbury という町で、ポリ袋が5月1日から最低6か月間、完全に禁止となったそうです。すべての店で、生分解性の袋、紙袋、布袋が使われることになります。おそらくヨーロッパで初めての試みとのことです。

Rebecca Hosking さんという自然写真家がビニール袋による海洋生物の被害を目にして思い立ち、一軒一軒、店を回って説得にあたった成果だとのこと。一人の人間がやれることの大きさを見直すとともに、地道な努力の大切さを改めて思い知らされるできごとです。

そう言えば、私、イギリスに行ってスーパーで買い物をしたら、お金を払わなければ袋がもらえないことを知り、衝撃を受けたというか感動したのが、ちょうど20年前でした。うーむ、がんばらねば。

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2007年 5月 1日 午前 12:00 | | コメント (0) | トラックバック (1)

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