カート・ボネガットの死を受け入れる
カート・ボネガット(Kurt Vonnegut, Jr.)が亡くなりました(AP電)。私が若いころ、夢中になって読んだ作家です。
彼の代表作 Slaughterhouse-Five の主人公 Billy Pilgrim なら、肩をちょっとすくめて、 "So it goes" (だとさ、こんなもんですかね)とでも言うでしょうか。嘆く必要はないはずです。Tralfamadore 星人たちが言うように、今この瞬間にボネガットが死んでいるにしても、彼が元気に生きている瞬間はとてもたくさんあるのですから。
神よ、変えることができないことを受け入れる平静さと、
変えることができるものを変える勇気と、
それらを見分ける知恵をお与えください
という、『スローターハウス・ファイブ』に出てくる祈り(serenity prayer)を、私は心で唱えながら生きてきました。生き延びてきました。ありがとう、カート・ボネガット。
あなたの墓碑には、やはりこう刻まれるのでしょうか(スローターハウス・ファイブのイラストです)。
(折しも、Gmail の不調で、メールクライアントが昨年夏からのメールを全部また延々とダウンロードしています。喜びの便りあり、悲しみのメールあり。全てが走馬燈のごとく通り過ぎていきます。)
Tags: ボネガット, Kurt Vonnegut, 文学
2007年 4月 13日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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» 「誰もが運命のいたずらで仕事や住居を失って明日ホームレスになるかもしれないという思いのもとに」(5) (貧困と闘う、フランスのある社会運動) トラックバック 村野瀬玲奈の秘書課広報室
失業者、貧困者に無料の食糧援助をするフランスの社会運動、「心のレストラン」を紹介する記事(4)(2007年3月11日のエントリー)の続きです。
今回第5回を「心のレストン」についての結びのエントリーにするつもりでした... 続きを読む
受信: 2007/04/14 20:39:06
» カート・ヴォネガット(・ジュニア) トラックバック しぇんて的風来坊ブログ
気が付くのがちょっと遅れてしまったのですが、カート・ヴォネガット氏が亡くなったという事です(早川書房ニュース、CNN)。
抜群の皮肉力と話術の作家です。ここが翻訳リスト詳しいみたいですね。
最近は、新刊中心の書店に置いていない事が多いようですが、現代の重要作家だったことは間違いないと思います。
合掌。... 続きを読む
受信: 2007/04/16 21:36:42
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