奇跡と蒙昧
フィリピンのルソン島南部に Albay という州がある。Mayon 山というとても美しい山があるらしい(写真は dennistanay さんが Flickr で CC-by-nc-nd で公開しているもの)。この山は火山で、時に大噴火を起こして住民を苦しめもする。昨年11月には巨大な台風が襲い、洪水や土石流で1,200人もの人が命を失い、多くの人が住む家を失った(二枚目の写真、dsrito さんが Flickr で CC-by-nd で公開しているもの)。
Barangay Maipon というところで、土石流によって運ばれてきた巨岩が悲しみを湛えたイエス・キリストのように見えると言って、話題を集めている。フィリピン Inquirer 紙の "Believers see 'sad image of Christ' on rock" に写真が載っている。確かに陰影によって人の顔に見えると言われれば、そうかもしれないとも思う。親族や友人をそして持ち物のすべてを失った人たちに、その顔が憐れみ深い救世主の顔に見えるのだと言われれば、納得することもできる。
奇跡によって救い主がその姿をお示しになったのだと信じる敬虔さ、純朴さを、かの地の前時代的な迷妄と嗤ってはいけない。「納豆を食べればやせる」、「イラク開戦を支持した政府の方針は間違っていなかった」、教育の機会均等の保障を謳いつつ、金持ち優先の学校バウチャー制の導入を同じ答申にもぐりこませて、しゃあしゃあとしている、等々、愚昧は私たちのほうにこそある。
2007年 2月 16日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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