ウイグルで十年前に
新疆ウイグル自治区のグルジャ(Gulja、中国語では伊寧 Yining)という都市で、10年前の1997年2月5日から6日にかけて、中国人民解放軍によるウイグル人市民の虐殺事件(犠牲者は100名を越すと考えられている)があったということをアムネスティ・インターナショナルの記事 "Remember the Gulja massacre?" で知った。在米のウイグル人活動家 Rebiya Kadeer さんは、直後の7日もしくは8日にグルジャに入り、住民への聴き取り調査を行なっている時に警察に拘束され、デモ参加者が射殺される場面などのビデオを見せられたと証言している。アルジャジーラの記事や、在米ウイグル人団体のサイトなどによれば、この虐殺事件の真相が10年経った今になっても未だに何も解明されていないとして、ワシントンの中国大使館前などで抗議デモが行なわれたようだ。
私がこの記事を書いている時点で、アムネスティのサイトにあるレビヤ・カデールさんの「証言」のページは、なぜか "Rebiya Kadeer's personal account of Gulja after the massacre on 5 February 2007" となっている。アムネスティって、ちゃんとした仕事をするところだと思っていたのだけれど、なんとも杜撰だ。というか、2月1日にウェブに載せられた後だれも気づかなかったのだとしたら、人権に対する世界の人々の関心は非常にお寒い状況だと思われる。とりあえず、訂正を申し入れておいた。もっとも、彼女の証言自体、伝聞ばかりで、マニアックな「南京大虐殺は幻だった」派の人たち並みの「検証」を受けたら徹底的に粉砕されそうな、ちょっと危うい感じもする。
2007年 2月 7日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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クルジャ(グルジャ)事件から丁度10年が経とうとしている。鄧小平の死、香港の返還などが相次いだ中国史 続きを読む
受信: 2007/02/07 11:45:29
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コメント
はじめまして。伊寧大屠殺についてとりあげていただきまして有難うございます。
ラビア証言をアップしましたのでTBさせていただきました。
確かにラビア証言は伝聞が多いですが、彼女自身グルジャを離れるときに裸にされて全ての所持品を没収されています。彼女が当時、もし中国人民政治協商会議委員(日本の参議院議員みたいなもの)でなかったならばたぶん逮捕されて拷問され処刑されていたでしょう。それほど中国の情報管制、抑圧はすさまじい。全ての証拠を消し去ったのでしょう。そして暴動はテロリスト、独立派の仕業であると喧伝したのです。
しかし、伊寧大屠殺に関して証言しているのは彼女ばかりではありません。弾圧を逃れて外国に亡命した人も発言しています。伊寧大屠殺にいたったデモ行進の理由について報告された記事を自分のブログでアップしておりますので、よろしくお願いします。
http://kok2.no-blog.jp/tengri/2006/02/199725_167d.html
投稿: kok | 2007/02/07 11:59:14
ウイグルについてのブログを作っていらっしゃるんですね。率直なところ、私にはちょっと「反中国色」が強すぎて共感できないところもありますが、とても勉強になりました。
2005年6月29日の記事で紹介されていたNurmuhemmet Yasinの短編、読んでみました。ご存じかもしれませんが、ここにもヤシンの文章がありました:
http://www.speroforum.com/site/print.asp?idarticle=3818
投稿: うに | 2007/02/07 20:52:43
レス有難うございます。亡命者や中国外の団体や海外の論調のことを紹介するとある程度反中国であるととられるのは仕方がありません。しかし、ひとつだけ言わせていただければ「反ブッシュ色」=反米色、「反安倍内閣色」=反日色であるとは限りません。中共の民族政策を批判していると取っていただければ幸いです。
「野鳩」の作者の作品の紹介有難うございました。こういう文学を発表したり、詩を観客の前で朗読したりするだけで逮捕される国、それが中国です。大江健三郎氏はこういう国を賞賛しているわけです。
投稿: kok | 2007/02/08 23:26:16
>亡命者や中国外の団体や海外の論調のことを紹介
>するとある程度反中国であるととられるのは仕方
>がありません。
お考えは分かりますが、私の言いたいのは、政治的なことではなくて、kokさんが翻訳の中で太字にした部分の三つ目に見られる言葉遣いです。これまたお考えがあるのでしょうが、残念ながら私の今までの経験では、このような言葉遣いをする人でろくな人に会ったためしがないのです。kokさんがその例外になることを祈ります。
この私の意見についてもご意見があると思いますが、そのような言葉遣いで書き込まれた場合、私はコメントを削除するつもりでいますので、お互い不機嫌にならないで済むよう、私のブログにコメントする際は配慮をお願いします。
投稿: うに | 2007/02/09 0:10:23
またレスありがとうございます。直しました。あまり使ったことはなかったのですが書いているうちに感情移入して無性に腹が立ってきたので「罵倒的」な用語を使いました。
自分もろくな人間ではないかもしれませんが、○日本とか言う人たちの気持ちと同じと見ていただいて結構です。
投稿: kok | 2007/02/10 12:57:23
kokさんのブログに苦情を言ったつもりはなくて、「私のところに書き込むのなら、言葉遣いに気をつけてね」という意味だったのです。圧力を感じさせてしまったようで、すみませんでした。
ウイグルの事情については詳しくないので、的外れかもしれませんが、私はあの個所は「ウイグル人か中国人か」と訳すのが妥当だと考えています。「ウイグル人か漢族か」だと、合法的に多民族国家である中華人民共和国の領土内での民族紛争だという、中国政府の敷いた土俵の上での議論になってしまいませんか? 指揮官の発言が「ウイグル人か中国人か」だったなら、中国固有の領土だという建前とは裏腹に、人民解放軍の思考の中では、ウイグル人は中国人だとは認められていないということが暴露されたことになります。そして、そのほうが、占領の不当性を訴え独立を願う人たちの思いに寄り添った解釈だと思います。もちろん、現実の問題はきれいに整理できるわけではないのでしょうけれど。
とここまで書いて、アムネスティのサイトに中国語版があったのを思い出し、見てみると「ウイグル族人か中国人か」ですね。うーん。
投稿: うに | 2007/02/10 16:48:10