« イタリアの米軍基地反対運動 | トップページ | ミサイル防衛への批判強まる »

2007.02.20

恋人たちのための漢英中辞典

郭小櫓(Xiaolu Guo)さんの A Concise Chinese-English Dictionary for Lovers という小説の抜粋を読んだ。郭さんは、中国で映画作りの仕事をする傍ら、6冊の小説やエッセイを出版した後、2004年にイギリスに渡り、この「恋人たちのための漢英中辞典(簡明中英情人字典)」は彼女が英語で発表する初めての作品だそうだ。

抜粋では、「代名詞」「誤解」「自由世界」「ジレンマ」と題された章が紹介されていた。「代名詞」は、イギリスに来て英語学校に通い始めた主人公が「英語では“私”には I と me の二つがある」と言われて「私が二つあるってどういう意味?」と驚くところなどが、非常につたない(という設定の)英語で書かれている。多分に脚色が入っているのだろうけれど、著者自身の経験をもとにしているのだと思われる。私はけっこう「この言語ではこういう決まりになっている」と言われると、あまり悩まずそれを受け入れてしまうほうなので、主人公の姿勢をうらやましくさえ思った。その後の三章では、恋が始まり、育ち、別れが見え隠れする様を読むことができる。自分が留学していたころの心の動きを思い出させるもので、思わず同級生だった中国からの留学生の声や発音を当てはめて読んでしまった。

ステレオタイプをうまく利用しつつ、その中から個を立ち上がらせることに成功した、とても上手な作品だと思う。本も買って読んでみようかな。

The Guardian 紙の評はかなり否定的。The Independent 紙は肯定的。

Tags: , , , ,

2007年 2月 20日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 恋人たちのための漢英中辞典:

コメント

上海に住んでいます。実はこの本、昨日街の本屋で見かけました。エントリーを読んで、読んでみたくなりました(まずはサンプルから)。

投稿: みっく | 2007/02/21 11:22:33

みっくさん、
コメントありがとうございます。私、買うかどうか、まだ迷っています。もしお読みになったら、LLT (勝手に略してすみません)で感想を読ませてくださいね。

投稿: うに | 2007/02/21 21:37:02

この記事へのコメントは終了しました。