カラハリへ帰る
去年の夏、南アフリカから帰る飛行機でボツワナの人と隣り合わせの席になりました。私は多国籍企業による鉱業資源の採掘が環境や地域社会に与える影響に興味があるので、「ボツワナではダイヤモンドの採掘のためにブッシュマンの人たちが政府に立ち退きを命じられていると聞いているが、どう思うか」と聞いてみました。彼女からは「そんなことはない。国は学校を建てたりして彼らの生活を支援していて、彼らも喜んで移住している」という答えが帰ってきました。私はボツワナに行ったことがあるわけでもありませんし、彼女にしたって首都に住み、テレビや新聞で報じられる以上のことを知っているわけでもないので、その話はそこまでになってしまいました。
12月にブッシュマン(正式には San の人たちと言うようです)の訴えが裁判所で認められ、2002年に彼らが退去させられたのは違法な措置だったという判決が出ました。その後、政府は判決は原告に名を連ねた人たちだけに適用されるものだという姿勢を取っていました(それでは家族が離散してしまいます)が、ようやく態度を和らげたため、帰還が始まりました(ワシントン・ポスト紙の1月21日付け、"Expelled Bushmen Return Home")。家畜の持ち帰りが認められるか、医療体勢をどうするかなど、懸案があるようですが。
多国籍企業など大資本による搾取とか、住んでいる場所を追われる人たちの苦難とか、伝統文化と近代化(工業化、西洋化)とか、さまざまな問題との結びつきを持ったニュースです。現地で起こっていることは、報道で伝わって来るのよりずっと大きな事象で、私の知らないことばかりなのだろうと思わずにはいられませんが、国家の言いなりになりたくない人たちが誇りをもって闘い、勝ったということだけにでも、私は価値を見いだします。
上の地図はいつもどおり Perry-Castañeda Library Map Collection から。下の写真は Flickr で DragonWoman さんが CC-by-nc-nd で公開しているものです。2005年8月撮影とあります。
2007年 1月 22日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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