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2007.01.24

ピエール神父を悼む

みなさん、助けてください。今日の午前3時に、一人の女性が寒さのために亡くなりました。セバストポル通りの歩道で、前日に渡された、家からの退去勧告書を手に握ったまま死んだのです。今夜までに、いや明日になっても構いません、毛布5千枚、大きなテント300、調理用のコンロが200個必要です。

1954年の冬の夜、フランスのラジオで一人の神父がこう呼びかけて、ホームレスの支援運動エマユス(Emmaüs)が始まったという。そのピエール神父(Abbé Pierre)が亡くなった。第二次世界大戦下では、レジスタンスの一員として活動し、戦後は一貫して恵まれない貧しい人たち、疎外され社会の端っこに追いやられた人たちのために働いてきた。フランス国民の良心と呼ばれたそうだ(AFP電 "France mourns Abbe Pierre, radical priest and champion of homeless")。

神の愛を信じ、それによって人々を導いた人の死にあたって、こんなことを書くべきではないのかもしれないが、私は神はいないと思う。かつて、神はその愛する息子を通じて、私たちにこう語りかけたと言う:「空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値のあるものではないか」(マタイによる福音書6:26、新共同訳による)。ならば、どうしてボロ布のように搾取される人や、公園にテントを張って暮らしていかねばならない人がいるのか。どうして寒さに震える子どもたち、飲む水もない子どもたちがいるのか。私たちの時代に神はいない。いるのは人ばかりだ。頼れるのは自分たちだけだ。手を差し延べるのは私たち以外にはいない。ピエール神父の歩んだ道に私たちも続こう。

あおざかなさんのブログで、釜パト活動日誌の「Sさんの弁明書」が紹介されていた。私たちがテレビや新聞を通じて無意識のうちに受け容れてしまっている価値観がどのようなものかの問い直しを迫る文章だ。

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2007年 1月 24日 午後 10:10 | | この月のアーカイブへ

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受信: 2007/01/31 7:28:26

コメント

うにさん、おひさしぶりです。
今秘書課がサーバー不調でしまってますので、外に営業に出歩いてます。(^^;
ピエール神父が亡くなったことは、ヤフーフランスのヘッドラインを見て知りましたが、記事を読みながら泣けてしまいました。うにさんが紹介していた、サンマルタン運河のほとりにテントをはる運動をしていた「ドンキホーテの子どもたち」もコメントしていました。秘書課でも書こうかと思いましたが、ちょうどサーバー不調が発生してしまいまして。(T_T)
ピエール神父のまいた種はフランスでは確実に育ち、根を下ろし、大木として育っていて、ホームレス支援運動は国民的規模で行われていますね。うにさんもご存知かもしれませんが、これとか。↓
http://www.alc.co.jp/kaigai/world/chikyujin/0206/1.html
フランスは天国ではもちろんありませんが、こういう活動を日本のような国こそ見習いたいと思うのです。

投稿: 村野瀬玲奈 | 2007/01/24 23:39:21

村野瀬さん、こんにちは。
サーバ、早くよくなるといいですね。流行の風邪?(そんなわけない。)
フランスに関するニュースでは、最近、「家に住む権利」の法制化の話題と、出生率の上昇が同じころに伝えられましたよね。もちろんこの二つに直接的な関係はないのでしょうけれど、日本の政府のやり方と違う「何か」で結びついているような気がします。フランスに限らず、どの国からも、いいところはどんどん学んでいきたいですね。

投稿: うに | 2007/01/25 0:15:57

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