危機言語と美しい国
Language revitalization efforts bloomed in 2006 ― 北米先住民に関するニュースサイト Indian Country Today の記事。先住民言語の保全に向けた最近の各種取り組みが紹介されている。19世紀から20世紀にかけて、先住民の子どもたちが英語を使う学校に通学することになって以来、先住民の諸言語が危機に瀕するようになり、流ちょうな話者があと数人しか残されていないという事例も多いという歴史概観の後、語学学校と提携して英語ではなく自生語で教育を行なうイマージョンプログラムが始められた例が紹介されている。
その他、携帯型の自動翻訳機を導入した例や、学校や店で英語の使用を禁止して自生語の使用を法律で義務づけたネーションの例が紹介されている。また、H.R. 4766: Esther Martinez Native American Languages Preservation Act of 2006 が12月14日に発効したことが報告されている。
こういった取り組みと同じ文脈で語っていいものかどうか分からないけれど、北海道のSTVラジオのアイヌ語ラジオ講座というのがネットで聴けることを最近知った。1999年から続いているらしい。PDFのテキストもある。RealPlayerで聞く形式だが、ポッドキャストになるといいな。話があらゆる方角にズレまくるが、ついでに書くと、ラジオ沖縄には方言ニュースというポッドキャストがある。
いにしえから、私たちの国は「言霊のさきはふ国」(言葉の力で豊かに栄える社会)と言われる。遠い記憶に「日本語には神授の霊的な力が宿っている」みたいな自己陶酔的というか自民族優越的で説得力のない解釈を教えられたような気がするのだが、この歳になってみると、いろいろな文化的な背景を持つ人たちがいて、いろいろな言語が飛び交い、時にお互いに誤解をしながら、徐々に理解しあっていくことで社会は豊かになっていくのだということがよく分かる。「言霊のさきはふ国」って、そういう意味なんじゃないだろうか。私が子どもだったころに比べても、外国語入門書の類の出版はものすごく盛んになったし、いろいろな国の小説が翻訳されて読めるようになった。閉鎖的な人たちのあらゆる努力にもかかわらず、少しずつそういう社会に近づいているのかな、と思ったりする。あ、そうか。これが私の「美しい国」だ。
2007年 1月 5日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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今日は名古屋は朝から雪で、一日家に居ました。年末から頭の中にあった新しい展開構造の図面を少し書きました。それ以外では昨日のバイオリンに続いて久しぶりにピアノの練習をしました。なぜ久しぶりかと言うと、ずっと年賀状の整理にピアノの上が使われていたからです。
それから新年にちらっとドキュメンタリー番組で見ていらい気になっていたダルフールの内戦をネットで調べました。現在進行形のジェノサイトです。アフリカではあちこちで内戦がおき、何十万もの虐殺が起きている現実を改めて知らされました。スーダン ダルフール... 続きを読む
受信: 2007/01/08 21:57:02
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コメント
イヌイットやエスキモーはどうなのかなとぐぐったりすると,ISO コードもあり,フォントも提供されていますね.北米先住民に付いては良く分かりませんでした.中米先住民の一部の言語に ISO コードがあるのは分かりましたが,フォントは謎です.元もと文字を持たなかったのでしょうか….
投稿: 桜田 | 2007/01/05 18:45:50
桜田さん、
合衆国内の先住民で、キリスト教の宣教師たちが考えた書記法ではなく自分たちで書記法を確立したのはチェロキーだけじゃないかと思います。かなりあやふやな知識なので、間違っていたらすみません。
バナー貼ってくださったんですね。ありがとうございます!
投稿: うに | 2007/01/05 23:09:36
こんばんは。
網走にある「北海道立北方民族博物館」がおもしろいみたいですね(ご存知だったらすみません)。
去年の秋に旅行で行ったときに、向こうに住む友達はそこに行くのが目的でした。時間の関係で私は行けなかったのですが。
http://hoppohm.org/
投稿: winter-cosmos | 2007/01/06 0:33:29
はい,青空文庫には大変御世話になっていますので,少ししか出来ませんが協力したいと思います.
投稿: 桜田 | 2007/01/06 1:40:33
網走ですか、遠いなあ。監獄博物館と抱き合わせで旅行を計画するといい感じでしょうか。
署名に関しては、Spiegel さんが、外圧とその批判や賛成と反対といった二元論にしてしまってはいけないという意見を書いていらっしゃいます。自戒をこめてご紹介します。Spiegelさん、バナー貼ってくれてありがとう。
http://www.baldanders.info/spiegel/log2/remark/code/000247.shtml
投稿: うに | 2007/01/06 22:23:28