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2006.11.29

アフガニスタン、5年後

'We are just watching things get worse' ― 英ガーディアン紙に載っていた Natasha Walter さんのアフガニスタンの現状報告。著者はイギリスのフェミニストで、この記事もアフガニスタンの女性たちへのインタビューを中心にまとめられている。タイトルが示すとおり、彼女たちにとって、状況は悪くなる一方である。

アメリカなどの攻撃によりタリバン政権が崩壊した際、アフガニスタンの女性の人権をめぐる状況が改善することをだれもが期待したが、5年後の今日、その期待は裏切られてしまったようだ。2002年に著者がアフガニスタンを訪れた時に見た女性のための識字教室は閉鎖されていた。再び多くの女の子が学校に行けない時代となってしまったのだ。国会には女性議員がいる。それはもちろん、タリバンのもとでは考えられないことではあるが、彼女は常に暗殺の恐怖にさらされている。カルザイ大統領は女性の権利を口にはするが、各地の軍閥などとの連携を政権の基盤としているため、人権政策を実行する力を持ち合わせていない。世界銀行や各国政府からの資金援助も滞りがちで、道路、病院、学校、水道、電気などの復興は立ち遅れ、人々は貧しいままだ。

女性たちは、英米などの軍隊が撤退したら、状況はさらに悪くなるだろうと言っているとウォルターさんは書いている。それはおそらく現時点では正しい感じ方なのだろうけれど、だからと言って、外国の部隊が残ることによって何かがよくなりもしないだろう。そしてタリバンが今後再び勢力を拡大していけば、駐留軍の存在は人々の暮らしを脅かす存在に変わっていくのではないだろうか。

そのことは、同じ著者による2003年の訪問記を読んでも明らかだ。そこには「テロとの戦い」によって「解放」されたはずのアフガニスタンの女性の、戦争によって家族を失った経験が語られている。確かに、彼女は家から外に出て歩くことができるようにはなった。しかし、同時に、生活を支えていく術を失ってしまったのだ。私たちは、(タリバンのような)独裁と(解放されるべき)抑圧された市民というきれいな二分法が成り立たないことや、いかに私たちが崇高な意識を持ち、いかに邪悪な指導者を倒そうとする時でも、戦争が不可避的に罪のない市民に災いをもたらすこと(それは、アントニオの血を一滴も流すことなしにシャイロックが彼の心臓に最も近い肉を切り取ることができなかったことに似ている)を学ばなければならないはずだ。

これをもって、このブログで半年前に「アフガン戦争にある程度の評価を与える」と書いたのを、全面的に撤回しようと思う。「武力で平和は築けない」という信念をより強固にして、生きていきたい。

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2006年 11月 29日 午前 12:00 | | この月のアーカイブへ

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